週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 2 月 20 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
2 月 21 日から 2 月 27 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):期間の前半は、短い周期で日本付近をトラフが通過し、天気は数日の周期で変わる。明日(21日)は、低
気圧が発達しながら日本付近を進むため、北日本中心に荒れた天気や大荒れの天気となる所がある。また、期間の中頃は、低気圧
が日本海と日本の南岸を進むため、北日本や西・東日本の太平洋側では雨または雪が降る所がある。低気圧通過後は一時的に冬型
の気圧配置となるが、長続きしない。期間の終わりは、日本の南に前線が停滞して、全国的に雲が広がりやすくなる。沖縄・奄美
は、気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多い。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、オホーツク海付近に寒冷渦があり、中国東北区がトラフで負偏差、日本のはるか東が
リッジで正偏差。日本付近は全国的に正偏差となっている。予報期間は、オホーツク海付近に寒冷渦が停滞して、バイカル湖の西
でリッジ、中国東北区付近がトラフ、日本の東ではリッジとなる。日本付近は全国的に正偏差の状態が続く。
●23日:5400m付近のリッジが日本の東に進み、5340m付近のトラフが日本海に進む。地上では、前線を伴った低気圧が北日本に進
み、東日本の南の下層シアー上に低気圧が発生して三陸沖へ進む。また、気圧の谷が日本の南岸を東進する。全国的に雲が広が
りやすく、北日本と東日本日本海側と西・東日本の太平洋側沿岸では雪または雨の降る所がある。
●24日:5280m付近のトラフが日本の東に進む。地上では、低気圧がオホーツク海と日本の東を進み、1つにまとまりながら千島
近海で発達する。日本付近は冬型の気圧配置となる。また、東日本の南岸では下層のシアーが残る。日本海側では曇りで雪や雨
の降る所が多い。太平洋側は晴れる所があるが、寒気や気圧の谷の影響で雲が広がりやすい。
●25日~26日:長波のトラフがゆっくりとバイカル湖付近から中国東北区に進む。日本付近には5400mの正渦が断続的に移流す
る。26日には5700m付近のトラフが、長江下流域に進んでくる。日本付近は、西北西からゾーナルの流れが続く。高気圧が黄海
付近から日本付近に進み、西から冬型の気圧配置は緩んでくる。26日は、高気圧が日本の東に進み、西日本から次第に高気圧
後面となり、前線が東シナ海で発生する。25日は、日本海側では雪や雨が降る所が多い。太平洋側では晴れる所が多いが気圧
の谷や寒気の影響で雲が広がる所もある。26日は、北・東日本日本海側で雪または雨が降り、その他の地域では晴れる所が多
いが、西日本や東日本の南岸では、前線の影響や下層シアーの影響で雲が広がりやすい。
●27日:長波のトラフが、華北付近に進んできて、日本付近は西南西の流れとなる。地上では、高気圧は日本の東に離れて、日本
付近は気圧の谷場となってくる。また、日本の南には前線が停滞する。北日本の太平洋側では晴れる所もあるが、全国的に雲が
広がりやすい。
●沖縄・奄美:気圧の谷や湿った気流の影響で、曇りや雨の日が多い。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:23日に予想される低気圧の位置は、北日本付近が全体の約8割、三陸沖が全体の約3割、日
本の南(北緯30度付近)が全体の約2割、本州の南岸付近が全体の約3割。(重複あり)北日本の低気圧が主体のものが多い
が、日本の南岸の低気圧を主体に発達するメンバーが4分の1程度ある。
・ スプレッド:昨日資料と比べて、2日目と5日目は同じかやや縮小したが、他は拡大した。特定高度線は、期間の前半まで概ね
揃っているが、期間の終わりは各線ともバラつきが大きくなる。
・ 降水頻度分布:昨日資料と比べて、23日から24日にかけて日本付近にかかる高降水頻度域は減少した。
・ 予想T850時系列:沖縄・奄美は、数日の周期で正偏差と負偏差で変動する。北日本~西日本にかけては期間の前半に正偏差の所
があるが、概ね負偏差が続く。
2.防災事項等
・ 明日(21日)は、発達する低気圧の影響で、北日本中心に荒れた天気となり、大荒れの天気となるおそれがある。また、北日
本では大雨や大雪のおそれがある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 南北に連なる深いトラフが日本の東に抜け、500hPaの流れはゾーナル。次の5400m付近のトラフが夜にかけてボッ海付近に進む。
本州付近は、次第に日本海に中心を移す高気圧に覆われるが、東日本の南海上は気圧の谷となる。また、北日本では北海道を中心
に冬型の気圧配置が続き、夜には東シナ海から九州付近で気圧の谷が顕在化する。
・ 北日本から東日本の日本海側でははじめ雪の降る所もあるが概ね曇りで、東日本では晴れる所もある見込み。北日本から東日本の
太平洋側や西日本は概ね晴れるが、気圧の谷の影響で後半ほど雲が多く雨や雪の降る所がある。高気圧の縁辺を回り湿った空気が
流れ込む南西諸島は全般に曇りで、顕在化する気圧の谷の影響で夜には雨の降る所がある見込み。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北~西日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。
・ 北~西日本の太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく、期間の前半
は雨または雪の降る所がある。
・ 沖縄・奄美は、気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多い。
・ 最高気温・最低気温ともに、北日本と東日本では、期間の前半は平年並か平年より高く、期間の後半は平年並から平年より低い。
西日本と沖縄・奄美では、平年並か平年より低い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。