工業熱力学演習問題 平成 27 年 6 月 4 日 (木) 各問題は 10 点。 【問題 1】 圧 力 100kPa、温 度 300K、体 積 50.0L の 空 気 (cp =1.04kJ/kgK、 R =287J/kgK) を断熱的に圧縮し、圧力を 250kPa にした。圧縮後のこ ◦ の空気の温度を C で答えよ。 【問題 2】 ◦ 高い圧力にあるシリンダー内に質量 52.0kg の気体が温度 25.0 C で入ってい た。しばらくして、圧力と温度は元のままであったが,体積が 4.90% 減少し た。漏れたガスの質量を求めよ。 【問題 3】 複数の気体を決められた比率で混合する気体混合器からのガスの組成を表に 体積割合で示す。 ガス CO2 N2 分子量 M kg/kmol 44.0 28.0 定圧比熱 cp J/kgK 939 1045 体積割合 % 12.0 88.0 ガス 質量割合 % CO2 N2 a) b) このガスそれぞれの質量割合を求めよ.表中の cp は別問題用であるので使わ ない。表には必要な列を加えて計算を示せ。 工業熱力学演習問題解説 平成 27 年 6 月 4 日 (木) 【解説 1】 T V R/cv = 一定、P V cp /cv = 一定、P/T R/cp = 一定 という関係式を用いて計 算すればよい。ここでは、次の式で計算する。 ( T2 = T1 P2 P1 )R/cp ( 250 = 300 100 )(287.0/1040) = 386.3K ◦ 386.3 − 273.15 = 113 C になる。 【解説 2】 始めの気体の質量は,m1 = P V1 /RT であり,漏れた気体の質量は,m2 − m1 で計算できる。変わらないのは P, T であるので P V2 P V1 P V1 m2 − m1 = − = RT RT RT ( ) ( ) V2 V2 − 1 = m1 −1 V1 V1 減少した体積割合を ε とすると、体積比は V2 = 1 − ε,となる。気体の量の V1 変化は, m2 − m1 = m1 {(1 − ε) − 1} = −m1 ε である。変化はマイナスであるので、漏れたことがわかる。体積比の表し方 が分かれば易しいはず。 漏れたガスは 2.55 kg 【解説 3】 混合気体の体積割合が xi であると、それぞれの成分の質量 mi は,ある圧力 P ,体積 V ,温度 T のもとでは, 一般ガス定数は R = 8314J/kmol K である。 として ガス定数は Ri = R P V xi P V x i Mi PV として、mi = = = xi M i Mi Ri T T R RT となる。重量割合は,gi = mi / 行ったように下の表を埋める. ガス CO2 N2 ∑ 平均 分子量 Mi kg/kmol 44.0 28.0 ∑ ガス定数 R J/kgK 188.9 296.8 277.8 mj = xi Mi / 定圧比熱 cp J/kgK 939 1045 1026 ∑ xj Mj であるので、授業で 体積割合 xi m3 /m3 0.120 0.880 1.000 xi M i gi kg/kg a) 5.281 0.176 b) 24.65 0.824 29.93 1.000 この表の gi が埋まっていれば正解。N2 が多いのでその値に近いことがわかる。
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