マンスリー・レポート (2004 年 7 月) - 大和投資信託

マンスリー・レポート (2004 年 7 月)
大和証券投資信託委託株式会社
投資調査部
<国内経済> − 中小・製造業の景況感が 12 年ぶりにプラスに −
<国内株式> − いよいよ参院選 −
<米国経済> − 利上げ局面入り −
<為 替> − 日米長期金利差に連動するドル円相場 −
■当資料は、投資判断の御参考となる情報提供を目的として大和証券投資信託委託株式会社によって作成されたものであり、勧誘を目的とした
ものではありません。投資に関する最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願い申し上げます。■当資料は、各種の信頼できる情報源か
ら作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。 ■当資料の中で記載されている内容、数値、図表、意見等は当資料
作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。
<国内経済> − 中小・製造業の景況感が 12 年ぶりにプラスに−
(%)
40
中小・製造業の景況感が12年ぶりにプラスに転じた
30
中小・製造業DI
20
中小・非製造業DI
(9月見通し)
10
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04
(出所)日銀短観 (注)シャドーは景気後退期を示す。サンプル変更に伴い2003年12月で不連続。
◆
景気回復の裾野拡大と構造変化
大きく、回復感の浸透が全体に及んでいる
わけではない。つまり、企業部門の回復で
日銀短観 6 月調査では、企業の景況感が
雇用情勢が改善し、それが家計の雇用改善
大幅に改善、バブル崩壊後の最高水準とな
に波及しているが、パートタイマーの増加
った。景況感を代表する大企業・製造業の
にとどまり、景気回復全開とはいえない。
業況判断 DI は 6 月に+22 と 3 月調査比+10
ポイントの大幅な改善。同 DI が+20 を超え
しかし、今回の景気回復は、企業の構造
たのは 91 年 8 月調査以来 13 年振りである。
変化を伴っているため、過去 2 回の回復と
また、大企業・非製造業の業況判断 DI も
は違っている。企業を取り巻く構造問題の
+9 まで改善し、92 年 6 月以来の高い水準
代表として「3 つの過剰」がある。設備の
となった。先行き 9 月の景況感にやや慎重
過剰、雇用の過剰、債務の過剰である。6
な判断が見られるが、これは景気拡大局面
月短観ではこの 3 つの過剰感が、それぞれ、
での短観のクセであり心配はいらない。
一段と低下していることが示された。たと
えば、中堅企業では先行き 9 月時点の雇用
また、中小・製造業の業況判断 DI は+2
予想が 12 年ぶりに「過剰」から「不足」に
と 12 年ぶりにプラスに転じた。中小・非製
転じた。企業の資金繰り判断も、大・中堅
造業の業況 DI は▲18 とまだマイナスが大
企業で「楽である」だ。構造改善が進む中
きいものの改善が続いている。景気回復が
での回復はバブル崩壊後初めてで、景気の
中小企業にも波及してきたと判断できよう。
先行き不安は小さいのではなかろうか。
ただし、大企業と中小企業の景況感格差は
(投資調査部 斎藤 茂)
■当資料は、投資判断の御参考となる情報提供を目的として大和証券投資信託委託株式会社によって作成されたものであり、勧誘を目的とした
ものではありません。投資に関する最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願い申し上げます。■当資料は、各種の信頼できる情報源か
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作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。
<国内株式> − いよいよ参院選 −
12500
日経平均
(円)
12000
11500
11000
10500
10000
20040105
◆
20040304
反発から小反落
20040506
20040702
自民敗北と決めつけるのは尚早だろうし、
小泉首相の指導力低下を即、株安に結びつ
株式市場は、日経平均でみると 5 月 17
けるのは短絡的過ぎよう。6 年前の参院選
日の 10,505 円を安値として反発し、6 月も
では自民党が惨敗し橋本首相が退陣を余儀
勢いはさほど感じられなかったものの戻り
なくされたが、このとき事前の報道では勝
歩調が続いた。7 月 1 日には 12,000 円にザ
敗ライン並の議席確保が予想されていたこ
ラ場であと 12 円まで迫ったが、その後は小
とはよく知られている。また昨秋の衆院選
反落となっている。5 月安値から約 1 ヶ月
において、投票後の出口調査を基にしたテ
半にわたり、殆ど押しらしい押しもなく
レビ各局の予想が大きく外れたことは記憶
10%以上戻してきたことを考えれば、足許
に新しい。正に蓋を開けてみるまでは分か
で多少調整したとしても、ごく自然な動き
らないわけで、見込みで大きな投資リスク
といえよう。
を取ることは避けたいところだ。問題は実
際に自民党が敗北し、小泉首相の指導力が
◆
いよいよ参院選
低下する場合だが、実は株式市場への影響
はあまり大きくないのではないかと考えて
7 月 11 日は参院選の投票日である。新聞
いる。なぜなら現状の株式市場は政策で押
各社の報道によれば、自民党は勝敗ライン
し上げられている面が小さいとみているか
としていた 51 議席に届かず 40 議席台後半
らだ。金融行政にしても、不良債権処理等
の見通し、一方民主党は 50 議席台乗せと予
の山場は既に通過したほか、省庁再編で誕
想されている。株式市場は自民敗北予想を
生した金融庁が最近の路線を維持するだけ
小泉首相の指導力低下につながるとみて、
の地盤を固めたとみられるためだ。
ネガティブに反応しているようだ。しかし
(投資調査部 長野 吉納)
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<米国経済> − 利上げ局面入り −
7
%
10年国債利回り(長期金利)
6
FFレート誘導水準(政策金利)
5
4
3
2
4年振りの
利上げ
(出所)FRB
1
00
◆
01
02
当面は「超」低金利の正常化
03
04
既に設備投資は増加に転じて久しく、生
産、雇用の回復にも確かな手応えが感じら
高成長とインフレ率の底打ちを背景に、
れる現況で、今度は逆に、デフレではなく
FRB(米国の中央銀行)は 6 月末に利上げ
インフレが意識され始めている。金融・財
を実施した。具体的には、政策金利である
政政策そのものによる景気押し上げ効果が
FF(フェデラル・ファンド)レートの誘導
あるとは言え、名目成長率が 5%を上回る中
水準をそれまでの 1%から 1.25%へ引き上
での実質マイナス金利が、景気を過度に刺
げた。FRB の利上げは 2000/5 以来 4 年振
激し、インフレの加速をもたらす恐れがあ
りで、これで 2001/1 からの利下げ局面に終
ると考えるのは自然である。
止符が打たれた事になる。
もっとも、利上げ局面入りしたのは確か
ここ数年、90 年代後半の IT バブルが崩
だが、当面は「超」低金利の正常化の意味
壊する過程で、過剰な設備、雇用、債務の
合いが大きく、追加利上げのペースは、緩
大幅な調整が進行し、一頃は「世界デフレ」
やかなものに留まろう。一部の原材料価格
への懸念すらくすぶるなか、金融政策も緊
に関しては、需給逼迫から上昇が懸念され
急避難的な対応を余儀なくされた。政策金
ても、企業の収益性の改善、世界的な競争
利は当初の 6.5%から、短期間で繰り返し引
激化で、川下の消費者物価へは波及し難く、
き下げられ、昨年 7 月以降は 1%で推移して
また、労働供給(人口)の増加で、賃金も
いたが、コアの消費者物価は昨年 11 月に記
容易には上昇が加速し難い構造にある。大
録した最低でも前年同月比 1.1%であり、政
枠として、低金利の状況に変わりはない。
策金利は実質マイナスの状況にあった。
(投資調査部 松田 寿隆)
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<為替> − 日米長期金利差に連動するドル円相場 −
円安
5
130
円/ドル(右目盛)
4
120
3
110
日米長期金利差
(米−日、%、左目盛)
円高
2
100
02
◆
03
一旦はドル強含みを想定
04
であるが、物価情勢に鑑みれば、日銀のゼ
ロ金利政策に係る「出口論」は未だ現実味
ドル円相場は今年の 4 月以降、日米長期
に欠ける。現在の量的緩和の継続を前提に
金利差にほぼ完全に連動して推移している。
すれば、長期金利の上昇余地は限定的で、
為替相場の決定要因は多々あり、局面に応
精々2%が当面の上限であろう。
じて、影響力の大きい要因は異なるが、ド
ル円相場において、これ程金利差が説得力
他方、米国は既に利上げ局面入りしてい
を持つ展開も珍しい。
る。もっとも、現在 1.25%の政策金利が今
年末に 2%、来年末には約 3%へ達するとの
4 月初めから 5 月中旬にかけ、米国で利
平均的な市場予想が既に相場に織り込まれ
上げ観測の高まりを背景に長期金利が急上
ているとすれば、追加利上げが「慎重なペ
昇し、日米長期金利差(米>日)が拡大し
ース」に留まる限り、長期金利が一方的に
た過程で、ドル円は 114 円台まで円安が進
上昇を続ける公算は小さいが、FRB(米国
んだ。その後、米国の長期金利がおおよそ
の中央銀行)は、機動的な政策対応の可能
横這いで推移する一方、今度は日本の長期
性にも言及しており、また、6 月雇用統計
金利が急上昇し、日米長期金利差が縮小す
を受けた足許の長期金利の低下には、行き
る過程で、107 円台まで円高が進んだ。
過ぎの感がある事からも、米国の長期金利
の上昇余地は日本のそれと比較して大きい
現在、110 円割れの水準で、方向感の乏
と考える。ドル円は神経質な相場展開が続
しい展開が続いているが、当面のドル円相
きそうであるが、一旦はドル強含み(円安)
場の鍵を握るのは引き続き日米の長期金利
を想定する。
であろう。日本の景気回復の足取りは確か
(投資調査部 松田 寿隆)
■当資料は、投資判断の御参考となる情報提供を目的として大和証券投資信託委託株式会社によって作成されたものであり、勧誘を目的とした
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