情報・計測 No. 5-12 周囲の汚染に影響を受けない 放射性セシウム検出器 東京電力福島第一原子力発電所の事故による環境中の放射性セシウムの中で、134Cs が2本のエネルギーを持ったガンマ線を同時に放出するのを利用し、遮蔽体などを用い ないで周囲からのガンマ線を遮断できる新しい検出器です。 技術の特徴 134Cs 本装置の構成例です。①同時計数される2本のガンマ線をデジタ ルオシロスコープ上の時間情報で解析し134Csを弁別する。また、 ②遠くの134Csからのガンマ線が2つの検出器に入る可能性はほ とんどないが、近いとその可能性が非常に高い(注)ことを利用し、 試料中の134Csを測定、あるいは環境中でその場測定します。 134Csの半減期は137Csより短いが、 137Csは計測されない ので、高汚染区域では今後も十分に利用可能です。 134Cs (注) 2個のγ線検出器の同時計数を行うことで、測定装置の検出効 率は、各検出器の検出効率の積となる。1個のγ線検出器の検出効率 は、検出器と被検体との距離の2乗に反比例するため、本発明の測定 装置では距離の4乗に反比例することになります。 ガンマ線計測部(シンチレータ) デジタルオシロスコープ -40 -60 -80 -100 -120 -140 -160 0 20 ch1 従来技術との比較 1 測定試料の遮蔽包囲体が不要 2 時間解析で弁別するため、スペクト ル解析などが不要 研究のステージ 40 60 80 100 ch2 想定応用分野 利用分野 1 134Csを含む放射性物質の除染作業 2 134Csを含む放射能汚染のマッピング 3 樹木などの非破壊その場測定 知財関連情報 特開2014-025895 試作検討段階(デモ機で実証済み) RADIOISOTOPES Vol.64 (2015) No. 5, p.311-318 [email protected]
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