平成 27 年 3 月 12 日発行 兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) 平成 27 年第 10 週(3 月 2 日~3 月 8 日) 兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) Hyogo Infectious Diseases Weekly Report 全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です) インフルエンザ 定点あたり患者数は今週 3.58 人(先週は 5.05 人)とさらに減少しました。定点あたり患者数 20 人以上 の地域はなく、朝来保健所管内のみが定点あたり患者数 10 人以上となっています。 直近の 5 週間に報告された患者 8,581 人の年齢分布は、5~9 歳 34%、4 歳以下 20%、10~14 歳 19%の順 で、15 歳未満が全体の 73%を占めています。 インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは今シーズン 232 人の報告があり、うち 40 人 が集中治療室、人工呼吸器、脳波検査等を利用しています。患者の年齢分布は、80 歳以上 33%、1~9 歳 22%、 70 歳代 13%、1 歳未満 9%の順で、60 歳以上が全体の 53%を占めています。 学級閉鎖等の状況では、今週は 31 件(先週は 46 件)の臨時休業が報告されています。内訳は休校1件、 学年閉鎖 1 件、学級閉鎖 29 件、施設別では幼稚園 5 件、小学校 24 件、中学校 2 件で、阪神北と淡路を除く 地域から報告されています。 当研究所では今シーズン、県内の患者から AH3N2 亜型(A 香港型)148 件、AH1N1pdm09 1 件、B 型 (山形系統)14 件のインフルエンザウイルスを検出しています。このうち 1 件は AH3N2 亜型(A 香港型) と B 型(山形系統)の重複感染でした。 インフルエンザの予防として、手洗い、うがい、咳エチケットの励行、マスクの着用など、インフルエン ザに罹らない、広げない対策が重要です。また、感染が疑われる場合は早めの受診が重要です。 流行ランク インフルエンザの定点あたり患者発生状況(県内) 50 平成23年 平成24年 40 1 2 3 4 平成25年 平成26年 30 ~ ~ ~ ~ ~ 0 1 2 3 1 2 3 4 ~ ~ ~ ~ ~ 0 1 2 3 1 2 3 4 ~ ~ ~ ~ ~ 平成27年 人 20 10 8週 9週 0 1 2 3 1 2 3 4 10 週 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 (例年の地域別患者数を基準に流行状況を色分けしています。 ) 週 感染性胃腸炎 定点あたり患者数は今週 9.21 人(先週は 7.98 人) と増加しました。施設・学校における感染症集団発 生では、今週は 1 件(先週は 3 件)の報告がありま した。 感染性胃腸炎の患者は、この時期、ノロウイルス によるものが多いと言われています。ノロウイルス は患者の大便や吐物中に大量に含まれており、感染 感染性胃腸炎の定点あたり患者発生状況(県内) 20 平成24年 16 平成25年 14 平成26年 12 平成27年 人 10 8 6 力が非常に強いウイルスです。感染を拡大させない 4 ためには、手洗いの励行を基本に、吐物などの後始 2 末を素手で行わない、二枚貝類は十分に加熱して食 べるなどの注意が重要です。 平成23年 18 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 ~ ~ ~ ~ ~ 0 1 2 3 平成 27 年 3 月 12 日発行 定点あたり患者数の上位 10 位の疾病 疾病名 定点あたり患者数 今週 増減 疾病名 先週 定点あたり患者数 今週 1位 感染性胃腸炎 9.21 7.98 +1.23 2位 インフルエンザ 3.58 5.05 -1.47 3位 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 2.50 2.20 +0.30 4位 手足口病 0.77 0.57 +0.20 5位 水痘 0.51 0.43 +0.08 6位 増減 先週 RS ウイルス感染症 0.48 0.47 +0.01 咽頭結膜熱 0.41 0.36 +0.05 突発性発しん 0.41 0.50 -0.09 9位 流行性角結膜炎 0.40 0.31 +0.09 10 位 伝染性紅斑 0.22 0.14 +0.08 7位 全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です) 1 類感染症 2 類感染症 3 類感染症 4 類感染症 5 類感染症 平成 27 年 9 週までに診断 されたものの 報告遅れ 報告はありません。 結核 38名(神戸市 13 名、尼崎市 2 名、姫路市 1 名、西宮市 4 名、芦屋保健所管内 2 名、 伊丹保健所管内 5 名、宝塚保健所管内 2 名、明石保健所管内 3 名、加古川保健所管内 3 名、 加東保健所管内 2 名、洲本保健所管内 1 名) 腸管出血性大腸菌感染症 1名(有症者 1 名、うち HUS 0 名)(神戸市;O157 VT2;女性 7 歳)(累積報告数 7 名;有症者 5 名、うち HUS 0 名) A型肝炎 1名(洲本保健所管内;男性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明) レジオネラ症 1名(芦屋保健所管内;肺炎型;男性 90 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路: 不明) カルバペネム耐性腸内細菌感染症 3名(①姫路市;Enterobacter cloacae;男性 70 歳代; 感染地域:兵庫県;感染経路:不明、②西宮市;Klebsiella pneumoniae;男性 50 歳代;感 染地域:国外;感染経路:腎移植後尿路感染、③加古川保健所管内;Proteus mirabilis;女 性 80 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:以前からの保菌) 急性脳炎 1名(伊丹保健所管内;ヒトメタニューモウイルス;男性 3 歳;感染地域:兵庫 県;感染経路:不明) 侵襲性肺炎球菌感染症 1名 目で見る動向(県内) A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の 定点あたり患者発生状況(県内) 手足口病の定点あたり患者発生状況(県内) 4 平成23年 3 平成23年 2.5 平成24年 平成24年 3 平成25年 平成25年 2 平成26年 平成26年 平成27年 人 1.5 1 平成27年 人 2 1 0.5 0 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。 また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。
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