海洋生体分子機能化学 2年次/ 2 単位 必修 後期 内田 直行【教授】 学科・クラス 指 定 等 学習目標 当学科の学問分野の基礎として生物が営む諸現象を理解する必要がある。近年、生物現象は生体分子の相互作用として解明され始めている。本講義では、 タンパク質、核酸、多糖類、脂質、ビタミン、ホルモンおよび無機質の機能発現機構を海洋生物に関する知見を交えて講述し、生命現象の発現機構を生体 分子レベルで理解し、生命科学の応用分野及び資源利用関連の講義が理解できるようにする。(専修コースの学習・教育目標、(D)-④:食品生産の基本と なる海洋生物の栄養素の特性と微生物の役割を説明できる。に相当する。) 学 び の タンパク質、酵素、核酸、多糖類、脂質、ビタミン、ホルモン、構造、機能、生体反応 キーワード 準備学習及び復習 の内容・履修条件 基本的に、海洋生体分子化学の単位を取得していることを前提に授業を行うが、教科書である「シンプル生化学(南江堂)」により予習しておくことが望 ましい。履修条件は履修届済みの者 教科書およびプリントを中心にしてパワーポイントを用いて講述する。要点は、宿題(レポート)などを課し予習・復習を促す。 授業方法 定期試験により評価する。 2/3以上出席した上で、タンパク質、核酸、多糖類、脂質、ビタミン、ホルモンおよび無機質の機能発現の概略が理解できれば 合格(60点)。学習・教育目標の達成度の確認法:模範答案と比較させる。 成績評価 基 準 参考書:ワトソン遺伝子の分子生物化学(トッパン)、生体を構成する高分子-構造と機能(廣川書店) オフィスアワー:昼休み時間 備 考 回 数 1 2 3 4 授 業 内 容 ガイダンス及びタンパク質の機能の概説-①:学科カリキュラムにおける海洋生体分子機能化学の位置と他科目との関係、タンパク質の機能、遺伝子と タンパク質、生物学的機能によるタンパク質の分類、酵素、輸送タンパク質、栄養及び貯蔵タンパク質などの概略について学習する。 タンパク質の機能の概説-②:収縮性または運動性タンパク質、構造タンパク質、防御タンパク質、調節タンパク質、分子シャペロン、その他の概略につ いて学習する。 多糖類の機能:多糖の種類、貯蔵性多糖、多糖類の消化と吸収、構造多糖、植物、細胞壁、甲殻類、動物結合組織、糖タンパク質、ムチンなどについて学 習する。 脂質の機能:エネルギー源、トリアシルグリセロール、ロウ、栄養素の輸送、リポタンパク質、生体膜、流動モザイクモデル、糖脂質、機能性脂質分子な どについて学習する。 ビタミンの機能:ビタミンとは、水溶性ビタミンとその構造、脂溶性ビタミンとその構造、補酵素型、促進される反応などについて学習する。 5 無機質の機能:多量元素、筋収縮、止血と血液凝固、細胞内反応、微量元素、微量元素の生物学的機能などについて学習する。 6 7 ホルモンの機能:ホルモンの作用機構、ホルモンの種類、視床下部ホルモン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、精巣ホルモン、卵巣ホルモン、膵島細 胞ホルモン、副腎髄質ホルモンなどについて学習する。 核酸の機能の概説: DNAの複製、半保存的複製、環状 DNA、線状 DNA、RNA、mRNA、rRNA、tRNA、遺伝子の発現などの概略について学習する。 8 酵素-①:酵素とは何か、酵素反応と活性化エネルギー、酵素の作用機構、触媒、基質特異性、反応特異性、 pHと温度などについて学習する。 9 酵素-②:酵素反応の速度論、ミハエリス・メンテンの式、ラインウィバー・バークのプロット、 Km、Vmax などについて学習する。 10 酵素-③:酵素活性の調節、活性化剤、阻害剤、不活性型前駆体の活性化、アロステリック酵素、分泌の調節、 合成の調節などについて学習する。 11 DNAの複製:複製の機構、 DNAヘリカーゼ、 DNAポリメラーゼ、 RNAプライマー、岡崎フラグメントなどについて学習する。 12 DNAの転写: m-RNA前駆体、 RNAポリメラーゼ、イントロン、エキソン、スプライシング、成熟 m-RNA などについて学習する。 13 タンパク質の合成: m-RNA、t-RNA、リボゾーム、コドン、アンチコドン、合成機構、遺伝子工学の概説などについて学習する。 14 学期末試験 15
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