5.2.5 その他の検討 - 構造設計システムBRAIN

5.2 大梁の断面設計
5.2.5 その他の検討
5.2.5 その他の検討
INDEX: 検討項目・S梁の振動数検討・RC梁の長大スパン検討・RC梁の梁成の制限
(1)検討項目
ユーザー指定により以下の検討ができる。検討事項であるので制限をこえる場合は注意メッセージを出
力する。
限界耐力計算の場合、これらの検討事項は使用限界状態の一種として損傷限界耐力の定義に含める考え
方もあるが、許容値が一概に定めにくいことから定義には含めない。
① 振動数の検討
② 長大スパン大梁の検討
③ 梁せいの制限(RC 大梁のみ)
検討を実行する/しないは指定によるが、指定が「内部判定」の場合は各項目ごとの判定基準による。
(2)S 梁の振動数検討
鉄骨梁は梁のスパン(跳ね出し梁の場合は跳ね出し長さ)が下表の値を超えていれば検討する。その他
の構造種別は指定によるが、
「内部判定」は検討しない扱いとなる。
表-5.2.5.1 S 造梁の振動数検討実行判定基準スパン(m)
一般梁
12
跳ね出し梁
3
振動数はスラブ効果、変断面の等価剛性、長期設計荷重による等価等分布荷重を考慮して計算する。固
有振動数は下式による。
固有振動数 
β2 E  Ie  g
(Hz)
2π
w
ここで
E :ヤング係数
(t/m2)
Ie
:等価断面二次モーメント (m4) (たわみ検討時の剛性と同じ)
g
:重力加速度
(固定値=9.8 m/sec2)
w
:等価等分布荷重
(t/m)
β
:材端条件による係数
等価等分布荷重は下記による。
① 一般梁の場合
B-5.2.5-1
5.2 大梁の断面設計
5.2.5 その他の検討
w
Qs  Qe
0
(Qs、Qe:長期設計時応力の両端部せん断力)
② 跳ね出し梁の場合
w
Qe
0
(Qe:長期設計時応力の固定端側せん断力)
ここで
:スパン(m)
0
(部材心々間距離、跳ね出し梁では跳ね出し長さ)
材端条件による係数は下式による。

n
0
表-5.2.5.2 材端条件による定数
端部条件
n
両端固定
4.730
一端固定・他端自由
1.875
一端固定・他端支持
3.927
両端支持

振動障害を警告する制限値は次頁の表による。振動数が制限値以下の場合、
注意メッセージを出力する。
表-5.2.5.3 振動数制限値(Hz)
構造種別
S
RC
SRC
制限振動数
10.2e-0.030
10
10
(3)RC 梁の長大スパン検討
検討指定が「内部判定」の場合、梁のスパンが下表の値を超えていれば長大スパン梁とする。
表-5.2.5.4 長大スパン梁の判定基準スパン(m)
構造種別
RC
一般梁
10
跳ね出し梁
3
長大スパン梁の検討として、RC 造の梁はモーメント係数 C とせん断応力度τにより検討する方法と、
主筋の許容応力度を低減する方法が指定でき、許容応力度を低減する方法は断面計算時に低減が反映さ
れる。
モーメント係数とせん断応力度による検討は下記による。
① 曲げ
C≦制限値
② せん断
B-5.2.5-2
5.2 大梁の断面設計
5.2.5 その他の検討
τ≦制限値
ここで
C:長期曲げモーメント係数(=M/bd2)
τ:長期せん断応力度
制限値は表 5.2.5.5 による。制限値をこえる場合は注意メッセージを出力する。
主筋の応力度を低減する方法による場合は主筋の長期許容応力度を低減する。低減の目安を図 5.2.5.1
に示す(画面で見る場合は 200%拡大して下さい)
。
表-5.2.5.5 圧縮応力度係数とせん断応力度の制限値(kg/cm2)
コンクリート
強度
18
21
24
27
30
33
36
上記以外
普通コンクリート
C
τ
15
6.0
20
7.0
25
7.4
25
7.7
25
8.0
25
8.3
25
8.6
25
5+Fc/100
軽量コンクリート
C
τ
15
5.4
20
6.3
25
6.6
25
6.9
25
7.2
25
7.5
25
7.7
25
普通×0.9
図-5.2.5.1 ひび割れ制御を考慮した許容応力度の低減
B-5.2.5-3
5.2 大梁の断面設計
5.2.5 その他の検討
(4)RC 梁の梁成の制限
RC 梁の梁成制限は下式により、制限値以下の場合は注意メッセージを出力する。


D
Cc b
α w0
(RC 規準(1999)13 条)
ここで
Cc
:圧縮側縁応力度(N/mm2) T形梁
長方形梁
Cc=1.0
Cc=0.6
Cc は梁の内法長さの中央の一地点において梁の左右側の一方に
スラブが配置している場合(※)は、始端、中央、終端の全箇所において
同じ値を用いる。
※スラブが配置している場合とは、断面設計で T 型梁とするかどうかの
判定と同じ判定方法を用いる。圧縮側のスラブが梁天端から梁成の 1/6 以内
に配置されているかどうかで判定する(理論編マニュアル 4.2.2RC 大梁の設計
(1) 2)参照)
。
b
:梁の最小幅(mm)

:スパン(心々間距離)
w0
:梁の平均荷重(N/mm)
(振動数検討時の等価等分布荷重と同じ)

:モーメント係数(  
M
)
W
αは応力解析した結果、
両端に曲げモーメントが発生している場合:α=1/16、
跳ね出し大梁の場合:α=1/2
上記以外の場合:α=1/8
とする。
RC 規準では、両端固定の場合はα=1/16、単純支持の場合はα=1/8、
跳ね出しの場合はα=1/2 としているが、BRAIN では上記の条件とする。
解析の入力で梁端部条件を固定、ピンを指定できるが、この条件で判定するのでは
なくて、応力解析した結果、その曲げモーメントの発生状態で判定する。
B-5.2.5-4