本科 / Z-Study サポート 数学IIB 見本 5章 図形と方程式 (点・直線):ポイント整理 PM25J1-Z1J1-01 学習時間のめやす 15分 1.2点間の距離 今回から 図形と方程式 を学習する.これは方程式の考え方を導入して図形問題を考えるもの で,数学Ⅱ・Bの中でも重要な 野である.新しい内容も多く学習するので,じっくりと取り組ん でほしい. まず,座標平面上の2点間の距離を表す 式を示しておこう.これは基本的な 式で,3平方の 定理から容易に証明できる. 重要ポイント1 点A 点間の距離 と点 B , , の間の距離は − + − とくに,原点 O 0,0 と点 A , の間の距離は + 2.内 点・外 点 重要ポイント2 2点 A , ,B + + また,線 , : に内 する点の座標は : に外 する点の座標は + − 内 ・外 とも, ABを に対し,線 + + , ABを − 内 点・外 点 , − + − 子の係数に注意してほしい.たとえば内 だと, 座標は + + すなわち, の係数が , の係数が で,比が入れ替わった形になっている. 座標について も同じだ. 外 については, − + +− : に外 する を , − と考えることにすれば,内 : に内 する とみて + +− 点の 式と同じ形に帰着される( あるいは, − : に内 する とみてもよい.同じ結果が得られることを各自確認せよ). なお,3点 A , + + 3 である.これは,線 ,B , , ,C , を頂点とする ABCの重心の座標は + + 3 BCの中点( 線 BCを 1 :1に内 内 する点として求められる.これも確認しておこう. 36 する点) を M とし,線 AM を 2 :1に PM25J1-Z1J1-02 3.直線の方程式 一般に, 直線上の1点の座標と傾き がわかると,直線の方程式は決定できるのであった. 重要ポイント3 , を通り,傾き − = の直線の方程式は − …………………………………………………(*) ( *) の形より,これは傾きが = , = である直線の方程式であることは明らかだろう.また,( *) に を代入すると等号が成立するため,この直線は点 , を通るわけだ. また, 直線上の2点の座標 がわかっても,直線の方程式は決定できるのであった. 重要ポイント4 2点 , , = (Ⅰ) 直線の方程式 , を通る直線の方程式は のとき, = のとき, − (Ⅱ) ( Ⅰ) は明らかだろう. = − − − のときは,この直線の傾きが − − と表されることから,これを 重要ポイント3 にあてはめることで(Ⅱ) が得られる. なお,( Ⅱ) の 母を払って整理すると − となる.この式は − − = のときも成り立つので,( Ⅰ) ,(Ⅱ)をまとめた形といえる. − − =0 4.2直線の平行条件・垂直条件 重要ポイント5 2直線 = = + , = ′ − ′+ ′が平行であるための条件は ′ + また,2直線 直線の平行条件 + = 0, ′+ ′+ ′ = 0が平行であるための条件は ′ =0 上の条件に加えて, = ′あるいは ′ = ′が成り立つとき,2直線は一致する.問題によ っては,2直線が一致する場合を2直線が平行である場合に含まないこともあるので,注意しよう. 37 5章 図形と方程式 (点・直線) :ポイント整理 点 直線の方程式 PM25J1-Z1J1-03 重要ポイント6 = 2直線 直線の垂直条件 + , = ′+ ′が垂直であるための条件は ′ = −1 + また,2直線 ′ + + = 0, ′+ ′+ ′ = 0が垂直であるための条件は ′ =0 2直線のうちどちらかが座標軸に平行であれば, ′ = −1は ′ = −1の利用が効果的である.たとえば,直線 場合は = えない.しかし,これ以外の 2 +1に垂直な直線は,その 3 傾きを とすると 2 3 = −1 であるから, = − ∴ 3 + 2 =− 3 2 とおける.あとは,通る点などの条件から の値を定めればよい. 5.点と直線の距離 重要ポイント7 点P , 点と直線の距離 + と直線 + + = 0の距離は + + 式の形が少し複雑だが,しっかりモノにしてほしい. 子 = 直線の方程式にPの座標を代入したものの絶対値 母 = , の係数の2乗の和の平方根 である. また,直線の方程式は,必ず (例)点 1,1 と直線 = 3 + 4 = + 3 + 4 + = 0 の形に直した上で, の距離が1であるとき, の値を求める. を変形すると,3 −4 +4 = 0となる.これと点 1,1 との距離は 31 −41 +4 3+ −4 = 4 −1 5 これが1であるから 4 −1 = 5 4 −1= ±5 ∴ 式を適用すること. = 3 ,−1 2 38 PM25J1-Z1J1-04 図形と方程式 (点・直線):重要例題 学習時間のめやす 各10分 例題1 重要ポイント1,2 平面上に,3点 A 3,6 ,B −3,0 ,C 0,−3 があり,線 る点をD,線 ABを 1 :2に内 す BCを 1:2に外 する点をEとする.このとき,次の各問に答えよ. ABCの重心Gの座標を求めよ. (2) DGの長さを求めよ. (3)( 2) のGに対して,線 着眼 平面上の線 の内 点,外 点の座標,3角形の重心の座標,2点間の距離の求め方 を確認する問題. (1) 重要ポイント2 で紹介した 点 式にあてはめるだけだが,符号の扱いにはくれぐれも 注意してもらいたい. (2) ABCの3つの頂点の座標は与えられているので,これらから重心の座標を得るためには…. (3)(1),( 2) において,D,Gの座標は求めてあるので,2点 − + − となることを利用すればよい. ( )D は 線 , , , の間の距離が ……………………………………………………( *) ABを 1:2に 内 する点であるから,内 点 の 式より,Dの 座標と 座標は 23 +1 −3 3 = = 1, 1 +2 3 P , 次に,Eは線 , PQを に : に内 する点の座標は + + (答) BCを 1 :2に外 ,Q 対して,線 26 +10 12 = =4 1 +2 3 ∴ , する点であるから,外 式より,Eの 座標と 座標は 点の : に外 + + , する点の座標 は −2 −3+10 6 = = −6, 1 −2 −1 − + − , − + − −20 +1 −3 −3 = =3 1 −2 −1 ∴ , ( 答) ( ) ABCの重心Gの 座標と 座標は 3 + −3+0 0 6+0+ −3 3 = = 0, = =1 3 3 3 3 ∴ , (答) ( )(1),( 2) の結果と,2点間の距離の 式より DG= 0 −1 + 1 −4 = 1 +9 = A , C , ,B , に 対 し て, ABCの重心の座標は + + 3 , + + 3 着眼 の( *) . ( 答) 39 , 図形と方程式 (点・直線) :重要例題 5章 (1)D,Eの座標をそれぞれ求めよ. PM25J1-Z1J1-05 例題2 重要ポイント4,7 平面上に,3点 A 2,5 ,B −6,1 ,C −4,7 がある.このとき,次の各問に答え よ. (1)直線 ABの方程式を求めよ. (2)Cと直線 ABの距離を求めよ. (3) 着眼 ABCの面積を求めよ. ABCの面積を求める過程において,直線の方程式や点と直線の距離の求め方を確認し てもらう. (1)一般に, − 平面上の2点 = − − , − , , を通る直線の方程式は …………………………………………………( *) と表されるので…. (2)ここでは,点 + , + と直線 + + = 0の距離が ……………………………………………………………( ☆) + であることを利用しよう. (3)3角形の面積の求め方はいろいろあるが,本問では,( 2) の結果を利用する方針で考えてみ よう. ABCの底辺を線 ABとみると,高さは(2)で求めた距離に他ならないので…. ( )2点 A 2,5 ,B −6,1 を通る直線の方程式は −5= 1 −5 −2 −6−2 −5= 1 2 −2 2 −5 = −2 2 −1 0= −2 よって,求める直線 ABの方程式は ( 答) ( ) −4 −27+8 10 = = 5 1+ −2 ABCの底辺を線 ( 2) を見越して,一般形で 答えたが = ……………………………① ( )求めるCと直線 ABとの距離を とすると,①より = 着眼 の( *) . ( 答) 1 +4 2 を答としてもよい. 着眼 の( ☆) . ABとみる と,高さは( 2)の に他ならない. このことに気づくのがポイ ここで,2点間の距離の 式より ント. 例題1 AB= −6 −2 + 1 −5 = 64 +16 の 着眼 ( *) . = 80 =45 であるから,求める ABCの面積 は = = 1 AB 2 = 3角形の面積 1 45 25 2 = ( 答) 40 1 × 底辺 × 高さ 2 の PM25J1-Z1J1-06 例題3 重要ポイント5,6 平面上に,2直線 +1 − : + +2= 0, :2 − +5= 0があるとき,次の各 問に答えよ.ただし, は実数の定数とする. と が垂直のとき, の値を求めよ. (2) と が平行のとき, の値を求めよ. (3) は の値に関係なくある定点を通る.その定点の座標を求めよ. 2直線の垂直条件・平行条件,直線の定点通過についての問題に取り組んでもらう. 着眼 (1)一般に,2直線 ⊥ ′ + : + + = 0, : ′+ ′+ ′ = 0に対して ′ = 0 ………………………………………………( *) が成り立つことを利用すればよい. (2)本問では,上記のような2直線 ′ − , に対して ′ = 0 ………………………………………………( ☆) が成り立つことを利用するのがコツ. (3)このような問題では,直線 の方程式を + のように =0 と はそれぞれ と の整式 についてまとめて処理するのが定石. ……………………( ※) の値に関係なく定点を通る ということは, どのような の値に対しても(※)が成り立つということであるから…. ( )条件より, と +1 2 +− は垂直であるから −1 = 0 ∴ 3 +2= 0 ( 答) ( )条件より, と めて処理することもできる. 2= 0 −1= 0 着眼 の( ☆) . (答) ( ) の方程式を +2+ について整理すると − +1 = 0 このように, についてま となる.この等式は とめるのがコツ.これが +2= 0かつ ∴ の傾きをそれぞれ求 は平行であるから +1 −1− − ∴ 着眼 の( *) .なお, と − +1= 0 についての恒等式となるよ = −2, = −1 うな , の値の組を求め のとき,任意の の値に対して成り立つので, は の値に関係な ればよい. くある定点を通る.よって,求める定点の座標は , ( 答) (3) 解答 における考え方を応用すると,異なる2直線 + + =0 ′+ ′+ ′ = 0 ……………………………………………………………① が点Aで わるとき, 点Aを通る直線のうち,①以外のものは + + + ′+ ′+ ′= 0 は定数 の形で表されることがわかる.このことはしっかり押さえておこう. 41 図形と方程式 (点・直線) :重要例題 5章 (1)
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