5.3.4 S柱 - 構造設計システムBRAIN

5.3 柱の断面設計
5.3.4 S柱
5.3.4 S柱
INDEX: 曲げモーメントと軸力に対する計算・せん断力に対する計算・組合せ応力に対する計算・
有効断面性能・検定計算・2軸曲げ・短期軸圧縮力と細長比に対する検討・ベースプレート
(1)曲げモーメントと軸力に対する計算
曲げ応力度は下式による。
b 
M
Ze
軸応力度は下式による。
n 
Nn
Ae
圧縮軸力のとき n=c、引張軸力のとき n=t
圧縮力が加わるときの曲げと軸力に対する計算は下式による。
b c

1
fb fc
かつ
b  c
1
ft
引張力が加わるときの曲げと軸力に対する計算は下式による。
b  t
1
ft
かつ
b  t
1
fb
ここで
Ze
:有効断面係数(非対称断面では小なる値とする)
Ae
:有効断面積(箱形断面、円形断面は常に全断面積)
fb
:許容曲げ応力度
fc
:許容圧縮応力度
ft
:許容引張応力度
ウェブは常にせん断力を負担するが、曲げおよび軸力を負担させるかどうかは建物共通条件の S ウェブ
Z 考慮指定による(デフォルトは「考慮」
)
。S ウェブ Z 考慮指定を「無視」とした場合、Ze、Ae にはウ
ェブ部を考慮しない。ただし、鋼管、角形断面などの閉鎖型断面部材は指定によらず常に「考慮」とす
る。
1)許容曲げ応力度
許容曲げ応力度fbは 5.2.3 S大梁の設計
による。
2)許容圧縮応力度
>
fc 
0.277

 

2
F
≦
B-5.3.4-1
5.3 柱の断面設計
5.3.4 S柱
2

1  0. 4  
 F
fc 
2
3 2
  
2 3

π2E
0. 6 F
ここで
F
:鋼材の F 値(組立断面ではフランジの F 値)
E
:鋼材のヤング係数
細長比は断面形状に応じ下記による。
① H 形、角形鋼管、円形鋼管、チャンネル形
  max(
kx
ky
、 )
ix
iy
② ダブルチャンネル形
  max( λx、 λy )
x 
kx
ixa
y 
ky
iya
ここで
kx
:強軸方向最大座屈長
ky
:弱軸方向最大座屈長
ix 、 iy
:座屈軸についての設計位置断面の断面 2 次半径
i
: min( ix , iy , iu , iv )
ixa 、 iya :組立後の断面の主軸に関する断面 2 次半径
座屈長さは 5.3.1 共通事項の(5)S・CFT柱の座屈長さの計算 による。
座屈を無視する場合は許容圧縮応力度は許容引張応力度と同じとする。
3)許容引張応力度
ft 
1
F
1 .5
ここで
F
:鋼材の F 値(組立断面ではフランジの F 値)
(2)せん断力に対する計算
許容せん断力は下式による。
B-5.3.4-2
5.3 柱の断面設計
5.3.4 S柱
Qa  Awe  fs
ここで
Awe
:有効せん断断面積
fs:許容せん断応力度
許容せん断応力度は下式による。
ft
fs 
3
ここで
ft 
1
F
1 .5
F
:鋼材の F 値(組立断面ではウェブの F 値)
有効せん断断面積は下図に示すせん断断面積より計算する(冷間成形角形鋼管、円形鋼管では全断面積
の 1/2 とする)
。
図-5.3.5.1 せん断断面積
(3)組合せ応力に対する計算
許容曲げモーメント、許容軸力をウェブを考慮して計算する場合、ウェブの組み合せ応力を考慮して許
容曲げモーメント、許容軸力を計算する。
組み合せ応力に対する許容条件は下式による。
σ2  3  2
1
ft
ここで
ft 
F
1
F
1 .5
:鋼材の F 値(組立断面ではウェブの F 値)
組み合せ応力を考慮した軸応力度は下式による。

M
N
r
Ze
Ae
rは応力分布形状による係数で下記による。
H  2 tf
H
H 形断面、組立箱形断面
r
円形鋼管断面
r = 0.71
その他の断面
r = 1.00
R
0.71R
図-5.3.5.2 円形鋼管の検討位置
ここで
B-5.3.4-3
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F
:鋼材の F 値(組立断面ではウェブの F 値)
Ze、Ae
:有効断面係数、有効断面積で(1)曲げモーメントと軸力に対する計算の
項による。
τ
:せん断応力度で(2)せん断力に対する計算の項による
(4)有効断面性能
有効せん断断面積および有効断面係数は 5.6.1 鉄骨の有効断面 に示すように、ボルト孔欠損、スカ
ラップなどを考慮した値とする。ウェブの軸力に対しての有効率はせん断に対する値とする。
設計ルートがルート 1-2 またはルート 2 の場合、幅厚比の制限値は 7.4.5 部材ランク のS造のFAによ
るものとし(2007 年版 建築物の構造関係技術基準解説書)
、制限値を超えた場合は、指定により、①
警告(W)を出力し、超えた部分を無視した断面性能(断面積、断面係数等。断面性能の考え方は、学
会 鋼構造設計規準(2005)8.1(3)に準拠)とするか(建物共通条件の「幅厚比設計(有効断面)
」指定が「基
準法」の場合。デフォルト)
、または②断面性能の低減は行わず、検定NGとする(建物共通条件の「幅
厚比設計(有効断面)
」指定が「無視」の場合)
。なお、ルート 1-1 およびルート 3 の場合は、個材の幅
厚比指定は断面検定に考慮しない。
(5)検定計算
b/fb+n/fn の最大値を検定比とする。
(6)2 軸曲げ
2 軸曲げの検討は、z軸、y軸回りの設計曲げモーメントと S 柱の許容曲げモーメントにより、RC 柱
と同様の方法で、それぞれの軸回りの割増しモーメントと割増軸力を設定する。ただし 2 軸相関を規定
する相関係数 αは 1.0 とする。2 軸せん断の検討はしない。
2 軸応力の検討方法は、通常の 1 軸応力の検討と同じ方法による。
(7)短期軸圧縮力と細長比に対する検討
ルート 1-2、2 の場合は、短期軸圧縮力と細長比に対して「鋼構造塑性設計指針」の P110、(6-6)~(6-7b)
式による検討を行う。なお本チェックは中間情報を出力せず、メッセージ「DEGNS__C4010 ルート 1-2・
2 S 柱短期軸圧縮力検討(鋼構造塑性設計指針)が NG です。
」の出力を行う。断面設計表では NG 理由と
はならない。
検討位置、検討対象は以下とする。
・柱頭、柱脚それぞれ検討する。
・端部条件の z,y 軸廻りが柱頭・柱脚ともにピンの場合は検討しない。
検討条件は以下とする。また、設計軸力は、短期時圧縮力に終局強度の近似を考慮した割増し係数α(=
2.0)を乗じて用いる。検討条件を満たさない場合、補助メッセージを出力する(この検討方法の出典は、
B-5.3.4-4
5.3 柱の断面設計
5.3.4 S柱
。
大臣認定性能評価による)
(鋼構造塑性設計指針(1992)より)
【p.110 より】
曲げを伴う柱の細長比および軸圧縮力は次の条件を満足しなければならない。
i)Ncmax / Ny < 0.15 の場合
λ≦150
ii)Ncmax / Ny ≧ 0.15 の場合
Nc max


 1.0
Ny
krmd
ここで
Ncmax:短期軸力Ns = NL + α・NEが圧縮となる場合の最大値
NL:柱の長期軸力(組合せケース 1 番固定)
NE:柱の水平荷重成分の圧縮軸力(NE = (Nl+Ne) – NL)
α:短期軸圧縮力の割増し係数(2.0 固定)
Ny:柱降伏軸力 。Ny = A*F
λ:細長比。許容圧縮軸力算定に用いたものと同じ
A:圧縮有効断面積
F:鋼材のF値(組立断面ではフランジのF値)
krmd:SN400 級(F = 235 N/mm2の鋼材)の場合 120、
SN490 級(F = 325 N/mm2の鋼材)の場合 100、
その他の鋼種の場合は(境界板厚によるF値の低減を含む)
、
krmd 
3
3E

4
F
(E:ヤング係数) とする*1。
◆(参考)注*1 の krmd の式の根拠
鋼構造塑性設計指針 p.108 の(6.3)式で、
N
 y ,   x , 0.25   2
Ny
(6.3)式→ y 
 E 
  a と置くと、
 
 y 
a
 f x  …①
x2
点p 0 =(0, 1)を通り、傾きbの直線を y  b  x  1 …②とする。
①と②の交点をp 1 =(x 1 , y 1 )とすると、
①→ y 1  x 1  a → b  x 1  1   x 1  a → b  x 1  x 1  a  0 …③
2
2
3
2
p 1において、②は①に接するので、
①で、 f ' x 1   b → 
2a
x13
 b …④
 2a 
x 3  x 2  a  0 → x 2  3a  0 → x 
③,④より、  
1
1
1
 x 3 1
1 

B-5.3.4-5
3  a …⑤
5.3 柱の断面設計
5.3.4 S柱
3
1 x
④,⑤より、   1 
b 2a
②より、 
krmd 

3a
2a
3  3 
2
3a
1
は、ii)式において krmd に等しい。従って、
b

3
3
 3  a   3  0.25   2
2
2

2
 E  3

   3   
 
2
 y  2
 E  3
3E
   
//
 
y
 y  4
N / Ny ≧ 0.15 の場合の直線式
1
SS400
直線式
0.6
SM490
N/Ny
直線式
SM520
0.4
直線式
SS400(t>40)
直線式
0.2
0
0
20
40
60
80
λ
100
120
140
ルート 3 の場合は、上記の方法による短期軸圧縮力と細長比に対して「鋼構造塑性設計指針」の P110、
(6-6)~(6-7b)式による検討は行わない。ただし、増分解析において解析終了時に、鋼構造塑性設計指針」
の P110、(6-6)~(6-7b)式を満足しているかどうかの確認を行い、満足している場合は座屈しないと見な
している。
B-5.3.4-6
5.3 柱の断面設計
5.3.4 S柱
(8)ベースプレート
定義できるベースプレートは既製品・D スルー工法・在来工法であり、S 柱のベースプレートの設計
/検定はしない。各メーカーが断面設計プログラムを公開している。
各メーカーの断面設計プログラムごとに設計条件と設計用応力を読み込むことができるファイルを出
力することができる。それらを用いて設計/検定する。計算書もそれらのプログラムで作成できる。な
お設計用応力は、一次設計時およびメカニズム時とも共通で、柱脚節点位置の値を出力する。
■プログラムの入手先
日立ハイベース
http://www.hitachi-kizai.co.jp/products/kz/download/soft.html
ベースパック
http://www.asahikasei-kenzai.com/akk/b-pack/dl/index_f.html
NC ベース
http://www.nipponchuzo.co.jp/nck/index.html
D スルー工法
https://www.d-through-land.jp/dthrou/login.php
クリアベース
http://www.hitachi-kizai.co.jp/products/kz/download/soft.html
柱要素
曲げモーメント
柱脚節点
10cm
ベースプレート設計位置
可撓部分
梁要素
図-5.3.5.9 ベースプレートの設計位置
【注意】
各ベースプレートの回転ばね値はカタログ掲載値を用いているため、使用に当たっては以下の点に注
意し、製品毎の設計指針等を事前に確認すること。
(1) 回転ばね値の算定式中の軸力値 N は、軸力に応じて変えていない(ハイベース、クリアベース、
NC ベース:N=0.2Ny、ベースパック:N=0.1Ny、Ny:柱の引張降伏軸力)
。
(2) 回転ばね定数の算定式中の Ny は、柱の板厚に応じて変えていない。
(3) 回転ばね定数の算定式の N の適用範囲についてはチェックしていない(ハイベース:-0.3Ny≦N≦
0.3Ny、NC ベース:N≦0.2Ny)
。
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