ご参考資料 Vol. 93 (対象期間:2014年11月17日~2014年11月28日) インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は11月17日、補助金で価格を低く抑えているガソリンなど燃料価格の引上げを選挙公約通 イ ドネシ ジ ウ ドド大統領は 月 日 補助金 価格を低く抑え るガ リ など燃料価格 引上げを選挙公約通 りに行うことを発表しました。これを受けて、燃料価格の引上げによるインフレ圧力の高まりを抑えるため、インドネシア中央銀 行(BI)は翌18日、利上げに踏切りました。この政策協調が好感され、インドネシアでは株高、債券高、通貨高となりました。燃料 価格の引上げと金融政策については、ニュース欄と2ページ目の基礎講座をご参照ください。 [株式市場]ジャカルタ総合指数の推移 (ポイント) 6,000 5 000 5,000 日付 終値 11月14日 5,049.49 11月21日 5,112.05 11月28日 5,149.89 [株式市場] インドネシアの代表的株価指数であるジャカルタ総合指数は、対 象期間中に2.0%上昇しました。中国が11月21日に利下げを決め るなど、世界的な金融緩和の流れが続いたことも株式市場の追い 風となりました 利下げにより中国経済が持直せば石炭価格にプ 風となりました。利下げにより中国経済が持直せば石炭価格にプ ラスに働くとの見方から、石炭会社のアダロ・エネジーは対象期間 中に8.0%上昇しました。 週間騰落率 (前週末比) 1.2% 0.7% 4,000 3,000 [債券市場] 2,000 1,000 2006年12月 2008年12月 2010年12月 インドネシア10年国債の利回りは、政府による燃料価格の引上げ とBIによる利上げが好感されて低下(価格は上昇)しました。対象 期間末の11月28日はおよそ1年1ヵ月ぶりの低水準となりました。 2012年12月 出所:Bloomberg L L.P.のデ P のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 タに基づきイ ストスプリング インベストメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。 [為替市場] 為替市場においても、燃料価格の引上げと利上げという政策協 調が好感されて、インドネシアルピア高となりました。日米の金融 政策の方向性の違いを背景に円安米ドル高の流れが続く中、対 象期間中の騰落率は対円で1.7%のインドネシアルピア高となる 一方、対米ドルでは0.1%と小幅のインドネシアルピア高に留まり ました。 [債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移 25% 日付 利回り 20% 11月14日 11月21日 11月28日 7.94% 7.80% 7.70% 15% 変化幅 (前週末比) -0.14% -0.10% 10% [ニュース] インドネシア政府、ガソリンなどの燃料価格を引上げ 5% 0% 2006年12月 2008年12月 2010年12月 インドネシア政府はガソリンの価格を1リットルあたり 6,500ルピア(約63円)から8,500ルピア(約82円)にするな ど、政府による補助金で価格が低く抑えられている燃料 価格を11月18日から引上げました。ジョコ大統領は引上 政治 げ前日の17日夜、テレビを通じて、「インドネシアはイン フラの構築や教育、ヘルスケアのための資金を必要とし ているが 燃料に対する補助金に浪費されているため資 ているが、燃料に対する補助金に浪費されているため資 金が不足している」と述べて、補助金削減による財政構 造改革でインフラや教育など経済成長を促進する分野 に予算を回すという政策意図を国民に訴えました。 2012年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 [為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移 インドネシアルピア高円安 (円) 1.5 1.3 日付 為替レ ト 為替レート 11月14日 11月21日 11月28日 0.951 0.972 0.967 週間騰落率 (前週末比) 2.2% -0.5% BI、臨時会合で利上げを決定 BIは、政府がガソリンなどの燃料価格を引上げた11月18 日に臨時の金融政策決定会合を開き、政策金利を 7.50%から7.75%に引上げることを決定しました。今回の 金融 利上げは、昨年11月以来およそ1年ぶりとなります。BIは 燃料価格の引上げに伴うインフレ圧力の高まりを抑える ことが今回の利上げの目的であると説明するとともに、 燃料価格引上げ後のインフレのこう進は一時的であると の見通しを示しています。 1.1 0.9 インドネシア ルピア安 円高 0.7 2006年12月 2008年12月 2010年12月 2012年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対 円レート) 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.93(対象期間:2014年11月17日~2014年11月28日) [インドネシア基礎講座] 燃料価格の引上げと金融政策:政策協調で財政構造改革とインフレ抑制の同時達成に期待 インドネシアでは、ガソリンなどのエネルギー関連価格を低く抑えるために、政府が多額の補助金を出しています。こうした燃料補助金の中 央政府歳出に占める割合は 2012年の約34%から ユドヨノ前大統領がガソリンなどの値上げを断行した2013年は約25%に低下しましたが 央政府歳出に占める割合は、2012年の約34%から、ユドヨノ前大統領がガソリンなどの値上げを断行した2013年は約25%に低下しましたが 2014年は約30%に再び上昇すると予想されており、中長期的な経済成長に不可欠なインフラ投資など資本的歳出の増加を妨げています (図表1)。このような財政構造を改革するため、ジョコ大統領は2年連続となるガソリンなどの値上げに踏切りました。消費者物価指数(CPI) 上昇率は、昨年のガソリンなどの値上げで一時的に加速しましたが、BIの利上げにより、今年7月から10月まで4ヵ月連続でインフレ目標の +3.5%~+5.5%の範囲内に収まりました(図表2)。今回もBIは、政府によるガソリンなどの価格引上げを受けて直ちに利上げに踏切っており 政府と中央銀行の政策協調により財政構造改革とインフレ抑制がともに達成されると期待されます。 (図表2)政策金利とCPI上昇率*(前年同月比)及び インフレ目標の推移(2013年1月~2014年11月) インフレ目標の推移(2013年1月 2014年11月) (図表1)インドネシアの中央政府歳出に占める 燃料補助金と資本的歳出の割合 燃料補助 資本 歳出 割合 (2011年~2013年は実績、2014年は世界銀行見通し) 40% 燃料補助金 10% 資本的歳出 33.6% 30% 9% 29.5% 28.9% 25.1% 14 4% 14.4% 13 3% 13.3% 16.1% 票 5% 4% 0% 2012年 2014年11月 7.75% 2013年 政策金利 2014年10月 4.83% 6% 13 4% 13.4% 10% 2011年 CPI上昇率 8% 7% 20% 2013年8月 8.79% 3% 2013年1月 2014年 (注)地方政府への移転を除いた中央政府歳出に占める割合。 インフレ目標 3.5~5.5% 2013年7月 2014年7月 4.53% 2014年1月 2014年7月 (注)折れ線グラフは政策金利とCPI上昇率、面グラフはインフレ目標を示す。 * CPI上昇率は2014年10月まで。 出所 インドネシア中央銀行の公開資料とインドネシア統計局のデ タに基づきイ ス 出所:インドネシア中央銀行の公開資料とインドネシア統計局のデータに基づきイース トスプリング・インベストメンツ作成。 出所:インドネシア統計局「インドネシア統計年報2014年」と世界銀行「インドネシア・エコ ノミック・クォータリー」(2014年7月)のデータに基づきイーストスプリング・インベストメン ツ作成。2013年は速報値に基づく。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2014年 6月末現在、約4,570億ポンド(約78兆円、1ポンド=172.63円)に上ります。 アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い ます。 株式運用 お ボ アッ ア チ る銘柄選択 厳選 ポ ォリオ 構築 リ ク管 を重視、債券運用 お 利、ク ■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目 指した運用を行います。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が 株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融 商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ フォ マンス等は参考デ タをご提供する目的で作成したものです 数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり 将来を保証するもの フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 141202(01) 2/2
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