超音波検査における新人教育 木沢記念病院 放射線技術課 ○坪内隆将 西部裕美子 超音波検査は、その技術、機器知識、臨床知識と幅広い知識と経験を求められるモダリ ティーの一つである。当然これらを新人へ受け継いでいくことは容易ではない。当院の超 音波検査の新人教育の現状と流れを報告する。 まず研修前に、1-2 冊の本を予習してもらうようにしている。その内容は臨床でよく遭 遇する疾患について、超音波画像の特徴、また技術面においてはその基本走査法を記した ものを進めている。合わせて同僚に依頼し一連の走査を練習させてもらうが、それも観察 に容易な体型から困難な体型まで段階的に練習している。これらがある程度終了した時点 で実際一般来院・入院されている患者さんに検査をさせて頂く。当然、新人の後ろで有経 験者がついて検査を実施し、さらにその後有経験者が慎重に患者さんケアを行いながら再 度確認の観察を行っている。この患者さんにご協力頂きながら行う研修期間は、約 3-4 か 月を一つの目安としている。この間、検査法、臨床知識、機器知識の習得、更にはレポー トの記載の仕方、患者さんに対するマナー等もトレーニングを行っている。当課の方針と して、超音波検査は基本女性技師が担当を行うこととなっている。このため超音波検査の 適合性や超音波検査を行う前の検査のモダリティー配置などは行っていない。新人が一連 の検査を実施した後、有経験者が再度確認作業を行い、見落とし等が無くなって(少なく なって)きたら、いよいよデビューとなるが健診からではなく一般臨床から行っている。 これは検査実施中、困った際にすぐに有経験者に相談が行えるように配慮したものである。 独り立ちしてからも不定期であるが勉強会を実施しているが、超音波・機器の特性、臨床 疾患の概念とその形態、画像工学に関する知識の習得を目的としている。 このような流れで新人教育を行っているが、これら習得、技術・知識の向上の一助とな るよう、学会・研究会への参加、学会発表、超音波検査士の取得を積極的に薦めている。 前記したように本当の一人前になるまでに時間を要するモダリティーであるため、当院 も試行錯誤しているのが現状である。
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