第11回 (2015/07/02)

工業熱力学演習問題
平成 27 年 7 月 2 日 (木)
各問題は 10 点。
【問題 1】
◦
巨大な鉄の塊がある。この鉄の塊に温度 45.0 C の周囲から 650J の熱が流れ
◦
込んだ。この鉄の塊の温度は 25.0 C 一定であるとするとき、この鉄の塊のエ
ントロピ変化を求めよ。
【問題 2】
◦
◦
熱容量 45.0kJ/K の物体の温度を、加熱して 10.0 C から 120 C にあげた。こ
の物体のエントロピの増加量を求めよ。熱容量は、質量 m と比熱 c の積であ
り、C = mc である。
【問題 3】
空気 (cp = 1.00kJ/kgK,R = 287J/kgK) がある。この空気 1.00kg が、温度
290K,圧力 120kPa から圧縮されて温度 400K,圧力 350kPa になった。この
圧縮でのエントロピ変化を求めよ。
工業熱力学演習問題解説
平成 27 年 7 月 2 日 (木)
【解説 1】
単純なエントロピの計算。温度の変化がないので、
∆S =
∆Q
650.0
W
=
T
25.0 + 273.15 K
である。問題は鉄の塊のエントロピ変化を求める問題である。周囲の方の温
度が高いので熱は鉄の塊に流れたので、エントロピ変化はプラスとなる。
鉄の塊のエントロピ変化は 2.18J/K。
【解説 2】
初めの温度 T1 から T2 まで有限の熱容量 C を持つ物質のエントロピ変化は、
∫
T2
∆s =
T1
T2
dQ ∫ T2 CdT
=
= C ln
T
T
T1
T1
であるので、
エントロピは 14.8kJ/K 増加した。
【解説 3】
気体のエントロピは
(
T2
P2
∆S = m cp ln
− R ln
T1
P1
)
である。これを用いて、計算するとよい。
エンロトピは 15.3J/kgK 増加した。