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2014/12/25
仙台支店
仙台市青葉区立町 1-3
TEL:022-224-1451(代表)
TEL:022-221-3480(情報部直通)
URL:http://www.tdb.co.jp/
特別企画:2013 年度 東北6県外食業 主要 100 社の業績動向調査
主要 100 社の売上高 3.6%増
~純利益は2年連続で減少~
はじめに
全国における 2013 年の外食産業の市場規模は、前年比 2.9%増となる 23 兆 9046 億円(日本フード
サービス協会調べの推定値)だった。
「世帯一人当たり外食支出額(の増加)
」や「法人交際費の増加」
を前年比増加の理由としている。
そこで帝国データバンク仙台支店は、東北 6 県における外食業者を対象に、2013 年度(決算期が 2013
年 4 月期~2014 年 3 月期)の売上高や純利益(税引後当期純損益)を調査・分析し、その傾向を探っ
た。
この調査は、帝国データバンクの企業概要ファイル(COSMOS2)
(収録数 145 万社)から、東北 6
県に本社を置き、レストランやファストフードなど飲食店での「飲食事業」をはじめ、持ち帰り弁当や
宅配サービスなど料理品小売業に分類される「中食事業」
、病院・学校などにおける「給食事業」を主業
とする売上高上位 100 社を対象に集計。売上高・純利益(税引後当期純損益)の両方が 3 期連続で判明
しない企業や、公開を希望しない企業は除外した。
なお、同調査は 2013 年 10 月に続き 2 回目。
調査結果(要旨)
1. 売上高トップは「幸楽苑」
(福島県郡山市)
。ランキングトップテンに変動なし。
2. 県別の売上高伸び率は「秋田県」がフタ桁のプラスも、純利益伸び率はマイナス。
3. 100 社合計の売上高伸び率は 3.6%増と 2 年度連続のプラス。
4. 増収企業は 68 社と 17.1%減。
5. 100 社合計の純利益伸び率は 10.6%減と 2 年度連続のマイナス。
6. 収益改善企業は 46 社と 19.3%減
7. 2014 年度も「成長鈍化・収益悪化」が続く見通し
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2014/12/25
特別企画: 2013 年度
東北6県外食業
主要 100 社の業績動向調査
1.<売上高トップテン>
~「幸楽苑」がトップ。ランキングに変動はなし。
売上高
商号
所在地
主な店舗名
形態
決算
年/月
(1)
幸楽苑 ※
福島県郡山市
ラーメン店「幸楽苑」
飲食
14/3
35,974
37,012
2.9
2
(2)
利久
宮城県岩沼市
牛たん店「利久」
飲食
14/2
8,781
10,144
15.5
3
(3)
カルラ ※
宮城県富谷町
レストラン「まるまつ」
飲食
14/2
7,322
7,676
4.8
4
(4)
アミノ
仙台市太白区
すし店「うまい鮨勘」
飲食
14/3
5,428
5,540
2.1
5
(5)
みちのくジャパン
岩手県北上市
持ち帰り寿司等FC
中食
14/3
4,728
4,640
▲ 1.9
6
(6)
ストロベリーコーンズ
仙台市青葉区
宅配ピザ「ストロベリーコーンズ」 中食
14/3
4,021
3,984
▲ 0.9
7
(7)
清次郎
岩手県盛岡市
すし店「清次郎」
飲食
13/8
3,643
3,834
5.2
8
(8)
ケーワイコーポレーション
岩手県北上市
焼肉店「やまなか家」
飲食
13/5
3,108
3,283
5.6
9
(9)
エムケーコーポレーション
仙台市青葉区
居酒屋「こちら丸特漁業部」
飲食
13/9
2,862
2,498
▲ 12.7
10
(10)
チアーズフードサービス
青森県八戸市
フライドチキン等FC
飲食
14/3
2,378
2,355
▲ 1.0
売上
順位
前年
順位
1
2012年度 2013年度
伸び率
(%)
注:単位=百万円。すべて単体決算。決算期は2013年4月~2014年3月期が対象。業績非公開企業を除く。商号内の※は上場企業。
売上高ランキングのトップは、前年度に続き幸楽苑(福島県郡山市)
。以下のランキングにも変動はな
かった。売上高伸び率が最も大きかった企業は、牛たん店を経営し、他県への進出を増やしている利久
(宮城県岩沼市)だった。また、10 社中 6 社が増収、4 社が減収となった。
2.<県別の構成・伸び率>
~売上高伸び率は「秋田県」がフタ桁のプラス
100 社の県別構成は、宮城県が 36 社、福島県
県
売上高
(社数) (百万円)
伸び率
(%)
純利益
(百万円)
伸び率
(%)
22 社、山形県 14 社、岩手県 11 社などとなった。
青森
(8)
8,501
1.5
153
25.4
売上高伸び率は、全県でプラスとなった。最も
岩手
(11)
19,733
1.6
226
▲ 7.8
伸び率が大きかったのは、上位 2 社が県外への新
宮城
(36)
56,185
4.6
994
▲ 30.8
規出店で大きく伸ばした秋田県だった。
秋田
(9)
9,272
11.3
-73
-
純利益伸び率は、140.9%増の山形県が最も大
山形
(14)
12,090
0.7
106
140.9
きかった。競合の激しい宮城県は 30.8%のマイナ
福島
(22)
55,245
3.0
554
25.3
ス。なお、秋田県のみ純利益金額でマイナス値と
合計
(100)
161,026
3.6
1,960
▲ 10.6
なった。
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特別企画: 2013 年度
東北6県外食業
主要 100 社の業績動向調査
3.<売上高の推移>
~伸び率は 3.6%増と 2 年度連続プラス、ただし増収企業数は 17.1%減に
100 社合計の売上高は、1610 億 2600 万円。
主要100社合計の売上高・伸び率推移
伸び率は 3.6%増と 2 年度連続でプラスとなっ
(百万円)
170,000
た。ただし前年度(6.5%増)に対して 2.9 ポ
160,000
イント悪化した。
150,000
増収企業数は 68 社にとどまり、前年度(82
140,000
社)より 17.1%(14 社)減少した。
全体の売上高が伸びているにも係わらず、増
収企業数は減少していることが分かった。
7.0%
6.0%
5.0%
4.0%
3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
130,000
2011年度
145,974
売上高(左目盛)
伸び率(右目盛)
2012年度
155,460
6.5%
2013年度
161,026
3.6%
4.<純利益の推移>
~伸び率は 10.6%減と 2 年度連続マイナス、収益改善企業は 19.3%減
100 社合計の純利益は、19 億 6000 万円。伸
主要100社合計の純利益・伸び率推移
び率は 10.6%減と、2 年度連続のマイナスとな
(百万円)
3,000
ったが、前年度(22.4%減)に対して 11.8 ポ
0.0%
-5.0%
2,000
イント改善した。
黒字企業は 83 社で、前年度(87 社)より
-10.0%
-15.0%
1,000
-20.0%
4.6%(4 社)減少した。
0
純利益(左目盛)
伸び率(右目盛)
2011年度
2,827
2012年度
2,193
-22.4%
主要100社 年度別収益動向推移
なお、年度別で収益動向の推移をみると、
「収
益改善」した企業は 46 社(増益 35 社、黒字転
換 9 社、赤字縮小 2 社)にとどまり、前年度(57
-25.0%
2013年度
1,960
-10.6%
横ばい, 1
2012年度
(100社)
収益悪化, 42
収益改善, 57
社)より 19.3%(11 社)減少した。
横ばい, 1
2013年度
(100社)
収益悪化, 53
収益改善, 46
0%
20%
40%
60%
80%
100%
改善=「増益」「黒字転換」「赤字縮小」 悪化=「減益」「赤字転落」「赤字拡大」
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特別企画: 2013 年度
東北6県外食業
主要 100 社の業績動向調査
5.<まとめ>
~2014 年度も「成長鈍化・収益悪化」が続く見通し
100 社合計の売上高伸び率は 3.6%増で 2 年度連続のプラスとなった一方、純利益伸び率は 10.6%減
で 2 年度連続のマイナスとなった。売上高は伸びているにも係わらず、純利益は減少傾向にあることが
分かった。
この背景には、既存店の売り上げが伸び悩むなか、体力のある外食業者がスクラップアンドビルドを
繰り返して増収を維持したが、出店費用の増加や人件費の高騰などで収益が悪化したとみられる。なお、
増収企業数は 68 社(前年度比 17.1%減)にとどまっており、牛たんの利久など、大幅に増収した一部
の企業が全体をけん引した。
2014 年 4 月の消費税増税以降、消費者の外食控えが進んでいるうえ、大手外食や業界違いのコンビニ
エンスストアとの競合が激化している。また、円安や人手不足により人件費や材料費の上昇が続いてお
り、全体的には「成長の鈍化・収益悪化」傾向に変化はない見通しで、2015 年は体力に乏しい零細規模
の外食業者には 2014 年以上に厳しい年になるだろう。
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FAX 022-265-5060
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