Vol. 80

ご参考資料
Vol. 80
(対象期間:2014年5月19日~2014年5月30日)
イ ドネシ
インドネシアの代表的株価指数であるジャカルタ総合指数は、年初から前対象期間末の5月16日までは18%近く上昇し、5,000
代表的株価指数 あるジ カ タ総合指数は 年初から前対象期間末
月
ま は
近く上昇
ポイントの大台を回復しましたが、その後、大統領選挙に向けた予想外の連立の動きをきっかけに利益確定売りに押されて下
落しました。4月の貿易収支が赤字の見通しとなったことも相場を下押ししました。10年国債利回りは上昇(価格は下落)し、為
替市場ではインドネシアルピア安となりました。大統領選挙の情勢については、ニュース欄をご参照ください。
[株式市場]ジャカルタ総合指数の推移
(ポイント)
6,000
5 000
5,000
日付
終値
5月16日
5月23日
5月30日
5,031.57
44,973.06
973 06
4,893.91
[株式市場]
セクター別では、多くのセクターが下落する中、インフラ・公益・輸送
セクターと鉱業セクターが小幅高となり、それぞれ対象期間中に
0.6%と0.3%上昇しました。個別銘柄では、通信インフラサービス会
社のタワ ・ベルサマ・インフラストラクチャ が対象期間中に8 1%
社のタワー・ベルサマ・インフラストラクチャーが対象期間中に8.1%
上昇しました。
週間騰落率
(前週末比)
-1 2%
-1.2%
-1.6%
4,000
[債券市場]
3,000
インドネシア10年国債の利回りは、対象期間中に上昇しました。大統
領選挙に向けた予想外の連立の動きや財政悪化懸念が利回り上昇
の要因となりました。財政悪化懸念については、ニュース欄をご参照
ください。
2,000
1,000
2006年12月
2008年12月
2010年12月
2012年12月
出所:Bloomberg
出所
Bl
b
L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
L P のデ タに基づきイ ストスプリング インベストメンツ作成
上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。
[債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移
25%
20%
15%
日付
利回り
5月16日
5月23日
5月30日
7.88%
8.03%
8.06%
変化幅
(前週末比)
0.15%
0.03%
[為替市場]
為替市場では、大統領選挙に向けた連立の動きが予想外だったこと
や貿易収支の赤字見通しを背景に、対円では1.9%、対米ドルでは
2.3%のインドネシアルピア安となりました。インドネシア中央銀行
(BI)のマルトワルドヨ総裁は5月30日、6月2日に発表される4月の貿
易収支は、輸入の増加により赤字になるとの見通しを述べました。
昨年10月から今年3月までの貿易収支は、1月を除いて黒字が続い
ていました。
[ニュース]
10%
大統領選 情勢変化 接戦
大統領選、情勢変化で接戦の可能性も
能性も
5%
0%
2006年12月
2008年12月
2010年12月
2012年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。
政治
[為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移
インドネシアルピア高円安
(円)
1.5
1.3
週間騰落率
日付 為替レ
為替レート
ト
(前週末比)
5月16日
0.888
5月23日
0.878
-1.1%
5月30日
0.871
-0.8%
1.1
0.9
4月の総選挙で第二党となったゴルカル党は5月19日、予
想に反して、グリンドラ党のプラボウォ・スビアント元陸軍
戦略予備軍司令官を大統領選挙で支持すると表明しまし
た。ゴルカル党は、総選挙で第一党となった闘争民主党の
ジョコ・ウィドド・ジャカルタ特別州知事を支持すると見られ
ていました。ウィドド氏はゴルカル党の支持を失っても優勢
と見られていますが、ゴルカル党がスビアント氏の支持に
回ったため、大統領選挙が接戦となる可能性が出てきまし
た。一方、ウィドド氏は19日に元副大統領のユスフ・カラ氏
を副大統領候補とすることを表明しました。スビアント氏は
国民信託党の党首で経済担当調整相を辞職したハッタ・ラ
ジャサ氏を既に副大統領候補に指名しており、7月9日の
大統領選挙はウィドド、カラ両氏とスビアント、ラジャサ両
氏の正副大統領候補の間で争われることになります。
財政、燃料補助金増加の圧迫を受ける見通し
インドネシア
ルピア安
円高
0.7
2006年12月
2008年12月
財政
2010年12月
2012年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対
円レート)
バスリ財務相は5月20日、来年の財政赤字は燃料補助金
の増加などにより、国内総生産(GDP)比で1.7%から2.5%
の範囲に拡大するという見通しを示しました。同財務相は
26日、今年に関しても、補正予算案で燃料補助金を増加
せざるを得ないと述べました。インドネシアの財政運営と
燃料補助金については、2ページ目の基礎講座をご参照く
ださい。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.80(対象期間:2014年5月19日~2014年5月30日)
[インドネシア基礎講座] インドネシアの財政運営:燃料補助金を削減してインフラ投資へ
インドネシアの財政赤字額は国家財政法により、GDPの3%以内に抑えるものと規定されています。近年の財政赤字は、この上限以内に収
ま ているものの 拡大傾向にあります 2014年の予算ではGDP比1 7%と前年の同2 2%から縮小する見込みとしていますが 世界銀行は
まっているものの、拡大傾向にあります。2014年の予算ではGDP比1.7%と前年の同2.2%から縮小する見込みとしていますが、世界銀行は
2.6%に拡大すると予測しています(図表1)。インドネシア政府の歳出内訳を見ると、ガソリンなど燃料価格を低く抑えるための補助金が大き
なウェイトを占めており、インフラ投資などの資本的歳出よりも大きくなっています(図表2)。補助金のウェイトが高くインフラ投資に予算の回
りにくい財政構造については、国際機関などから改革の必要性を指摘されてきました。政府は昨年6月にレギュラーガソリンの価格を1リット
ルあたり4,500ルピアから6,500ルピアに引上げるなど、改革に向けて重要な第一歩を踏み出しました。これにより物価上昇など経済に一時
的な悪影響をもたらしましたが、中長期的な成長戦略には不可欠な経済政策でした。次期大統領の最有力候補と目されるウィドド氏も、今
後4年ないし5年間で燃料補助金を徐々に削減し、財政規律を維持しつつ成長力を高める方針を示しています。
(図表1)インドネシアの財政赤字(対GDP比)の推移と見通し
(図表2)インドネシア政府の歳出内訳(2014年予算)
燃料補助金
11.5%
世銀予測
2.6%
3%
2.2%
予算
1.7%
1.9%
2%
その他
補助金 6.7%
地方政府へ
の移転
32.2%
人件費
14.3%
1.1%
1% 0.7%
0%
2010年
その他
13.7%
2011年
2012年
2013年
2014年
(注) 2010年から2013年までは実績。2013年は暫定数値。2014年は予算と世界銀行による予測。
物件費
11.7%
資本的歳出
10.0%
四捨五入の関係上、合計値が100%にならないことがあります。
出所:上記の図表はいずれも、世界銀行「インドネシア・エコノミック・クォータリー」(2014年3月)のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グル プはいち早くアジアの成長性に着目し アジアでは14の国や地域で生命保険および
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2013年
12月末現在、約4,430億ポンド(約77兆円、1ポンド=173.76円)に上ります。
アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い
ます。
■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ
ジ ト 為替に対して
ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目
ダメ タ ズ バリ
シ
テク カ 等複数の視点で分析 ポ ト
リオを構築し ト タ
リタ
の最大化を目
指した運用を行います。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が
株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融
商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく
これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ
フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの
ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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十分な注意を払
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ますが 当社および株式会社
ナ シ
リサ チ
は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい
ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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