平成20年度終了研究テーマ - 島根県

平成20年度終了研究テーマ
終了研究テーマ名
研究成果等
担当G名
事業名
1
斜行型合板を用いた建材の性能や、具体的な製品を、ある程
斜行合板を用いた建材の開
度絞りこんだ。県内合板メーカーへの技術移転により、ある程 材料技術グループ 県単基礎研究
発(H18~20)
度試作品の供給が可能になった。
2
日射断熱効果は表面色の明度にもっとも影響を受け、次に裏
面の輻射率の影響を受けることがわかった。よって、表面を白
裏面をアルミなどの輻射率の小さい材料で被覆するのが最も 材料技術グループ 県単基礎研究
効果がある。これらについて、モデル実験と瓦敷設モデルで確
認した。
日射に対する断熱システム
の開発(H18~20)
本研究をすすめる過程においてセンターの技術蓄積が大きく
新規木質面材料を応用した 進展し、建築業界への対応が可能になった。また、建材の実
JST:地域イノ
3 軽量かつ高強度な木質構造 用化で先行する北海道林産試験場との共同研究によって、島 材料技術グループ ベーション創出
総合支援事業
材料の開発(H20)
根県においても建材の実用化が可能であることが分かってき
た。
遺伝子工学研究において、大腸菌からのプラスミドDNA精製
操作はルーチンとして日常的に行われる実験操作であるが、
島根県産ゼオライトを用いた 操作ステップが多く煩雑である。そこで島根県産ゼオライトの
4 遺伝子工学用試薬の開発
持つイオン交換作用および吸着作用を応用し、操作の簡便さ 環境技術グループ 県単基礎研究
(H18~20)
と迅速性に重点を置いたプラスミドDNA精製法を開発した。本
方法では3操作、15分以内に大腸菌からプラスミドDNAを得る
ことができ、プラスミドDNA精製キットへの応用が期待できる。
ゼオライト成形体に、カーボンナノファイバー(4wt%)または人
造黒鉛(16wt%)を高分散で添加することにより、1.5倍以上の熱
エネルギー効率を改善したゼ
中国電力技術研
伝導率となった。また、カーボンナノファイバー(4wt%)および人
5 オライトヒートポンプシステム
環境技術グループ 究財団試験研究
造黒鉛(16wt%)を同時に添加することにより、2倍の熱伝導率と
助成
の開発(H20)
なった。この熱伝導性を向上したゼオライト成形体を使用して、
ヒートポンプ試験を行った。
住空間の環境保全・改善のため、ゼオライトの持つ特性(吸放
湿・吸着、脱臭)と、抗菌技術、光触媒を組み合わせることで、
島根県産ゼオライトを活用し 有害物質の吸着分解機能および抗菌作用を有する室内用塗
経済産業省:地
6 た住環境保全商品の研究開 り壁材の開発をおこなった。その結果、以下のことが達成でき 環境技術グループ 域資源活用型研
究開発事業
発(H19~20)
た。①ゼオライト塗壁材の配合の最適化、②可視光応答型光
触媒の高活性化、③実証施工による住環境における性能評価
の基礎データを蓄積した。
サバ塩辛の製造に、各種こうじを利用することにより、新製品
の試作を行った。その結果、大豆こうじを用いたものが最も評
価が高かった。また、ACE阻害活性と抗酸化活性についても最
微生物制御技術を用いた新 も優れていた。また、サバ塩辛をミンチにした後、裏ごしをかけ
7
生物応用グループ 県単基礎研究
規水産食品の開発(H19~20) ることにより、サバ塩辛ペースト(水分含量56%)を得た。この
ペーストを火当て後、スケトウダラすり身を用いてかまぼこの
試作を行ったところ、特徴のある製品ができ、かまぼこ製造用
調味素材として有効であることを確認した。
「非金属介在物を利用した保護皮膜生成による快削化(材料
中に微量に存在する非金属介在物が切削中に工具表面に選
択的に付着・堆積して保護皮膜を生成し工具摩耗を抑制する
球状黒鉛鋳鉄の快削化に関 手法)」の実現には、特定の介在物を材料の基地組織中に適
8
生産技術グループ 県単基礎研究
する研究(H18~20)
正量残留させる必要があることを見出し、既にその手法を用い
て快削化に成功した片状黒鉛鋳鉄と同様、球状黒鉛鋳鉄にお
いてもその特定介在物を残留させるべく研究開発に取り組ん
だ。
終了研究テーマ名
研究成果等
担当G名
事業名
安来の特殊鋼を活用した2種類の素材を開発した。また、開
発した素材を生産するための複合化生産技術を確立した。開
経済産業省:地
安来の特殊鋼を用いた高性
9
発した素材と確立した生産技術で、製材用帯鋸の挿し刃を試 生産技術グループ 域資源活用型研
能刃物開発(H19~20)
究開発事業
作し、基本性能の確認と実際の製材試験を行い、良好な結果
を確認した。
試作した電動車いすの入力装置について、国際福祉機器展の
アンケート、試乗による意見聴取に基づき、足・手入力装置共
電動車いすの入力装置の製
情報デザイング
10
通のベース部分と足載せプレートならびにグリップ部分の改良 ループ
品化に関する研究(H18~20)
を行った。モニタリングを継続中。製品化に向けて外部資金の
獲得を目指す。
座位保持用クッションの適合 使用者の採型データをもとに加工し、体圧分布測定により補正
情報デザイング
ループ
県単基礎研究
(県内企業と共
同研究)
メイン基板の縮小とそれに伴う形状変更、他分野への展開案、
視覚障害者の歩行支援のた
情報デザイング
障害物検知などの新機能付加の可能性について、調査、試作 ループ
めの製品開発(H19~20)
を行った。
県単基礎研究
11 性向上に関する研究(H19~ 加工を施した座位保持装置を作成した。本装置の耐久性試験
20)
12
県単基礎研究
(複数の県内企
業と共同研究)
のため来年度も継続使用し、定期的に体圧分布測定を行う。
視覚障害者の誘目性向上と 量産モデルに関する基板作成、発行チューブ加工条件抽出を
13 経路指示のための装置及び 行った。また製品展開案として歩行誘導と経路支持機能を加
システムの開発(H19~20)
えたモデルを新たに提案、試作した。
情報デザイング
ループ
関係する諸条件を抽出し、コンセプト立案するとともに、求めら
デリバリー用チタン製保温容 れる容器構造について提案した。形状検討を行い、実寸モデ 情報デザイング
14
器のデザイン開発
ルによる デザインプレゼンテーションを行った。モデルはフード ループ
ケータリングショーに出展し、高い評価を得た。
JST:地域イノ
ベーション創出
総合支援事業
受託研究
自動車用エンジンの高性能化や燃費改善には動力伝達部品
の小型軽量化が効果的であることから、その主力構成部品で
ある歯車等の駆動系部品の高強度化、とくに浸炭部品の疲労
強度や耐ピッチング性、耐摩耗性の向上が急務とされている。
高耐久性浸炭部材の量産を 本研究では、プラズマを効果的に印加した高濃度浸炭技術
経済産業省:戦
プラズマ熱処理技
15 可能とする浸炭複合加工プ に、耐摩耗性向上と低摩擦化による耐ピッチング性向上が注
略的基盤技術高
術開発プロジェクト
度化支援事業
ロセスの開発(H18~20)
目されている炭素皮膜コーティング技術を統合することによっ
て、駆動系部品の高強度化を図る「浸炭複合加工プロセス」を
開発した。本プロセスを適用した歯車では、現行のガス浸炭処
理部品と比較して、ピッチング強度および歯元曲げ疲労強度
の向上が認められた。
現行配合粘土(坏土)および低品位粘土(坏土に比較して耐火
度の低い粘土)に風化花崗岩を配合した粘土の乾燥過程にお
ける反り量について評価した。併せて、添加したときに反りを抑
金城風化花崗岩配合粘土の
える効果がある日貫マサについても評価した。
16 歪み特性に関する研究(H18
研究開発グループ 県単基礎研究
風化花崗岩、日貫マサともに配合すると配合量が多くなるほど
~20)
反り量が小さくなることが明らかになった。また、風化花崗岩配
合による反り量の低減効果は従来用いられていた日貫マサを
配合した場合と同等であった。
醤油用の麦麹を用い、これにアナゴや脱脂粉乳を任意の割合
で混合して、6ヶ月間熟成させて調味料を作製し、品質を比較
した。その結果、麹の割合が高いほど、グルタミン酸などのアミ
麹菌による生理活性物質生
ノ酸含有量が多くなることや,特に魚の生臭さなどの香気成分
17 産と動物性調味料への応用
研究開発グループ 県単基礎研究
が低くなった。また通常の醤油製造と同じ配合で作製した調味
に関する研究(H19~20)
料と、脱脂粉乳で製造した調味料では、乳酸がほぼ発生しな
かったが、魚を用いたものには乳酸が生成し、乳酸発酵が生じ
たものと推測された。