イーストスプリング・インドネシア・バイウィークリー Vol.123を発行しました。

ご参考資料
Vol. 123
(対象期間:2016年2月15日~2016年2月26日)
インドネシア中央銀行(BI)は追加金融緩和の決定とともに、政府と一体となって銀行に貸出金利の引き下げを促す方針を打ち
インドネシア中央銀行(BI)は追加金融緩和の決定とともに
政府と 体とな て銀行に貸出金利の引き下げを促す方針を打ち
出しました。貸出金利の引き下げによる銀行の収益への影響を懸念して、インドネシアの代表的株価指数であるジャカルタ総
合指数は一時下げる局面もありましたが、対象期間を通して見ると小幅高となりました。インドネシア10年国債利回りは上昇
(価格は下落)する一方、2年国債利回りは低下(価格は上昇)しました。為替市場では、対円、対米ドルともに、インドネシアル
ピア高となりました。貸出金利の引き下げはニュース欄、追加金融緩和は2ページ目の基礎講座をご参照ください。
[株式市場]ジャカルタ総合指数の推移
[株式市場]
(ポイント)
日付
終値
6,000
2月12日
2月19日
2月26日
4,714.39
4,697.56
4,733.15
5,000
銀行の貸出金利の引き下げを促す方針が発表されたことを受け、
収益への影響を懸念して、発表翌日の2月19日には、金融セクター
は3.3%下落し、ジャカルタ総合指数も1.7%安となりました。しかし、
対象期間を通して見ると、金融セクターは2.3%の下落に留まり、
ジャカルタ総合指数は0.4%高となりました。
週間騰落率
(前週末比)
-0.4%
0.8%
4,000
[債券市場]
3,000
2,000
1,000
2006年12月 2008年12月 2010年12月 2012年12月 2014年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。
インドネシアのファンダメンタルズが改善する中、インドネシア10年国
債利回りは、昨年末の8.75%からは大幅に低下(価格は上昇)しまし
た。対象期間中には、2月12日の7.97%から26日の8.26%まで上昇
しました。一方、金融政策の動向を敏感に反映する2年国債利回り
は、追加緩和観測が強まる中で、12日の7.60%から26日には7.46%
まで低下しました。
[為替市場]
海外からインドネシア金融市場への資金流入が続く中、対象期間を
通して見ると、対円で1.1%、対米ドルで0.7%のインドネシアルピア高
となりました。海外投資家による2月の投資状況を見ると、株式は26
日までに3.8兆ルピア(約320億円)の買越しとなり、国債保有残高は
24日までに13.8兆ルピア(約1,200億円)増加しました。
[債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移
25%
日付
利回り
20%
2月12日
2月19日
2月26日
7.97%
8.11%
8.26%
15%
変化幅
(前週末比)
0.14%
0.15%
[ニュース]
10%
ジョコ大統領、外資開放を一段と進める方針
5%
0%
2006年12月 2008年12月 2010年12月 2012年12月 2014年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。
政治
[為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移
インドネシアルピア高円安
(円)
1.5
1.3
日付
為替レ ト
為替レート
2月12日
2月19日
2月26日
0.836
0.836
0.845
週間騰落率
(前週末比)
0.0%
1.1%
銀行貸出金利の引き下げで、経済成長を加速
1.1
0.9
ジョコ大統領は、2月15~16日に米カリフォルニア州で開
催された米・ASEAN首脳会談に出席した後、17日にサンフ
ランシスコのASEAN貿易会議で講演しました。インドネシ
ア政府は11日に有料道路など35の分野で外資企業によ
る100%出資を認めるなど、外資規制を大幅に緩和する経
済対策第10弾を発表しています。ジョコ大統領は、「(外資
規制緩和は)まだ始まりに過ぎない。簡素化、市場開放、
規制緩和を今後も続けていく」と述べて、外資開放を一段
規制緩和を今後も続けていく」と述
て、外資開放を 段
と進める方針を示しました。ジョコ大統領はIT企業の集ま
るシリコンバレーも訪れ、フェイスブックのザッカーバーグ
CEOやグーグルのピチャイCEOと会談して、インドネシア
のデジタル経済発展への貢献に感謝するとともに、今後
の協力を要請しました。
インドネシア
ルピア安
円高
金融
0.7
2006年12月 2008年12月 2010年12月 2012年12月 2014年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対
円レート)
BIは追加金融緩和を決めた2月18日、ダルミン経済担当
調整相とともに、銀行に貸出金利の引き下げを促す方針
を発表しました。政府と中央銀行が一体となって、追加緩
を発表しました。政府と中央銀行が
体となって、追加緩
和の効果を貸出金利に反映させ、インフラ投資などを促進
して経済成長を加速させる狙いがあると考えられます。銀
行株はこの発表直後に、収益低下懸念から急落しました
が、貸出金利の低下により経済成長率が高まれば、銀行
経営にとってもプラスとの見方が広がっています。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.123(対象期間:2016年2月15日~2016年2月26日)
[インドネシア基礎講座] 金融政策:インフレが安定し、米追加利上げが後ずれする見通しの中、緩和姿勢強める
BIが金融緩和姿勢を強めています。2月17~18日の金融政策決定会合では、政策金利を7.25%から7.00%に、預金準備率を3月16日付で
7 50%から6 50%に引き下げることを決定しました 政策金利は前回1月から2会合連続の引き下げで 預金準備率は引き下げ幅を昨年12
7.50%から6.50%に引き下げることを決定しました。政策金利は前回1月から2会合連続の引き下げで、預金準備率は引き下げ幅を昨年12
月1日付の0.50%(8.00%⇒7.50%)から1.00%に拡大させました(図表1)。BIは金融政策決定会合後の声明文で、インフレ圧力の緩和と米
国の追加利上げが年後半にずれ込む見通しの中で、金融緩和の余地が大きくなったと述べています。消費者物価指数(CPI)上昇率は、昨
年11月から3ヵ月連続で目標の+3~5%(前年同月比)に収まりましたが、BIは2016年の年間を通じて目標の中心付近に抑える方針を示して
います。債券市場では金融緩和がさらに進むという見方が強まっており、金融政策の動向を敏感に反映する2年国債利回りは、昨年9月30
日の9.14%から2月26日には7.46%まで大きく低下(価格は上昇)しました(図表2)。
(図表1)政策金利と預金準備率の推移
(2010年1月~2016年3月*)
(図表2)インドネシア自国通貨建て2年国債利回りの推移
(2015年9月30日~2016年2月26日)
9%
9.5%
預金準備率
8%
9.0%
7%
8.5%
6%
政策金利
5%
8.0%
7.5%
4%
3%
2010/1
2012/1
2014/1
7.0%
2015/9
2016/1
(年/月)
2015/11
2016/1 (年/月)
•政策金利は2月まで、預金準備率は3月16日付で6.50%に引き下げ。
出所:上記の図表はいずれも、Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グル プはいち早くアジアの成長性に着目し アジアでは14の国や地域で生命保険および
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
6月末現在、約5,050億ポンド(約97兆円、1ポンド=192.72円)に上ります。
アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い
ます。
■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ
ジ ト 為替に対して
ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目
ダメ タ ズ バリ
シ
テク カ 等複数の視点で分析 ポ ト
リオを構築し ト タ
リタ
の最大化を目
指した運用を行います。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が
株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融
商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく
これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ
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ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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