戦略4 次世代抗体(アルパカ由来 VHH 抗体) 実現へ向けた基盤研究開発 ストレスシグナル研究グループ 研究のねらい ● 抗体は分子選択性が高く、医薬品、高機能性材料等への利用が進行中。 ● 抗体は複雑な分子であり、高価、不安定、工学的操作が困難等が問題。 ● 単ドメイン抗体であるアルパカ由来 VHH 抗体を利用することにより上記問題の解決を目指し た基盤技術の開発を進めている。 新規技術の概要と特長 アルパカ(ラクダ科動物)由来 VHH 抗体は天 然物起源の単ドメイン抗体である。VHH 抗体は極 めて安価に製造可能かつ安定性が高く、さらに工 学的操作が容易であることから次世代抗体とし て注目されている。しかし国内では VHH 抗体を 取得する体制がなく、その研究開発の大きな制約 となっている。そこで、産総研ではラクダ科動物 であるアルパカを研究用に飼育、VHH 抗体を取得 するためのプラットフォームを産学官の連携に より構築している。 九州で免疫用アルパカの飼育を行っており、任 意の抗原で免疫したアルパカの白血球から遺伝 子を抽出し、ファージディスプレイ或は大規模シ ーケンスにより VHH 抗体を選択する技術を確立 している。また VHH 抗体の各種高機能化技術に ついての開発も進めている。 期待される連携・応用分野 図 1.VHH 抗体の構造とその他の抗体と の比較 図 2.アルパカ飼育施設(企業)と飼育 ・抗体医薬品 ・診断薬 ・機能性マテリアル 中のアルパカ 関連特許および文献 ・特許 5092160; ラクダ科動物の VHH ドメインの安定化. ・特開 2014-042515; ラクダ科動物抗体の熱安定化. ・Akazawa-Ogawa Y., et al., J. Biol. Chem., 289, 15666-15679 (2014). 22
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