★リレートーク詳報 しまね 19 市町村リレートーク(大田会場) 『世界遺産と“歩く観光”』 日時:平成 25 年 7 月 30 日(火)13:30~15:40 会場:大田商工会議所3階 【講演】「観光客が周遊する“まちづくり”は地域おもてなし力が差をつける」 講師:有田隆司氏(島根県観光戦略アドバイザー・ひろでん中国新聞旅行(株)取締役) 【講演要旨】 ・観光とは、地域の魅力を高めて、人を引き付け、所得を確保す ること。地域の魅力とは人、モノ、あいさつなどのおもてなし。 さらには地域の人たちの所得向上も欠かせない。 ・大田の持つ本物の観光素材を整理し、発信する必要がある。わ が町の自慢材料であり、 「こんなものは」という感性とは相いれな い。 ・歩く観光は熊本市の「くまもとさるく」が参考になる。市内 13 コースがガイド付きで、地元の子供たちにも人気がある。 ・ 「くまもとさるく」ももともとは、地域の商店主の理解を得るの に苦労した。「地元の者が買わないのに、観光客が買うわけない」 という反対が根強かった。 ・実際、始めてみると商店街への誘客につながり、収益も上がり、 やってみて楽しかったようだ。地域の自信にもなっている。 ・石川県輪島市で 1000 年以上の歴史を持つ朝市も参考事例。60、 70 歳の女性たちが観光客相手に販売している。難しいことをして いるわけではない。輪島の場合、海の幸はふんだんにあるが、山 の幸は少なく、それに比べると、大田は恵まれている。 ・おもてなしとは、茶事から発生していて「一期一会」が源流。 基本は家庭や職場でもある声の掛け合いなど。一流のおもてなし に出会うと、お客様はそのレベルを下げることを避けたいと考え る。 ・来てもらっても客は不満があると二度と来ない。満足したら感 動につながる。サプライズをみんなで考える必要がある。 ・まち歩きの基本は①町が整然としていること②高齢者、障がい 者の移動がしやすい③そぞろ歩きが楽しめる④表示が分かりやす い⑤案内地図がある⑥滞在しても飽きないプログラムがある⑦地 元の人たちの対応ができている―の7点。 ・大田は海があり、山があり、今後は高速道路・尾道松江線の全 線開通や山陰道の開通も見込まれる。強み、弱みをまとめ課題を 明確にするというのが大切。 <1> 【パネルディスカッション】 「『石見銀山遺跡とその文化的景観』世界遺産登録 10 周年事業に向けて」 ◆コーディネーター 有田隆司氏 ◆パネラー 金﨑公一氏(輝雲荘店主/温泉津温泉旅館組合組合長) 安立聖氏(石見銀山ガイドの会会長) 小林泰三氏(株式会社小林工房代表) 金子俊之氏(金子旅館店主/大田旅館組合組合長) ○金﨑公一氏 【主な発言】 ・漁船クルーズで温泉津温泉から1時間コースで外から見た石見銀 山、沖泊を案内している。さらに旅館組合の事業で、風鈴 150 個を温 泉街に飾り、お客様に夏の風情を感じていただいている。温泉津は焼 き物の里なので、陶器の風鈴。 ・焼き物の里ということで、風鈴などもブランドアイテムの一つとし て確立させたい。 ・温泉街の魅力を作ろうと努力しているが、お客様になかなか温泉街 を歩いてもらえない。温泉街がさびれる一方で、厳しい現状だ。10 周年をにらみ温泉街を歩いてもらう仕組みづくりが課題。 ・温泉街を歩いてもらうために、駐車場整備とふさわしい店舗、人に 住んでもらうために生きた町づくりをしていきたい。 ○安立聖氏 【主な発言】 ・ガイドで石見銀山の魅力を伝えている。 ・お客様は最初、目の前の風景と石見銀山の歴史的な価値との間にギ ャップを感じているが、ガイドを通じて、「今すごいところに来てる んだ」と思ってもらう過程に魅力を感じている。 ・自然の豊かさも石見銀山の魅力。往時の銀山で薬草になった花など を解説し、親しみと魅力を感じてもらっている。 ・街並みを保存している地元の皆さん、子どもたちのあいさつなどを 通じて「ここはいいところですね」って思ってもらえる。 「人の魅力」 が銀山にあって、それを伝えていきたい。「日本にまだこんな町があ ったんですね」と感動してもらえる。 ・石見銀山はガイドと歩いたか否かで、印象がまったく違うので、ぜ ひガイドを利用いただき、魅力を幅広く伝えたい。 <2> ○小林泰三氏 【主な発言】 ・石見神楽面の制作と子どもたちなどに神楽面の制作を伝えたりして いる。 ・大田市における石見神楽の展開は週末公演ということで行い、盛況 となっている。 ・神楽は石見地方だけで 130 団体、県内でも 247 団体あるといわれて いるが、イベントなどで呼ばれる機会が増えている。 ・不安なのは、もともと神に奉納するのが神楽だったが、エンターテ イメント色が強まっているところ。従来の無料イベントと有料イベン トが混在している。 ・急激に出演回数が増えた団体もあって、演技の変化が著しい。神楽 の本質を伝えつつ、お客さんにも喜んでもらうという両方を伝えるこ とに頭を悩ませている。 ・神楽は伝統芸能だが、お客様に対して素晴らしさを伝える能力を磨 きたい。ガイドの育成等で新たな魅力発信に努めたい。 ○金子俊之氏 【主な発言】 ・波根旅館街で旅館を営んでいる。料理を担当している。 ・日本海の幸を多くの方に広めようとしている。 ・課題は漁獲量の減少や、魚離れの中、これから魚を食べてもらうた めにどう取り組むか。 ・特に冬の閑散時期は、特に魚がおいしい時期なので、どう食べても らうか考えたい。 ・大田は海の幸、山の幸がふんだんにそろっている。これに人の魅力 もどんどん伝えていき、訪れてもらえるようにしたい。 <3>
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