円形波の干渉 ★★★★ 図 1 に示すように、広い水槽に水が張られており、水槽のまっすぐな縁の近くに振動数 f で振動している波源 S がある。図のように座標をとり、波源 S の位置を (0, h) とする。 ただし、h の値は水面波の波長より大きい。また、水面波の速さを c とする。 I 波源から水面波が同心円状に広がり、水槽の縁で反射する。このとき、直接波と反射 波が干渉し、強め合うところ (腹) と弱め合うところ (節) ができる。そのときの、節を連 ねた曲線 (節線) の形状を知りたい。 (1) まず原点 O(0,0) での水面の振動の様子を観察したところ、腹であった。そこから y 軸に沿って正の方向に観測点を移して行くと、位置 (0, d) で初めて節が見つかった。d を 求めよ。 (2) 観測点が任意の位置 P(x, y) (ただし y > 0) にある場合、直接波と反射波がそれぞ れ S から P に至るまでの経路の長さを求めよ。 (3) (2) の結果と経路に含まれる波の数を考えて、観測点 P(x, y) が節になる条件式を d を用いて表せ。 (4) 反射波の波面は、水槽の外の点 S に存在する仮想的な波源が作る直接波の波面と同 等であると考えることができる。そのときの S の座標を求めよ。 (5) h = 5d の場合、原点 O と波源 S の間の y 軸上で、2 つの節が見つかった。この場 合の 2 本の節線の概形を図示せよ。 II 次に図 2 に示すように、水が x 軸の正の方向に速さ V で一様に流れている。波源 S の位置は変わらない。この場合の、節の位置を探したい。ただし、V < c とする。 (1) 波の速度は、水流がない場合の波の速度 (大きさ c) と水流の速度 (大きさ V ) の合成 速度になる。波源 S を出て原点 O に至る波の速さと波長を求めよ。また、原点で観測さ れる波の振動数を求めよ。 (2) I(1) と同様に、原点から出発して観測点を移して行くと、位置 (0, d ) で初めて節が 見つかった。d を求めよ 1 y S P O x 図1 y S V P O x 図2 (03 東大) 2 定常波 ★★★★★ 音源とマイクロホンを 準備した。マイクロホンは受けた音波の振幅 A(A > 0),振動数 f , 位相を測定するこ とができる(位相とは t を時刻として波形を A sin(2πf t − θ) と表したときの 2πf t − θ のことである)。音源 での波形は A1 sin 2πf1 t で表される。音速を V として以下の設問に答えよ。 x=0 x=-L x 図1 I 図1のように音源を x = −L に,マイクロホンを原点に固定する。 (1) マイクロホンで測定した波形は A2 sin(2πf1 t − α) 出会った。α は L, f1 , V を用いて表せ。 II x=0 x=-L x u 図2 図2のように,原点にマイクロホンを固定した状態で,音源が x 軸の正の方向に速さ u(u < V ) で動いてい る。時刻 t = 0 に音源が x = −L を通過した。 (2) 時刻 t = 0 に音源から出た音波がマイクロホンに到達する時刻を求めよ。 (3) マイクロホンで測定した波形は A2 sin(2πf2 t − β) であった。β を L, f2 , V を用いて表せ。 (4) 時刻 t = t1 に音源から出た音波が,マイクロホンに到達する時刻 t2 を求めよ。ただし,時刻 t = t1 で音 源は x 軸の負の領域にあるものとせよ。 (5) 時刻 t = t1 に音源から出た音波の位相と,時刻 t = t2 にマイクロホンが受けた音波の位相を比べることに より,f2 と f1 の関係を求めよ 5 III x=0 x=-L x=L x 図3 図3のように,2台の音源をそれぞれ x = −L, L に固定した。それぞれの音源が単独に音を出したとき,原 点においたマイクロホンで測定した波形はどちらも同じで A2 sin(2πf1 t − α) であった。 (6) 両方の音源が同時に音をだした。マイクロホンで測定する波形を求めよ。ただし,ここでは α はそのまま 用いよ。 (7) 次にマイクロホンの位置を x 軸の正の方向に少しずらして測定したところ,振幅は0になった。このとき のマイクロホンの x 座標を f1 , V を用いて表せ。ただし,この位置は原点に最も近い振幅が0になる位置であ る。また,片方の音源だけが音を出しているとき,マイクロホンを少しぐらい動かしても,マイクロホンで測 定する振幅は変化しないと考えてよい。 (大阪大改) 6 連星系のドップラー効果 ★★★★★ 太陽系以外で、恒星の周りを好転する惑星が初めて発見されたのは1995年である。依頼すでに150個 以上の太陽系外惑星が発見されている。この太陽系外惑星の検出原理は、質量 M の恒星と質量 m の惑星 (M > m)が互いの万有引力だけによってそれぞれ運動している場合を考えれば理解できる。この場合、惑星 は一般には楕円軌道上を運動することが知られている。しかし、ここでは図に示すように、惑星がある定点を 中心とした半径 a の円周上を等速円運動をしているとする(ただし、図には恒星を図示していないことに注 意) 。万有引力を G とし、恒星および惑星の大きさは無視する。 観 測 者 θ m C a 図1 I 図のように、惑星が反時計周りに公転しているものとする。惑星にはたらく向心力は恒星による万有引力 であることを考えて、以下の問いに答えよ。 (1) 恒星、惑星、点 C の互いの位置関係を理由とともに述べよ (2) 恒星と点 C との距離、惑星の速さ v, 恒星の速さ V を求めよ (3) 惑星の公転軌道面上において、a において十分遠方にあり、点 C に対して静止している観測者を考える。 図のように惑星が角度 θ にあるとき、惑星の速度の視線方向成分 vr を v, θ を用いて表せ。ただし、観測者に 対して遠ざかる向きを vr の正の向きに選ぶものとする。 (4) 時刻 t = 0 において、惑星が θ = 0 の位置にあったとする。また、惑星の公転周期を T , 恒星の速度の 視線方向成分を Vr とする。vr , Vr を t の関数として、その概形を − T2 ≤ t ≤ し、観測者に対して遠ざかる向きを vr , Vr の正の向きに選ぶものとする。 T 2 の範囲でグラフに描け。ただ II 惑星からの光は弱すぎて観測することは困難である。しかし、恒星からの光を観測することによって、惑 星の存在を知ることができる。この間接的な惑星検出方法では、運動する恒星が発する光の波長は、音源が動 いた場合の音の波長と同様に、ドップラー効果によって変化することを利用する。ここでは、恒星が静止して いる場合には波長 λ0 の光を発するものとして以下の問に答えよ (1) 惑星が角度 θ の位置にあるときに恒星が発する光を観測したところ、波長は λ であった。光速度を c と して、波長の変化量 ∆λ = λ − λ0 を θ の関数として求めよ 8 (2) II(1) でも止めた ∆λ は時間変動する。0 ≤ θ ≤ 2π の範囲で |∆λ/λ0 | の最大値が 10−7 以上であれば現 在の観測技術で ∆λ の時間変動を検出することができる。このことから、惑星の存在を知ることが可能である ために a が満たすべき条件式を求めよ。 (06 東大) 9 単振動する音源のドップラー効果 ★★★★★ 郊外のある静かな公園の一方の端の場所 A に木立ちがあり,その木陰にブランコがおか れている。他方の端にはテニスコートがあり,その先に場所 B がある。場所 A,B には, 朝,夕おのおの1人ずつ子供が来て,たて笛の練習をしている。そして,ときどき合奏の ために,互いの立て笛の音の高さを合わせようとするが,おのおのの笛から出る音の振動 数は,状況によって微妙に変化する。場所 A,B にいる人々は互いには見えないが音や声 は聞こえ,また各自の場所から動かないものとして,以下の設問に答えよ。 ただし,場所 A の気温は常に θ0 [℃],場所 B の気温は朝夕は θ0 だが,夜には (θ0 − ∆θ) に下がる。その際,気温 θ における音速 c[m/s] は, c = c0 + a(θ − θ0 ); a > 0 に従って変化する。また重力加速度は g[m/s2 ] である。 I 朝,一方の場所 A で子供が振動数 f0 [Hz] の音を出していた。ある高校生が場所 B でその 音波の波長 λ0 [m] を測定したいと考えた。この場合に必要なできるだけ簡易な方法を工夫 し,その原理を図で示して説明せよ。特に独自に工夫した点があれば,その特色を述べよ II 夕方には,場所 B にたて笛を持ってもう一人の子供が現れ,場所 A からの音の振動数 f0 に等しくなるように自分のたて笛の音の振動数を合わせた。やがて夜になり,先に合わせ た音を再確認するために,2人の子供がおのおの音をそれぞれの場所で先ほど合わせたま までだした。ところが B にいる子供のたて笛の音の振動数の方が ∆fn だけ低いことが分 かった。温度差 ∆θ を求めよ。 III 夜,場所 A にいる子供は疲れたので,自分のたて笛の振動数 f0 の音を小さなテープレ コーダーに吹き込んでブランコの台にのせた。場所 B で聞いていると,そのうちに場所 A から聞こえてくるたて笛の音の振動数が最小値(f0 − ∆f )と最大値 (f0 + ∆f ) の間で 周期的に変動することが認められた。そこでまた,熱心な高校生がその周期をはかったと ころ,T [s] であった。このとき A の音源が A,B を結ぶ鉛直面内で単振動をしているもの と推測して,そのときの速度 v[m/s] を時刻 t[s] の関数として式で表せ。 IV ところが,しばらくして場所 A から聞こえてくる音の振動数が(f0 + ∆f )で ∆T [s] の 5 時間だけ持続した後,急に f0 に戻り,その後は変化しなくなった。テープレコーダーが ブランコから落ちたものと推測される。ブランコの水平な指示棒の地面からの高さ H[m] を求めよ。ただし,ブランコの綱の質量は無視してよい。 B A H (85 東大) 6 反射と干渉 ★★★★ 図 1 のように、透明で一様な媒質中を音波が伝わっているところに光を入射させると、特定の入射の角度にお いて、光の強い反射が観測される。これは音波によって生じる屈折率の変化のために、音波の各波面でわずか ながら反射する光が互いに干渉し強め合うことによる。今、音波は z 軸方向に速さ w で進んでいるものとす る。簡単のために、間隔 d (音波の波長) で並んでいる音波の波面 (反射面) でだけ光の反射が起こり、光は速 さ V で直進するものとする。波面以外の領域の屈折率は 1 であるとする。また反射面の厚みも無視できるも のとする 今、図 1 のように波長 λ の光を反射面に対して角度 θ で入射させたところ、反射面に対して角度 θ の方向に、 波長 λ の光が強く反射するのが観測された。このとき、λ は λ とは異なり、また θ も θ とは異なっていた。 その理由を以下で考えることにする。 z 反射光 入射光 λ λ θ θ d 図1 (a) まず、一つの反射面における反射の法則を考えよう。以下の空欄にあてはまる数式を答えよ。 静止した鏡に光をあてると、入射の角度と反射の角度が等しくなることが知られている。これは、次のように 理解することができる。図 2 のように、距離 x だけ離れて鏡面で反射する二つの光路を考える。入射の角度を θ,反射の角度を θ ,媒質の屈折率を 1 とすると、光路長の差は ( ア ) (符号は問わない) で与えられる。 入射光の波長 λ を用いてを位相差に換算すると (イ) となる。二つの光が互いに強め合うためには m = 0, ±1 ,± 2 ゥ として、位相差が 2πm になる必要がある。実際には、距離 x は様々な値をとる。いかなる x に対し てもこの条件が成立するには、m = 0 である必要があり、θ = θ が導かれる。今の議論を音波による反射に 適用してみよう。この場合、反射の法則は ( ウ ) で与えられる。最初に述べたように、音波によって光が 反射する際には、入射光の波長λと反射光の波長とが異なるため、θ と θ も異なることになる。 θ x 図1 7 θ (b) 次に、隣り合う反射面で反射する光の干渉について考えよう。 等間隔 d で並んだ隣り合う反射面で反射する光が、互いに強め合うように干渉すると、強い反射光が観測され る。反射した光が干渉によって強め合うためには、隣り合う 2 つの反射面に入射し反射した光波の位相差が、 一般にはの整数倍になることが必要である。しかし、音波によって光が強く反射するのは、位相差が 2π の場 合だけであることがわかっている。このことを考慮して、隣り合った反射面からの反射光が干渉によって強め 合うための条件を d, λ, λ ,θ ,θ を用いて表せ。 (c) 入射光の波長 λ と反射光の波長 λ とが異なっているのは、実は反射面が動いていることによるドップラー 効果のためである。具体的には、w が V に比べて充分小さい今のような状況では、 λ V − w sin θ = λ V + w sin θ なる式が成立することがわかっている。この式と (b) の結果とから、反射光と入射光の振動数の差が音波の振 動数に等しいことを導け。 (d) 図 3 のように、音波によって強く反射した光を鏡に入射させた。鏡の角度を適度に調整したところ、折り 返された光が音波によって再度強く反射するのが観測された。再度強く反射した光に関する記述として、正し いものを選べ。 音波に対して左側から照射している入射光の振動数に対して、再度強く反射した光の振動数は (あ) 変化しない。 (い) 音波の振動数だけ低くなる。 (う) 音波の振動数だけ高くなる。 (え) 音波の振動数の 2 倍だけ高くなる。 (お) 音波の振動数の 2 倍だけ低くなる。 z w 入射光 鏡 図1 (11 東工大) 8 回転歯車を用いた光速測定 ★★★★★ 図1の M はレーザー発生装置で,その前におかれた 200 枚の歯をもつ歯車 G は,一定の 回転数で回転して,光を周期的に遮断する。光は半透明の鏡 A でふたつのビームに分け られ,一つは光検出器 P1 に入り,もう一つは距離 L[m] 離れた遠方の鏡 B に向かう。B で反射された光は,A のそばに置かれた鏡 C で反射され,もう一つの光検出器 P2 に入 る。距離 AB は距離 BC に等しく,また距離 AP1 は距離 CP2 に等しいとする。図1の 水槽は,長さ 500m で,ここに水を入れると,光は往路,復路とも水の中を通過すことに なる。 光検出器 P1 , P2 の信号はオシロスコープに伝えられる。図2はオシロスコープの画面で, 縦軸が光の強度を表す。実線は P1 からの信号,破線は P2 からの信号である。横軸は時 間の経過を表し,右の方が後の時刻である。画面の水平方向の尺度は1目盛りが 1cm で, これは 5.0× 10−6 秒を表す。また光速は c = 3.0 × 108 m/s とする。 I 図2の実線の図形は周期的で,距離 a は 4.0cm であることが読み取れた。これから歯車 の毎秒の回転数を求めよ。 II 水槽に水がない場合,破線の図形は,図2に示すように,実線の図形と b = 1.6cm だけず れたものとなった。(予備実験として,鏡 B を A と C のすぐ近くに置いたときは,ずれ がないことを確かめてある。)ここで,水槽に水を満たすと,オシロスコープ上で,破線 の図形はどちらに何 cm ずれるか。ただし,水の屈折率は 1.3 とし,また水による吸収の ために光が弱くなることは考慮しなくてよい。 III 水槽の水を抜いて問 II の初めの状態に戻す。次に歯車の回転数を徐々に変えた後一定に したが,その間に a は徐々に伸びて a = 5.0cm となり,また b は徐々に縮んで b = 0.6cm となった。これから L を求めよ。 IV 前問 III では,a, b が徐々に変化する様子を観察したが,これは必要であったか。最終的 な a , b を知るだけでは不十分か。簡潔に議論せよ。 12 P2 C M B A G 500m P1 図1 a b 図 2 (91 東大) 13 縦波と横波の屈折の法則 ★★★★★ 固体中では縦波と横波の両方が存在する。縦波と横波では速さが異なり,縦波の方が k 倍 (k > 1)速い。図1のように板 A とそれとは材質の異なる板 B をはり合わせ,2層構造 を持つ板を作成した。板 A,B 内を伝わる縦波の速さを VA , VB とし, VkB > VA とする。 また k は物質の種類によらないとする。 板 A の表面上の点 O から,図2のように板 A 内を角度 α(0 < α < π 2) で伝わる縦波を 入射した。すると,境界面で縦波の反射波,屈折波のみならず,横波の反射波と屈折波も 発生した。反射角は縦波と横波についてそれぞれ θ と θ であった。屈折角は,縦波と横 波についてそれぞれ φ と φ であった。 O A α Q hA B R θα θα S P 図1 図2 I (1) 図2にホイヘンスの原理を適用して△ PQS≡ △ SRP を示し,反射角 θ と入射角 α が等 しくなることを示せ。 (2) 横波の反射角 θ について sin θ を求めよ。 (3) 縦波の屈折角 φ, 横波の屈折角 φ について sin φ と sin φ を求めよ。 18 II I で作成した2層構造を持つ板の境界面から深さ h の位置に異物 X が存在している。図 3のように,O より超音波を入射してから異物表面での反射波が O に戻ってくるまでの 時間を t とする。t の測定値から h を求める方法を考えよう。 O A Bh hA α φ 図3 (1) まず,入射角 α を調整して,板 B 中を伝わる屈折波が横波だけとなるようにしたい。 sin α の満たすべき条件を求めよ。 (2) (1) の条件を満たすある入射角 α で O から縦波を入射したところ,境界上の点 Y で横波が屈折角 φ で板 B 中に入射し X に到達した。その後同じ経路をたどって反射波 が O に戻ってきた。t を k, h, hA , VA , VB , α, φ を用いて表せ。ただし,X の大きさは無 視せよ。 (13 東大改) 19 スリット型干渉総合 ★★★★★★ 図1のような水面上で波長 λ 平面波が右向きに進んでいる。壁には幅 w のスリットがあるとする。スリット の中点を原点として垂平方向を x, 鉛直方向を y として軸を張る。スリットを通った波を十分遠方の壁の右側 の点Pで観測する。今,点Pで観測波の強度の回折角 θ 依存性を調べると図2が得られた。 強度 θ y x 0 w θ θ0 図1 θ0 θ 図2 (1) 角度 0[rad] から徐々に大きくしていくと θ0 のとき強度が初めて 0 になった。ホイヘンスの原理によりス リットの幅 w には同位相の点光源が並んでいると考えてそれらの干渉条件を考えて sinθ0 を求めよ。 (2) スリット幅 w が波長 λ より十分大きい場合と小さい場合において強度の回折角の θ 依存性のグラフはど のような概形になるか説明しなさい。 (3)P が壁の近くにあり P の座標を (l, 0) とする。今幅を 0 から徐々に増やしていく場合を考える。最初に P の強度が最大になるスリット幅を求めよ。 図2のように同じ幅 w のスリットを4つあける場合を考える。このとき上から順にスリット 1,2,3,4 とする。 波長 λ とスリット間の距離 d はスリット幅 w より十分大きいものとする。スリットから距離 L だけ離れた十 分遠方の場所にスクリーンを置き波の強度を観測する。 1 S1 S2 x 0 S3 S4 L 図3 (4) スリット1つだけから出る波は1つの点光源のように考えられ,各スリットによるスリット幅による干渉 の影響は考えなくてよい。これはなぜか。図2を参考にして答よ。 (5) スクリーン上で観測される強度最大の点の間の距離を求めよ。 (6) スリット 2,4 の幅を最初の 3 分の 1 に変える。強度最大の点と最小の点の強度ははじめの最大強度の何倍 になるかそれぞれ求めよ。ただし,振幅はスリット幅に比例し,波の強度は振幅の 2 乗に比例するものとす る。 (7) 次にスリット幅を元に戻し,スリット2,3をふさぎ,x 軸に長さ L の平面鏡を設置する。このとき干渉 縞は平面鏡を置く前と比べてどのように変化するか述べよ。 次にスリット 1,4 だけを開け図3のように波長 λ, 速さ c の波を x 軸との角度を θ として斜めに送り出す。そ の結果この2つの波が干渉しあい,x 軸方向,y 軸方向にそれぞれ特徴のある合成波を形成した。 y S1 θ x 0 S4 θ L 図4 (8)x 方向の合成波の波長と速度,y 方向の合成波の波長を求めよ。またこれらの波の合成波の強度が点 (L, D)(D > 0) で 0 になる条件を考えよ。 (創作問題) 2 ヤング型干渉 ★★★★★ 図のような同位相の同じ波を同時に出すことのできる光源1,2が中心軸から距離 a のところにおかれてい る。光源からスリットまでの距離は l であり,スリットからスクリーンまでの距離は L である。スクリーン上 の中心軸 O から上方に x 軸を張る。今 a を変えることでスクリーン上に様々な干渉縞をつくることを考える。 l, L >> a, x が成り立つとし,波長を λ, スリット間隔を d として以下の問いに答えよ。 x 1 a d O L a 2 l I 位置 x における光源1,2から出る光の行路差をそれぞれ求めよ。 II 光源1,2による干渉縞が重なり,はっきりとした干渉縞が観測できるときの a の値を求めよ。ただし, da < λ とする。 l III 光源1,2による干渉縞が散らばり,一様な干渉縞になるときの最小の a の値を求めよ。ただし, する。 da <λと l IV もし,光源1から逆位相の波を送り出すとき,II,III の場合どのような変化が観測されるか述べよ。 (創作問題) 1 ニュートンリング ★★★★ 曲率半径 R1 (曲率中心 O1 ) の球面状凹面をもったガラス板Aと曲率半径 R2 (曲率中心 O2 )の球面状凹面を もったガラス板Bを重ね合わせ,これによって両者の間に図1のような極めて薄い凸レンズ状の空気の隙間 をつくる。ここでガラス板Aの凹面 ab1 c で反射した光とガラス板Bの凹面 ab2 c で反射した光とが干渉し, b1 (b2 ) を中心とする同心円状の明暗の輪が観測された。ただし,b1 , b2 は O1 , O2 を結ぶ線上にあるものとす る。いま直線 Ob2 b1 O2 からはかって距離 r の位置(各凹面上の位置を e1 , e2 とする)に暗輪が,すなわち半 径 r の暗輪ができた。空気の屈折率を1とする。 I 図 2 はガラス板Aだけ取り出して描いたものである。このとき直線 Ob1 から距離 r の位置にある e1 点の b1 点と同じ高さからはかった距離 d1 は近似的に d1 ≈ r2 2R1 で与えられることを示せ II 図1において,b1 点と b2 点との距離を h とすれば e1 における反射光と e2 における反射光の光路差はいくら か。R1 , R2 , r, h を用いて表せ III n = 1, 2………… として半径 r を n, R1 , R2 , r, h を用いて表せ IV λ = 7.0 × 10−7 [m],R1 = 1.0[m],R2 = 2.0[m],h = 8.0 × 10−6 [m] とすれば,このとき最も内側の暗輪の半径 を何mになるか。答が無理数で出てくる場合は,無理数の形のままで答よ。 O2 A b1 e1 a B e2 c r b2 R1 1 図1 1 A d1 a b1 e1 c r R1 O1 図2 2
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