中国の山寨携帯についての考察

中国の山寨携帯についての考察
10112GHU 片岡 聖大
1. 問題
私が山寨ケータイについて興味を持ったのは「iPhone の偽物が本物より早く発売された」という報道
を見た時である。そして 2013 年の夏にバンコクを旅行した時、山寨ケータイの実物を初めて目にした。
そこで私は、山寨ケータイとは何か、どこでどのように製造されているのか、どのような人々が購入す
るのか、中国携帯電話社会における役割は、ということについて調べた。
2. 結果
2008 年頃「山寨ケータイは有名メーカーの模造品ばかりだ」と批判を受けながらも、山寨ケータイメ
ーカーはお互いの競争の中でいかにデザインを本物に近づけるかと金型を工夫したり、本物にはない便
利な機能を組み込んだりとさまざまな試行錯誤を繰り返した。そしてその競争の中でデュアル SIM を代
表とする数々の先進機能を開発、実用化した。 しかし世界的に見て4G 導入に遅れをとった中国の通信事業者は現在4G 対応スマートフォンととも
に4G 通信の普及に尽力している。ゆえに、高級スマートフォンメーカーとしての地位を中国で確立し
安定したシェアを占有する海外メーカーの携帯電話や、着々とシェアを広げる大手中国メーカーの携帯
電話とは対照的に、山寨ケータイは中国市場から姿を消そうとしている。 3. 考察
一時は 1600 社存在した山寨ケータイメーカーも今では 20 社程度しか残っていないようだ。スマート
フォンの新機種発表においても目新しい機能を搭載した機種は発表されていない。遊び心のある携帯電
話機を生み出したり、本体裏側に直接コンセントプラグを備え付けることで充電コードが不要なスマー
トフォンの実用化を実現したりした山寨ケータイメーカーのエネルギッシュな活躍を、私としては今一
度期待したいところだ。
【参考文献】阿甘(2011)『中国モノマネ工場 世界ブランドを揺さぶる「山寨革命」の衝撃』(徐航明・永井麻生子訳)日経 BP 社