第2学年組 数学科学習指導案

第2学年○組
数学科学習指導案
平成○年○月○日(○曜日)第○時限
1
単
元
2
単元について
指導者
個
○○
○○
平行と合同
(1) 単元の意義
情報が簡単に入手できる現代社会においては,その情報を基にして,一人一人が主体的に判断
できることが重要である。そのためには,判断の基になる論理的思考力や直観力の育成が必要と
なる。図形分野の学習では,操作や実験的な活動が取り入れやすく直観を交えながら推論してい
くことができ,このような力を育成するのに適している。
本単元では,様々な図形の論証において,推論の基となる基本的な図形の性質について明らか
にする。このことは,今後学習する論証の意義と論証の進め方の学習の基礎を培う上で意義があ
る。
(2) 系統的に見た位置
第1学年では,観察,操作や実験を通して,図形に対する直観的な見方や考え方を深め,図形
の概念や性質について論理的に考察する基礎を培ってきている。
第2学年では,まず,本単元において,平行線の性質や合同な図形の性質など,図形の論証に
おいて根拠となる基本的な図形の性質を明らかにする。次に,論証の意義と推論の進め方につい
て学習し,論証の進め方の基礎の学習を経験することで,論理的に筋道を立てて正しい推論がで
きるようになっていく。
そして,第3学年では,相似な図形や図形の計量の学習を通して,論理的に考察したり,表現
したりする能力を一層高める。
(3) 単元と生徒との関係
本学級の生徒は,これまでに操作や実験的な活動や直観的な取り扱いを中心として,図形の考
察をしてきており,易しい図形に対する直観的な見方や考え方は育ちつつある。また,生徒の発
達段階からみると,筋道立てて考える論証に興味・関心をもち始め,論証の経験をさせることに
より,論理的思考力を育てるにはよい時期である。
そこで,操作や実測あるいは直観によって,法則の発見に気付いたり結果を確かめたりできる
ような題材を基に,基本的な図形の性質について考察させ,その性質を明らかにする。そして,
図形の論証の進め方の基礎を培う。
3
目
標
観察,操作や実験を通して,基本的な平面図形の性質を見いだし,平行線の性質を基にしてそれ
らを確かめることができるようにする。また,図形の合同の意味を理解し,三角形の合同条件を見
いだすことができるようにする。
○
対頂角の性質や平行線と角についての性質を,推論の根拠として活用しようとする。
○
多角形の内角の和の関係を,帰納的な推論によってつかむことができる。
○
三角形の内角や外角,多角形の内角の和や外角の和を求めることができる。
○
多角形の内角の和や外角の和,三角形の合同条件について説明できる。
4
指導計画と評価計画(9時間完了)
指 導 計 画
評
学習内容 時間
1
平行
3
価
時数 生徒の活動
1
線と角
2
三角
4
画
学習活動における評価規準
る。
3
の内角,
外角
・多角形
( 1)
3
5
三角
4
2
形の合
本
同
時
実測しない生徒には,平
となりにない2つの内角の和に等し
どに着目させ考えさせる。
行線の性質や内角と外角の
○
分度器で実測している生
多角形の 関心
六角形の内角の和を基にして,n
・
内角の和に 意欲 角形の内角の和を求めようとする。
・
ついて考え 態度
が 360 °であることに気付
る。
かせる。
数学
六角形の内角の和を基にして,n
的な
考 え 角形の内角の和を帰納的にとらえ,
方
一般化することができる。
( 1)
の外角
正しく用いて実測させる。
性質,三角形の内角の和な
の内角
・多角形
分度器で実測しようとし
ている生徒には,分度器を
○
いことを説明できる。
( 2)
○
について考 知識
三角形の内角の和が 180 °である
・
える。
理解 ことと,三角形の1つの外角はその
形の角
・三角形
本時における個を生かす場面
三角形の 表現
三角形の内角・外角の性質を使っ
・
内角の和と 処理 て,角の大きさを求めることができ
1つの外角
2
計
多角形の 関心
三角形の外角の和を正しく求めよ
・
外角の和に 意欲 うとする。
・
ついて考え 態度
る。
数学
三角形の外角の和を基にして,多
的な
考 え 角形の外角の和を考えることができ
方
る。
徒には,実測の結果をまと
めさせ,多角形の外角の和
○
角を集めようとしている
生徒には,図を比較させ,
360 °であることに気付かせ
る。
○
n角形の内角の和に着目
している生徒には,正しく
式変形させ,360 °になるこ
とに気付かせる。
本時の指導
(1) 目
○
標
三角形の外角の和を正しく求めようとする。
【学習プリントの記述・行動観察 】(関心・意欲・態度)
○
三角形の外角の和を基にして,多角形の外角の和を考えることができる。
【学習プリントの記述・行動観察】(数学的な考え方)
(2) 個性を生かす指導について
本時では,多角形の外角の和を求めるとき,実測を含めた様々な考え方を用いて解決させる。
そして,実測を必要とする生徒や角を頂点に集めて考えようとする生徒には,四角形,五角形と
順々に調べさせ,多角形の外角の和がいつでも 360 °であることに気付くことができるようにす
る。
また,文字を用いて一般化できる生徒には,多角形の内角の和の公式を基に考えられるように
し,生徒個々の考えを生かすことができるようにする。
(3) 準
備
(4) 関
連
教師……学習プリント,画用紙
1年
「平面図形」,
3年
「図形と相似」
2年
「図形と証明」
「三平方の定理」
生徒……分度器,定規
「図形と合同」,
(5) 指導過程
時間
配分
学
20 分 1
習
活
動
指
導
上
の
留
意
点
三角形の外角の和について考える。 ★ 困っている生徒には,実測させる。
( 1) 三角形の外角の和の求め方につ ○
いて考える。
評価の観点と方法
○
実測で取り組む生徒には,分度器
を使って正しく測定させる。
○
1つの考え方で求めることができ
た生徒には,他の考え方もさせる。
A
実測
B
1つの頂点に角 C
を集める
三角形の外角の和を
正しく求めようとして
いるかを,生徒の様子
や学習プリントへの記
述内容からとらえる。
2つの頂点に角 D 内 角 と 外 角 を た E
を集める
す
内角とその対頂
角及び2つの外角
をたす
考
え
109°
方
の
134°
タ
イ
117°
プ
134 °+ 109 °+ 117 ° ○+△+□= 360 °
□=●+▲
= 360 °
180 °×2= 360 °
180 °×3- 180 °
= 360 °
360 °×3
- 180 °×2= 720 °
720 °÷2= 360 °
支
分度器を使って正
平行線をひいて,
内角と外角に印を
内角と外角に印を
内角と外角に印を
援 しく実測させること 1つの頂点に角を集 付けさせ,2つの頂 付けさせ,となりあ 付けさせ,頂点に集
の により,3つの角の め さ せ る こ と に よ 点に角を集めさせる う角をたさせること まるすべての角を合
方 和がおよそ 360 ° に り,360 °になること ことにより,360 °に により,360 °になる わせることにより,
法 なることをつかませ をつかませる。
る。
なることをつかませ ことをつかませる。 360 °になることをつ
る。
(2) 自分の考え方について発表する。 ○
かませる。
自分の考え方が分かるように,画
用紙にかかせて発表させる。
○
いろいろな考え方があることに気
付かせ,それぞれの考え方のよさを
認めさせる。
30 分 2
n角形の外角の和を求める。
○
四角形,五角形の順で考えさせる。 ○
(!) n角形の外角の和について考え, ★ 困っている生徒には,実測させる。
気付いたことをまとめる。
○
A~Eの発表から,どの方法でも,
三角形の外角の和を
基にして,多角形の外
角の和を考えることが
多角形の外角の和は,いつでも 360 °
できるかを,生徒の様
になることに気付かせる。
子や学習プリントへの
記述内容からとらえ
る。
A
四角形
考
B
四角形
C
四角形
え
方
D
四角形
E
四角形
110 °
c
49 °
a
d
の
95 °
☆
106 °
タ
イ 合計 360 °
○+△+□+☆
プ
★
b
☆
= 360 °
☆=a+b
★
☆
★
☆
☆
180 °×4
☆
360 °×4-
△=c+d
- 180 ° × ( 4-2 ) 2× 180 °×(4-2)
180 °×2= 360 °
= 360 °
= 720 °
720 °÷2= 360 °
A
五角形
考
の
五角形
C
五角形
D
五角形
E
五角形
66°
e c
え
方
B
☆
80°
★
☆
☆
62°
a
f
d
b
85°
◇
◇
◇
☆
★
☆
☆
67°
★
◆
◇
◆
◇
◆
◇
タ
イ 合計 360 °
○+△+□+◇+☆ ◇=a+b
プ
= 360 °
180 °×5
△=c+d
- 180 ° × ( 5-2 ) 2× 180 °×(5-2)
☆+a=e+f
= 360 °
180 °×2= 360 °
分度器による実測
360 °×5-
平行線をひいて,
多角形を三角形に
= 720 °
720 °÷2= 360 °
内角と外角に印を
内角と外角に印を
の結果をまとめさせ 1つの頂点に角を集 分割させ,2つの頂 付けさせ,n個の頂 付けさせ,n個の頂
支 ることで,多角形の めた図を比較させる 点に角を集めさせた 点でとなりあう角を 点に集まるすべての
援 外角の和がいつでも ことで,多角形の外 図を比較させること た さ せ る こ と に よ 角をたさせることに
の 360 °であることをつ 角の和がいつでも
で,多角形の外角の り,
より,
方 かませる。
360 °であることをつ 和がいつでも 360 ° 180 °×n-
360 °×n-
法
かませる。
180 °×(n-2)×2
になることをつかま 180 °×(n-2)
せる。
を導き,式変形によ を導き,式変形によ
り 360 ° になること り 360 ° になること
をつかませる。
( 2) n角形の外角の和を求め,発表 ○
する。
それぞれの考え方が分かるように, ○
画用紙にかかせて発表させる。
○
○
をつかませる。
結果をまとめて規則
性を考えたり,文字を
どんな考え方でも,n角形の外角
使って一般化したりし
の和は,いつでも 360 °になることか
ようとする,それぞれ
ら,それぞれの考え方のよい点を発
の考え方のよさに気付
表させる。
いているかを,発表の
それぞれの発表を基に,n角形の
外角の和が 360 °になることをまとめ
させる。
様子からとらえる。