茨木労働基準監督署 - 大阪労働局

大阪労働局
Press Release
茨木労働基準監督署発表
平 成 2 8年 6 月3 0 日
労働安全衛生法違反の疑いで書類送検
−いわゆる労災隠し−
茨木労働基準監督署(署長 石和田 隆之)は、平成28年6月30日、事業者Aほ
か 2 名を労働安全衛生法違反の疑いで、大阪地方検察庁に書類送検した。
記
1
被疑者
(1)A(2次下請業者の応援として施工する者)
所 在 地:大阪市淀川区
事業内容:鳶工事業(個人事業主)
(2)元請業者(ニットクメンテ株式会社)の現場代理人B
(3)2次下請業者(株式会社鳶心)の代表取締役C
2
違反条文等(別添参照)
労働安全衛生法違反
労働安全衛生法第 100 条第 1 項
労働安全衛生規則第 97 条第 1 項(労働者死傷病報告)
労働安全衛生法第 120 条第 5 号(罰則)
刑法第 60 条(共同正犯)
刑法第 65 条第 1 項(身分犯の共犯)
3
事件の概要
被疑者Aは、大阪市淀川区に事務所を置き、鳶工事業を営む事業者、被疑者Bは、
大阪府茨木市内のマンション大規模修繕工事現場における元請の現場代理人、被疑者
Cは、同工事現場において仮設足場の組立て及び解体等の工事を施工する2次下請の
代表取締役である。
平成27年8月10日、被疑者Aの労働者が、上記の工事現場で仮設足場の解体
作業に従事中、足の指を脱臼する負傷をし、4日以上休業する労働災害が発生した
が、被疑者A、被疑者B及び被疑者Cの3人は、共謀のうえ、遅滞なく、労働者死
傷病報告書を茨木労働基準監督署長に提出しなかったもの。
4
参考事項
(1)労働者死傷病報告書について
労働者が業務上負傷し、その療養のため休業した場合は、事業場・災害発生現
場を所管する労働基準監督署長に対し、労働者死傷病報告書を提出することが法
令で定められている。
労働安全衛生法が労働者の業務上の負傷等について、事業者に対して所轄労働
基準監督署長への報告を義務付けているのは、労働基準行政として災害発生原因
等を把握し、当該事業場に対して同種災害の再発防止対策を確立させることはも
とより、以後における的確な行政推進に資するためであり、労働災害の発生状況
を正確に把握することが労働災害防止対策の推進にとって極めて重要なことであ
ることから、その根底を揺るがしかねない報告懈怠に対しては、厳正に対処する
こととしている。
(2)請負関係等について
元
請:ニットクメンテ株式会社(被疑者Bが現場代理人)
↓
工事発注
↓
工事発注
1次下請
2次下請:株式会社鳶心(被疑者Cが代表取締役)
↓
応
応援要請
援:(被疑者Aが個人事業主)
別
紙
労働安全衛生法
(昭和四十七年六月八日法律第五十七号)
(報告等)
第百条第一項
厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律
を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業
者、労働者、機械等貸与者、建築物貸与者又はコンサルタントに対し、必要な事項を報
告させ、又は出頭を命ずることができる。
(罰則)
第百二十条
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
五
第百条第一項又は第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告を
し、又は出頭しなかつた者
労働安全衛生規則
(昭和四十七年九月三十日労働省令第三十二号)
(労働者死傷病報告)
第九十七条第一項
事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくは
その附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したとき
は、遅滞なく、様式第二十三号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなけれ
ばならない。
刑法
(明治四十年四月二十四日法律第四十五号)
(共同正犯)
第六十条
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
(身分犯の共犯)
第六十五条第一項
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分
のない者であっても、共犯とする。