工業熱力学演習問題 平成 26 年 7 月 24 日 (木) 各問題は 10 点。 問題を見てわかるように、先週、先々週に出題した問題を出している。つまり、 ヤル気があり本気の学生はちゃんと復習をしている。そのため、満点を取れるチャ ンスでもある。 満点近くの点を取れない学生は、復習をしない学生であり、真剣に授業に対応 していないという事になるため、厳しく採点しなければならない。 【問題 1】 ◦ 完全ガス (比熱比 1.66,定圧比熱 5.19kJ/kgK)2.00 kg を動作ガスとして、127 C ◦ と 27.0 C の間で動作する理想カルノーサイクルがある。このカルノーサイク ルで、高温での等温膨張でガスの体積が 1.00 m3 から 5.00 m3 に変化した.1 サイクルに動作ガスが高温源から受ける熱量とサイクルが出力する仕事量を 求めよ. 【問題 2】 ◦ 比熱 185J/kgK で温度 40.0 C の無限に大きな金属物体から熱量 30.0W が流れ 出ている。この金属物体のエンロトピの時間変化 W/K を求めよ。 【問題 3】 ◦ 1.50kg の空気が初め、温度 25.0 C、圧力 140kPa あった。これを一定圧力の ◦ もとで加熱したら温度が温度 250 C になった。空気の定圧比熱を 1.03kJ/kgK、 ガス定数を 287J/kgK として加熱によるエンタルピの変化とエントロピの変 化を求めよ。 工業熱力学演習問題解説 平成 26 年 7 月 24 日 (木) 【解説 1】 カルノーサイクルでは等温膨張の仕事 W3→4 は受ける熱量 Q1 に等しい.高 ( ) ∫ V2 V2 温側 T1 では,Q1 = P1 V1 P dV = mRT1 ln 。カルノーサイクルの熱 V1 V1 T2 であり、サイクルの仕事量は,W = ηQ1 である。これ 効率 η は,η = 1 − T1 を計算すればよい。 ( V2 W = ηQ1 = mR(T1 − T2 ) ln V1 ) 受ける熱量 2.66MJ と仕事量 664kJ 【解説 2】 エントロピ変化は定義通り、次の式で表されるので、数値を代入するだけで ある。 dQ ∆S = T W という単位が J/s であることを忘れた人はいないと思う。本当に定義の式 に入れるだけの最も易しい問題。 エントロピは 0.0958W/K 減少している 【解説 3】 定圧の変化であるので、出入りした熱量は dQ = dU + dW = dH = mcp dT とエンタルピ変化 dH になる。dH = H2 − H1 = mcp (T2 − T1 )。エントロピ 変化は、 dQ dH mcp dT = = dS = T T T これを積分すると、 S2 − S1 = mcp ∫ 2 1 dT T2 = mcp ln T T1 この式に与えられた数値を単位に注意して代入して計算する。 エンタルピは 348kJ 増加した。エントロピは 870J/K 増加した。
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