ガラス細工 1. 切断法 (1)手折法 ガラス管を切断するためには、まずヤスリによって切断箇所にきずを入れる。 切断しようとする箇所を左親指の爪で押え、これにヤスリを当ててきずを入れ る。きずは 3- 4 mm で十分である。切断のときは左右に引く力を 70 %、折り曲 げる力を 30 %くらい同時に働かせて引き離すような気持ちで切断する。 引っ張りながら折る (2)焼き玉法 ヤスリで深い傷をつけ、傷の端から 0.5- 1 mm 離れた所に焼き玉(ガラス棒を 引き伸ばし、その先端を真赤に焼いたもの)を触れるとひびができる。ひびがで きたら、焼き玉がいつもひびの端から 1- 2 mm のところに触れているように動か し、ひびを誘導して伸ばす。焼き玉はときどき焼きなおす。 ヤスリ傷 焼き玉 2. 伸ばし方 ①ガラス管を幅広く十分に加熱する。管を火から出し、回しながら、ゆっくり 希望の太さに引き伸ばす。 ②ガラスが固まる寸前に、両端を 2 本の指でつまんで強く引っ張ると管がまっ すぐになる。 ③火の中で引っ張ると、管は焼き切れる。 3. 曲げ方 ①ガラス管の一端を封じる。 ②管を加熱し、火から出して曲げると同時に、ポッと短く吹く。曲げた時に外 側が扁平になるが、吹くとそこが膨れて形が整う。 ③下図のような形になってしまったときには、内側を加熱して吹き出す。一度 冷えてしまってからでは、外側を膨らまそうとしてもうまくいかない。 ④大きな曲率で曲げるには、加熱場所をずらしながら少しずつ曲げていく。 4. 同径管の接ぎ方 ①一方の管の一端を封じ、両管の接合面だけを加熱する。 ②管端が十分軟化して口が縮んできたとき、両管端を正しく接合し、火から出 してちょっと吹く。 ③ガラスの融合が不十分であれば、接合部を細い炎で加熱し、完全に溶け合わ せる。 ④火から出して、吹いたり引っ張ったりして形を整える。 5. さじ ①ガラス棒の先端を強く加熱し、丸く肉をためる。 ②焼いた部分を素焼板 2 枚ではさんで平たく押しつぶし、柄を少し曲げる。 ③細工した部分を形が崩れない程度に、弱い炎で熱し、ひずみを除去する。 10- 15 mm 200 mm 素焼板 45° 6. スポイト ①長さ 20 cm のガラス管の中央を加熱し、肉をためてから 2 mm くらいの太さに 引き伸ばす。 ②細管の長さがそれぞれ 5 cm くらいになるように、ヤスリを用いて切る。切り 口は熱して角をとる。 ③太い方の端面だけを強熱し、管を素焼板に押し付ける。この部分を弱い火で 熱してひずみを取る。 切る ゴム 引用文献: 化学同人編集部編 ”続実験を安全に行うために” 化学同人 (1999). ガラス細工用ガスバーナー 「ふいご」で空気量を調節する。
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