工業熱力学演習問題 平成 26 年 10 月 23 日 (木) 各問題は 10 点。 【問題 1】 ◦ 圧力 330kPa、温度 287 C で動作するガスタービンの出口圧力は 120kPa で ◦ あった。出口の温度を測ったところ、可逆断熱温度 T2ad よりも 5.00 C 高かっ た。このガスタービンの出口の温度とタービンの断熱効率を計算せよ。ただ し、入口速度、出口速度は無視できるとして計算せよ。また、ガスの定圧比 熱、ガス定数はそれぞれ、1008J/kgK, 287J/kgK とする。 【問題 2】 ◦ 大気温度が 20.0 C,大気圧 101kPa であるとき 重さ 110kg,体積 1.20km3 の ◦ 熱気球を温め、温度を 280 C にあげたときの,正味の上昇力 N を求めよ.た だし,ガス定数は 287J/kgK とする.正味の上昇力とは、実際の浮力から気球 の重さを減じたものである。 【問題 3】 ◦ 圧力 320kPa、温度 30.0 C の空気 (cp = 1.02kJ/kgK, R = 292J/kgK) 中の音 速と、同じ圧力、同じ温度でのヘリウム (cp = 5.02kJ/kgK, R = 2.08kJ/kgK) 中の音速を求めよ。 工業熱力学演習問題解説 平成 26 年 10 月 23 日 (木) 【解説 1】 このガスタービンの断熱効率は η= T1 − T2 T1 − T2ad である。問題から、温度の差を ∆T として、T2 = T2ad + ∆t である。よって、 ( )R/cp P1 を計算すれば、T2ad −→ T2 −→ η と計算できる。 T2ad = T1 P2 ◦ 出口温度は 152 C 、断熱効率は 96.4% 【解説 2】 全体の上昇力 F は熱気球の重さ m と上昇力 Fup であるので F = mg + Fup と P0 V 1 1 なる.つまり,上昇力は Fup = ( − )g − mg となる。 R T0 T 気球の上昇力は 5.58kN 【解説 3】 √ 音速は c = κRT で与えられるので、2つのガスのこの値を計算すればよ い。比熱比 κ = cp /(cp − R) であることを用いて求める。 空気の音速は 353m/s, ヘリウムでは 1037m/s。
© Copyright 2024 ExpyDoc