AASは『正しい答えではなく、論理の妥当性で勝負する』スタイルの診断士受験専門機関です。 2次本試験模範解答例 ☆ この解答例は、11 月 1 日 17:00 現在のものです AAS(アソシエ・アドバンス・スクール)は、中小企業診断士2次試験に特化した受験機関です。 過去問を基軸に置いた学習で、スーパーフレームワークや設問分解練習法など独自の2次試験攻略 法を開発してきました。AASでは「表現力×構成力×与件活用力」で答案を作成しています。 【平成25年度・第2次筆記試験】-AAS解答例- 事例Ⅱ(マーケティング・流通戦略) 第1問(配点 20 点) 理由は、①他社にはない原材料配合により食感が柔らかく顧客から高い評価を受けているため、 ②設備を機械化した後も味わいが変わらず顧客離れが発生しなかったため、である。 (80 字) 第2問(配点 20 点) 内容は、①地域ブランド価値向上のため、地域の農産物を全面に展開したデザインとすること、 ②質の高さを訴求するため、旬の野菜シールを作成し毎月貼り替えること、である。 (80 字) 第3問(配点 30 点) (設問1) B社販売実績に好影響を与えたと評価できる。根拠は、Z社の他プライベートブランドとも競合 する中、売上対前年比が、競合Z社 101%、プライベートブランド 112%に対し、B社製品は 142% と大幅に伸びたためである。(100 字) (設問2) 8月販売実績に好影響を与えたと評価できる。根拠は、Yスーパー全店舗実績が前年とほぼ変化 ない中、かまぼこ全体の売上高アップが水産練物全体の売上を押し上げ、販売実績対前年比 107% の売上を計上したためである。 (100 字) 第4問(配点 30 点) (設問1) 注意点は、①冷蔵で7日間しか保存できないさつまあげの在庫管理を徹底し、廃棄ロスを発生さ せないこと、②通信販売に関わる配送料や事務手数料等の経費を予算立て、計画に基づいた予算 執行を実施すること、である。 (100 字) (設問2) 助言内容として、①X市地域外にて、かまぼこを主体にした親子食育教室の実施、②筍等の旬な 野菜を収穫し、その場でさつまあげにして提供するイベントの開催、を提案する。 (80 字) <AASの2次口述対策> ① ⇒4人の出題者(4事例)の思考プロセスを丸裸にできる「AAS解答例集(25 年度) 」 ② ⇒口述試験当日の想定問題と妥当性の高い解答例を提示した「Q&A問答集(25 年度) 」 教材販売はこちらの URL へ⇒ http://www.aas-clover.com/netshop/ 1 無断転用・転載を禁じます。 AASは『正しい答えではなく、論理の妥当性で勝負する』スタイルの診断士受験専門機関です。 ■ <事例Ⅱ> AAS 模範解答例の作成にあたって 担当:AAS京都代表 田畑一佳 第1問 B社の強みを認識する分析問題である。第 1 段落にあるように、B社は「製造小売業」を事業 としている。ここから、事例Ⅱである小売業としての強みはもちろんのこと、製造業としての強 みも解答していきたい。また、設問に「売上の拡大は見込めない」 「小規模企業でありながら存続」 という制約条件があることから、現状を維持できている強みを探していくことが求められている こともわかる。 では、小売業としての強みを探しにいこう。事例Ⅱの場合、他の事例に比べてより顧客目線で の強みを探すことが肝要となる。すると、早速第 1 段落に「顧客からの高い評価を受けている」 という文言を見つけることができる。では、なぜ高い評価を受けているのか。前文に「他社には ない原材料配合により食感が柔らかく、 」という理由付けがされていた。これが一つ目の解答とな る。 次に、製造業としての強みを探しにいく。すると第 4 段落に「顧客離れが発生しなかった」と ある。顧客離れとはとういうことだろうか。この一文を確認していくと「効率化のために生産方 法を変えた際に味わいが変わり、顧客離れを引き起こす例は多数見受けられるが、B社では機械 化後も味わいがほとんど変わらず」とある。これが、B社の生産上の強みとなる。 このように、商品に強みがあり、さらに生産効率を上げながらもその強みを維持したことが、 小規模企業でありながら存続できた理由であろう。これらのことから、以下のような解答骨子で まとめて解答例を作成した。 ①他社にはない原材料配合により食感が柔らかく⇒顧客からの高い評価を受けている。 ②B社では機械化後も味わいがほとんど変わらず⇒顧客離れが発生しなかった。 第2問 本設問は、 「パッケージをどのように工夫するか」とプロモーション戦略が問われていた。また、 設問文が 8 行もあり非常に長い。このような時は、設問文の制約条件にどれだけ忠実に従うこと ができたかが勝負の分かれ目となろう。では、この設問文を読み解いていく。 まず、パッケージを工夫した目的は何か。それが設問第 1 文にある「農家に対して地域ブラン ドの確立につなげる」ことであった。 「農家に対して」なので、第 1 段落にあった、「X市の主な 産業である機械部品の製造業」は使用できないので注意してほしい。 次に、そのためにどうするかが第 2 文に「地域ブランドの価値を高め」<かつ>「原材料の農 産物の質の高さを訴求する」と明示されていた。<かつ>とあるので、両者に対する工夫が求め られていることがわかる。さらに、<ただし>という接続詞によって、答える方向性が絞られて いた。 「ビニール素材表面のデザインは柔軟に変更ができる」<また>「シールの貼り付けも容易 である」とヒント満載の設問文であった。 解答の方向性としては、以下のようになるであろう。 ①地域ブランドの価値を高めるため、デザインを活用する。 ②原材料の農産物の質の高さを訴求するため、シールを活用する。 後は、妥当なアイデアをここに盛り込むことで解答の完成となる。 第3問(設問1) (設問2) いきなり表が出てきて数値を求められたため、焦った受験生も多かったことと思う。しかし、 計算は単純な小学生レベルの割り算ということに気づけば、それほど慌てずに解答できたのでは ないだろうか。ここでも如何に設問文を読み込めたかが勝負の分かれ目になる。 まず、リード文にいろいろと書いてはいるが、肝心なことは、接続詞「なお」の後ろの部分で あろう。ここでは、 「B社の販促活動以外に売上増減の要因は無い」ということが作問者の伝えた かったことである。これを念頭に各設問を読んでいく。 まず(設問1)だが、問われていることは、 「B社販売実績に与えた影響はどのように評価でき るか」ということである。ここで、注意したいのが「かまぼこカテゴリーの競争構造の変化」と 2 無断転用・転載を禁じます。 AASは『正しい答えではなく、論理の妥当性で勝負する』スタイルの診断士受験専門機関です。 「根拠となる数値を用いて」という制約条件である。 「B社販売実績」及び「かまぼこカテゴリー」 というキーワードから、3 つ目の表を使用することが求められている。単に表の上から使用する わけではないので、注意したい。次に、 「かまぼこカテゴリーの競争構造の変化」という制約条件 については、どうだろう。与件文には、副社長就任当時の競合Z社の記述しかなかったことを踏 まえると、この表に突然現れた「プライベートブランド」が競争構造の変化であると捉えること が妥当であろう。また、 「数値」に関しては、上下の対比である売上の対前年比を示す必要がある。 したがって解答骨子は、以下のようになるであろう。後は、数値を計算して、★★を埋めること で解答の完成となる。 B社の販売実績に★★の影響を与えたと評価できる。根拠は、Z社の他プライベートブラン ドとも競合する中、 「競合Z社の数値」及び「プライベートブランドの数値」に対し「B社の 数値」だからである。 次に(設問2)だが、一番のポイントは、 「水産練物担当バイヤーの立場」というキーワードで あった。「水産練物担当」ということは、当たり前ではあるが、「水産練物の売上」が一番の関心 ごとである。ということは、 「水産練物全体の売上」が主役である。では、どの数字と比較して評 価すべきであろう。それは、Yスーパー全体の売上高と比較することが、一番妥当性が高い。Y スーパー全体の売上高伸び率と一緒では、イベントやPOP掲出した意味がないことになる。さ らに、イベントやPOP掲出による「かまぼこ売上増」が「水産練物全体の売上増」に結びつい たという因果も忘れないように解答にいれておきたい。 第4問(設問1) (設問2) 第 4 問は、うって変わって全くリード文のない問題であった。そのため、 (設問1)と(設問2) の切り分けが難しかったことと思う。こういう場合は、各設問にヒントを見つけにいくしかない。 まず、(設問1)だが「店頭販売の比率が減り、(中略)通信販売の比率が増えると予想されて いる」とあるので、店頭販売の売上はそのままで、通信販売の売上が増加すると読み取ることが できる。すると、(設問1)は、「利益確保上の注意点」が問われているが、売上面ではなく、費 用面で解答すればいいのではないかと仮説を立てることができる。次に(設問2)を確認すると 「売り上げ拡大の戦略」が問われている。よって、 (設問1)が通信販売の売上増加に伴う費用面 での注意点を解答することが妥当だと判断した。 では(設問1)の費用面から確認していく。ここでも、製造小売業というB社の業態から、生 産コストと販売コストという切り口を設定した。生産面では、第 1 段落から「さつまあげが冷蔵 で7日間しかもたない」ことと、FAX注文による売り上げが、既にさつまあげ全体の 2 割を占 めていることから、廃棄ロスという切り口で解答した。また、販売面では、第 8 段落にある「副 社長にとって、商品情報発信と受注システムを兼ねた販売サイトを構築すること自体は簡単なこ とであった」という一文からイニシャルコスト面ではなく、販売に関するランニングコスト面に 関して注意すべきとの方向で解答を作成した。 次に(設問2)に関しても、制約条件となるキーワードが盛りだくさんであった。まず、設問 の目的として「X市域外の消費者をターゲット」「オフラインでの施策」「インターネット販売の 売り上げ拡大」というキーワード、さらに解答する方向性として、 「コミュニケーション戦略」 「セ ールスプロモーション戦略」という具体的な戦略が明示されており、X市域外の人と接触してB 社の商品を販促する戦略が求められていることがわかる。 プロモーションする商品は、 「かまぼこ」と「さつまあげ」の2つなので、ここで切り口を設定 した。まず、かまぼこに関しては、第 7 段落の成功体験と第 3 問の分析結果からヒントを得て解 答を作成した。次に、さつまあげに関しては、第 1 段落の「筍堀りによる観光誘致」や第 5 段落 の成功体験、さらに第 2 問からもヒントを得て解答を作成した。解答骨子は以下の通りである。 ①かまぼこ⇒X市地域外での食育教室 ②さつまあげ⇒X市地域外の人に対して旬の農業体験後にその場で揚げて提供 以 3 無断転用・転載を禁じます。 上
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