兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) - 兵庫県立健康生活科学研究所

平成 27 年 3 月 5 日発行
兵庫県感染症発生動向調査週報(速報)
平成 27 年第 9 週(2 月 23 日~3 月 1 日)
兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター)
Hyogo Infectious Diseases Weekly Report
全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です)
インフルエンザ
定点あたり患者数は今週 4.97 人(先週は 7.34 人)とさらに減少しました。定点あたり患者数 20 人以上
の地域はなく、加東、福崎、朝来の 3 保健所管内が定点あたり患者数 10 人以上となっています。
直近の 5 週間に報告された患者 13,073 人の年齢分布は、5~9 歳 34%、4 歳以下と 10~14 歳が各 20%の
順で、15 歳未満が全体の 75%を占めています。
インフルエンザの入院患者を対象とするサーベイランスでは今シーズン 228 人の報告があり、うち 39 人
が集中治療室、人工呼吸器、脳波検査等を利用しています。患者の年齢分布は、80 歳以上 32%、1~9 歳 22%、
70 歳代 13%、1 歳未満 9%の順で、60 歳以上が全体の 53%を占めています。
学級閉鎖等の状況では、今週は 46 件(先週は 63 件)の臨時休業が報告されています。内訳は学校閉鎖 2
件、学年閉鎖 11 件、学級閉鎖 33 件、施設別では幼稚園 8 件、小学校 34 件、中学校 3 件、その他 1 件で、
淡路を除く地域から報告されています。
当研究所では今シーズン、県内の患者から AH3N2 亜型(A 香港型)148 件、AH1N1pdm09 1 件、B 型
(山形系統)14 件のインフルエンザウイルスを検出しています。このうち 1 件は AH3N2 亜型(A 香港型)
と B 型(山形系統)の重複感染でした。
インフルエンザの予防として、手洗い、うがい、咳エチケットの励行、マスクの着用など、インフルエン
ザに罹らない、広げない対策が重要です。また、感染が疑われる場合は早めの受診が重要です。
インフルエンザの定点あたり患者発生状況(県内)
50
平成23年
平成24年
40
平成25年
平成26年
30
1
2
3
4
平成27年
人
20
10
7週
8週
9週
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
(例年の地域別患者数を基準に流行状況を色分けしています。)
週
感染性胃腸炎
定点あたり患者数は今週 7.81 人(先週は 8.12 人)
とわずかに減少しました。施設・学校における感染
症集団発生では、今週は 3 件(先週は 1 件)の報告
がありました。
感染性胃腸炎の患者は、この時期、ノロウイルス
によるものが多いと言われています。ノロウイルス
は患者の大便や吐物中に大量に含まれており、感染
感染性胃腸炎の定点あたり患者発生状況(県内)
20
平成24年
16
平成25年
14
平成26年
12
平成27年
人 10
8
6
力が非常に強いウイルスです。感染を拡大させない
4
ためには、手洗いの励行を基本に、吐物などの後始
2
末を素手で行わない、二枚貝類は十分に加熱して食
べるなどの注意が重要です。
平成23年
18
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
週
~
~
~
~
~
平成 27 年 3 月 5 日発行
定点あたり患者数の上位 10 位の疾病
疾病名
定点あたり患者数
今週
増減
疾病名
先週
定点あたり患者数
今週
増減
先週
1位
感染性胃腸炎
7.81
8.12
-0.31
6位
RS ウイルス感染症
0.46
0.48
-0.02
2位
インフルエンザ
4.97
7.34
-2.37
7位
水痘
0.43
0.60
-0.17
3位
A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎
2.16
2.09
+0.07
咽頭結膜熱
0.36
0.42
-0.06
4位
手足口病
0.57
0.55
+0.02
流行性耳下腺炎
0.36
0.32
+0.04
5位
突発性発しん
0.50
0.33
+0.17
流行性角結膜炎
0.31
0.29
+0.02
8位
10 位
全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です)
1 類感染症
報告はありません。
2 類感染症
結核 18名(尼崎市 1 名、西宮市 4 名、伊丹保健所管内 5 名、宝塚保健所管内 2 名、加古
川保健所管内 2 名、加東保健所管内 2 名、龍野保健所管内 1 名、赤穂保健所管内 1 名)
3 類感染症
報告はありません。
4 類感染症
報告はありません。
5 類感染症
カルバペネム耐性腸内細菌感染症 1名(姫路市;肺炎桿菌;男性 50 歳代;感染地域:兵庫
県;感染経路:以前からの保菌)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症 2名(①姫路市;女性 60 歳代;感染地域:兵庫県;感染経
路:不明、②姫路市;男性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:創傷感染)
侵襲性インフルエンザ菌感染症 1名(宝塚保健所管内;男性 80 歳代;感染地域:兵庫県;
感染経路:不明)
侵襲性肺炎球菌感染症 4名(①尼崎市;男性 90 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、
②伊丹保健所管内;男性 50 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、③宝塚保健所管内;
男性 0 歳;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、④加東保健所管内;男性 80 歳代;感染地域:
兵庫県;感染経路:不明)
平成 27 年 8
週までに診断
されたものの
報告遅れ
結核 5名
アメーバ赤痢
1名
検査情報(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター)
感染性胃腸炎患者 1 名(1 歳,1/16 便採取)からサポウイルス、咽頭結膜熱患者 2 名(6 か月,1/20 咽頭ぬぐい
液採取、4 歳,1/20 咽頭ぬぐい液採取)からアデノウイルス 3 型、手足口病患者 1 名(3 歳,1/24 咽頭ぬぐい
液採取)からコクサッキーウイルス A16 型、滲出性扁桃炎患者 1 名(1 歳,2/17 咽頭ぬぐい液採取)からコ
クサッキーウイルス A9 型を検出しました。
目で見る動向(県内)
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の
定点あたり患者発生状況(県内)
侵襲性肺炎球菌感染症の週別患者数(県内)
8
3
平成25年
平成23年
2.5
平成24年
平成26年
6
平成27年
平成25年
2
平成26年
人 4
平成27年
人 1.5
2
1
0.5
0
1
0
1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52
5
9
13 17 21 25 29 33 37 41 45 49 53
週
週
この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。
また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。