原子核および原子核反応 IABS-IBARAKI 1 ウラン 10-10m 10-14m 半減期 2.455x105y 7.038x108y 4.468x109y 2 原子核の構造 質量数 原子番号 (陽子数) A Z XN 化学記号 中性子数 N=A-Z:通常は省略する 同位体(アイソトープ):陽子数Zが同じで、中性子数Nが異なるもの。 同重体(アイソバー):質量数が等しく陽子数Zと中性子数Nが異なる核種同士。 1 H 陽 子 1 中性子 0 2 H 陽 子 1 中性子 1 同位体 3 H 陽 子 1 中性子 2 3 H 陽 子 1 3 He 中性子 2 陽 子 2 中性子 1 同重体 3 周期表(Periodic Table) 冷却材 H,O,Na,Pb,Bi 構造材 Fe,Cr,Ni,Cu,Ca,C,Si,O 核分裂生成物 FP 遮蔽材 Pb,Fe,Ca,Si,O 核燃料 U,Pu,Th 103 Lawrencium 104 Rutherfordium 105 Dubnium 106 Seaborgium 107 Bohrium 108 Hassium 109 Meitnerium 110 Darmstadtium 111 Roentgenium 113 ?? 4 核図表 5x108y< <5x108< <30d <10ms 同位体比、放射能(α、β、γ)、半減期 5 核分裂反応 核分裂生成物 β β 238U 239Np 核分裂生成物 239Pu 6 ウラニウムサイクル Z N 7 ガンマ線の物質との相互作用 アルミニウム及び鉛のX線とガン マ線に対する一次吸収係数。全 吸収係数μは、光電効果(P.E.)、 コンプトン効果(C.E.)、及び電子 対生成(P.P.)の寄与の和になっ ている。 8 Ge検出器によるガンマ線のスペクトル ガンマ線の透過率 1.17MeV 1.33MeV 660keV 60Co 5.27y 122keV 136keV 57Co 271d 137Cs 30.0y Geの光子減弱係数 自然放射能によるγ線 U,Thの崩壊によるγ線 光電効果 電子対創成 40K コンプトン散乱 単位面積で、単位 質量の物質につ いて光子の減弱さ れる割合 9 放射線の検出の原理 電離作用 放射線による電離作用を利用して放射線を 検出する。陽イオンは負の電極へ、電子は 正の電極へ引き寄せられる。 電離箱、ガイガー・ミューラー計数管、 比例計数管、半導体検出器など。 蛍光作用 シンチレーション検出器:シンチレー ターで発生した蛍光が光電面に当たる と光電子が飛び出し、これがダイノード で増倍される。 写真作用 10 放射線の減衰(復習) dN N dt N N 0 e t T log 2 λ: 崩壊常数 T : 半減期 ウラン235: 7億年 トリウム232: 140億年 カリウム40: 13億年 炭素14: 5730年 トリチウム: 12年 ネプツニウム237: 214万年 11 重核の崩壊系列 232Th 237Np α壊変 長半減期核種の崩壊系列 235U:7.07x108y 238U:4.51x109y 232Th:1.39x1010y 237Np:2.25x106y 208Pb 209Bi 238U 235U は原子炉内で生成 その他 40K:1.277x109y 204Pb:1.4x1017y(自然の 鉛の中に1.4%存在) は系列を作らない 206Pb 207Pb 12 β壊変 同重核の質量放物線(縦軸の一目盛りは約0.001=0.931MeV。ECは電子捕獲 Aが奇数 135Baのみが安定で他の核種は皆 β崩壊によって135Baに変化していく。 Aが偶数 Zの奇偶によってδが正または負の値を取る ので同重核は2δだけずれた放物線上に乗る。 Z,Nともに偶数の 場合は、安定な 同重核がいくつも 存在する 13 エネルギーの変化に伴う中性子の呼び名 軟らかい 中性子の波長(nm) 10 0.1 1 0.01 硬い 0.001 0.0001 原子炉中の中性子の速度 Maxwell分布 0.00001 F(v)= Cexp(-mv2/2kT) 低エネルギー中性子 超 冷 中 性 子 熱 中 性 子 冷 中 性 子 熱 外 中 性 子 300K 20K 1meV 1meV 高エネルギー中性子 中 速 中 性 子 高 速 中 性 子 2000K 1eV 1keV 中性子エネルギー 1MeV 中性子速度(エネルギー)分析 (飛行時間法) t=72.3xL/√En t:ms、L:m、En:eV 熱中性子 1/40eV 2200m/s 1GeV ド・ブロイ波長 λ=h/mv=0.905 /√En 高エネルギー中性子の場合 相対論の補正を必要とする 14 電子と陽子(中性子)のエネルギーと速度 E mc 2 m0 c 2 1 2 2 1 3 2 2 v m0 c m0 v m0 v 2 2 8 c 2 x ( x 2) Ek x x 1 m0 c 2 Relationship between Energy and Velocity 1.2 1.0 0.8 v/c M0c2 = 0.511MeV for electron 938.3MeV for proton 939.6MeV for neutron Electron 0.6 Proton 0.4 光の速度 c=3x108m/s 0.2 1mを飛ぶのに掛かる 時間 3.33ns 0.0 10-3 10-2 10-1 100 101 102 103 104 105 Particle Energy (MeV) 15 粒子の速度 mc m0 c Ek 2 x 2 Ek m0 c 2 1 2 m0 c 2 1 m0 c 2 Ek 2 Ek x m0 c 2 1 1 2 1 x m0 c 2 2 2 1 2x x 2 1 2x x 2 1 2 1 (1 x ) (1 x ) 1 x x( x 2 ) x 1 Ek 1000 MeV 1.066( 1.066 2 ) 1000 1.066 0.875 938 1.066 1 v 2.625 10 8 m / s x 16 原子核の質量 原子核の質量 C の原子量の1/12を単位として原子量を測る(1amu)。 1amu = 1.66054x10-24g = 931.494 MeV/c2 A (Z+N)の質量数を持つ原子核の質量は凡そ A amuであるが、 正確にはZ個の陽子とN個の中性子の重さよりも僅かに軽い。 12 6 単収束磁場偏向型 質量分析計 m/z=r2H2/(2V) 17 質量欠損 A(Z+N)の質量数を持つ原子核のおおよその重さ M 0 ZM H A Z M n Z 1.007825 A Z 1.008665 質量欠損(実際の重さとの差) M M 0 M , Mc 2 f MA A f 原子核の結合エネルギー 質量欠損の実際 M Z 0.008665 0.000840 f , A A M 8.0MeV A Mc 2 / A 核子当たりの結合エネルギー 18 原子核質量の半実験公式 M ( Z , A) ZM (11H ) ( A Z ) M n M , M a1 A a 2 A 2 / 3 a3 Z 2 / A1 / 3 2 A a 4 Z / A ( A, Z ) 2 ・体積の効果:核子当たりの結合 エネルギーはほぼ一定 ・表面積の効果:表面の核子は結合 の度合いが少ないことに起因する ・電気的斥力:陽子の間に働く斥力 U=3/5*(Ze)2/R erg ・中性子陽子対効果:対を作った方が安定 ・AとZ奇偶による安定度 安定度:Z=偶数、N=偶数δ= -0.036A-3/4 Z=奇数、N=奇数、δ= 0.036A-3/4 A=奇数 δ=0 19 原子核の安定性 20 原子核魔法の数 調和振動子ポテンシャル スピン・軌道項の影響 記号s,p,d,f,g,hは角運動量ℓ=0,1,2,3,4,5 を意味する。 各状態に入る粒子数は2(2ℓ+1)。 (b). 図に示す形のポテンシャル(R~ 10fm)に対するエネルギー準位。 (a)の 縮退が解け,陽子(あるいは中性子)数が 2,8,20,34(1f),40,58(1g),68(2d),70(3s), 92(1h),106(2f),112(3p)のところで かなりのギャップが存在する。 (a)原子核のエネルギー準位.(1d,2s),(1f,2p)など は縮退(すなわち,エネルギーが同じ)している。 (c)(b)の準位に対するスピン・軌道項 の影響。s準位以外は各準位が2つに 分かれ,j=ℓ+1/2は低く,j=ℓ-1/2は高く なる。分裂の大きさはℓと共に増加し、 図に示すように魔法数が得られる。 21 原子核反応 a X Y b X (a, b)Y a:入射粒子 X:標的核 Y:残留核 b:放出粒子 弾性散乱、非弾性散乱 核変換(捕獲、吸収) 反応の前後で、エネルギー(質量を含む)と運動量が保存する 発熱反応:反応によって新たな運動エネルギーが発生する場合。 吸熱反応:運動エネルギーが減少する 22 反応断面積(Reaction Cross Section) 弾性散乱、非弾性散乱 核変換(捕獲、吸収) 核分裂 断面積 = 反応の収量 Yab d N x d na ab s 1cm 2 毎秒標的核1個当たりに起こる反応の数 毎秒1cm2当たりに入射する粒子の数 面積の次元(cm2)を持つ。通常10-24cm2(バーン) dℓ a na b σab Nx 23 中性子反応 鉄やウランでなぜ共鳴が起きるのか 規則的なように見える n+ En D =10 eV En AX ターゲット核 γ線を出して崩壊 n+ 1H 2.225MeV 2D D =100 keV Sn =10 MeV 中性子結合エネルギー 複合核 A+1X 24 水素と炭素の中性子断面積 炭素(Carbon) 水素(Hydrogen) 25 鉄の断面積 26 ウランの中性子断面積 27 中性子の特徴 ①電荷を持たないために物質のどこへでも浸透していくこと ができる。 ②低いエネルギーの中性子ではド・ブロイ波長(中性子が 波の性質を示すときの波長)が固体での原子間距離程度 の大きさに近い。 ③磁気モーメントを持っているために物質の磁気的な性質を 調べる道具となり得る。 材料や生物体研究のためのプローブ(探索子)として 使用されている。 発見:1932年J.Chadwick 質量:939MeV/c2 平均寿命:887s 内部構造:udd n→p+e+ne 電荷:0 ド・ブロイ波長(熱中性子):0.181nm スピン:1/2 異常磁気モーメント:-1.913mN 28
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