9 鉛直軸の回りに一定の角速度ωで回転している滑らかな水平円盤上の中心にいる A 君が、 円盤上の半径RにいるB君に向かって一定速度 v0 でボールを円盤上で転がした(t = 0)。C 君は円盤の外(静止座標系)でこの現象を観測していた。地球の自転の影響は無視する。 ボールと床の摩擦は無視できるものとする。 t = 0 で静止座標系の x 軸と回転座標系の x’ 軸、および直線 AB は重なっていたとする。 (1)円盤の外の静止座標系で見ている C 君が見たボールの軌跡を求め、図示せよ。 (2)回転座標系で B 君が見たボールの軌跡を求め、図示せよ。 (3)B君がボールを受け取れる条件は何か。そのときの回転座標系でのボールの軌跡を図示 せよ。 (4)ωt<<1のとき B 君の見た軌跡の曲線の近似式を求めよ。 B C 君の見た軌跡 y A 0 (解答) (1) x = vot、y = 0 より B 君の見た軌跡 y’ C 君は x 軸上の等速直線運動を観測する(上図)。 (2)(6.8 式)より x 6 v0t = x′ cos ωt − y′ sin ωt 0 = x′ sin ωt + y′ cos ωt 5 4 x<<1 3 2 を x’y’について解く。または資料 4 の(10)式より ∴ A 0 B 1 0 x′ = vot cos ωt ① y′ = −v0t sin ωt -4 -2 0 2 4 6 -1 2 2 2 ∴ x′ + y′ = (v0t ) -2 -3 B 君はスパイラル曲線(右巻き渦巻き)を描く運動を観測す る。 (下図)(答) (3)一般に N 回転に要する時間は ωt=2πN ∴t=2πN/ω よって N 回転後の x’の値は①より R=v0t=2πv0N/ω 受け取れる条件は ωR=2πv0N (答) 上図は N=1の軌跡 (4)ωt<<1 のとき近似的に sinωt≒ωt、cosωt≒1となる(下記)ので①より x ′ = vo t cos ωt ≈ vo t y ′ = −v0 t sin ωt ≈ −v0 tωt = −v0ωt 2 ゆえに t≒x’/v0 これを代入して ② ∴y’=‐(ω/v0)x’2 ・・・放物線(図の点線)(答) tが 0 に近い最初のうちは真の軌跡(実線)と近似曲線(点線)はほぼ一致する。 テーラー展開(p.261) f ( x) = f (0) + (例) x<<1 のとき 1 df (0) 1 d 2 f (0) 2 1 d n f (0) n x+ x + ⋅ ⋅ ⋅ x + ⋅⋅⋅ 1! dx 2! dx 2 n! dx n sin x = x − 16 x 3 + ⋅ ⋅ ⋅ ≈ x, cos x = 1 − 12 x 2 + ⋅ ⋅ ⋅ ≈ 1 8 x’
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