クサン川流域における 社会環境保全を指向

平成 17 年 地球環境・プラント活性化事業等調査
「クサン川流域における
社会環境保全を指向した水力発電開発調査」
(インドネシア)
報告書要約
平成 18 年 3 月
東京電力株式会社
第 1 章 要 約
1.1
はじめに
当調査は、「平成17年度 地球環境・プラント活性化事業等調査」において、東京電
力㈱が日本貿易振興機構(JETRO)から委託を受け、カリマンタン島の南カリマンタン州に
位置する出力130 MW の既存水力発電計画の発電規模や設備設計を見直すことにより、
住民移転など社会環境への影響を極力抑えた計画を提案し、我が国 ODA 案件として実現
可能な計画と成り得るか検討するものである。
当地点の調査計画については、1988-1990 年に世界銀行(WB)の資金によって FS が
実施され、その後、1997-2000 年にアジア開発銀行(ADB)の資金によってダム式 130MW
の詳細設計が実施され、入札図書の準備まで行われた。FS 直後に実施された環境影響評
価結果は 1993 年に政府承認を受けたが、インドネシアでの環境影響調査書の有効期間が
承認後3年と決められているため、それは既に失効した。その後 2000 年の詳細設計時に
環境影響調査書の準備まで行われた。しかしながら、アジア通貨危機の影響を受けプロジ
ェクトの実施が進まず、その後は、大規模なダム建設(ダム高 100m)および大規模な住
民移転(670 人/2005 年)等、社会・環境への影響の観点から、現在まで ADB および JBIC
等からの資金的支援が得られず、プロジェクトの実現に至っていない。
PLN は、JBIC との円借款協議において、これまでに何度となく当プロジェクトを協議
の場に出してきた。そして、2005 年にはインドネシア政府からの円借款要請ロングリスト
にも当プロジェクトが掲載され、プロジェクト実現に向け円借款に大きな期待が寄せられ
ている。
カリマンタン島の中央・南・東カリマンタン州においては、現時点で電源の 95%以上を
化石燃料による発電で賄っている。政府目標では 2020 年時点でエネルギーの5%を再生
可能エネルギーにより賄うこととしているが、それに反して、当該地域での今後の電源開
発計画ではほとんどが化石燃料発電に依存している。また、電力需給状況については、40%
以上の供給予備率を確保しており、一見十分な設備容量を有しているように見えるが、現
実的には設備の老朽化などにより所要の発電を行えない設備が多くあり、ジャワ-バリ系
統や他の島嶼系統と同様に電力の需給は逼迫している。
かかる状況の中、本地点は、国家電力総合計画(RUKN/2005-2025 年)に同島で唯一の有
望水力開発地点として 2011 年に 130MW の出力で掲載されており、PLN は環境配慮・電
源多様化の観点から、また、既に詳細設計まで行われているという調査検討熟度の観点か
らも、当プロジェクトの早期実現を強く希望している。
当調査は、JETRO との契約に基づき、東京電力により 2005 年 8 月 22 日から 2006 年
1 月 31 日の約 5 ヶ月間で実施された。この間、計4回の現地調査を実施し、プロジェクト
地点の現地調査、関係機関からの情報収集、PLN との調査・計画方針の調整を行いつつ、
調査・検討を進めた。調査に当たっては、ADB 資金で実施された基本設計・詳細設計のデ
ータを基礎とし、現地の地形測量、地質データ収集、その他収集データを用い、必要によ
り見直しを行った。これらのデータを基に、電源計画および系統計画レビュー、最適発電
計画、現地調査(地形測量・地質調査・水文調査等)、基本設計、環境・社会影響評価、
CDM適用検討、経済・財務分析、事業工程検討が行われた。また、相手国側実施機関の
実施能力、我が国企業の参画可能性および円借款要請に向けたアクションプランを検討し
た上で、プロジェクトの実行可能性の総合的判断を行った。
1.2
1.2.1
調査・計画概要
プロジェクトの位置
当地点はカリマンタン島の南カリマンタン州、クサンウル郡に位置し、マングカラピ村
の近傍、クサン川の中流域に位置する。当地点へは、州都バンジャルマシンから東方のバ
トリチンまで約 270km、さらにバトリチンからプロジェクト地点までは西方に約 80km、
合計約 350km、車で約 11 時間で至る。
<Project Site>
Banjarmasin
Kusan
Project
Site
270km (8hr by car)
80km (3hr by car)
Batulicin
Kusan River
プロジェクトサイト
Project Site
図 1-1 プロジェクトの位置図
1.2.2
調査方針
当調査の目的は、詳細設計(ADB2000)まで既に行われたクサン3水力地点が環境面での
課題が原因で実現に至っていないことに着目し、プロジェクトの実現が可能となるよう環
境に配慮した計画に見直すことにある。当地点の最大の課題は住民移転を伴う計画である
ため、この住民移転を最小限とすることを調査方針とした。また、環境配慮の観点から、
ダム下流の河川機能維持を目的とした維持放流を行うこととし、その放流水を利用した維
持放流発電も発電計画に織り込むこととした。
また、2000 年に詳細設計(ADB2000)が実施されてから既に5年を経過していることか
ら、電源計画、送電計画上の当プロジェクトの位置付けを再確認するとともに、発電計画
見直しに伴い構造物の概略設計を行い、その経済性の確認を行うこととした。
1.2.3
計画概要
インドネシア政府の 2005 年国家電力総合計画(RUKN)及び PLN の電力開発計画におい
て、クサン3水力地点は 2011 年のミドル及びピーク需要対応電源として 130MW で計画
されている。関連する系統については、現時点ではカリマンタン島内の南・中部系統と東
部系統は分離されているが、2008 年には東部系統との連系が予定されており、クサン3水
力は東南中部系統の電源と位置付けられる。
同系統内の電源は、現在、ベース電源として石炭火力が当てられており、今後も石炭火
力がベース電源を担う計画となっている。ミドル及びピーク電源については、現時点では
1 箇所の水力発電所とディーゼル発電設備が使用されているが、東部系統との連系が行わ
れる 2008 年にはディーゼル発電は系統からリタイアされ、これに代わる電源として油焚
ガスタービンの導入が計画されている。
このような電源計画の中で、クサン3水力地点はカリマンタン島で唯一の水力計画地点
であり、
発電コストの高い油焚ガスタービンを代替するピーク電源として期待されている。
検討の結果、2013 年の投入が期待される。
発電計画の検討に当たっては、調査方針に基づき極力住民移転を伴わない計画とするた
め、まず、周辺地元住民の居住状況を調査し、また家屋の設置標高の調査を行った。その
結果、従来計画における貯水池範囲にはパンドゥン村、マティク村およびアイブ村の3つ
の村落があり、パンドゥン村には 7 世帯 33 人、マティク村には 12 世帯 38 人の定住民が住
み、アイブ村には定住民はなく KODECO という伐採業者による被雇用者 120 世帯 600 人
(非定住民:Temporary Residents)が集合住宅内に住んでいる。したがって、従来計画の
場合は 670 人以上(ただし、ADB 詳細設計レポートでは 2000 年時点で 195 名)の住民移
転を伴うこととなる。この内、最も標高の低い地点に定住しているのはパンドゥン村の1
世帯(4 人)で、クサン川と支流(アイブ川)の合流点付近に他の定住者から離れた地点
(標高 112.4m)に住んでいる。次いで KODECO の被雇用者 600 人が標高 128.7m 以上に住
んでいる。その他の住民は標高 130m 以上に住んでいることが明らかになった。
そこで、ダム貯水池により、洪水時においても住民への影響がないように発電計画を検
討した結果、標高 112m 以下に洪水時水位を設定すると発電計画が成り立たないことが判
明し、次善の計画として 600 人の KODECO 雇用者へは影響を与えない、つまり、住民移
転は 1 戸 4 名のみに限定した発電計画で検討を進めることとした。これにより、住民移転
670 人以上の計画を 4 人(1 世帯)の計画へ見直した。
検討の結果、計画の概要は次のとおりである。
クサン川中流域(ADB 従来計画と同じ)に、高さ 69m(越流部高さ 60m)の RCC ダム
を設置し、最大使用水量 141m3/s(ピーク対応発電用 136m3/s、維持放流発電用 5m3/s)、
有効落差 54m で、最大出力 65MW の発電を行う計画であり、年間発生電力量は 98 MWh
が期待される。発電所はダム直下流右岸側に位置し、堤体前面の岩盤部から径 4.0-3.7m、
長さ 218m、234m の 2 条の水圧鉄管により2ユニットの縦軸カプラン水車に導水する。2
号鉄管からは維持放流発電のための 3 号鉄管を分岐させ、使用水量 5m3/s の立軸フランシ
ス水車を設置する。また、3 号発電機が点検等により運転できない場合であっても、5m3/s
の維持放流を継続できるように 1 号鉄管から分岐し放流管を設置する。変圧機は発電所背
面に設置し、その山側に開閉所を設ける。送電線は 150kV、2回線を近傍バトリチン変電
所まで約 80km を設置する。
1.2.4
計画諸元
発電計画諸元 (JETRO2005)は、表 1-1 に示すとおりである。
1.3 プロジェクト費用
従来計画(ADB2000)からの見直しに伴い、プロジェクト費用を見直した。今回提案計画
(JETRO2005)のプロジェクト費用は総額で US$112.4 million(付加価値税除く)であり、
これには、土地補償費、土木工事費、電気機械調達及び据付費、送電線工事費、エンジニ
アリング費、社会環境補償費、管理費、付加価値税、その他予備費を含む。プロジェクト
費用算定に当たっては、土木構造物、電気機械工事、送電線工事について、計画見直しに
伴い新たに算定を行ったが、その他のアクセス道路費やベースキャンプ設置費用などにつ
いては、今回設計の見直しを行っていないため、従来計画(ADB2000)時の工事に為替レー
ト変動を考慮し、2005 年レベルの工事費に見直しを行った。
プロジェクト費用の内訳は、「8.1 プロジェクト費用の積算」に示すとおりである。
1.4 経済・財務分析
発電計画及びプロジェクトコストが見直されたことから、プロジェクトの経済性の評価
を再度行った。評価は、経済性、事業性の両面から行うこととし、EIRR 及び FIRR の算
定を行った。
1.4.1
経済分析
この経済分析において、クサン3水力プロジェクトの代替電源は、発電計画で述べたと
おり油焚ガスタービンとした。
表 1-1 発電計画諸元 (JETRO2005)
No.
1
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
2
2.1
2.2
2.3
2.4
2.5
2.6
2.7
2.8
3
3.1
3.2
3.3
3.4
3.7
3.8
3.9
3.10
3.11
3.12
3.13
3.14
3.15
4
4.1
4.2
4.3
4.4
4.5
4.6
4.7
4.8
Item
HYDROLOGY
Catchment area
Average annual rainfall
Average river flow
Runoff coefficient
PMF inflow peak
RESERVOIR
Full supply level (FSL)
Surface area at FSL
Total storage volume at FSL
Flood water level (1:1000 year outflow)
Maximum flood level at PMF
Minimum operating level (MOL)
Average operating level
Sedimentation level
DAM AND SPILLWAY
Dam crest
Top of parapet wall
River bed
Spillway crest
Tailwater level (Tentative), TWL
Construction flood
PMF peak iflow flood
Main spilway capacity (1:1000 year outflow)
Total spilling capacity (PMF outflow)
Seismic coefficient
Operational basic earthquake (OBE) Horizontal
Operational basic earthquake (OBE) Vertical
Maximum cedible earthquake (MCE)
ENERGY
Installed capacity (31.4MW*2units + 2.2MW*1unit)
Energy (base) per year (maintenance flow)
Energy (peak) per year
Energy (total) per year
Discharge(peak)
Peak operating hours per day
Discharge(base)
Base operating hours per day
5 Efficient
5.1 Plant factor
5.2 Flow utilization ratio
Unit
Data
km2
mm
m3/s
m3/s
771
2,600
35.4
0.56
10,400
m
km2
million m3
m
m
m
m
m
120
8.10
146.8
124.9
128.6
100
117.3
90.0
m
m
m
m
m
m3/s
m3/s
m3/s
m3/s
G
G
G
129.0
129.5
60
120.0
65
350
10,400
3,901
9,816
0.135
0.07
0.035
0.135
MW
GWh
GWh
GWh
m3/s
hours
m3/s
hours
65
17.2
80.6
97.8
136.0
4.0
5.0
24.0
%
%
17.2
78.2
これまでの国際市場での長期原油価格予測は US$30-35/bbl とされていたが、最近の原油
高等の影響を受け、長期的な原油価格は US$50/bbl 程度と見直されつつある。したがって、
燃料価格は、原油価格 US$50/bbl に 30%の精製費用を見込み US$65/bbl として検討を行
った。経済プロジェクト費用を US$96.0million としたときの経済的内部収益率(EIRR)
は 14.2%であり、B/C は 1.17 となる。したがって、クサン3水力プロジェクトは経済的に
実行可能であり、インドネシアの国家経済に有益といえる。
1.4.2
財務分析
インドネシアの電気料金は、アジア通貨危機直後 US ドルベースで US$0.02/kWh まで
低下した価格が、2004 年には US$0.07/kWh まで回復した。そこで、現時点の電気料金を
US$0.07/kWh、年間物価上昇率を 2.0%、プロジェクト費用を US$112.4 million(付加価
値税除く)とした。そのときの財務的内部収益率(FIRR)は 6.3%となる。投資回収率(ROE)、
元利返済カバレッジレシオ(DSCR)はそれぞれ 13.4%、2.90 であり、このときの自己資
本率は 30%とした。
FIRR は民間投資としては低いレベルではあるが、円借款を利用可能な場合は高い ROE
が確保できる。財務的フィージビリティはローンの条件に大きく関わっており、円借款が
適用されるのであれば、実行可能といえる。
1.5 社会・環境
FS 時に作成された環境影響評価書は 1993 年に政府承認を受けたが、インドネシアでの
環境影響調査書の有効期間が3年と決められているためそれは失効した。2000 年の詳細設
計時に環境影響調査書の準備まで行われたが、政府承認を受けるまでは至っていない。今
回の計画見直しの結果は、世界銀行の支援により実施した FS 時の開発規模とほぼ同等で
あるが、プロジェクト地域を取り巻く環境が変化しているため、再度社会・環境面の課題
について調査を行った。
従来計画では貯水池面積 40km2、ダム高 100.5m、出力 130MW であった計画を、ダム
高を 69m と規模を小さくすることにより貯水池面積 8.1km2、出力 65MW とした。これ
に伴い、670 人以上の大規模な住民移転住民を4人(1戸)と、大幅に影響を小さくする
ことができた。当該住民から聞き取りによると、これまで実施してきた漁業は続けていき
たいが、同村内で移転することには抵抗ないとしており、プロジェクト実施後の貯水池内
での漁業も可能であることから、大きな問題に発展することはないと考えられる。
社会環境面の課題としては、プロジェクト地点の全部あるいは一部が、石炭及び金の採
掘権が設定されており、採掘権者から現状の開発状況を確認し折衝を行うことが必要であ
る。また、同様にプロジェクト地点の一部が保護林に指定されており、保護林解除の手続
きを必要とする。
当プロジェクトは、発電において温室効果ガスを発生しない水力発電を行い電力系統に
供給することで、当プロジェクトが行われなければ代替として実施されていたであろう、
火力発電による温室効果ガス(CO2)排出を削減することが期待されるため、CDM への適
用について検討した。
当プロジェクトの対象地域においては、前述のとおり電力需要が急増しており、PLN は、
もし当プロジェクトが実施されなければ、今後ミドル電源となってゆく油焚ガスタービン
発電により、需要に対応せざるを得ないと判断している。したがって、当プロジェクトが
行われない場合に代替電源として利用される油焚ガスタービン発電(65MW 相当)より排
出される CO2 が、当プロジェクトによる排出削減量となる。一方、貯水池内の有機物分解
から生じるメタンガスの放出、従来森林であったならば吸収したであろう CO2 は増加要因
となるため、これらの増加分については差し引くこととした。検討の結果、当プロジェク
トにより 63,993 (t-CO2/year)の CO2 削減が期待される。
なお、追加性に関して、最大の障害は資金的バリアである。当プロジェクトの収益率は、
インドネシアにおける IPP 投資により期待される収益率に比べ極めて低い水準(6.3%)で
あり、当プロジェクトは IPP 等の民間企業による通常の商業プロジェクトとしての実現可
能性は有しない。また、当プロジェクトに対する検討されている JBIC による円借款融資
以外に、PLN は資金調達についてより可能性の高い調達手段を有していない。このため、
当プロジェクトの最大の障害である資金バリアの解決には、円借款が適用されることが極
めて重要である。したがって、当プロジェクトの CDM 化が JBIC からの円借款融資を得る
ために必要であるとの認識が PLN によりなされており、これが当プロジェクトの実現にお
いて最も困難な障害である資金バリアを克服するために必要である。
1.6 プロジェクト実現に向けたアクションプラン
2013 年の運転開始を念頭に早期の工事着工を目指す場合、2007 年上期にはローン契約
を締結し、
継続的に詳細設計ステージおよび建設ステージに円滑に進むことが前提となる。
これら一連のステージのうち最も重要なポイントは、これから 1 年の間にローン契約まで
締結するための事業準備ステージである。しかしながらこの事業準備ステージでは、PLN
内での事業実施方針の策定、EIA の企画と実施、EIA の承認手続き、ローンの審査など多
くのアクションを短期間に完了することが求められ、それぞれのアクションを効率的に実
施しなくてはならない。
円借款要請に向けて、最も重要なステップは環境影響評価である。2013 年運転開始を念
頭に置いた場合、2007 年に借款協定の締結が必要であり、そのためには 2006 年9月頃ま
でに環境影響評価の承認を得なければならない。その際、移転家屋(1 戸)の移転先と補
償内容の確定、砂金採取地元住民への対応方針を定め、合意の取得が必要である。また、
それと併行し、森林保護区の解除手続き、金・石炭採掘権に関する採掘権保有者との協議
及び抹消手続きを進めることが重要である。
1.7 結論及び提案
クサン3水力地点の従来計画は、ダム高 100.5m、貯水池面積 40km2、出力 130MW、
年間発生電力量 242GWh で、670 人以上の住民移転を伴う計画であった。これに対し、環
境配慮の観点からダム及び貯水池規模を縮小させ、住民移転を極力尐なくするという方針
の下、従来計画を見直し、代替案の提案を行った。
調査検討の結果、計画諸元はダム高 69m、貯水池面積 8.1km2、出力 65MW、年間発生
電力量 98GWh となり、住民移転を 1 戸 4 名のみへと削減することができた。また、住民
移転の削減とともに、ダム設置に伴うダム下流域における河川流量減尐の影響を軽減する
ために、維持流量(渇水時流量 5m3/s)の連続的放流を提案した。なお、維持流量を発電
へ有効活用するために、2.2MW の維持流量発電設備も計画した。
プロジェクト費用は総額で US$112.4 million(付加価値税除く)であり、経済的内部収
益率(EIRR)は 14.2 %、財務的内部収益率(FIRR)は 6.3%である。従来計画に比較し、
開発規模が縮小したことにより経済性は低下したものの、
開発の意義は高いと判断される。
当発電所は、中南部及び東部カリマンタン系統のピーク対応電源として位置づけられ、
2013 年頃に運転開始することが期待される。
プロジェクトの早期の実現を図るためには、PLN 自身が早急に環境影響評価を実施すべ
きであり、金・石炭採掘権及び保護林についても住民移転問題と並んで重要な課題である
ため、環境影響評価時に必要な手続きをとることが重要である。