力学 II 追試験問題(平成25年度) 問 1 質点に対して慣性空間に固定された定点 O から中心力が働いて運動している.質点の位置ベ クトルを r ,r 方向の単位ベクトルを e r ,中心力を f ( r ) er と表す. (1) 質点に働く力の点 O のまわりのモーメントを求めよ. (2) つぎのことを示せ. (i) 質点の点 O のまわりに持つ角運動量が保存される. (ii) 質点が一定の平面内で運動する. 問 2 図に示すように中心を O とする半径 a の中空円筒の 内面を,中心を C とする半径 b, 質量 m, 慣性モーメント I O の円柱がすべることなく転がる.このときの円柱の運動につ いて,つぎの問いに答えよ. a A (1) 円柱が転がった時に OC が鉛直となす角を とし,こ の時,円柱上の点 A が A に移動したとする.CA が鉛直 となす角を とするとき ( a b) b がなりたつこと C b A を示せ. (2) 接触点に働く摩擦力を F とするとき,円柱の重心の運動方程式と回転の運動方程式を , に よって表せ. (3) が十分に小さいとき,円柱の重心が O のまわりに振れる運動の周期を求めよ. 問 3 剛体の運動をその慣性主軸による座標系で表示するとき,オイラーの運動方程式が成り立つ. dω1 ( I 2 I 3 ) ω2 ω3 N 1 dt dω2 I2 ( I 3 I1 ) ω3 ω1 N 2 dt dω3 I3 ( I1 I 2 ) ω1ω2 N 3 dt I1 主軸(第 3 軸: 軸)のまわりに軸対称の剛体が,慣性空間に固定された点 O で固定されていて, 剛体は点 O からの束縛力以外には力を受けない.つぎの問いに答えよ.ただし, I 3 I1 が成り立 つものとする. (1) ω3 n (一定)となることを示せ. (2) ω1 , ω2 を求め,角速度ベクトル ω が剛体の主軸( 軸)のまわりに 軸となす角を維持しな がら円運動を描くことを示せ. F 解答 問1 (1) 質点に点 O から中心力 f (r) が働いているものとする.O のまわりの力のモーメントは r 方 向の単位ベクトルを er とすると z N r F r [ f ( r ) er ] 0 (2) (i) dl / dt N 0 より,l =一定となり,角運動量の大き V l さと方向は一定である. f (r ) r m O (ii) l は r と V に直交していることから,l は r と V で張 y られる平面の法線ベクトルである.l が一定ならば,質点の O からの位置ベクトル r と速度 V を含む平面も不変であり,質 x 点は,力の中心 O を含む一定の面内で運動している. 問2 (1) 円柱の公転角が で自転角が である.円筒と円柱は接触点ですべりがなく転がるから a b( ) 時間微分して ( a b) b . [別解]接触点 Aは瞬間中心であり,点 Aからみた C の速 度は b ,点 O からみた C の速度は ( a b) .両者は一致す るから ( a b) b . O (2) 円柱の重心の運動方程式 m ( a b) mg sin F a A 回転の運動方程式 I F b C (3) F, を消去すると A a b m ( a b) b2 I mg sin mg b2 sin ( a b)( mb2 I ) が微小の場合,これは単振動の式となるから, T 2 ( a b)( mb2 I ) mg b2 (参考)例えば円柱の慣性モーメント I mb2 / 2 を代入すれば T 2 3 ( a b) 2g となり,長さ l ( 3 / 2)( a b) の単振り子に相当する. C b A F (1) 剛体は固定点 O からの束縛力以外には力を受けない.軸対称( I1 I 2 )であり,O のまわり の力のモーメントが 0 であるから 問3 dω1 ( I1 I 3 ) ω2ω3 dt dω2 I1 ( I 3 I1 ) ω3ω1 dt dω3 I3 0 dt I1 第 3 式を積分すると n O 3=一定=n (2) 第 1 式,2 式より dω1 I1 I3 n ω2 dt I1 dω2 I3 I1 nω1 dt I1 I I d ω1 I1 I 3 dω2 n 3 1 2 dt I1 dt I1 2 3 2 n ω1 これを解いて 1 O I I ω1 a cos 3 1 n t I1 I I ω2 a sin 3 1 n t I1 ω と のなす角 を描く. n a 2 tan a / n .剛体からみた角速度 ω は 軸のまわりに角度を維持しながら円運動
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