KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL 現實利子の問題 高田, 保馬 經濟論叢 (1937), 44(6): 1205-1217 1937-06-01 http://hdl.handle.net/2433/130969 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University u A世一付u第三田叩元出現物品川匂﹃混同一一国- 大川団結円司ニナ 干す電車E 日-1'司フ守主1"こうー←示日日召 晶圃HM 品開叩 現貴利子の問題 -J 一 . 現下の土地問題と農地法案・ 田MM 岡闘晶冨園田圃 申す晶岡 轍人統制に伴ふ﹁割台利得﹂の問題 郡山向丸 徳川時代の夫役に就いて 一内情此台風千一千世 ルl テル経済閣の特司質: 大都市交通の特性 日抗措山 ( 禁 議 H 古口 t 料一同町市士飯田藤次 γ 終的革士明江保戒 純 一 な 士北野加喜男 知判例県ー士津時毘諮 問弔士小泉貞三 菜市同士谷 川盟百一士八木芳之助 MC 文阜博士高田保馬 時 と F ﹂宅内容十一柴間放 二三J FL7t 終日 明 男、 、士 荘 升 が 立川町:岡合伯士 γG1刀 、 ン? L J郎官重人 一 ロオゼンシユタイン・一ダン﹁一般的 貨幣論と一般的倒格論との同格化﹂ 資本組織の有機的健化左手均利山中山? との関係 都南皐士に答ふ シユラムの比較生産賛企 キヤレル氏保護関税と就業 岡刊︽軍出 -ua平 新着外関経済雑誌主要論理 本誌第四十四巻総目録 口 叢 現 争時 賀 の 問 第六時抗 (酒倉輯誕百六指四摘) 昭和十二年六月夜行 .ij~:i 第四十四巻 f 最 ニ 一 一 回 回 九 一 阿 子 直l 11 叢 題 叢 利 主 要 手 . , . ; J o h . . . . . . 現賀利子の問題 第四十四巻 : I i 第六鵠 此の如く、資本の供給が信別の増加によっても亦行はるる場合に於て、利子歩合は如何に決定せらるるか@極 て行はれつつあることだけを認めよう。 此創遣が如何なる過桂を過して行はるるかはここに取扱ふ問題ではない。ただそれが現に、何等かの方法 Kょっ べきである。けれども現貨の資本市場にあってはつねに、銀行によって創泣せられたる資本がまた供給せられる。 方は割合に単純である。 これについてはただ、資本ω供給とそれの生産力による需要との闘係から定まるといふ 償却の部分がまた供給せらるべき資本別役の中に教へ得らるることは、 いふまでもないll利 子 歩 合 の 決 定 の 仕 若し銀行が信用創造を営むことなく、唱に受入れたる節約部分を貸出すに止まるならば!│此場合、別に減債 者 丞 O 現賀利子の問題 めて簡軍に考ふるときには、 第四十四巻 一二 C 六 第大統 一方には、費本用役の需要欣態が興へられ、とれに針して共供給数量が奥へられる。 此供給は節約部分と減慣による償却部分と創造信用の部分とから成り立つ。此二の側の闘係から利子歩合の高さ 一方に於ては、資本の需要償絡は共生産力によって定まるのであるのに、而して此 が定まる。これだけがかつて私の輿へたる設明の仕方であった。けれどもいふまでもな︿此見鮮は、あまりに多 くの保定の上に伝ってゐる。 生出也力ば利子出合の如何、投資数日?の如何によって動くものであるのに、 己れを務め阻一ヘられたるものとし寸ゐ る。他方に於ては、節約部分と減慣部分、どが利子歩合によって動くぽかりで佐︿、創造信用の数量もまた利子歩 合に土って動く。然るにとれらをある輿へられたる数量と見ることは、るまり友る限純化で bるといはねば友ら 一定の信用の創遣が行はるる揚合に於ける ね。とれからの仕事は、かかる単純化の俄定をとり去る揚合に於て、利子歩合決定の機構を如何なるものと見る ぺきかを明にするととである。 かかる機構を明にするといふものの、説明に於て目ざすところは、 均衡利子(印ち短期 E常利子)である。まづ需要の側が、共限界生産力的ち見込の利潤によって如何やうに動くかを 考へねばならぬ。資本の需要の中心がまづ資本財の購入のためであるとする。これによって得らるる利潤は、現 に市場に於ける貸付利子、従って資本財債格の計算の基礎とたる利子によって支配せられる。 ところで一定の貨 幣利子が前提とせられたにしても、資本の需要数量が需要債格としての利子の函数であることはいふまでもない。 而も此函数の形は又他の数量によって支配せられる、それは資本の供給数量である。銀行が節約に加ふるにE れ ピけの数量(正又は負)の信用を興ふるか、従って現貨の投資がどれだけであるかに従って、それぞれに異なれる需 一 lf 要函教があるはやである。同様たる事情はまた、供給の側にも見出さるるであらう。それは此場合節約部分と銀 行の創造信用との二の部分に分たれる。まづ節約部分にあっても、市揚に於ける貨幣利子が一のパラメエタア して作用する。資本財債格計算の恭礎となり費用計算の某礎となる利子によって、共所得が支配せられ従って筒 d 一一間よりいふと H ち市場の利子が一定であるとしても筒約は決して刊給債格としての利子だけの函数と 約が支配せられる。けれ ど はいひがたい。史に所得を決定するものとして資本の需要があり、それにつれて節約がうごく ?E aか b 一定のものであるにしても、 利子と資い品川給との開係を示すとこ一りの仇給嗣敬一は資本需要印ち投資の 貨 時l 和l 子 2 一定の投資に於け 吐 AWに於ける締役脊一従って信用授興が左れだけであるといふ胤ハへられたる 大さにつれて動くであら行。山中つ白川ザ本 ρ 品川長のそれぞれの川町 kmmJγ る資本桃川町耐放があおわ竹であり引。信用制治 についても士た同様なる闘係がある 事情ω下に於て、各銀行は信用仇給を利γ の同教として考へるであらう。 これらの綜合から、 る揚合の創造による信用供給函数が認められる。此二の供給函数の棉和が資本の線供給函数を形づくる。 市場の貨幣利子が一定である場合について考へる。民資がある一定のものである場合に於ては、需要利子と供 給利子とが相一致せねであらう、即ち需要供給問曲線が投資数量(有本の需要又は供給数量)以外の貼に於て相究叉 する。(失の圃を参照せられたい)一一の函数が資本数量に闘して大槌遮昇、遁降の形をとるたらばどとか、ある大主 の投資数量に於て相交叉するところがある?あらう。 これを其貨幣利子に於ける代表的なる一潟市皆、供給の数景 L﹂ しよう。これによって定まるはやの利子を想定利子といふ友らば、均衡を得る貼に於ては此想定利子と貨幣利子 山市川十問答 什事﹂八焼 と は 同 一 で た け れ ば 危 ら 白 で あ ら う 。 貨 幣 利 子 は そ れ に ひ き ょ せ ら れ か ば 止 ま ぬ で あ ら う か ら 、 それゆゑに、利 現党利子の問週 u 七 現資制子の問題 tF 四十四各 f l . . 第六銃 凶 c 4 も入ノフ日間早川円、 r 、z i U E Uイ﹄古 けれども、貨は決してさらではたい。銀行の信用創迭に闘する態度如何によって、 資本ーの供給曲似はそれぞれまちまちのものとたる、それに勺れ寸、かれ代表的一新製尚料も動く。 結論に到達すべきかに見える 上に沈一ぺたる説明によれば、銀行が創造信用を輿ふるにせよ、利子がある一黙に落ちつく上旬外はない、といふ 遣の行はるる揚合に於ける短期正常利子ム﹂見るべきものであると岡山ふ。 線の交貼に於て定まる惣定利子と、他方に於て貨幣利子との相一致するところでたくてはならね。 とれが信用創 子の落ちつくととろは一方に於て、興へられたる貨幣刺子を前提とするととらの需要曲線と供給曲線といムご曲 O ら均衡賠として定まるべき利子歩合の高さもまた、夫れ夫れ異なれるものであると息はれる。要するに銀行の態 , 、九扮苧1 2 c . ' l , ~, ~~J'Vヱ! z、、 ある。叉かかる偲定に於ける資本の供給曲線が VMm であるとする。 乙れについて 文字にけとっていふと rだけとして見積らるるときの牧盆率函数を示すもので これは市揚の利子歩合が hであるものとして、 叉枇曾の投資が叩だけ、 一方の 資せらるるものとして考へる。そのときに於ける資本の需要曲線を hとする。 pの平面をとる。 横軸に沿うて資本間役の数量を一不ナ。 今川中だけの資本が投 A 一 不 す 。 1Yは資本用役の供給債格需要債格としての利子歩合を一示す。 今 1-h ヮ山線に於ける hyの蒸賠 sからのそれぞれの距離を以て、市場の利子歩合を 皮そのものから、信用創造に件ふ短期正常利子もまた異たる。 - " は若干の説明を妥しよう。銀行の創治信用が利子の高さに従って動︿であらう。次に節約部分がつねに利子に従 a レ εも、更にそれは投資の数量によってまた動く。 って動︿と見らるるけれ vhp それゆゑに、此二の部分の合計とも見 であるといふが如く。 ところで、投資が rのとき比は、資本の らるべき資本供給は各の投資数量に於て、利子の函教と見らるべき姿をもってゐる。投資が PK逮するときの資 本供給函数は川であり、 rに達するときのそれは 需要と供給とが一致したい。それゆゑに、それ忙けが需給せられ投資せらるるわけが左い。投資がPだけのとき は惣定利子の高さ叩に於て、需給相一致寸る。 IVFPの平面についていふと げだけの想定利子に於てまた同様で ある。ところがゆ・と hとが、同一で友い限り、即ちある投資査に於て需要綱一致する烈定利子と市場利子とが同 LP v m線が一定の投資の新に於て↑品川一寸刊のと共 κ(O知に於ける如︿て 一でたい限り、羽エは洛ちつ ぺ得沿いう需給m u 北六平岡め位置 m一 一 亦L てゐる市易相子の高さ例へば -hがまた想定利子例へば叩と一致するととを要する。 一円肢がな いとすると、市場利子叩が動かされる。部ち唱怖を一不す町が動きそれに肱じて xも yち動き、共交貼の一不ナ想定利 子と hとの一致するに至って、均衡債格としでの利子が成立するはやである。 此一致を一不す勤は上の闘についていふと、突の如き性質をもっはやである。 0 FO---の諸黙許連ねる、 いはば ・ ・ 。黙の軌跡を求める。 u h ばのこ直線のたす直角を二等分する直線日をひ︿。此線上の各勤はそれから二の直線へ の距離が相等しいはやである。郎ち即日どの僚件をみたす。今、此 v m 一線を含むととろの=去、商への垂直面をゑが ︿。それの,町総と交はる鮪を求めよう。此結とそは一方に於て、利子 i に於ける資本需要と資本供給とが相等し ︿、此需給が噛既定せられたる投資と等しく、他方に於て、此ーが市揚の貨幣利子丘一守しきととを一不す慰である。資 第四十四巻 九 第 六 披 主 正 本の需要をh によりて、供給をh を以て一示す曹ときには、次の依件が同時にみたされてゐる。ーは投資の大さを示 現貸利子の問題 O す 。 祝賀利子の問題 ﹃ 第四イ凶巻 圃 ト 俸六批 、﹁ ケ イ yイ︿は古 F' 12) I1Z F r z i ( 日) -QH7・:・(ど r =HFE-- ・ --:2 、 守 , a kであり左がら、節約数量が同一に止まるととを想 未知数の数は EI--hhhIの五である。方程式の教もまた五。 未知数は一義的に決定せられる ~ ケインズの机一昨もまた営らぎるもの﹂ 及るばか り h ではたく、ある臨まで、利子歩合の決定に参加する諸経済数日弔問の依存附係宇一一市 L得ると忠ふ。 ンズ自身の説明に於ける難錨については、 ことに論一及せぬ。 の機構に於ては、銀行の態町民こそは口以も重要たる、而して決定的たる意義を布するものである。 又市場に供給する創浩信同の教室も、利子歩合もひいては節約の数量までも定まる。岐に、 かかる利子歩合決定 授興するであらうか。その態度はすべて.函数の中に要約ぜられてゐる。それの動きにつれて投資致監も定まり・ 上に浦一ぺたるとこるは、銀行の態度を決して軽視するものではない。 一定の利子歩合に於てどれだけの信用を ケ pd るものがある。向しでそれに、以上の如き修正を加へてゆくときには、 定したる賠及びその他の部について、徹底的危る批判を加へたのであるが、此伴統的思訟の骨子にはすっべから 典闘世波以来の偲統的利子製誌に封して、それが資本需要が町田 /、 って来る。かかる事情の下に於て、 一一肱どれだけの信用が新に興へらるるであらうか、種々友る財の慎絡の騰貴 とこるが今例へば貨幣利子を引下ぐることによって、二者の聞きを生やるとする。そこで所謂累積過程がはじま 利子とが相一致し、貨幣論的均術が阻(へられてゐたとする。そこには企業繍張の刺激も信用創遣の刺激もたい。 これてけのことを前提として、 これと若干の闘係をもっ他の問題を考へょう。ある時期に於て自然利子と貨幣 イ rEH (ff︻)-::・(戸) rpU O がどれほどであらうか、資本の生産力がどれほどであらうか、 といふととについて、大剛閣の見首がつけられてゐ ると、そこに新なる段階に於ける自然利子が考へられる。 これは車党.血(へられたる信川数量、従って興へられ たる投資に於ける自然利子でるる。貨幣利子の側に於て、 これに追随するときには、 そとに貨幣論的均衡が成立 し得るであらうとはいふものの、勿諭これは弔たる一方的追随と見らるべきものではたい。 上に中川守へたる機構によって定まるとこりの利子歩合は、これを y 信用ω創造によって資本川役の供給の自由に行 第六競 叉 はるる場合に成立すべき、一租の均術利子 L ﹂見得るであらう(信川的均術利子三法し自然利子といふ概念を掠張し て、所前四日航山崎的均衡の維持せらるるが如き利子歩合、従って、それよりち以上の生直樹張への刺殺もなく、 信用創造への刺放も興へられぬやうな利子歩合と併するならば、 これをもかの附有の意義に於ける自然利子と相 たらぴて二種の、郎ち信制創造の行はるる揚合に於ける自然利子と見うるであらう。例へばウイクセル的累積過 程の出荷民賭について考へる。自然利子よりも低位に貨幣利子が泣かるるときには、信川榊加、生産掠張への刺激 が作用する。それによって珠想の牧盆もまた増加する。だから、資本の新しき限界効率、即ち共純牧徒一半が榊加 ずる。このととが信用の増加に伴って生中る自然利子の上昇として、表現せられうるものである。新しき段階に 於ける自然利子までに貨幣利子が引きとげらるるときには、そこに、更にこれ以上の生濯機以への刺激もなぐ、 所謂貨幣論的均術が到達せられてゐるはずでるらう。 自然利子ははじめ、物理生産力によって定義せられたるもの、賓物利子ともみらるべきものでるったが、生産物 第四十四巻 と生産財との異質性が考慮せらるるに及びて交換債値生産力として考へられ、更に進みで、貨幣の介在を前提と 現究利子の問題 七 現費利子の問題 第四十四巻 第六被 、 丹 一定の利子歩合に於てその供給をある範 oなほ注意ナべきことには、ーの噌加につれて資本需要九も資本供給し同もとも oかかる事情の下に於では、均 でるるから、 いはば著しく開力性を快いてゐる。他の揚合にあつでは、資本の供給のうち、節約による部分は開 衡の必要たる僚件である賠に於て、何等の差異もたい。ただ一の揚合にるっては、資本の供給が節約によるだけ 信用が創造によって供給せらるる揚合の自然利子も、節約資本のみが供給せらるる揚合のそれも、貨幣論的均 衡駄に遣しがた︿、そこに累積過程の必然に匙行する根擦があると思はれる。 に槍加する。而も後者は同一の利子歩合に於て槍加しうる、いはば利子ーの遅鼻函敷ではない 々期等の見込の投餐YV-目等があるであらう さきの方程式組織に於て、投資は今期の投賓のみに限ったけれ Eも、受本の需給、ことに需要を決定するものとしては来期来 一致するとと極めて困難であり。その限り、生産の横張、信用の創造が左乙までも進行する。 固まではどとまでも増加する、 といふ性質のものでるるが故に、 その限度に達するまでは、貸借巾利子が牧谷卒に 給の弾力性の大友るによる。 いひかふれば、銀行の態度が多︿の揚合、 はまさにかかるものを意味するであらうのたにかの累﹂積週程が引つづき進行しろるのは、信用による資本用役供 らるるからである。自然利子が援と利制何十年と問問せられたると i にがあるん辿ぺたのであるが、此揚 AUの自然利子 貨幣利子が此牧経卒に相一致する限り、生産の更に以上の摘張の刺激もたく、 ウ イ ク セ ル 的 累 積 過 程 は く ひ と め を、自然利子の庚き概念の中に-包括する乙とを妨ぐる十分の理由は、怠いやろに忠はれる。何とたれば此揚合、 既に一定の信用が創造にようて血ハへらるるものとするときに、 とれに膝じて牧益率が高まる。 此揚合の牧谷率 致せしむるところの貨幣利子は、此意味に於ける節約の貨幣債値生産力としての牧錠率に一致するものである。 するに及ぶと、貨幣債値生産力によって定義せらるべきものと友る。だから、節約に劃する需要と供給とを相一 一 一 一 力性を快いてゐるにせよ、信用創浩による部分にあっては、共弾力粧が甚だ大でるり、従って前遁の事情によっ て、均衡の位置にまで到建するとと困難でるり、所謂累積過程がどとまでも進行し得る可能がある。ただ此揚 A口 に於ける均衡印ち貨幣説的均衡を如何友るものと解すぺきか。生産増加、信用披大の行はれざるととは其特徴を 示すのであるが、財の側に於ける事情は如何なるものと解刷押せらるべきであらうか。勿論静態及び準静態(カツ セル的たる均脅的に進行する経済) のとれと相伴ふことは、許さるるは宇であるけれども、此貨幣の側の均衡と 縮、ぴつける財の側の事情には.かかる静態的性質をもつものばかりではたい。例へば、均費的 K進行す局経済 Kつ κのい可、も、又更に挫みて いても、企穴、依件の唆化か内来る佼怖礎動がすぺて抽出見せられてゐるところの粧掛 は、まととの意味に於て動態的危る経済についても、 そとに枇益率が貨幣利子忙等しいといふ必要保件がみたさ れてゐる限り、貨幣論的均衡が存立してゐるといふ見解が、 いは r支配的である。 ー ある。 此駄については、 境安利子 D問 題 第四十四巻 第六競 九 側から定まるものとするものである。部ちそれによれば、利子が第一弐的 K資本の生産力によって定まるのでは の見解の分析から論を進むることにしよう。それは卸ち、利子歩合が専ら貨幣保有率の 邸ち貨幣保有率である。 乙れによって利子歩合の如何に左右せらるるかを考察することは、 いはぽ最後の接近で 於ては、更に新なる囚子が作用してゐる。それは貨幣又は金融の側の事情二居精確にいへば、貨幣手持の需要. 資本が節約によっでのみならや、信用創造によって供給せらるる場合に立入ったが、現貨の利子歩合の決定に ー あ る 現賀利子の問題 第四卜凶巻 第六銑 ι なくして、貨幣保有李と貨幣数量との闘係から定まる a 此揚合を最も徹底的に刊以けるものはケインズの見解で らう。各経済主岨聞は種々たる事情にもとづいてそれぞれ、Eれだけかの貨幣を保有し上うとする要求をもってゐ る。此要求の程度をあらはすに貨幣保有卒、 又は現金手持率一円SELHq﹄ 言 。 ﹃2022)L ﹂いふ表現を以てナる。枇合 会鰐を混じてみると、此枇舎の貨幣保七刊卒がるる。此保有率は本来利子歩合の函数である。そこで銀行が供給す LLζ ろの数量とが相等しきとこん丘、利 γ捗ム口が定まる。此京誌に於て、利 1J4 中 ム 口 るところの、印ち銀行が名主牒をして保布せしめようとするととろの釘幣の数量が定まれば、此供給数量と保布 率印刷数によって市安せらるる は資本の生産力によって定まるよりも、銀行の貨幣供給の態度に上って定まる。 か(して定まると乙ろの利子歩 合が一たび前提とせらるるときには、 これと新投資需要曲線との闘係から、邸ちこれと資本需要函数との闘係か ら投資数量、即ち資本需要数量が定まる。側面からいふと、かミる利子歩合だけの牧経卒をもっところの資本行 けが利用せらるることとなる。 さうすると資本供給の側に於てはEうでb るか。-積一安せらるる数量だけが正しく 供給せられてゐるはやである。而もそれ,にけが供給せらるるとと.従って節約がそれだけの大さであるためには. 貯蓄の傾向、反面よりいふと節約の傾向によって、 これだけを節約しうるだけの所得であることを要する。概削悦 するに、貨幣的事情が利子歩合を決定し、此利子歩合に舷じて投資数量が定まり、此投資数量に膝十るだけの節 約を件ひうる所得が興へられてゐるはやである、といふのが今問題としようとする見解の骨子司るる。 資本用役の生産力によるその需要両致、その供給函教のこだけによって、利子歩合は決定せられる。かういふ 、 C 偉統的立揚に封して、 ケインズに於ける貨幣中心の利子説は頗る注目すべき黙を含んでゐる。それはまづ、利子 J .M. Keyne GeneralTheory,p '79et seq. l 叫 歩合が貨幣保何卒と銀行の供給する貨幣教最との闘係から定まるとする。 さうすると、資本の生産力にもとづく 需要函数との閥係に上って、需要数量、削ち投資数量が定まる。けれども、 この投資数荒はまた、資本の節約に 上る供給数量に等しく・泣ければならぬ。此鞘に闘するケインズの盟問けはどう動いてゐるか。資本の需要一削放と供 給両間放とは、 それ自憾に於て、利子砂合の尚さ忙ついては何事をも一ポし得たい。ただ、共需要削教が興へられて 居り、利子場合が貨幣保れの事情から一定のものである-ならば、 それに従って資本の荷要数量が定まり、同時に h川 U 早 間関がひそむ。まづ、利一 J沙ル日の賛助に拘はらず、資本川役 これに針憶するとと九一の所得向教も定まる。それは、 此利子場ムけに於て一両川官数 HR と抱一すしを﹂節約数飛をもっとこん の州作山間放である。そこだ此品広附lf は、政 の放卒従って共生産力が一定のものであるといふことは如川にして可能であるか。次に、資本の需要両教が利子 歩合の決定に何等の作用を及ぼさ守、ただ興へられたる利子歩合に昨阻止﹁るところの役資数 肢 H を定むるといふ役目 を管むに止まるのは何故であるか。此等の結を論ぜ?としても・所得の函数がまさしくこれにけの節約を許すも のであるといふこ E一 F は如何にして必然であるか。 ブ一人資本の似給は銀行の供給する貨幣数回互によってもまた動かさ 3 ケインズの主張に従へば、保令官幣数量は銀行 るるはやであるのに、た忙節約によってのみ決定せらるるといふことが如何にして可能であるか。此二の貼は十 分に吟味せらるることを要する。まづ前の貼について与へょう の態度によって定まるとこーつの、 いはば一の既知数である。資本川役の滑要政見豆、供給故且区民ぴ利子歩合のコ一が 未知数を形づくってゐる。 ところが、此際みたさるることを要ずべき燦件の数‘従ってこれを示すところのぢ程 第四卜開巻 務ムヘ鋭 £の数が四ある。 山一定の利子房合に於ける貨幣保打電は銀行の供給する貨幣数日互に等しく怠ければたらぬ。 現貴利子の問題 記 現貨利子む問題 回({) 第四十四巻 第六銑 r=H﹁(戸)問客一本供給数量は利子歩合に従って動︿とこ .L wの代りにとり入るると ﹂いふ僚件をm M 附資本の需要は供給に等しい。 r ﹄リ﹁僚件の数が未知数の数よりも一だけ多い HHF 、(冨)削資本需要数量は利子歩合の一の嗣教でるる。 同 FU U 3 者一ホの供給が一に飾品和によ勺て行日れ、節約同所得、己消費の傾向との綜合的在る結果で 見ることの誤りを指摘し、利子歩合と資本の限界妓率及び消費傾向を白境教育と考ふべきものと見たしてゐ hvoけ ものか、此賄何等の説明も血(へられてゐたい。 ケインズは儲統的たる利子理論に於て、投資企節約とを自費教と 何に際じて、一義的に定まるととるの利平歩合に藤十る資本需要に一致するといふととが、如何にして必然でるる よって動き、節約は所得に従って動く。か︿の如︿にして定まるととろの節約教室が、銀行の貸幣供給の熊度如 ある vp ﹂見得ぺき論協は友いはやである。校ほ、前にのぺたる論結と接鯖するわけであるが、所得はすべて投資に 本供給の形をとって行はるるのではないか。 云ひかふれば、資本の供給が一に所得からの節約化けに負ふもので は、銀行の供給する貨幣数量がかかる事情の中に取り入れられてゐる。ととろで、此貨幣教室の檎減はやはり費 あるム﹂見るのは、果して許し得べきであらうか。利子歩合が貨幣保有の側の事情によって定まる、 といふときに 更に進みて考へょう よりも一だけタ川、 しらいいふ闘係に五つては少しも開化する ところがない。 て動︿とこるの一の函教でめる。これを一示すとこみの新なる方程式がとり上げられねば友らね。方程式が未知数 せよ。所得数量が一の未知数と取るけれども、 さろ去ると、所得数量はそれ白鰐また利子歩合投資数景等陀従つ ことになる。若し資本供給数景が利子歩合以外、所得数量によって定まる ろの他の函数である。 ~ れどもこれは、すぺての経済事象聞に存する相互依存関係を無脱してゐるといふ外は友い。勿論、投資と節約と b i d ., p .1 8 3 . 2 ) i ノ、 が皐なる決定者であるのではない、けれども、資本の限界殺事一・の度盛や利子歩合とてもさうである。すぺては相 互依存の関係に立つものにすぎね。費本の限界殺率から利子を導き出すととを以て、 一の循環論法にすぎ肉、と ずるならば.貨幣保有李 mらそれを導き出すこととても、同様に循環論法に外ならぬはやである。 Jb 相州立たる事情 VM背 M せらるる傾向とても・これを資本の需要と供給との何れかの側の 一たび利子歩合が資本の需要卸ち生産力の事情と資本の供給の側ーとの事情によって定まるととを主張した 貨幣保有の事情をとり入るる場合に於ける利子歩合の説明が如何たる方針に向って進むべきかは、すでに明で ある。 る以上は、貸借保有不によって利子歩合の H 事情の巾 に織りこむことを一見アる。さうしないたらば、利子歩合を決定するとこみの二種の、而 H 4 U (﹃ ) o u r n a ] of P o l i t i c:'11 ,J fI n t e r e s t . T. El 1 sworth,Mr. Keynes on the R‘ I t l ! o 3 ) P Economy ,December,1936,p . 772 を抱ぐるとととおり、所論の統一を期しがたきに至るであらう。 ﹁(日)・ これらの因子を一般均衡の組織の中にもちこむ一の試みをあげよう。ある一の見解。 S を節約、ーを所得、 i 田川町(同 ) W H H U は貨幣保有率を一示す。 M とR とを既知敢に・とれば、未知数だ付の方程式がある を投資、 r HOmg耳虫) とする。 h r -利子歩合、 M を貨幣数量、 Rを枇舎の資本(門戸立E U ﹃ H¥(叩 UHF-3 ・F は消突李を、 ことに左る。此見解には一の見落されたるものがあるのではたいか。町 Uとーとの均等といふ傑件が更にとり入れ 第六掠 一 芯のものと在る。 o z三225E 第四十四巻 らるることを要するであらうし、 とり入れらるるときには未知数が 現寛利子の問題 七
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