2009.4.22 野鳥の楽園 <千葉市千城台> 1. 野鳥の楽園 の「野鳥の写真館」 ゴイサギ 「千城台野鳥観察園」 千城台野鳥観察園は、もとは千城台団地の造成の時に造られた 雨水調整池ですが、1987 年に千葉市が野鳥観察園として整備した もので、面積は約 2.5ha あります。池に突き出すようにある「お むすび山」には、コナラやシラカシなどが生い茂り、80 種を超え る野鳥の生息場所となっています。 第二観察場の右寄りの場所から見た「おむ すび山」の正面。中央左の白く見えるのがダ イサギ、小さい点で見えるのがゴイサギ。 樹林にゴイサギが巣を作っています。まる で鈴なりです。驚きました。 1 ゴイサギのカップル (2009.4/2, 4/4, 4/6) ゴイサギのつがい(番)は巣の周りの狭い範囲を縄張りとして防衛します。この千城台野鳥観察園をみ ますと、すぐ隣に別のつがいの巣があり、巣の縄張りの範囲がごく狭いことに驚きました。4 月は繁殖 期ですのでたくさんのつがいみられました。繁殖期のゴイサギは足の色が赤くなり、目の赤色が濃くな ります。これらの写真はつがいの様子です。第二観察場付近から撮影したものです。 オス(左)が運んできた巣作りの 枝をメス(右)が受け取っている。 足は赤色、濃い赤色の目が印象 的。 メス (左 )はオス (右 )が運んでき た 巣作りの枝を使って巣を整えてい る。 2 ゴイサギの巣作り(1) (2009.4.6) これだけ多くのゴイサギがいると、気を付けて見ると興味深い様々な行動が見られます。ここではカ ップルが成立した後の、ゴイサギのオスが巣作りのための枝を運ぶ様子をご覧ください。第二観察場付 近から連写で撮影したものです。 おむすび山の樹林の下で枝をくわえ ているオスを見つけました。枝をく わえて飛びあがりました。 飛び上がって樹林の上へ。 そこではメスが枝を運んでくるオスを待 っていました。 3 ゴイサギの巣作り(2) (2009.4.6) 一度枝をくわえて飛びあがったゴイサギは、近くの木の上で体勢を整えてから、再び飛びあがりました。 このオスの巣は水面のすぐ近くでした。くわえてきた枝をメスに渡そうとしています。 すぐ下に別のつがいの巣があります。ゴイサギの巣の形がよくわかります。 オスが運んできた枝で、メスが巣作りをし ています。 4 枝運びに奮闘するゴイサギ (2009.4.3) 枝をくわえているゴイサギを捜してカメラの連写で追っていくと、短時間のうちにゴイサギのいろい ろな姿が撮れました。これは巣作りの枝運びに奮闘するゴイサギです。 ずいぶん長い枝をくわえています。 こんなに長い枝をくわえて飛びあがりま した。カップル成立直後の巣づくりの始 まりで、張り切っているのでしょうか。 く わえた 枝があ まり に 長いの で、途 中の 水 草の上 に一旦 おり ま した。 足の赤 色が よくわかります。 5 何とか飛び立とうとして奮闘してい ましたが、枝を置いてどうしたらよ いかと思案顔です。 再び飛び上がろうと 挑戦しましたが、 バランスを崩した ようです。 最後はくちばしで長い枝を折って短 くして、くわえました。この時、こ の場所にダイサギが飛び降りたので、 ゴイサギは短い枝をくわえて飛び去 りました。 6 ゴイサギの求愛 (2009.4.6) オスが巣作りの枝を運ぶ前に、カップルが成立していなければなりません。ゴイサギの求愛行動は、 オスが古巣の上で小枝をくちばしに挟んで、上下に振る行動をします。この時メスが古巣に入り、この 枝を受け取るとカップル成立です。ここの一連の写真は、枝をくわえているゴイサギを連写で追ってい ったら、求愛行動が見られたので夢中で写したものです。この間 8 分間のドラマでした。 オスが枝をくわえています。これからメスに求 愛です。 「このくらい長く立派な枝なら成功間違 いないだろう。さあ、がんばろう」。 オスの古巣(多分?)の近くにいた メスに、枝を受け取ってくださ いと差し出すオス。メスはあま り気がなさそう。 メスはあまり気乗りしない様子で、 前の木の枝へ移ってしまいました。 それでも熱心に枝を上下に振って 求愛するオスに、時々関心を示し ています。 7 残念。メスにそっぽを向かれてしまいまし た。それでもオスは必死で枝を振っていま す。 その時、別のメスがオス の近くの木の枝に舞い降り ました。オスは枝をくわ えたまま、まだ最初のメ スの方を見ています。 オスの近くの枝におりた上の写 真のメスは、オスの頭に自分の頭 をのせました。恐らく、「私に求 愛して」という合図ではないでし ょうか。 8 それまで最初のメスがいる 方を向いていたオスは、こ のメスの方へ向き直って 求愛の枝を振って、差し出 しました。 メスが枝を受け取りました。 カップルの成立です! よかったですね。 オスが下方へ向けて声を上げる と、その後、メスも下方へ向けて 声を上げていました。これは離れ ていても声を出して呼べばお互 いの居場所がわかるように、互い の声を確認し合っているのでし ょうか。これからオスは一生懸命 枝を運び、メスとの巣作りが始ま ります。 9 ホシゴイ <ゴイサギの幼鳥> もたくさんいます (2009.4.7) これだけゴイサギのつがいがいるのだから、幼鳥のホシゴイもいるはずだと思ってよく見ると、いた のです。ホシゴイは色が目立ちませんので、よく見ないとわからなかったのですが、いろいろな場所に いました。ホシゴイが成鳥のゴイサギになるまでには 3 年かかるようですので、ここでは成鳥になるま でのいろいろな羽色の段階のホシゴイが見られました。 おむすび山の南側の枯れたヨシの茂みの中の 2 羽のホシゴイ。一羽は母親と思われるゴイサギの 上に乗っている。2 羽のホシゴイは羽の色から見て、ごく幼鳥のよう。別の場所で見られたホシゴ イも、そばに母親とみられるゴイサギがいることが多い。 上と同じヨシ原にいたホシゴイ。羽の色は全 体が薄い青紫色で、頭と上羽の一部は青色 を帯びてきている。 おむすび山の水面近くの樹林の上のホシゴイ。 羽の色は薄い青紫色。 10 おむすび山の樹林の上のホシゴイ。近くに母親とみられるゴイサギがいる。 上の写真のホシゴイ。羽色は薄い青 紫色。これは 2 年目ぐらいのホシゴ イか? おむすび山の水面近くの木の上で。 羽の色は薄い青紫色。一部は青色 を帯びてきている。 11 ヤマザクラの中のホシゴイ (2009.4.7) おむすび山のヤマザクラが満開でした。この中からホシゴイの叫び声が聞こえましたので、 よく見るとホシゴイが何羽もいました。 ホシゴイの大きな叫び声が あたりに響いていました。 母親を呼んでいるのでしょうか。 多分、母と子でしょう。ゴイサギは 夜行性なので、巣作りやヒナを育て る場合を除いて、昼間は眠っている ことが多いようです。 12 ヨシ原の中のホシゴイ (2009.4.7) 千城台野鳥観察園に野鳥が豊かに生息するのは、おむすび山の樹林、調整池の水面、所々にあるヨシ 原や茂み、という多様性に富んだ自然があるからです。ヨシ原にはゴイサギの幼鳥のホシゴイの他にも、 アオサギの幼鳥も見られます。これらの写真はヨシ原でのホシゴイです。 野鳥は何といっても羽を広げて飛ぶ姿が一番です。人間は飛べないので憧れるのでしょうか。 これは羽を広げて少し場所を移動した時の写真です。ホシゴイの“星”の斑点がきれいです。 上と同一のホシゴイ。餌を狙って歩く姿は 独特。 上と同一のホシゴイ。こういう角度から の姿もいい。 13
© Copyright 2024 ExpyDoc