第113回スライドカンファレンス 平成26年2月22日 S2503 下顎骨腫瘍 近藤智之、常松貴明、山田安希子、工藤保誠、石丸直澄 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 口腔分子病態学分野 1 初診時CT画像 60歳代 女性 4か月前より下顎義歯の不 適合と右側オトガイ部の 知覚鈍麻を自覚し、精 査・加療目的に来院。 下顎は無歯顎で、口腔粘 膜に著変無し。 CT画像で、下顎骨の広範 な骨吸収を認めた。 また、PET-CT及び骨シ ンチにて右第6肋骨及び右 恥骨に骨転移を疑う所見 を認めた。 R○ L 初診時口腔内写真 生検材料 神経周囲への浸潤 PAS D-PAS Ki-67 CK-19 CK-AE1/3 免疫染色 CK-19 CK-AE1/3 S100 EMA SMA UCHL-1 HMB-45 GFAP CD31 (+) (+) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-) 生検材料では: • 顎骨中心性である • 明細胞が主体 (Glycogen rich clear cell) • 上皮性マーカーに陽性 • Ki-67 index>50% • 神経周囲への浸潤 Clear cell odontogenic carcinoma Ameloblastic carcinoma Mucoepidermoid carcinoma Metastatic tumor 手術材料 右側 上方 舌側 頬側 左側 下方 オトガイ 手術材料 CK-19 D-PAS CK-AE1/3 免疫染色 CK-19 (+) CK-AE1/3(+) p63 (+) EMA (一部+) S100 (-) Vimentin (-) p63 類表皮細胞、中間細胞、明細胞が主 体を成し、ごく一部に粘液産生細胞 も観察される。腺腔構造も認める。 Central mucoepidermoid carcinoma 鑑別診断 Clear cell odontogenic carcinoma Malignant myoepithelioma Acinic cell carcinoma Epithelial-myoepithelial carcinoma Metastatic carcinoma 粘表皮癌のグレード評価基準 (WHOより) Cystic component<20% Neural invasion Necrosis 4 or more mitoses/10 hpf Anaplasia 2 2 3 3 4 グレード I グレード II グレード III 0-4 5-6 7以上 (低グレード) (中間グレード) (高グレード) グレードⅢの高悪性度型であり、臨床上も骨転移が認 められている。 Central (intraosseous) mucoepidermoid carcinoma • • • • • 好発部位は下顎大臼歯部 低悪性度の組織像を示すことが多い 予後は良好 粘表皮癌のうち2~4% 由来は異所性唾液腺や歯原性上皮
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