[亘:= 司 C a2 +一N a +イ オ ン交 換 を 伴 う粘 土 中 の 溶 質 移 動 機 構 と特 性 取 出 T ransport o f N obu o F a c u lty o f 伸 夫* ・中 野 政 詩* e x c h a n g l n g T o R I D E C a 2 十 a n d a n d c l a y t J n i v e r s i t y C a 2 +一 N a + イ オ ン 交 換 の 溶 質 移 動 に 及 ば す 影 響 を 調 べ る 。 そ して ,C a2 十−N a + イ オ ン 交 換 に 伴 う粘 土 の 性 質 の 近年 , 土 中 を移 動 す る化 学 物 質 の 挙動 を ,正 確 に予 測 する必 要 が増 して きて い る。 そ れ は ,地 球 規 模 の環 境 問 変化 と溶 質 挙動 に つ い て ,透 水 性 と水 分 特 性 の 変 化 に 焦 点を あ て て 整 理 す る 。 題で あ る地 下 水 汚 染 , また 土 中 か ら流れ 出す 化 学 物 質 も 要田 と な る 河 川 や 湖 沼 の 富 栄 養 化 な ど の 問 題 の 解 決 に 深 2 .実 験 くか か わ っ て い る か ら で あ る 。 土 中 水 に 溶 解 し て い る 溶 質は , 土 粒子 との吸 着 , また そ の 道 の土 粒 子か らの脱 着 と い っ た 反 応 を 繰 り返 しな が ら 水 の 流 れ と と も に 移 動 す る。特 に 粘 土 を 多 く含 む 土 中 を溶 質 が 移動 す る場 合 は , 土中 溶 液 の イ オ ン と粘 土 粒 子 表 面 に 吸 着 し て い る交 換 性 2 .1 供試試料 こ こ で 用 い た 試 料 は , モ ン モ リ ロ ナ イ トを 6 5 重 量 % 程 度含 み , 真 比 重 が 2 .6 の ベ ン トナ イ ト (国 峰 鉱 化 工 業 製 , クニ ミネ V l) で あ る 。 そ の 陽 イ オ ン 交 換 容 量 (C E C ) イオ ン と の あ い だ で 生 じ る イ オ ン交 換 が , そ の 移 動 形 態 は, 交 換 性 陽 イ オ ン の 総 和 と し て 求 め る と , 約 1 0 0 に大 き な 影 響 を 及 ば す 。 さ ら に こ の イ オ ン 交 換 に よ り粘 m e軋 / /10 0 g 乾 土 で あ る 。 土粒 子 の物 理 化 学 的 性 質 が 変 化 す るた め に ,上 の透 水 性 こ の 試 料 の バ ッチ 法 に よ り求 め た C a 2+¶ N a +交 換 線 や保水 性 が 変 化 し, 土 中 水 の流 れ も影 響 を 受 け る 1 ㌧ そ をF ig .1に 示 す 。 横 軸 は , 溶 液 中 の C a 2+当 量 分 率 , 縦 のた め , イ オ ン交 換 を 伴 う土 中 の 溶 質 移 動 ほ , 種 々 の 田 軸ほ ,C a 2+吸 着 当 量 分 率 で あ る 。 溶 液 の トー タ ル 濃 度 子の 連 鎖 的 変 化 を 伴 う 現 象 と し て 取 り 扱 う 必 要 が あ は, 0 .0 5 N ,0 .1 N る 2 」 N a 十交 換 平 衡 式 に は , 後 述 す る ( 4 ) 式 の ガ ボ ン式 が イ オ ン交 換 特 性 の 溶 質 移 動 に 及 ば す 影 響 ほ ,乾 燥 地 の お よ び().4 N で あ る 。 な お ,C a 2十一 よ く用 い ら れ る 7 ㌧ 図 に は ガ ボ ン 式 に よ る 交 換 線 も 併 記 塩類 土 壌 の 改 良 目 的 を 中 心 に , こ れ ま で も 多 く の 研 究 が して あ る 。 こ こ で ガ ボ ン 定 数 は , [濃 度 ] ∧ 〉 l)5の 次 元 を なさ れ て き た 3 ) 。 乾 燥 地 で 見 ら れ る C a 2 +w・N a + イ オ ン 持つ 。 慣 習 に 従 い 濃 度 単 位 を m o l で示 す と , こ こ で 用 交換 を 伴 う溶 質 移 動 に は ,N a +を 多 く吸 着 した 難 透 水 性 いた ベ ン トナ イ ト試 料 の ガ ボ ン 定 数 は , 0 .1 N 以 下 の 溶 のN a 土 壌 の C a 2 十 に よ る 改 良 , ま た 塩 類 が 土 壌 表 面 に 液濃 度 の 場 合 , 0 .3 2(c m l・3// / m m o l( ・ I5) 程 度 で 一 定 とな 集積 す る 過 程 の N a 土 壌 の 生 成 な ど が あ る 。 し か し, そ るこ と が わ か る 。 う した 吸 脱 着 を 伴 う溶 質 挙 動 を 実 測 し て 解 析 し た 例 ほ 極 実 験 に 用 い た 2 つ の 状 態 の ベ ン トナ イ ト試 料 は ,N a めて 少 な い。 特 に ,種 々の 因 子 の連 鎖 的 変 化 を 含 め た 溶 ペソ トナ イ ト (交 換 性 N a +, C a2 +, M g 2+量 が そ れ ぞ れ 質挙 動 の 体 系 的 な 予 測 を 行 な う た め に は , 多 く の デ ー タ 4 1 .5 , 4 5 . 9, 12 . 5 m e q //10 0 g 乾 り を蓄 撰 す る 必 要 が あ る 。 そ こ で ,C a2 +− N a + イ オ ン交 換 の大 半 を C a 2+ が 占 め る C a ベ ン トナ イ ト (交 換 性 N a +, を伴 う 溶 質 移 動 と し て ,N a ベ ン トナ イ トへ の C a C 12 溶 C a2+, M g 2+量 が それ ぞ れ 1. 2 , 94.6 ,5 .1 m eq / ′100 g 液の 浸 透 過 程 ( リー チ ン グ)4・5 )と,N a C l 溶 液 を 地 下 水 乾土 ) で あ る 。 以 後 , これ を C a 飽 和 ベ ン トナ イ ト と記 に持 つ C a ベ ン トナ イ トの 水 分 蒸 発 過 程 を ,実 験 室 内 で す。 こ の C a 飽 和 ベ ン トナ イ トは , 試 料 を 濃 度 1 N の C a 再現 し た 。 こ こ で は , ま ず 観 察 さ れ た 溶 質 挙 動 か ら C 12 溶 液 と 十 分 に 混 合 し , そ し て 純 水 で 洗 浄 し て 作 製 し *東 京大 学農 学部 土 壌 の物理 性 受 】 翌月 日 〒 11 3 第 62号 文 京区 弥生 1 − 1 − 1 p .3 ∼1 1 19 9 0年 10 月 1 日 (1 99 1) s M a s a s h i N A K A N O A f r i c u l t u r e , T h e 1 . は じめ に N a 十 i n と交 換 性 陽 イオ ン た。 なお ,洗 浄 を 繰 り返 す に つ れ , 試 料 が 分 散 状 態 と な り固 液 分 離 が 不 可 能 に な る の で , 純 水 に メ タ ー ノ ー ル を 段階 的 に加 え, 上 澄 み 液 の電 気 伝 導 度 が 10 / JS // cm 以 下 o f T o k 取出 ・ 中 野 :C a 2+−N a +イ オ ン交 換 を 伴 う粘 土 中 の 溶 質 移 動 機 構 と 特 性 0 √ 0 0. 05N ●0 N N ウ﹂ ∩︶ K = 0 .3 K = 0 .2 2 1 0 02 ◆0 .4 . 1 ︵U ○ ︵。Zロ㌔ U望 \。UO 4 ∩︶ ・ ︵U4 6 ・ r ︵ T君 −・ひU ㌔ 求 〓 uヱ uOU ﹂む十P壬 ︵U 06 ○ 8 (⊃ ′ 一 /● ▲▲ ● ▲ 0. 2 0 . 4 C F ig .1 N o rm a l iz e d c 。/ ( C C a 2+ − Ⅷ N 0 . 6 c 。+ C 0 . 8 ▲ 0. 4 N C q C し2 c a :C N a :N a 2 + a 十 c o n c o n 土 t r a t io n in s o lu ○ △ △△ 。 二 1、 O O 三二乙語 ご菜 。 N 。) a + e x c h a n g e in O ▲▲ is o th e r m fo r 0 .0 1 c e n t r a t i o n c e n N ロ ー C し q y C ロー C しq y ▲ ▲ K : G ap o n c o n st . (c m ・ l5/ m m o lO・5) C 暮 ▲ O ▲ b e n to n ite c la y C ▲t 土▲ 0 .0 0 . 0 ▲ t io n s o lu t i o n S (m (m e q e q ////c m / c m 0 .1 u c †io 1 [ ( 10 b (コ「 ) 3 ) 3 ) F ig .2 W a ter re te n tio n c u r v e s fo r th re e d iffe re n t sta te s Q ca : E x c h a n g e ab le C a 2 + (m e q /′ g・S Oil) O f b en to n ite cla y Q N a :E x c h a n g e a b l e N a +(m e 臥 / / /g ・S O il ) ● ○ −N a−C lay used in a leach ing ex p erim en t ▲ △ 一 C a −C la y le a c h e d w ith O .4N C a C 12 S O lu tio n 「 ロ ー “C a −S a tu r a te d −C la y m ix e d w ith にな る ま で 洗 浄 を 繰 り返 し た 。 こ の 洗 浄 した 試 料 を 風 乾 し , 0 .15 6 m m の 飾 を 通 し,C a 飽 和 ベ ン トナ イ ト試 料 と C a C 12 S O lu tio n ● ▲ ■ −SuCtion m et壬 10d O △ □ 一p re S Su re p la te m e th o d した 。 F ig .2 に 含 水 比 7 2 0 % の N a ベ ン トナ イ ト試 料 と , 含 水比 1 5 0 % の C a 飽 和 ベ ン トナ イ トの 試 料 を 用 い て 測 定 した 排 水 過程 の 水 分 特 性 を 示 す 。 な お 図 に は , 次 に 示 す 吸光 法 ,C l  ̄濃 度 を イ オ ン ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー に よ り測 定し た 。 そ し て , 上澄 み 液 を 採 取 した 試 料 に つ い て , 1 浸透 実 験 と 同 じ条 件 で, 濃 度0 .4 N の C a C 12 溶 液 を 十分 N 酢 酸 ア ン モ ニ ウ ム を 用 い て 繰 り返 し洗 浄 し , 酢 酸 ア ン に浸 透 さ せ た 後 の C a ベ ン トナ イ トの 水 分 特 性 も併 せ て モニ ア 中 の 陽 イ オ ン 濃 度 か ら 交 換 性 陽 イ オ ン量 を 求 め 示す 。 た6 も こ の 浸透 実 験 は ,2 9 3 K (2 0 ℃ ) の 定 温 条 件 で行 なっ た 。 2 .2 浸 透 実験 含 水 比 7 2 0 % (体 積 含 水 率 約 9 5 % ) の N a ベ ン トナ イ ト試 料 を , 下 端 に 透 水 係 数 が 10【 【4c m / ノ ノ s e c 程 度 と 十分 に高 い フ ィ ル タ ー の 敷 い て あ る 内 径 5 c m 2 .3 水 分蒸 発 実験 含 水 比 10 0% (体 積 含 水 率 72 % ) の C a 飽 和 ベ ン トナ , 高 さ 5 cm イトを , 浸 透 実 験 と 同 様 に , 下 端 に フ ィ ル タ ー を 敷 い て のコ ラ ム に 一 様 に 充 填 し た 。 そ の 試 料 表 面 に 濃 度 0 ,1 N ある 内 径 5 c m ,高 さ 5 c m の コ ラ ム に 一 様 に 充 填 し た 。 のC a C 12 溶 液 を , マ リオ ッ ト管 を 用 い て 7 . 5 cm の湛 水 として 与 え た 。 そ して , 排 出 水 量 よ り水 分 フ ラ ッ ク ス を 求め た 。 ま た , 適 宜 こ の コ ラ ム を 5 m m ず つ に 切 断 し , そして マ リオ ッ ト管 を 用 い て 試 料 下 端 に 濃 度 0 .1 N の N a C l 溶 液 を地 下 水 と して与 え た 。 土 中溶 液 濃 度 分 布 お よ び 交 換 性 陽 イ オ ン分 布 ほ , 浸 透 実 験 と 同 様 に , コ ラ ム 土中溶 液 濃 度 お よび 粘 土 粒 子 に 吸 着 して い る交 換 性 陽 イ を5 m m ず つ に 切 断 して 測 定 した 。 この 水 分 蒸 発 実 験 オン量 を 測 定 した。 まず 切 断 した 試 料 の 遠 心 上澄 み 液 を ほ, 30 3 K 土中 溶 液 と L て 採 取 し , そ の C a2 + と ,N a 十濃 度 を 原 子 なっ た 。 (30 ℃ ), 相 対 湿 度 40% の 定 温 定 湿 条 件 で 行 土壌 の物 理 性 第 62 号 (199 1) 3 .結 果 と考 察 Q ca 十 Q N a= Q T 3 .1 C a 2+− N a + イ オ ン 交 換 を 伴 う 溶 質 移 動 ( 1 ) 溶質 移 動 式 ( 3 ) Q T :陽 イ オ ン交 換 容 量 (m e q / g ) これ は , イ オ ン 交 換 が 生 じ て あ る イ オ ン が 吸 着 す る と , 土 中 を C a 2 +や N a +が 移 動 して 溶 液 中 の イ オ ン濃 度 と 等し い 量 の 他 の イ オ ン が 脱 着 す る こ と を 示 し て い る 。 と 組成 が 変化 す る と,新 た な 交 換 平 衡 に 向 け て土 中溶 液 と, ころ で , 吸 着 量 の Q ca と Q N a が , 溶 液 濃 度 の C ca と C N a 粘土 粒 子 に 吸 着 さ れ て い る 交 換 性 陽 イ オ ン と の あ い だ で の両 者 に 依存 す るた め ,( 1 ),( 2 ) 式 を そ れ ぞれ の 溶 イオ ン 交 換 が 生 じ る 。 こ の よ う な C a 2+ と N a + の 溶 質 移 質挙 動 に 対 し , 独 立 に 適 用 す る こ と は で き な い 。 そ の た 動に は , 水 分 フ ラ ッ ク ス が 一 定 で 体 積 変 化 が な く , 分 散 め, イ オ ン 交 換 は , 競 合 吸 着 と し て 他 の 吸 着 現 象 と 区 別 係数 が イ オ ン種 に 依 ら な い 場 合 , そ れ ぞ れ の イ オ ンに 対 され る 。 し,次 の分 散 移 流 式 が 適 用 で き る。 C a 2+一 一N a + イ オ ン交 換 平 衡 式 に は , 古 く か ら 経 験 的 にガ ボ ン 式 が 用 い られ て い る 。 塾=Ds 馨 −ど塾 一且也 ∂t β ∂Z β ∂t 盤= Kx扇 C Na CC a DS γ Q ca 土中 溶 液 中 の C a 2+濃 度 (m e ル ′ /cm 3) 分散 係数 (cm 2/ d ) (4 ) K : ガ ボ ン定 数 (cm ・5/ l m m o l( ・5) ) ( 1 ) ∼ (4 ) 式 を連 立 させ ,適 当 な初 期 条 件 と境 界 条 体積 含水 率 (cm 3/ cm 3) 件 を 与 え る と ,C a 2+ と N a + の 濃 度 と 吸 着 量 を 求 め る こ 位置(cm ) とが で き る 9も な れ 時間(d) 陰 イ オ ン の 場 合 は ,( 1 ), ( 2 ) 式 の 吸 着 項 の な い 単 純 乾燥 密度(g / / /cm 3) な 分散 移 流 式 が適 用 で き る。 Q β Z t P Ca 水分 フ ラ ッ ク ス ( cm / d ) 乾土 単 位 重 量 あ た りの C a2 +吸 着 量 (m e q / / / g) イ オ ン 交 換 の 生 じな い C 卜 な ど の と こ ろ で ,F ig . 1 に 示 し た よ う に ,C a 2+ 一 N a + イ オ ン 交換 の C a 2十 の 選 択 性 は , 非 常 に 高 い 。 そ の た め ,C a2 + 払 =Ds馨 −ど鎚 】且塾 (2) ∂t β ∂Z β ∂t の 溶液 分 率 が 非 常 に 低 い と きに 存 在 す る N a 粘 土 ほ ,わ ずか な C a 2+ の 溶 液 分 率 の 増 加 に よ っ て ,C a 2+ の 吸 着 が C Na :土 中溶 液 中の N a +濃 度(m eq/ / ′ cm 3) 進む 。 一 方 ,N a +の C a 2 +に 対 す る選 択性 は 低 い 。 そ の Q Na ‥乾 土 単 位 重 量 あ た りの N a +吸 着量 (m eq/ / / g) た め ,C a 2十 の 吸 着 分 率 の 高 い C a 粘 土 で は ,C a 2 + の 溶 液 こ こ で ( 1 ),( 2 ) 式 の 左 辺 ほ 溶 液 中 の 濃 度 変 化 を 分 率 が 低 下 , す な わ ち N a 十の 溶 液 分 率 が 増 加 して も 示す 。 右 辺 第 1 項 は ,分 散 項 で あ る。 この 分散 は , 土 中 水の 局 所 的 な 流 れ の ば ら つ き に よ っ て 生 じ る 水 理 学 的 分 散と分 子 拡散 に よ り生 じ N a 十の 吸 着 は あ ま り進 行 し な い 。 こ の C a 2+の 選 択 性 は , トー タ ル 濃 度 の 増 加 と 共 に や や 低 下 す る 傾 向 が あ る 。 こ 濃 度 勾 配 を 緩 や か に す る効果 の よ う な イ オ ン交 換 特 性 を 持 つ 場 合 は ,( 1 ),( 2 ) 式 を持 つ 。 水 理 学 的 分 散 係 数 ほ , 通 常 水 分 フ ラ ヅ ク ス に 比 の第 3 項 が , 第 1 項 の 分 散 項 と並 ん で 土 中 を 移 動 す る溶 例す る た め , 水 分 フ ラ ッ ク ス が 非 常 に 小 さ い と き の み 水 質の濃 度 分 布 の形 状 に 大 きな 影 響 を及 ば す 二 i・川㌔ そ こで 理学的 分散 に比 べ 分 子 拡 散 が 卓 越 す る。 そ の水 分 フ ラ ッ 次に , 浸 透 実 験 と 水 分 蒸 発 実 験 に つ い て , こ の よ うな 観 クス の 境 界 値 は , 分 子 拡 散 係 数 の オ ー ダ ーの 1 cm / // d 点か ら 見 て み る 。 程度 で あ る 8 」 そ して 右 辺 第 2 項 は , 平 均 的 な 水 分 の流 れと と も に 移 動 す る 移 流 項 で あ る 。 右 辺 第 3 項 は , 吸 着 項 で あ る。 イ オ ン交 換 現 象 の特 徴 ( 2 ) C a2+の 交 換 吸 着 す る浸 透過 程 浸 透 実 験 で は , 実験 期 間 中 を通 じ, 試料 の 体 積 変 化 は は,粘 土 粒 子 の 持 つ 負 荷電 に よ り, 反対 の符 号 を 持 つ 陽 非常 に 小 さ か っ た 。 そ し て 水 分 フ ラ ッ ク ス は , 実 験 開 始 イオ ンが 静 電 気 的 吸 着 を し て い る 点 で あ る 。 そ の た め , から 1 3 日程 度 ま で は , 0 . ()5 c m ′ /′ ′ d と極 め て 小 さ く, そ 電気 的 中 性 条 件 が 常 に 満 た さ れ る 。 吸 着 イ オ ン 種 が の後 急 増 し て 1 5 日 以 降 に は 0 .5 c m / ′′ / d 程 度 と な った C a2+と N a+の 2 種 の み の と きほ , 粘 土 粒 子 の 荷 電 量 で (F ig ・3 )。 そ の た め , 特 に 浸 透 初 期 で は , 移 流 に よる溶 ある 陽 イ オ ン 交 換 容 量 (C E C ) と の あ い だ に 次 式 が 成 立 質移 動 量 は 小 さ い。 また , 水理 学 的 分 散 に 比 べ て分 子拡 する 。 散が 卓 越 す る と 考 え ら れ る 。 そ の た め , 表 面 に 湛 水 さ れ たC a C 12 溶 液 は , 主 に 拡 散 に よ っ て 下 方 へ と 浸 透 す る 。 8 0 取出 ・ 中 野 :C a 2+− N a +イ オ ン交 換 を 伴 う粘 土 中 の 溶 質 移 動 機 構 と 特 性 20 C h a n g e s in w a ter flu x fo r a le a c h in g C F i9 .4 C exp erim en t 60 c . l  ̄ C O n ( m e q 80 / 史 C e n t r a ti o n 10 0 ) p r o f ile s f o r a / ▲ / ○ ▲/ 1 ∩︼ S d 5 Vノ てJ ︵□ ▲⊥ −卜 − −十 ▲ ある。 戸 P 戸 口′ロー? 宇 戸 ロ占 − ノ / / 1/0/ C a 2+ の 溶 液 濃 度 の 差 は , 土 粒 子 へ の C a 2 + の 吸 着 量 で C n 〆 前線 が 到 達 す る の は , 1 3 日 以 降 で あ る 。 こ の C l  ̄ と 壬 Tdむ □ C a 2+は C l ̄に比 べ 下 方 へ の 浸 透 が 遅 れ , 最 下 層 に 濃 度 in o ソソケ 0 13 吸草 し な が ら 下 方 へ と 浸 透 す る ( F ig・ 5 )。 そ の た め , ︵ ∈U ︶ 一方 , 陽 イ オ ン の C a 2 十は ,N a + と 交 換 して 土 粒 子 へ と e s C ソ 拭け ㍑㌢ ‡ の形態 が異 な る。陰 イオ ンの C l  ̄は ,土 粒 子 へ の吸 着 が 生じ な い 。 そ し て 5 日 に は 最 下 層 に 到 達 す る (F ig .4 )。 g 40  ̄ leach in g exp erim en t 1 2 5 4 5 こ こ で , 陰 イ オ ン C l ̄ と 陽 イ オ ン の C a 2 +で は , 浸 透 h a n l ′ に一 口 一 口一 口 ﹂ 屯 − □1 甲 0 50 ) ・ロ ′ ロ ∫ □ 40 ∠ ′ A・ ′ ●i 30 55 q ■ ⊃d q y / ●′ ∫ ∈ Td 山 口 F ig .3 20 ( D □y S ′1 ︶ T 加 e O JO ノー1′1ヰ †111 ●△ / ∈ U 10 / ム /ノ / ′︰ り 〓= ︵ 5 0 0 イ〃 ㍗ T A . 1 ︵∠ ﹁0 4 2 0 ︵ TP ・∈ U ︶ ×三 ﹂ ﹂ヱ D妻 4 0 0 // / 。 / 0 8 / ∴/ ノ〃 ′ ○叩 . 0 6 0 輪転 ㌔ ○ こ の C a2 十 濃 度 分 布 は , 1 3 日 ま で の 濃 度 勾 配 が 変 化 し ない の が 特 徴 で あ る。 C a 2十が 交 換 吸 着 す る 場 合 , 前 節 0 で述 べ た よ う に , そ の 選 択 性 が 高 い た め ,C a 2+ の 溶 液 20 C q 2 + i n C 40 c o n c . 60 ( m e q / tr a t io n p 80 且 ) 分率 が 低 い 状 態 で C a 2+ の 吸 着 と N a + の 脱 着 が 進 行 す る。 そ の た め ,N a 粘 土 中 を 下 方 へ と浸 透 す る C a2 + の 濃 F ig .5 度分 布 は ,低 濃 度 の濃 度 先 端 ほ ど吸 着 量 が 多 く,吸 着 の C h a n g e s a 2 + c o n c e n r o f ile s f o r a le a c h in g ex p e rim e n t 効果 は , 拡 散 とは逆 の溶 質 の広 が りを抑 え る効 果 を 持 つ。 その た め ,濃 度 勾配 を増 加 さ せ る吸 着 の効 果 と,そ の道 の前 線 位 置 と ほ ぼ 一 致 す る 。 C a 2 +の 浸 透 に 伴 い イ オ ン に濃度 勾配 を減 少 させ る拡 散 の効 果 がつ り合 い ,濃 度 勾 交換 領 域 が 下 方 へ 移 動 し て い く に つ れ , そ の ピ ー ク の 位 配が 変 化 し な か った と考 え られ る 。 こ の よ う な 選 択 性 の 置も下 方 に 移 動 し て い く 。 そ し て , す で に C a 粘 土 化 の 高い イ オ ン交 換 吸 着 は , 積 極 的 交 換 (f a v o r a b le ex− 進行 し た 上 部 よ り放 出 さ れ た N a + が 下 方 に 移 動 して く C h ang e)と呼ば れ て い る。 C a 2+ の 浸 透 に 伴 い 土 粒 子 表 面 に 吸 着 し て い た N a + ほ,C a 2十 と 交 換 し て 土 中 溶 液 へ と 脱 着 す る (F ig .6 )。 こ の N a 十濃 度 と C a 2 +濃 度 の 和 は , 陰 イ オ ソ の C l▼濃 度 るの で , ピ ー ク ほ 増 加 し な が ら 下 方 に 移 動 した と考 え ら れる 。 この よ うな 積 極 的 交 換 に よ る C a 粘 土 化 の 進 行 は , F ig .7 の 交 換 性 陽 イ オ ン分 布 で 確 認 す る こ とが で き る 。 と ほ ぼ 等 し く, 溶 液 中 の N a + の 大 半 が ,C a 2十 と 交 換 脱 今,交 換 性 C a 2十の 割 合 が 4 0 ∼ 8 0 % 程 度 を イ オ ン交 換 額 着した も の で あ る こ と が 確 認 され た 。 と こ ろ で , 13 日 ま 域と考 え る と , イ オ ン 交 換 領 域 は , 2 日 で は 深 さ 1 c m での N a +濃 度 分 布 にほ , 下 方 に 向 け て 増 加 しな が ら移 付近 の 位 置 で あ る。 こ れ は C a 2+濃 度 前 線 の位 置 及 び 動す る ピ ー ク が 観 察 さ れ た 。 こ の ピ ー ク位 置 は , イ オ ン N a +濃 度 分 布 の ピ ー ク位 置 と ほ ぼ 一 一 致 す る 。 そ して , 交換 が 盛 ん に 生 じ て N a + の 脱 着 量 の 多 い こ と を 示 し て その交 換 性 陽 イ オ ン分 布 の示 す 交 換 領 域 ほ , 2 日で は , いる 。 そ し て こ の N a +濃 度 の ピ ー ク 位 置 は ,C a 2 +濃 度 幅1 c m 以 下 の 非 常 に 狭 い もの とな って い る 。 これ も, 土壌 の 物理 性 第 62号 (199 1) ノ 0 ︹︺ ′ ︵∠ 5 S y d Td む 4□ て︺ ○ −d / ⊥ ● /● + :Tl + 至 てJ ︹︺ 肘 2 C ︵ ∈︵U ︶ ∠ ○ ● ′ ●′ ●1 一 ′●′iつ﹂山 ・− t ∩’ † ●− 1 ○∠ ■ 、 .〇l \ q i ○l \ ○ ■\ 叫八 △/ /△ ゾ ∠メ .● / ・∴ ′ S V ノ ∩︼ ︹こ d 宇 Td山 1 ・︵ ∈ ︵U ∠ ︶ ﹁へ J 4口 頂転 ・ ○ 10 N □ + 20 c o n c . 30 ( m e q 40 / 史 50 2 0 ) 40 E x c h q n g e □ b しe 60 80 10 0 C □ 十 i o n ( % ) 0 13 \ \。 ▲′ ▲′ n c . 30 ( )2 \。、。、。.。′ ﹂﹁ o ∈ U 叫 ︹︶ ▲ 1 1 −﹂ 8 \○ ゝし 20 c m e q / 史 .′′ ト′ \ て︺ 5 4 宇 TdU□ てJ □+ ( 1 40 C□ 2 + ● / ミ3 ′/・二 :/● q) □4 1 3 5 d □ y 0 20 50 40 ) ● 60 E x c h □ 「 唱 e q b しe 80 弟瑚 哺⋮ “ ︰ le a c h in g e x p e rim en t 1 ︵ とが わ か る。 5 ( 3 ) N a十が交 換 吸着 す る水 分 蒸 発 過 程 + てJエ 十 d4む □ ずか に 最 下 層 のみ が 未 交 換 の N a 粘 土 と して存 在 した こ C□ 2 ︶ る 積 極 的 交 換 の 特 徴 を 示 し て い る 。 ま た , 13 日 に は , わ 2 U ∈ C a2+ の 濃 度 前 線 付 近 で の み C a2+ の交 換 吸 着 が 進 行 す 一 方 ,N a C l 溶 液 を 地 下 水 に持 つ C a ベ ン トナ イ トの水 18 10 0 Cq十jon(%) 0 C h a n g e s in N a + c o n c en tra tio n p ro file s fo r a S ︻‖ コ 一 =[ ⋮ハ J J ▲ ′●小 ●﹂ 丁 ㌔い \ \▲ 2 ︵ ∈U ︶ 10 N F ig・ 6 ヽ ヒ ーロ占 1□1ロー 1 □占 占 占 ・ 1 0 ○ d □ y S 分蒸 発 過 程 で ほ , 地 下 水 の N aC lが 表 面 に 集 積 す る過 程 で,浸 透 過 程 とは逆 の ,N a +の 吸 着 ,C a 2+の脱 着 が 進 行 0 20 する 。 と こ ろ で , 地 下 水 供 給 水 フ ラ ッ ク ス ほ , 実 験 期 間 40 E 60 x c h q n g e □ b しe 80 10 0 C □ † i o n ( % ) 中を通 じて 0・2 8 c m / d 程 度 で 一 定 で あ り, しか も試 料 の体 積 変 化 お よび 含 水 比 分 布 に 大 きな変 化 は なか った 。 その た め , この 水 分蒸 発 実験 で は ,試 料 位 置 に依 ら ない 上向 き の 定 常 水 分 フ ラ ッ ク ス が 生 じ た こ と が 確 認 さ れ F i9・ 7 E x chan geab le ca tion s as a p ercent of the equlV alen t ratio for a leachin g ex perim en t 取出 ・ 中 野 :C a 2十− N a +イ オ ン交 換 を 伴 う 粘 土 中 の 溶 質 移 動 機 構 と特 性 た。 C a C 12 溶 液 の 浸透 過 程 と同 様 に , 土 粒 子 へ の 吸 着 の 生 じな い C l ̄ 一浪 度 分 布 と, 土 粒 子 表 面 に 吸 着 す る N a +濃 での集 積 が進 行 した 。 一方 , 土 粒 子 表 面 に 吸 着 す る N a +の 溶 液 濃 度 は ,C l【 濃度 に 比 べ て 常 に 低 く な る 。 こ の C l▼ と N a + の 溶 液 濃 度分 布 と を 比 較 す る こ と に よ り, イ オ ン 交 換 の 溶 質 移 動 度の 差 は , 浸 透 過 程 の場 合 と 同 様 に , 土 粒 子 へ の N a + に及 ぼ す 影 響 が わ か る(F ig .8 ,9 )。 蒸 発過 程 の C l∵濃 の吸着 量 で あ る。 こ の水 分 蒸 発 過 程 は , 浸透 過 程 と比 べ 度は , 5 日 に 表 層 の 濃 度 が 増 加 した 。 こ の 2 日 と 5 日 の て乾 燥 密 度 が 大 き い た め に 単 位 体 積 当 た りの 陽 イ オ ン交 C l 一濃 度 分 布 ほ , 濃 度 が 増 加 す る 方 向 は 逝 で あ る が , 換容 量 が 大 き く , しか も厳 密 に は 水 分 フ ラ ッ ク ス も異 な F ig .4 の 浸 透 過 程 の C l ̄濃 度 分 布 と 形 状 が ほ ぼ 類 似 な も る。 しか し こ こで ,実 験 初 期 の C l)濃 度 分布 の変 化 が浸 のと な っ て い る 。 こ れ は , 蒸 発 過 程 の 水 分 フ ラ ッ ク ス も 透過 程 と 相 似 で あ っ た こ と に 注 目 し , 溶 質 挙 動 の 違 い が 0 .2 8 c m / ノ d と′ ト さ い た め , ヒ方 へ と 濃 度 が 増 加 す る 実 主に イ オ ン交 換 特 性 に よ る も の で あ る と考 え , イ オ ン交 験初期 の移 動 は ,浸 透 過 程 と同様 に ,分 子拡 散 が 卓 越 し 換特性 の 溶質 移 動 に及 ば す 影 響 を考 え て み る。 たた め で あ る 。 そ の 後 C l  ̄  ̄ほ , 水 分 蒸 発 に と も な い 表 層 水 分 蒸 発 過 程 の N a +濃 度 前 線 は , 5 日 に試 料 表 面 に ′ 如 げ 〓臼 心 遅れ が ′ トさ い。 これ は 浸 透 過 程 の C a 2十の 濃 度 前 線 が , ︵ ∈ U ︶ /m O / J⊥ 2 lT T ●1 † 5 日 で は 深 さ 2 c m に 存 在 し た よ う に ,C l ̄ 濃 度 前 線 の 。 / 0  ̄ / ●1 1 ● \ ↑土 口 芯 ニ ﹂ OJO′○′○−○与 5 4 ︻0 2 1 達し, 土 粒子 へ の 吸着 が生 じな い C Iw 濃 度 前 線 に 対す る d □y 移動 に 比 べ て 大 き く遅 れ た こ と と対 照 的 で あ る 。 水 分 蒸 発過 程 の よ う に C a 粘 土 中 を N a + が 移 動 す る 場 合 ,N a + のC a 2+に 対 す る選 択 性 が低 い た め ,N a 十の 溶 液 分 率 が S 増加 し て も N a + の 吸 着 , す な わ ち C a 2+ の 脱 着 は あ ま り 進行 しな い。 そ の た め , 低濃 度 の 濃 度先 端 ほ ど吸 着 量 が 小さ く, 吸 着 の 効 果 は , 時 間 の経 過 と と もに濃 度 勾 配 を 緩や か に す る。 そ して , 水 分 蒸 発 過 程 の N a +濃 度 分 布 では , 吸 着 と拡 散 の 効 果 の 両 者 に よ って そ の 濃 度 勾 配 が 緩や か に な り, 吸 着 の 生 じな い C 卜 濃 度 と前 線 の 移 動 速 0 10 0 C 且  ̄ C o n 20 0 c . ( m e q 30 0 / 史 度に 違 い が 生 じな か っ た と 解 釈 で き る 。 こ の よ うな 選 択 性の 低 い イ オ ン交 換 は , 積 極 的 交 換 に 対 し消 極 的交 換 ) ( n o n −f a v o ra b le exchangeもしくはunfavorable ex− F ig・ 8 c h a n g e ) と 呼 ば れ て い る 。 な お , 表 面 に C l ̄ と N a + が an ev ap oration ex perim en t 到達 し た 後 , 両 イ オ ン と も 表 面 で の 集 積 が 進 行 す る が , \暮 △\. \ \.、 > Aニ.、 \ q 0 2 0 4 0 6 0 50 C Fig . 9 C h a n g e □ + s in c N a o + n c c o n , c ( e n m t r a e t i o a n e v a p o ra tio n e x p e rim e n t q / n p 史 r d qys 8 0 0 N /○ 〇 0 \. _\ /q ぱ ・ \ ヽ \ ム 2 2 恩 即1 ・ 主 工 ヽ \△ 0 ︵4∈ U﹁︶ て○ ノ川 /○ 5 ○ / qyO ′ P Q − 0 1 0 1 0 \l ㌧ 三 口重 1﹂ ︹と T T ●1て ●∼ ● 2 J ′ ・li \ 一 十 ′ム 与 △、態 ︵4 ∈ U ブ︶ コ d S / 5 2 0 拭 ⋮ 鞍即 耳 C h a n g e s in C 卜 c o n c en tra tio n p r o file s fo r □ 2 + 10 0 c o n c , 15 0 ( m e q / 200 史 ) ) o f ile s f o r F ig .1 0 C h a n g e s i n C a 2 + c o n c e n t r a t io n an ev aporation ex perim ent p r o fi le s f o r 土壌 の物 理 性 第 62号 (199 1) N a +の 吸 着 が 継 続 的 に 進 行 す る た め ,C l− と N a +の 濃 度差 は 拡 大 した 。 3 .2 イオ ン交 換 と水 分 移 動 特 性 の 変 化 イ オ ン交 換 を 伴 っ た 溶 質 移 動 が 生 じ る と , 当 然 の こ と N a +の 吸 着 に伴 い ,土 粒 子 に 吸 着 して い た C a 2+ほ 土 な が ら 粘 土 の 諸 性 質 も 変 化 す る 。 こ こ で は , イ オ ン交 換 中溶 液 に放 出 され る。 F ig .6 の 浸 透 過 程 の N a +濃 度 分 と粘 土 の 水 分 移 動特 性 の 変 化 に つ い て , 透 水 性 , 水分 特 布で は , 脱 着 量 の 大 きい位 置 に濃 度 ピー クが観 察 され た 性 に 焦 点 を あ て て 考 え る。 が,F ig .10 の 水 分 蒸 発 過 程 の C a 2十濃 度 分 布 に は そ の よ 浸 透 過 程 で は ,積 極 的 な イ オ ン交 換 が 生 じて ,F ig .7 うな ピ ー ク は み ら れ な い 。 こ れ は ,N a +が 交 換 吸 着 す る の 交 換 性 陽 イ オ ン分 布 に み ら れ た よ う に , コ ラ ム 内 が 上 場合 に は , 脱 着 量 が 局 所 的 に 大 きい部 位 の存 在 しなか っ 層 の C a 粘 土 と下 層 の N a 粘 土 に 成 層 化 した 。 そ して , たこ と を 示 し て い る 。 ま た 表 層 で の 塩 類 集 積 が 進 行 す る 全 層 が C a 粘 土 と な る 1 3 日 か ら 18 日 の 間 に 水 分 フ ラ ッ ク 1 0 日か ら2 0 日 の 間 に , 交 換 性 の N a の 吸 着 割 合 は , 全 層 スほ 急 増 した (F ig .3 )。 一 般 に ,粘 土 の 透 水 性 は ,N a + ︼ n にわ た り一 様 に 4 % 程 度 増 加 し た (F ig .1 1 )。 こ の よ う の 吸着 分 率 が 高 い ほ ど, ま た 溶 液 濃 度 が 低 い ほ ど低 下 す そ して 全 層 が 透 水性 の 高 い C a 粘 土 に 変 化 した た め に , ∼ 水 分 フ ラ ッ ク ス が 増 加 した と 理 解 で き る 。 こ の よ う な C a 粘 土 化 に よ る水 分 フ ラ ッ クス の 増 加 は , 下 方 へ の 移 + .′ 1.∵ ぺ C ∈ U ︶ 流 に よ る溶質 移 動 量 を増 加 させ る。 そ の た め 水 分 フ ラ ッ ク ス が 増 加 し た 1 3 日 以 降 ,F ig .3 の C 【 l 濃 度 と F ig .4 の C a 2+ 濃 度 は 大 き く 増 加 し , ま た F ig .5 の N a 十 濃 度 は 減 少 した。 と こ ろ で , 吸 着 イ オ ン穫 は , 透 水 性 の み な ら ず , 水 分 nu + ′ ′ ノ. ′ ′h N ●J ● ノ 1 0 十エ ロ石 工 ナ ・ノ ルノ ノ / ︵ ■︹ u O y ッ ク ス が 小 さ か っ た と考 え る こ と が で き る (F ig .7 )。 2 層 部 の 透 水 性 の低 い N a 粘 土 が 透 水 を 制 限 し, 水 分 フ ラ ∩ ︺ S る こ とが 知 られ て い る 1, 2㌔ そ の た め 浸 透 初 期 に は , 下 行す るの が 特 徴 で あ る。 5 4 ︻く ︺ 2 に, 消 極 的 交 換 に よる N a 粘 土化 は ,継 続 的 に 徐 々に 進 特性 に も影 響 を 及 ぼ す (F ig .2 )。 浸 透 実 験 に 用 い た N a ベ ン ト ナ イ トは , 0 .0 1 b a r で は 6 0 0 % と 低 サ ク シ ョ ン の 含 水比 が 高 く,そ してサ ク シ ョ ソの増 加 と と もに 大 き く 80 85 x c h □ n g e □ b しe 90 95 10 0 C q 十 i o n ( % ) ︵か ∠ 加 ︵ ∈ U 含 水 比 が 減 少 す る 。 こ の N a ベ ン トナ イ トへ C a C 12 溶 液 を 浸 透 さ せ て 作 製 し た C a ベ ン トナ イ トは ,N a ベ ン トナ イ トに 比 べ 同 じサ ク シ ョ ソ に 対 す る 含 水 比 は 小 さ い 。 こ れは, 体 積 変 化 が 小 さ く, 含 水 比 が 不 変 で あ った 浸透 実 験にお い て も, 透 水 性 の 変 化 と共 に ,粘 土 の水 分 特性 も 変化 した こ と を 示 し て い る 。 一 方 , 水 分 蒸 発 実 験 に用 い た C a 飽 和 ペ ソ トナ イ トの 含水 比 は , 浸 透 に よ り作 成 し た C a ベ ン トナ イ トに 比 べ nu ′● ︶ ● / 同じサ ク シ ョ ン で の 含 水 比 は 極 端 に 低 く, た と え ば , 0 . + 1 b a r で は 含 水 比 1 0 0 % 程 度 と な っ て い る 。 浸 透 に よ り作 / 十二 ひ 芯 エ ● / 5 4 7 J 2 1 0 〓 灼′ E y 拙 S 7 5 製した C a ベ ン トナ イ トほ ,C a 飽 和 ベ ン トナ イ トに 比 べ た場 合 , む し ろ N a ベ ン トナ イ トに 近 い 水 分 特 性 で あ る 。 5 7 同じ C a ベ ン トナ イ トの 水 分 特 性 が こ の よ う に 大 き く違 うこ とは , そ の生 成 過 程 の 履 歴 の違 い か ら異 な っ た粒 子 80 E x c h □n g e 85 □ b しe 90 95 10 0 C □ † i o n ( % ) 構造 が 形 成 され た た め と考 え られ る。 こ の よ うに , ベ ン トナ イ トの 水 分 特 性 は , 試 料 の 状 態 によ り著 し く変 化 す る 。 そ し て こ こ に 示 し た 以 外 の 状 態 F ig・11 E x ch ang eable c a t i o n s a s a equ ivalent ratio for an evap oration ex p erim ent pでは e , r 条 c 件e に応 n t じてo様 f々 な 水 t 分 h 特 e 性 を示 し, そ れ らは , N a ベ ン ト ナ イ ト と C a 飽 和 ベ ン トナ イ トの 間 の 水 分 特 性曲 線 を 与 え る と考 え ら れ る 。 今 ま で に 示 し た 浸 透 過 程 1 0 取出・ 中野 :C a 2 十−N a +イ オ ン交 換 を伴 う粘 土 中 の溶 質移 動 機 構 と特 性 と水 分蒸 発過 程 は ,一 様 な水 分 分 布 の土 コ ラム 中 の定 常 タを 蓄 潰 す る 必 要 が あ る と 考 え る 。 水分 フ ラ ッ ク ス の 下 で の 溶 質 移 動 で あ り , し か も イ オ ン 交換 に 伴 う水 分 特 性 の 変 化 は ,浸 透 過 程 で ほ C a 飽 和 ベ 謝辞 東 京 大 学 農 学 部 大 学 院 生 加 藤 邦 彦 氏 とは, 水 分 蒸 ン トナ イ ト と の 水 分 特 性 の 違 い と 比 べ る と , あ ま り 大 き 発実 験 を 共 同に 進 め させ て頂 い た。 ま た東 京 大 学 農 学 部 く な か っ た 。 しか し , よ り現 実 的 に 非 定 常 な 水 分 移 動 の 井本 博 美 技 官 に は 実 畝 全 般 に わ た り御 協 力 を頂 い た。 こ 生じ て い る 粘 土 中 の 溶 質 移 動 を 考 え る と き , 水 分 フ ラ ッ こに 厚 く謝 意 を 表 す る 。 ク スを定 量 化す る際 に ,水 分 特 性 の把 握 は 透 水係 数 と並 引 んで 重要 とな る。 そ の際 ,土 中溶 液 の状 態 や ,試 料 の履 用 文 献 歴等 を 十 分 考 慮 す る 必 要 が あ る こ と を F ig .2 は 示 し て 1 ) R u ss o ,D . ,E .B re sler :E ffe c t o f m ix e d N a −C a s olu − いる 。 tio n s 4 . ま と め o n t h e h y d r a u l i c 2 ) N ie lse n ,D .R リ M .T h .v an こ こ ま で ,C a 2+− N a 十 イ オ ン交 換 を 伴 う粘 土 中 の 溶 質 移動 と して , N a 粘 土 に 交 換 吸 着 す る C a C 12 溶 液 の N a ベン トナ イ トへ の 浸 透 過 程 , ま た C a 粘 土 に N a +が 交 換 p r o p e r t i e s s o i ls , S o il S c i. S o c . A m .J . ,4 1 , 7 1 3 − 7 1 7 (1 9 7 7 ) g er :W a ter f l o w z o n e ,W ate r G e n u c b t e n , J . W . a n d s o l u t e t r a n s p o r t R e s o u r . R e s り 2 2 , S 9 S − 1 0 8 S 3 ) B olt,G .H ,M .G .M .B m g g en w er t: 土壌 の 化学 , 吸着 す る N a C l 溶 液 を 地 下 水 に 持 つ C a ベ ン トナ イ トか 岩 田進 午 ら 訳 , 学 会 出 版 セ ン タ ー , 13 6 − 15 6 (1 9 78 ) らの 水分 蒸 発 過 程 につ い て溶 質 挙 動 を 中心 に 示 した 。 特 4 ) 取 出 伸 夫 , 中 野 政 詩 :C a C 12 溶 液 に よ る N a ベ ン トナ にこれ ら を , 積 極 的 交 換 と 消 極 的 交 換 の イ オ ン挙 動 の 2 つの タ イ プ に分 類 し, 浸 透 過 程 と水 分 蒸 発 過 程 の 溶 質 挙 動に つ い て , そ れ ぞ れ 対 比 す る こ と を 行 な っ た 。 浸 透 過 程で は ,C a 2十の 選 択 性 が 高 い た め , 積 極 的 交 換 が 生 じ て,C a 2 +の 濃 度 前 線 付 近 で C a 2+ の 吸 着 と N a 十の 脱 着 が 進行 し,C a 粘 土 化 が 進 行 した 。 そ れ に対 し, 水 分 蒸 発 過程 で は ,N a 十の 選 択 性 が 低 い た め , 消極 的 交 換 が 生 じ て, 試料 全 体 に 継 続 的 に N a +の吸 着 と C a 2 +の脱 着 が 進 行し た 。 ま た ,C a 2十− N a + イ オ ン 交 換 に 伴 う粘 土 の 性 質 の 変 化 イ トの 脱 ソ … ダ質 化 過 程 ,農 土 論 集 ,1 3 6 ,3 9 − 4 5 (19 88 ) 5 )取 出伸夫 , 塩沢 昌, 中野 政詩 :C a C 12 溶 液 の浸潤 下 に お け る N a ベ ン トナ イ ト中 の 溶 質 移 動 の 解 析 ,農 土 論 集 , 13 6 , 4 7 − 5 2 (19 S8 ) 6 ) 日 本 粘 土 学 会 編 :粘 土 ハ ン ドブ ッ ク第 二 版 , 技 報 堂 出 版 , 681 ¶684 (1987) 7 )U S S a l i n i t y p ro v em en t H a n d b o ok o f し , そ れ に よ り水 分 フ ラ ヅ ク ス が 増 加 して 溶 質 移 動 量 が m e d ia :G a le rk in 同じ サ ク シ ョ ソ で の 含 水 比 が 低 下 す る こ と を 水 分 特 性 曲 生成 履 歴 に よ っ て 水 分 特 性 が 著 し く 異 な る こ と を 示 し た。 土 中 の 溶質 移 動 の定 量 的 な予 測 を行 な うため に ほ , 水分 フ ラ ヅ ク ス の 予 測 が 最 も重 要 な 要 田 で あ る 。 特 に , S t a f f : D a l k a l i s o i l s , 60 , 25 w 28 (19 5 4 ) tra n s p o rt 線か ら 示 した 。 さ ら に 同 じ C a 粘 土 で あ っ て も , 試 料 の a n d 8 ) R u b in , J . , R . Ⅴ . J a m e s : D is p e rio n −a ffe c te d と して , 浸 透 過 程 で は ,C a 粘 土 化 に 伴 い透 水 性 が 増 加 増加 した 。 ま た C a 2 + の 浸 透 に よ り C a 粘 土 化 す る と , L a b o r a t o r y s a l i n e o f r e a c t i n g m e t h o d tr o lle d e x c h a n g e i n R e s リ e s o u r . R 9 , 1 3 3 2 − 1 3 5 6 s o l u t e s i n a p p l i e d t o . E v a n s (e d s ): “ S o il W (1 9 7 3 )  ̄ a t e r ”,1 2 1 【 1 5 4 , A m . S D ・ o c . A gro. ,M a is o n ,W isc o n sin .(19 72 ) 10 ) 石 黒 宗 秀 , 岩 田進 午 :土 の 中 の 物 質 移 動 一土 中 に お け イオ ン交 換 が透 水 性 や 水 分特 性 に 大 きな影 響 を及 ぼ す 粘 る イ オ ンの 交 換 吸 着 現 象 一 , 農 土 誌 , V o l.5 6 , N o .10 , 土中 の溶 質 移動 現 象 で は , 今 回述 べ た よ うな 溶質 移 動 に 87 − 94 , 19 8 8 伴う一 連 の 連 鎖 的 相 互 作 用 に つ い て , さ ら に 詳 細 な デ ー e q u i l i u n i d i r e c t i o n a l f l 9 ) N ie lse n ,D .R . ,R .D .J a ck so n ,J .W .C a ry a n d D s a t u 1 1 土壌 の物 理 性第 62 号 (199 1) S u m m a ry S olu te k in d s t r a n s p o r t i n o f e x p e r i m e n t s i n O ne w a s m en t o f no n li n e a r , t W F a v o r a b a d s o r b le e d e f f e c t a l e a c h i n g O t y p e S O f i o n e x c h a n g e e x c h a n g e N a + a t e x c h a n g e c a n d u e t o a l o w c o u l d b e o b s e r v e d i n t h e m o v l n g o f −N a 2 + e sx tc r h o an ng gl ey io n e x c h a n g e o n t h e gp oh ve en r o n m e ed n ab . y W e t r a n s p o r t t a k e f o r h a v i n g p l a c e : f a v o r a b l e e x c h a n g e d u e t o a h i g h a wn i te h v a pC oa rC a1 t2 c o n s i s t i n g o f + w N a + e x c h a n g e i s a f f i n i t y f o r C a 2 + a n d N a + . t b e l e a c h i n g t h e gN a Cr I o s ou l u nt i odn w. Sa i n tc ee C ra 2 c o f s o l u t e s . e x p e r i m e n t S O luo tio f n s .T N ha e − ob te hn et ro n w i a ts e a f f i n i t y f r o n t s y s t e m sion i s o f C a + C a − b e n t o n i t e n o n − f a v o r a b le al l c l a y o r d e r t o i n v e s t i g a t e t h e e x p e r i m e n t . P e n e t r a t i n g C a 2 + c o n c e n t r a t i o n C a 2 + e x c h a n g e d p r o f i l e . T h e n , t h e w i t h C a 2 + f r o n t a l m o s t b e c a m e s t e e p . O n th e otherhand,nOn−favorable exchange couldbe obseⅣedin the evaporation experiment.The penetrating f r o n t o f N a 十 c o n c e n t r a t i o n C a 2十 一 N W aS S y S te m f l a t . a 十 i o n exchange affects the hydraulicproperties ofsoils.In theleaching experiment,the water爪ux h a v i n g t h a t a b i g h e r g i v e n o f S O lu t io n .P r e d ictin g t he b e c a m e S u d d e n l y i n c r e a s e d S y S te m S .F or t h an p r o f i l e w h e n t h e h y d r a u l i c w a t e r w h o l e t r a n s p o r t o f c h a n g e s i n t b e e x c h a n g i n g ( S o il f r o m c o n d u c t i v i t y . W a t e r s u c t i o n , t h e w a t e r N a − b e n t o n i t e , W h e r e a s i t i s t h e c l a y h y d r a u l i c s o l u t e s i n P h y s . C o n d . P la n t s u r f r e t e n t i o n c o n t e n t m 1 1 C h t h e o f g r e a t e r p r o p e r t i e s s o i l s . G r o w t h , J p n リ 6 2 , 3 旧 − 1 1 , 1 9 9 1 ) a l C a − b e n t h a n c a u s e d t b y 1 3 [四 中海 干拓 地 土 の収 縮 挙 動 につ い て 石川 On 重雄 * ・河野 英 一 *・ 足 立 S h r i n k a g e B e h a v i o r S hig eo IsH IK A W A *,E iich i K oH N O * an d *C o lleg e o f A g r i c u l t u r e *♯F a c u lty o f 忠 司 ** o f S o i l i n a n d V e t e r i n a r y A g r i c u l t u r e , O k a y a m a Ⅰ . は じめ に N a k a u m i R e c l T a d a s h i A D A C H I * * M e d i c i n e , N i h o U n i v e r s i t y 5 地 区 の うち , 揖 屋 地 区 は 1 9 7 4 年 1 0 月 , 安 来 地 区 は 1975年 5 月 に 干 陸作 業 が 開 始 され , 揖 屋 地 区 は 1975年 6 月 ,安 来 地 区 は 1 97 6 年 3 月 に 全 面 の 干 陸 が 完 了 した 。 両 中海 ほ 鳥 取 , 島根 の両 県 に またが る水面 面積 97. 7 km 2 , 最 大 水 深 17.1 m (平均 水 深 5.4 m )の潟 湖 11 で 地 区 の 平 均 標 高 は【 2 . 3 m ∼ −2 . 4 m で,両地 区の間に ある。 地 形 的 に は , 宍 道 湖 地 溝 帯 に で きた水 道 が これ に は 標 高 に 大 きな 差 は な く, は ば 平 坦 な 地 形 が 形 成 され て 流入 す る諸 河 川 に よ る三 角 洲 の 形成 や夜 見 ヶ浜 砂 囁 の発 い る。 粘 土 層厚 ほ揖 屋 地 区 で 平 均 1 1 .O m で あ る。 達で埋 め 残 され た 部 分 で あ り, 全 体 的 に平 坦 な湖 底 を な 両地 区 と も, 全面 の 干 陸 が 完 了 した 翌 年 か ら軟 弱 地 盤 して い る。 こ の水 域 内 の 比 較 的 水 深 い の浅 い部 分 に 5 地 の 乾燥 促 進 , 農 地整 備 工 事 等 が 進 め られ , 1988年 度 か ら 区が 選 定 され て , 島 根 県 側 の 本 庄 ,揖 屋 お よび 安 来 の 3 は 畑地 の 売 り渡 しが 行 われ て , そ の 一 部 で は 1 9 8 9 年 度 か 地区 は 干 し上 げ 工 法 に よ り, 島 根 県 側 の 彦 名 お よび 弓 浜 ら営 農 が 開 始 した。 な お , 本 庄 地 区 で は 末 干 陸 で 今 日に の2 地 区 は 埋 め 立 て 工 法 に よ り畑地 を造 成 す る 中海 干 拓 至 って い る。 事業 が 19 7 4 年 に 開 始 され た 。 彦 名 地 区 で は埋 め立 て が 1977年 か ら行 わ れ , 一 部 を 残 各 地 区 の 位 置 と干 陸 面積 は ,図 − 1 に示 す 通 りであ る。 し て 19 8 6 年 に 終 了 し た 。 弓 浜 地 区 で も埋 め 立 て が 19 7 7 年 島根 沓 淋 凍 4 一 将 美 浜 島 江 島 山十 島 保 a 大根 本 区 弓 月山l 1 6 8 9 h 地h 一 沢 弓 本 庄 地 区 島 日 中浦 水 門 半 湾 ⇒ こ 宍道 湖 中 −キ 摩 彦名 卓 地 区 1 8 4 h a ノ〃 J ・計 揖屋 地 3 区 解 梨 2 1 h a 箪 安来 地 凡 ∈≡≡ ≡ ∃ 図−1 F ig .1 * 日本 大 学 農 獣 医 学 部 **岡 山大 学 農 学 部 土壌 の物 理性 受理 月 日 a 例 干拓 地 中 海干 拓 地 各 地 区 の位 置 と面 積 T h e lo c a tio n a n d a re r o f ev e ry d istr ic t o f th e N a k a u m i re c la im e d la n d 〒 25 2 〒700 第 62 号 区 2 0 3 h ノJ/ ノ〝 藤 沢 市 亀 井 野 18 6 6 岡山市津 島 中 1 − 1 − 1 p. 13 ∼2 2 19 90 年 10 月 18 日 (19 9 1 ) 1 4 石川 ・ 河 野 ・ 足 立 :中海 干 拓 地 土 の収 縮 挙 動 につ い て 進行 し て い る こ とが 挙 げ られ る 。 から行 われ て , 1 9 8 3 年 に終 了 した。 と ころ で , 中海 の 湖 底 土 の 多 くは , 中 海 に 流 入す る大 橋川 , 意芋 川 ,飯 梨 川 等 の 河 川 に よ って運 ば れ て釆 た粘 本 地 区 の 上 の 含 有 粘 」二 鉱 物 は , イ ラ イ ト(1),カ オ リ ン 鉱物 ( k ),バ ー ミ キ ュ ラ イ ト (V t),お よ び グ ロ ラ イ ト 土が 堆 積 し た ヘ ド ロ と 呼 ば れ る も の で あ る 。 ま た , 中 海 ( C h l )を 主 要 な もの とす る。 主 要 粘 土 鉱 物 の 割 合 ほ , の水 は 島 根 半 島 と 弓 ヶ 浜 と の 間 に あ る 噴 水 道 を 通 じ て 日 1 ≧ k > V t > C h l の 傾 向 に あ り, こ の 中 で も 特 に 1, k の 割 本海 へ 流れ るが , 満 潮 時 に は逆 に この 水道 か ら海 水 が流 合が 多 い。3 )参 考 のた め に述 べ る と,八 郎 潟 干拓 地 4 〕お 入す るた め に , そ の 影響 で ,半 嚇 湖 的性 格 が もた ら され よ び 笠 岡 湾 干 拓 地 5・6 )で ほ モ ン モ リ ロ ナ イ ト, 児 島 湾 てい る 。 し た が っ て , 湖 底 に 堆 積 し た 土 も , そ の 影 響 を 干拓 地 7 J で は ハ ロ イ サ イ ト と イ ラ イ トが 主 体 で あ る と 強く受 け て , 陸成 の既 耕 地 土 とは異 な る特 性 を有 す る。 言わ れ て い る 。 この 干拓 地 土 は 干 陸 当初 に は軟 弱 で , しば ら くは 人 の 歩行 も困難 で あ った 。 しか し, 土層 表 面 か ら土壌 水 分 の Ⅲ.試 験 方 法 蒸発 が 進 み , 土 居 に キ レ ツ が 発 達 す る と , キ レ ツを 通 じ てさ らに士 層 の乾 燥 が進 行 し, 土壌 構 造 の生 成 とそ の種 類の 変 化 と が も た ら され て , 農 地 の 土 壌 構 造 に 近 い も の が形 成 され て い った 。 この 土壌 構 造 の生 成 過 程 につ い て は筆 者 ら が 2 )現 地 調 査 に 基 づ い て 既 に 報 告 した 。 しか 1 .収 縮 挙 動 1 ) 供 試 体 の作 成 不 撹 乱 の供 試 土 と して は ,既 に土 の基 本 的 性 質 が 明 ら かに さ れ て い る前 述 の安 来 地 区 N o . 3 0 圃 場 の深 さ 1 .O m しな が ら, 中 海 干 拓 地 土 の 土壌 構 造 の生 成 過 程 を支 配 す のヘ ド ロ 土 層 (C 層 :ヘ ド ロ 層 ) と 柱 状 構 造 の 発 達 し た る主 要 因 で あ る土 の 収縮 挙 動 に つ い て は , 未 だ報 告 され 探さ 約 5 0 c m てい な い 。 1 9 8 2 年 7 月 に 直径 5 0 m m ,高 さ5 1 m m ,容 積 1 0 0 c m 3 の サ そ こで , 本 報文 で は 中海 干 拓地 土 の収 縮 挙動 とそ れ が 土壌 構 造 の 生 成 に 果 たす 役 割 に つ い て論 述 す る。 の 土 層 (B C 層 下 ) と か ら 干 陸 後 6 年 日 の ン プ ラ ー で 採 士 した も の を 用 い た 。 こ れ を さ ら に 直 径 5 0 m m ,高 さ 1 4 m m の 円 板 状 に 成 型 し て 供 試 体 と した 。 ま た同時 に , 深 さ1 . O m 土 層 か ら 撹 乱 土 も採 取 し, それ を 撹乱 の供 試 土 と した。 こ の供 試 士 を生 土 の ま ま 液性 限 界 Ⅱ. 採 土地 の 概 要 測定 器 を用 い て液 性 限 界 以上 で , ペ ー ス ト状 態 とな る よ 施 工 過程 で 生 ず る諸 問 題 に 応 じた 処 理 土 の選 択 が 可能 う に 含 水 比 調 整 した の も の を 撹 乱 供 試 体 と し て 用 い た 。 な埋 め 立 て 工 法 の 場 合 と異 な り, 干 し上 げ 工 法 の場 合 に また , こ の 供 試 体 は 自 重 に よ り 流 動 す る た め 容 器 に 充 塀 は, 現 地 土 状 態 の ま ま 乾 燥 処 理 が な さ れ る こ と と な る。 した 。 そ の際 に供 試 体 の厚 さが 問題 とな るが , 均一 な 乾 した が っ て , こ の 場 合 に は , 施 工 前 は も ち ろ ん , 施 工 中 燥収 縮 が起 る とされ る佐 藤 ,8 )河野 9)の方 法 に 準 じて , ある い は 施 工 後 で も 現 地 土 の 特 性 と そ の 変 化 の 方 向 と を 供試 体 を 直 径 約 4 5 m m ,深 さ約 13 m m の 収 縮 皿 に気 泡 の 十分 に 把 捉 し, そ れ を 基 に して 常 に 乾 燥 処 理 技 術 の 向 上 封入 が 無 い よ う に 充 填 し , 測 定 に 供 し た 。 に努 め つ つ , 乾 燥 処 理 施 工 が な され な け れ ば な らな い 。 そ こで , 本 研 究 で は , 干 し上 げ 工 法 が 採 られ ,揖 屋 地 さ らに , 含 有粘 土鉱 物 の配 向状 態 が収 縮 に お よぼ す 影 響を も検 討 す る た め に ,圧 密 を 受 け た供 試土 の 収 縮 測 定 区よ りも粘 質 な 土 で構 成 され るた め に , 乾 燥 処 理上 の 問 も行 った。 この場 合 の供 試 体 の 作 成 に ほ ,圧 密 帯 験機 を 題が 今 後 と も 多数 出現 す る と思 わ れ る安 来 地 区 を採 土 地 用い た 。供 試 土 と して ほ ,前 述 の 撹 乱 供 試 体 の 作 成 に お とし た 。 ける も の と 同 一 の も の を 用 い , 液 性 限 界 以 上 の 含 水 比 に 安 来 地 区 の土 の 基 本 的 特 性 に関 して は , 5 m 間 隔 で 上幅 1 .O m ,底 幅 0 .2 m お よび 深 さ0 . 7m の小 排 水溝 が 施 調整 し た ペ ー ス ト状 態 の も の を 圧 密 用 リ ン グ に 充 填 し た。 これ に 載 荷 荷 重 以 外 は JIS で定 め る 圧 密 方 法 に 準 拠 工され た 干 陸 後 6 年 日の N o .3 0 圃 場 の深 さ 0 ∼ 10 0 c m し て , 0 .0 5 k g / c m 2,仇 2 5 k g / c m 2,仇 3 5 k g / c m 2 の 各 の土 の 特 性 に つ い て 報 告 さ れ て い る 。2 )そ れ に よ れ ば , 荷量 を 載 荷 して圧 密試 料 を 作成 した 。 これ らを さ らに 不 主な特 性 と しては ,上 , 下 層 土 を通 じて 粘 土 分 が 3 0・9 ∼ 撹乱 供 試 体 と同 一 寸 法 に 成 型 して 供 試 体 と した 。 4 4. 4 % , シル ト分 が 3 5 .2 ∼ 4 9 . 9 % で ,土 性 が L ic な い し S ic (国 際 土 壌 学 会 法 ) とな って , 土 層 全 体 が 強 粘 質 土 2 )測定方法 収 縮 挙動 は 各 供 試 体 の 乾 燥 特 性 に伴 う垂 直 方 向 と水 平 以 下 の ヘ ドロ層 は 方向 と の線 収 縮 量 を 同 時 に 測 定 し,そ れ ら の測 定 値 か ら アル カ リ性 を 呈 す る が , 深 さ 50 c m 以 上 の 土 層 は 強 酸 性 垂直 方 向 と水 平 方 向 と の線 収 縮 率 お よび 体 積 収 縮 比 を算 とな って酸 性 硫 酸 塩 土 壌 が 生成 され ,か つ塩 類 の溶 脱 が 出 して 把 握 した 。 水 平 方 向 の収 縮 量 と して は , 水平 面 の で構 成 さ れ て い る こ と , 深 さ 10 0 c m 1 5 土壌 の物 理 性 第 62号 (199 1) 直径 方 向 に 円 の 中 心 が 間 隔 の 中央 とな る よ うに 3 cm の Ⅳ. 試 験 結 果 お よび考 察 間隔 で ス テ レ ソス細 線 を 深 さが 供 試 体 厚 さの半 分 ま で入 る よ う に 真 っ 直 ぐに 2 本 立 て て , こ の 2 本 の ニ ク ロ ム 線 間 の乾 燥 に伴 う間 隔 の 減 少 を 測 定 した 。垂 直方 向 の収 縮 1 .土の収縮挙動 各 供 試 体 の 収縮 特性 ほ 囲 − 3 お よび 図 ¶ 4 に 示 す 通 り 量 と して は , ス テ ン レス 細 線 の 一 端 を 丸 め て , そ の 部 分 であ る。 な お ,垂 直 ・ 水 平 方 向 の 収 縮 率 お よび 体 積 比 は を ステ ン レス細 線 が垂 直 に 立 つ よ うに 供試 体 の ほぼ 中央 次式 に よ り求 め た 。9) に乗 せ , 丸 め な い 他 端 と別 に 設 け た 基線 との 間 の 間隔 の 減 少 を 測 定 した 。 た だ し, 圧 密 供 試 体 と不 撹 乱 供 試 体 等 垂 直 収 縮 率 (H s)は , H s =( H − H t)/ H 。× 10 0 ( % ) の 乾 燥 方 法 は , 両 試 料 と も 自 重 に よ り流 動 し な た め , P ウを 塗 っ た金 網 上 に設 置 す る方 法 を 取 った 。10)収 縮 量 の 測 定 は 各 供 試 体 と も カ セ トメ ー タ ( 1/ 1 00 m m こ こに , 読 取 り) H。 :試 験 開 始 時 の供 試 体 の 厚 さ, を 用 い て 行 な った 。 また , 各 方 向 の線 収 縮 率 お よび 体 積 収 縮 比 の 変 化 と含 水 比 の 変 化 とを対 応 させ て ,収 縮 挙 動 H :試 験 開 始 時 の 垂 直 高 さ H t:任 意 の 水分 状 態 の垂 直 高 さ, また , 水 平収 縮 率 (L s)は , を 検 討 す る こ と か ら ,各 方 向 の 線 収 縮 量 の 測 定 と 同 時 に , そ の 時 の含 水 比 を 求め るた め に供 試 体 の重 量 も測 定 した 。 乾 燥 方 法 と して は ,急 激 な 乾 燥 を さ け るた め に恒 温 ・ L s=(L − L t) / L x lO O (% ) こ こに , L :試 験 開 始 時 の 水 平距 離 , L t:任 意 の水 分 状 態 の水 平 距離 恒 湿 槽 中 (温 度 :20℃ , 湿 度 :60% ) に ,風 が 直 接 当た ら な い よ うに ア ク リル ケ ー ス に 入 れ て 設 置 し , 徐 々 に 乾 さ らに , 体横 比 は上 述 で 求め た垂 直 , 水平 収 縮 率 を 用 い 燥 す る方 法 を採 った。 次式 , 測 定 時 間 は , 実験 開始 後 4 8時 間 は 1 時 間 間 隔 , そ の後 Ⅴ/ V =( 1 − L s/ 10 0 )2 ( 1 − H s / 10 0 ) は 4 時 間 間 隔 に 測 定 し,含 水量 に変 化 が 見 られ な くな っ た 段 階 で 乾 燥炉 に 入れ て ,絶 乾 試 料 の各 収 縮 量 と水 銀 置 こ こに , 換 法 に よ って最 終 体積 を測 定 した。 Ⅴ:試 験 開 始 時 の体 帯 , V t:任 意 の水 分 状 態 の体 積 よ り求 め た。 た だ し, 撹 乱 供 試 体 の場 合 に は , 水 平 収 縮 2 . 強 度特 性 本 試験 は ,垂 直方 向 と水 平方 向 と の間 で 異 な る収 縮 挙 動が 出現 した た め に ,採 土 地 の土 粒 子 の配 向 状 態 を 確認 す る 目的 で 行 な った も の で あ る。 1 )供 試 体 の作 成 安 来 地 区 の N o .3 0 圃 場 に お いて , 土 被 り圧 に よ り正規 は含 水 比 が 高 い段 階 で は 横 方 向 へ の流 動 に よ って ス テ ン レス紳 線 間 の距 離 の増 大 が もた らされ 負 の収 縮 を 示 す 。 した が っ て ,正 の水 平 方 向 収 縮 が 開 始 され た場 合 の 体 積 比の 算 出 に あ た って は基 準 長 の 変 化 を 考 慮 して 計 算 9 1 を行 な った 。 図 − 2 は ,深 さl . O m 土 層 か ら採 取 した も のを 供 試 土 圧密 を受 け た と思 わ れ る深 さ 1 . 3 m の土 層 か ら 干陸 後 13 として , 生 土 の ま ま を ペ ー ス ト状 態 と な る よ う に 液 性 限 年目 の 1 9 8 9 年 3 月 に 直 径 5 0 m m ,高 さ 5 1 m m ,容 積 1 0 0 界以 上 の含 水 比 に 調 整 して 容 器 に 充 填 した 下 撹 乱 供 試 体 C m 3 の サ ン プ ラ ーで , 堆 横 面 に 対 して 垂 直 方 向 と水 平 および 圧 密 試 験機 に よ り作 成 した 圧 密 供 試 体 の収 縮 挙動 方向か ら採 土 した 不 撹 乱 土 を 用 い た 。 この土 層 は青 灰 色 であ る 。 の 羊 菜 状 を 呈 して い て , 土 被 り圧 に よ り正 規 圧 密 を 受 け 図【 2 に 見 ら れ る よ う に , 撹 乱 供 試 体 で は , 垂 直 方 向 たと思 わ れ る以 外 ほ , 乾 燥 履 歴 を 持 た な い 湖底 土 状 態 の の収 縮 量 は , 含 水 比 約4 0 % 以 上 に お い て そ の 変 化 が 大 き もの で あ った 。 い。(図 中 の 正 規 収 縮 直線 に 沿 っ て収 縮 す る段 階 :水 分 両 供 試 土 を 直径 3 5 m m ,高 さ4 1 . 4 m m に成 型 して , 次 量と体 積 減 少 量 が等 しい段 階 9 ) )そ れ よ り低 含 水 比 で ほ , 項で 述 べ る一軸 圧 縮試 験 の供 試 体 と した。 な お, 本 試 験 収縮 量 の 変 化 ほ 含 水 比 の 低 下 と と も に 小 さ く な る 。(図 ほ土 粒 子 配 列 の 方 向 性 の 確 認 を 主 眼 と した も の で あ る こ 中の 正 規 収 縮 直線 か らカ イ離 す る残 留 収 縮 の 段 階 :脱 水 と か ら , と く に 供 試 体 の 寸 法 は J IS に は 従 わ な か っ た 。 量に比 べ て 体 積 の減 少量 が 小 さい 段 階 9り 2 ) 測定 方 法 強 度特 性 ほ各 供 試 体 を一 軸 圧 縮 試 験 機 で 測 定 して 把 超 水 平方 向 の収 縮 で は , 含水 比 約 9 8 % 以 上 に お い て マ イ ナス の 収 縮 , す な わ ち ス テ ン レ ス 細 線 間 の 間 隔 が 広 が る した 。 測 定 には T E N S IL O N UTM−4−100試験機を とい う水 平 方 向 へ の 流 動 が 生 じ て い る 。 そ れ が 生 じて 以 用い ,圧 縮 速 度 は JIS 規 格 通 り 1 %/ m in と した 。 降の含 水 比 の低 下 に対 す る水 平 方 向 の収 縮 は , 垂 直 方 向 1 6 石川 ・ 河 野 ・ 足 立 :中海 干 拓 地 土 の 収 縮 挙動 に つ い て 40 / 3 5 ペー ス ト 状 ( 垂 3け 直 ▲) ペー ス ト状 =− 2 5 ペー ス ト 0 .0 5 k g f / c m 2 状 ( 水 収 =− 平 ) ■−・− ・ 0・25kgf/cm2 −− − 一 −− − 0 ・ 3 5 k g f / c m 2 0. 0 5 kg f /c M2( 水 平 ) 0. 2 5k gf / cm 2 20 縮 (水 平 ) 0 .35 kg f / cm2 (水平) 率 15 ■、−、 − ニ ニ \ ’・− (%) 10 ーーーー ーーー、、 0 .05 kg f/ cm 2 ( 垂 直) = ・8 7 g g ( 垂直) 1 は 82g 甘 8 .0 0 0 ● 3砦 /c浣. 。 ふ苛 8 1 .0 20 川 0  ̄ l 1 2D 8ズ 含水 比 ( % ) 体0 ・9・ 8 5 .8 構0・8・ 0 ,丁・ 比 0 .6 ・−・ 一一 ・・一・一■  ̄ ▼ / 一一 ̄■  ̄  ̄ン / 0 .5 正規 収縮 直 線 ′〆 0 .1 図−2 擾 乱 (ペ ー ス ト状 ) お よび 圧 密 供 試 体 の 収 縮 曲線 (安 来 地 区 N o . 30圃 場 , 1982年 7 月 採 土 ) F ig・ 2 T h e sh rin kag e cu Ⅳe Of the disturbed an d con solidated test sam ple (N o . 3 0 10 t in tb e Y a s u g i d istlict :S a m p lin g in J u ly o f th e y ea r 1 9 8 2 ) 17 土襲 の 物理 性 第62号 ( 199 1) の収 縮 挙 動 と同様 であ る。 なお , 水 平 方 向 の流 動 が生 じ する 。 てい る 段 階 の 垂 直 方 向 の 収 縮 は , 収 縮 と い う よ りは む し 次に,不撹乱の供試体の収縮挙動は図 − 3 に示す通 り ろ, 脱 水 に 伴 う流 動 沈 下 と 呼 ぷ べ き も の で あ る 。9 ) であ る 。 こ の 供 試 体 は 図 − 2 に 見 ら れ る よ うな 流 動 沈 下 図 ▼ 2 に 見 られ る よ うに , 撹 乱 供試 体 で は ,流 動 沈 下 が起 らず , 垂 直 方 向 お よび 水 平 方 向 の 収 縮 と も測 定 開 始 が生 じ た た め に , 水 平 方 向 の 全 収 縮 量 よ りも 垂 直 方 向 の と同 時 に 発 現 し, か つ , 水 平 方 向 の 収縮 量 が垂 直 方 向 の ものが 大 きい 。 い ま, 図 − 2 で 流動 沈下 が 停 止 した以 後 もの に 比 し て 大 き い 。 同 様 の こ と は 国 − 2 中 に 示 し た 圧 の含 水 比 の 低 下 に 伴 う水 平 方 向 と垂 直方 向 と の収 縮 曲線 密供 試 体 の場 合 に も見 られ , 中海 干 拓地 が 土被 り圧 に よ の様 相 を 比 べ る と , 水 平 方 向 の も の と垂 直 方 向 の も の と り正 規 圧 密 を 受 け て い る こ と が 明 ら か と い え る 。 ま た , はほ ぼ 同型 とな り, 流動 沈 下 の停 止 以後 に等 方 的 な収 縮 圧密供 試 体 で は ,載 荷 荷 量 が 大 き くな る ほ ど, 水 平 方 向 (垂 直 収 縮 率 = 水 平 収 縮 率 ) が 生 じ て い る こ と が 認 め ら および垂 直方 向 の全 収 縮 量 は 小 さ くな る。 れる 。 こ の こ と ほ , ヤ ン グ ら 11)の 「 ラ ン ダ ム 配 列 土 お 以上 の 諸結 果 か ら見 て , 中海 干 拓 地 の土 粒 子 の 配 向 条 よび 練 り返 さ れ た 試 料 等 の 収 縮 は 等 方 的 で あ る 」 と い う 件と収 縮 挙 動 と の 関 係 に は , 図【 4 に 示 す よ う な モ デ ル 指摘 や 河 野 9 )の 「 シ ロ カ キ 状 態 の ペ ー ス ト土 で は 流 動 が考 え ら れ る 。 沈下 終 了 後 に 等 方 的 な 収 縮 と な る 」 と い う指 摘 と も 一 致 つ ま り, 図 1 2 の撹 乱 供 試 体 の よ うな収 縮 挙 動 は , 図 川 C 膚(水平 ) 収 層 イ \ 縮 川 ーー B C 層 \\ C 竺 (垂 直) ▼ \ / 率 (%) /_ 。 B C 層(水 平) 15 7 、 5 B C 屠(垂直) 8 ∫ 1 鵬. a8 1 .0 4 ̄ 0 60 1 20 含水 比 ( % ) 8 . g 体 積 比8 比 仇7・ / 一一′ 正規 収 縮 直 線 // / 0 .6 ・ 札5・ 図− 3 不 凍 乱 供 試 体 の 収 縮 曲線 (安 来 地 区N o . 30圃 場 , 1982年 7 月採 土 ) F ig・ 3 T h e sh rin kag e cu Ⅳe Of th e u n disturb ed test sam p le (N o・3 0 10 t in th e Y a su g i d is tric t :S a m p lin g in J u ly o f th e y e a r 19 8 2 ) 18 石川 ・ 河 野 ・ 足 立 :中 海 干拓 地 土 の収 縮 挙 動 に つ い て 一4 の Ⅰ型 あ る い は Ⅱ 型 の 配 向 条 件 を 持 つ も の に 見 ら が水 平 方 向 の も の に 比 し て 大 き い か , あ る い は 等 方 的 な れ, また , 図 − 3 の 不 撹 乱 供 試 体 の 収 縮 挙 動 は Ⅲ型 の 配 収縮 が 生 じる か の いず れ か の 収縮 挙動 が み られ る。 さ ら 向条 件 を 持 つ も の に 見 ら れ る と 考 え ら れ る 。 す な わ ち , に, Ⅱ型 の 土 は 土被 り圧 密 あ るい は 人為 的 な 密圧 を 受 け ると土 粒 子 間 の 間 隙 水 が脱 水 され て , 各 土 粒 子 が 相 互 に 干陸前 の水 面 下 の土 では , 土 粒 子 ほ 遊 離 状 態 に あ って , 工型 の よ う に 任 意 の 配 列 を な し, ま た 干 陸 初 期 で ペ ー ス 接近 す る。 この 場 合 , 特 に 圧 力 を 受 け る方 向 , す な わ ち ト状態 に あ る土 では , 多量 の水 が 土 粒 子間 の間 隙 に 保 持 垂直 方 向 の 土 粒 子 間 の 距 離 が 縮 ま っ て , Ⅲ 型 の よ うな 垂 さ れ つ つ , 土 粒 子 が , Ⅱ 型 の よ うに 不 完 全 な 配 列 (土 粒 直方 向 の 土 粒 子 問 の 距 離 よ り も 水 平 方 向 の も の が 大 き い 子問 の 距 離 が垂 直 方 向 の 距 離 a ≧b 水 平 方 向 の距 離 の 関 平行 な 配 列 を 持 つ 土 が 生 じる。 した が って , Ⅲ塑 の土 で 係に あ る 状 態 ) を な し て い る も の と 推 察 さ れ る 。 し た が は, 水 平 方 向 の 収 縮 量 が 垂 直 方 向 の も の よ り も 大 き くな って , Ⅱ型 の 配 列条 件 を持 つ土 でほ ,垂 直 方 向 の収 縮 量 る。 ラン ダ ム構 造 毒容 【Ⅰ】 干陸 前 C 垂直 収 縮C [ゝ A B C 水可♪ \ 率 ( 等 = 亡ゝ 〆すC■ 方 的 収 縮 ) \ B  ̄ ̄ \  ̄ > 含水 比 a =b < 乾燥 の進 行 ・・ ・う■乾 燥 密 度 の 増 大 ( 単 位 探 き 当 りの 土 被 り庄 の 増 加 ) 不完 全 配 列 構 造 ⊂ = コ♂ ⊂= =慰 【Ⅱ】 ⊂コ = ≡コ 害 干陸 初 期 ヰ丈 水平 縮 ⊂==− a ⊂==コ ⊂=コ ゝ 率 a ≧ b 含水 比 【 Ⅲ 】 の状 態 が 更 に 乾 燥 完全 配 列 横 道 → 乾燥密度 の増大(単位探 さ当 りの 土 被 り圧 の 増 加 ) 【 Ⅲ】 ⊂== H 干陸 中・ 後糊 == コ ⊂: : : : コ ⊂: : : : : コ ⊂==コ ⊂: : : : : コ ⊂: : : : コ 〒重吉弓三宍 コ a >b 水平 収 縮 率 垂直 含水比 図−4 F ig・4 板 状 土 粒 子 の 配 向 条 件 と収 縮 挙 動 (模 式 図 ) T h e s c h e m a tic r e la tio n b e tw e e n th e o rie n tin g c o n d itio n o f th e p la ty so il p a rticle s a n d th e sh r in k a g e b e h a v io r o f so il 1 9 土壌 の 物理 性 第 62 号 (199 1) 2 .土 の強 度 特 性 か らみ た配 向 性 の 配 向 条 件 と収 縮 挙 動 との 関 係 ほ 明 白 とな る。 したが っ 中海 干拓 地 土 ,特 に下 層 土 で あ るヘ ドロ層 で は ,上 述 て , そ れ らを 確 認 す るた め に 中 海 干 拓 地 土 を 堆 積 面 に対 のよ う に , 収 縮 挙 動 か ら 見 て , 土 被 り圧 な ど に よ る 圧 密 して 垂 直 な 方 向 と 水 平 な 方 向 と か ら 採 取 した 不 撹 乱 の 供 で土 粒 子 間 の距 離 が 締 ま り, 垂 直 方 向 の 土粒 子 間 の距 離 試 土 を 用 い て 前 述 の一 軸 圧 縮 試験 を 行 った 。 これ に よ り よ り も 水 平 方 向 の も の が 大 き い と い う土 粒 子 の 平 行 配 列 次 の よ うな 結 果 が 得 ら れ た 。 中 海 干 拓 地 土 の深 さ 1 . 3 m 土 層 の 垂 直 方 向 と水 平 方 向 モデ ル ( 図 − 4 の Ⅲ 型 ) が 想 定 さ れ た 。 も し,そ うであ るな らば , 中 海 干 拓地 土 では ,垂 直 方 とか らそ れ ぞれ 3 個 ず つ採 取 して 成 型 した 供試 体 に つ い 向と水 平 方 向 とで 土 の 強 度 特 性 ほ 異 な る。 す なわ ち, 垂 て の 一軸 圧 縮 試 験 の結 果 は 図・ − 5 の 圧縮 応 力 と圧 縮 歪 と 直方 向 の圧 力 に対 して は , 板 状 の土 粒 子 が 面 を 垂 直方 向 の 関 係 に 示 す 通 り で あ る 。 図 − 5 に 示 さ れ る よ うに , 各 にむ け て密 に 重 な りあ って 抗 す る の で ,強 い応 力が 示 さ 方 向 の 各 供試 体 とも ,圧 縮 歪 の増 大 に伴 う圧縮 応 力 の 変 れ, 水 平 方 向 の 圧 力 に 対 して は , それ に抗 す る のが 主 に 化 に は , 測定 開始 時 の 含水 比 の影 響 と考 え られ る若 干 の 板状 の 土 粒 子 の 面 と 面 と の 摩 擦 力 の み で あ り, しか も 面 差 異 が 見 られ る が ,採 上方 向 が 同一 の もの は ほ ぼ 類 似 し 方向 に は 流 動 し易 い か ら, 強 い応 力 が示 され な い は ず で た圧 縮 応 力 ー圧 縮 歪 曲線 と な る。 しか し,採 上 方 向 が 異 ある。 これ らの 強 度特 性 が 確 認 で きれ ば , 上 述 の 土 粒 子 な る と , こ の 曲 線 の 変 化 の 様 相 も大 き く異 な る 。 す な わ 平均 (垂 直 ) q u=0 .3 3 9 k g f /C m 2 E5 0=0 .0 6 6 〉=8 9 .3 4 Ⅹ (垂 直 ) q u =0 . 3 7 5 k が /c m2 E 5 田=0 . 0 7 4 k が /c 耶2 8 .1 0 U =8 6 . 66 % てこ こ ニ ○ ◎○ (垂直) ○ q ◎ u ニ0 .3 2 8 k g f / c m 2 Eち 8=0 .0 6 8 k g f /川 2 ◎ 〉=9 3 .0 4 % ●● ● J ∼ ( 垂 直) ヽ q ㊥ ● ㊥ ● ● f /c 帆2 k 昌f /c M 2 U =8 8 .3 1% 砂 ● ○ u =0 .3 2 0 k g E 5 8 =0 .0 5 5 ⑳ ⑩ (水 平 ) ︵N ▲0\忘 吉 q ●。 リ=0 .2 3 2 k g f / c ¶ 2 Esl租 .㈹ Okgf/c12 /T U =9 0 .0 2% ○ ○ ○ ● b 0 0 0 0 (水平) 0 0 0 q u =0 .2 0 3 k g f /… 2 E 5 8 ニ0 ○ 0○ 0 0 0 0 0 0 0 平均 (水 平 ) / J 0 .0 3 3 k g f / c M 2 V =9 0 .0 3 % ・ 一軒 一旬一‘ ℡ 0 // ♂ 0 .05 0 噌 釘 / /ね ︵︺申 塙 /カ0 。 ○ 耳均深世 ○ 注) 0 0 q u =0 0 0 (水平) q u =0 .1 7 8 k g f /c ポ .2 0 3 k 名f /c h 2 E 5 8 =0 .0 3 2 k g f /c M 2 E s 白=0 . 0 3 【I U =9 0 .7 6 ‡ U =9 2 .2 4 % W :含 水 比 (% ) q u :一 軸 圧 縮 強 きk gf / cm 2 E5¢ :変 形 係 数 で 、 q u / 2の 点 と原 点 を結 ぶ 直線 の傾 き ◎ 1 2 8 1 5 8 7 8 9 庄 輔 歪 (% ) 図−5 圧 縮 応 力 ー歪 曲線 (安 来 地 区 N o . 30庫腸 , 1989 年 3 月 ) F ig .5 T h e c o m p r e ss io n s tre s s−S tra in c u r v e (N o・3 0 10 t in th e Y a su g i d is tric t :S a m p lin g in M a rc h o f th e y e a r 19 8 9 ) 2 0 石川 ・河 野 ・足 立 :中海 干 拓 地 土 の 収 縮 挙 動 につ い て ち,堆 横面 に 対 して 垂 直 方 向 に 採 土 した 供試 土 の場 合 は , 平方 向 に 向 け て 配 向 し て い る た め に , 面 を 掛 こ し て 水 平 測定 が 開 始 され る と, 圧縮 歪 の増 大 に 伴 って圧 縮 応 力は 方向 に割 れ 易 い の で ,柱 状 構 造 内 に二 次 キ レ ツが 強 く発 明瞭 な ピ ー クを 示 す 。 一 方 , 堆 積 面 に 対 して 水 平方 向 の 達し て , 角 塊 状 構 造 も 円 滑 に 生 成 され る 。 これ ら の 土 壌 ものほ , 圧 縮 歪 の増 大 に 伴 って 圧 縮 応 力 は 明 瞭 とほ 言 い 構造 の生 成 を 円滑 にす る特 性 は , さ らに 強 い乾 燥 の進 行 難い ピ ー クを 示 し,そ れ 以 後 は 極 め て 緩 や か に 低下 す る。 と湿 潤 と の 繰 り返 し で も た ら され る 亜 角 塊 状 , 粒 状 お よ 垂直 方 向 の 強 度 は 水 平 方 向 の も の よ り も 明 瞭 に 大 き い 。 び屑粒 状 の構 造 の生 成 も円滑 に す る。 これ らの こ とは , 正 に 膨 潤 性 の低 い 板 状 の 土 粒 子 が 配 向 構造 を 取 っ て い る こ と を 反 映 す る 結 果 で あ る 。 これ ら の こ と は 2 :1 型 の板 状 の 粘 土 鉱 物 で , しか も 粘土鉱 物 問 の 間 隙 だ け で な く, 粘 土 鉱物 内 部 の 層 間 に も した が っ て , 中 海 干 拓 地 土 , 特 に 下 層 土 の ヘ ドロ 土 層 多量 の 水 を保 持 して , 面 に垂 直 な 方 向 に 極 め て 大 きな 膨 でほ ,収 縮 開 始 時 点 か ら含 水 比 の 低 下 と と もに , 水 平 方 潤を示 す モ ソモ リp ナ イ トを 主 体 とす る八 郎 潟 干 拓 地 土 向の 収 縮 量 が 垂 直 方 向 の も の に 比 し て 大 き い と い う異 方 の場 合 と 比 較 す る と さ ら に 判 然 と す る 。 な お , モ ソ モ リ 性が み ら れ る こ と が 当 然 と い え る 。 ロ ナ イ トは , 層 間 に ナ ト リ ウ ム イ オ ン を 多 く 含 む も の で は, 原 体 積 の 8 ∼ 1 0 倍 に も 自 由 膨 潤 す る 12)と い わ れ て 3 .収 縮 挙 動 か ら見 た土 壌 構 造 の生 成 特 性 土壌 構 造 の生 成 を 促す 主 要 因 は土 の キ レ ツの発 達 で あ り, 土 の キ レ ツ の 発 達 は 土 の 乾 燥 に 伴 う収 縮 に よ っ て も いるが , 八 郎 潟 が 海 跡 湖 で あ った こ とか らみ て ,八 郎 潟 干拓 地 土 に は , ナ ト リ ウ ム イ オ ンが 多 く含 ま れ て い て , その よ う な 膨 潤 性 の 大 き な モ ン キ リ ロ ナ イ トが 多 く存 在 たら され る。 そ こ で , 中海 干 拓地 土 の持 つ 収縮 挙 動 が こ して い る と考 え られ る。 実 際 , 干 陸 後 9 年 を 経 た八 郎 潟 の土 の 土 壌 構 造 の 生 成 に ど う影 響 し て い る か を こ こ で は 干拓 地 土 の 深 さ 10 0 c m お よ び 深 さ 4 0 ∼ 5 0 c m よ り採 取 し 論議 す る。 た不 撹 乱 土 供 試 体 に つ い て の 江 崎 ら13)の 収 縮 測 定 の結 中 海 干 拓 地 土 の 土 壌 構造 の 生 成 ほ 次 の よ うで あ る こ と が, 既 に 論 述 さ れ て い る 。2 )干 陸 間 も な い ペ ー ス ト状 態 果に よ れ ば , 両 供 試 体 と も 干 陸 後 9 年 を 経 て も い ま だ に 垂直 方 向 お よ び 水 平 方 向 の 収 縮 量 が と も に 大 き く , しか のヘ ド ロ層 の 表 面 に , ま ず , 乾 燥 に 伴 う上 の 収 縮 に よ っ も垂 直 方 向 の 収 縮 量 が 水 平 の も の よ り も 大 き い 。 し た が て垂 直 方 向 の キ レ ツ , す な わ ち 一 次 キ レ ツ が 発 達 す る 。 って , 八郎 潟 干 拓 地 土 で は , 土被 り圧 密 を 受 け て モ ソモ 次い で , こ の キ レ ツ を 通 し て 下 層 へ の 乾 燥 の 進 行 と そ れ リ ロ ナ イ トが 堆 積 面 に 対 し て 水 平 方 向 に 面 を 向 け て 配 向 に 伴 う土 の 収 縮 に よ る 一 次 キ レ ツ の 下 層 へ の 発 達 と が も して い て も,面 に垂 直 な方 向 , す な わ ち 土 層 の 垂 直 方 向 た ら さ れ , 柱 状 構 造 が 生 成 され る 。 さ ら に 乾 燥 が 進 行 し へ の 大 きな膨 潤 の た め に , 中 海 干 拓 地 土 よ りも, 乾 燥 に て土 が収 縮 し,柱 状 構 造 内 に水 平 方 向 の キ レツ, す な わ 伴 う土 の 収縮 に よ る一 次 お よび 二 次 キ レツの 下 層 方 向 へ ち二 次 キ レ ツが発 達 して , 角塊 状 構 造 が 生 成 され る。 こ の 発 達 が 遅 く, そ の た め に 各 種 の 土 壌構 造 の 生 成 も遅 れ の 角塊 状 構 造 が よ り一 層 の 乾燥 と湿 潤 との繰 り返 しを受 る こ とに な る。 け , 土 の 収 縮 と ス レ ー キ ソ グ の 発 生 な ど と に 伴 う二 次 キ そ こ で, 中 海 干 拓 地 土 お よび 八 郎 潟 干 拓 地 土 の深 さ方 レ ツが そ の構 造 内 に 強度 に 発達 して ,亜 角塊 状 構 造 が生 向の 土 壌 構 造 の 生 成 特 性 を 地 下 水 位 との 関 係 で取 りま と 成 さ れ る。 さ ら に 強 度 の 乾 燥 と の 湿 潤 と の 繰 り返 し に 伴 めて み た のが 図 − 6 で あ る。 干 陸 年 数 を 経 る に従 っ て土 う土 の 収 縮 と ス レ ー キ ソ グ の 発 生 な ど と が 粒 状 構 造 や 屑 粒 状 構 造 の 生 成 を もた らす 。 の乾 燥 が進 行 す るが ,そ れ を 支 配 す る要 田は 年 々の気 象 状 況 と地 下 水 位 状 況 で あ る。 特 に ,地 下 水位 低 下 が土 の さて , こ の よ うな土 壌 構 造 の 生 成 過 程 に お い て は , 中 乾燥 の進 行 に果 たす 役 割 は大 き い。 これ が た め に , 各種 海 干 拓 地 土 の よ うに異 方 性 の高 い 収 縮 挙 動 を 持 つ 土 で あ の排 水 促進 工 法 が試 み られ る の で あ る。 した が って , 図 る と,各 土 壌 構 造 の生 成 が きわ め て 円滑 に 進 行 す る とい − 6 の 地 下 水 位 は 土 の 乾 燥 状 況 の 指 標 と い う意 味 を 持 え る。 す なわ ち, 垂 直方 向 の収 縮 量 が 小 さ く,水 平 方 向 つ 。 な お , 図 − 6 の 中 海 干 拓地 土 の 深 さ方 向 の 土 壌 構 造 の もの が大 きい とい うこ とは ,乾 燥 の進 行 に伴 って 土 層 の 生 成 特 性 は 筆 者 ら 2)の 4 年 間 の , 八 郎 潟 干 拓 地 土 の に 水 平 方 向 の 引 っ 張 りが 強 く生 じ , 多 数 の 一 次 キ レ ツを も の は 金 子 14)の 3 年 間 の 詳 密 な 土 壌 断 面 調 査 結 果 か ら もた ら して , 柱状 構 造 の生 成 を 円滑 にす る。 ま た, 乾 燥 作 成 した 。 が さ らに進 行 す る と,板 状 の 土粒 子 間 の垂 直方 向 の 面 と 図 一 6 に 示 さ れ る 通 り, 地 下 水 位 の 低 下 と と も に , 各 面 との 距離 が 小 さい た め に , 収 縮 後 間 もな く柱 状 構 造 内 干 拓 地 土 と も 下 層 へ 向 か っ て キ レ ツ が 発 達 し , キ レ ツ発 の 土 粒 子 同 士 が接 触 し, 垂 直 方 向 の 収 縮 が 制 限 され て 水 達 探 よ りも浅 い とこ ろ で ほ ,上 層 に 向か って土 襲 構 造 の 平 方 向に 破 断 が 生 じ易 く, しか も板 状 の 土 粒 子 が面 を 水 生成 とそ の種 類 の変 化 が もた ら され て い る。 しか し,地 21 土壌 の物 理 性 第 62号 (1991) 地 土 下水 膚深 位 20 ・ ∼3 0 c m 中 さ 3 0 一}4 0 c m 海 1 ) ノ\雌 潟 2 ) !■■ 油 4 0 一−5 0 c IH /\ガ 串 沖 50 ・ −6 0 c m 八 郎潟 中 瀬 八郎 潟 6 中 八 郎 潟 ら 凡 例 ,一 (土壌 練達の 光 速程度 ) 粒 状 5 15 塊 状 20 空0 25 旦5 aO 海 13 15 接 凹 6 0 c 折以 探 a 1空 ‖ 15 中 2 8 10 空0 中 8ロ 己ま 82 32 川 辛 32 10 当 無 り 柱 状 ¥ 14 り し 川 la I8 り lT 川 的 53 芋 5丘 55 カ ベ状 58 辛 6D 80 ♀ 65 享 8了 可 川 キ レツ 記 未 処 理 暗 渠 区 3) 事 未 処 理 区 30 m 区 5 ) 処 理 区4) 暗 渠 + 未 処 理 区 明 菜 3 0 I【区 6 ) 暗 渠 + 明 渠 処 理 区 明 渠 旦 地 下水 面 1 5 1【区 30 m 区 1 ):中 油 干 拓 地 の も の は 文 献 2)よ り、 八 邸 溝 干 拓 地 の も の は 文 献 14 )よ り 作 成 . 4 ): 水 切 り 構 ( 断 面 ; 上 嶋 ・ 1 伽 、 底 暗 0 .2 椚、 深 き 0 .7 ) を 5 相同 隅 に 施 エ し た 区 , 2 ):八 郎 潟 干 拓 地 の 地 下 水 位 30 ∼ 4 0 c 山ま鞍 当 す る も の な し・ 5 ): 暗 渠 を 嘆 き 0・6 0 ∼ 0・7 5 肝 に 埋 設 し た 区 ・ 3 ):吃 漁 処 理 を 施 し て い な い 区 . 8 ): 暗 渠 と 明 菜 ( 半 円 断 面 ; 上 帽 1・2 8日、 深 さ 0 .7 0 け) を 15 m 間 柵 に 交 互 に 施 工 し た 区 .明 渠 1 5H ほ 6 )の 明 菜 と 同 様 . 図− 6 F ig .6 中 海 お よび 八 郎 潟 干 拓地 土 の地 下 水 位 と深 さ方 向 の 土 壌 構 造 の 生 成 状 態 との 関 係 T h e r e la tio n b e tw e e n th e g r o u n d w a te r le v el a n d th e fo rm in g c o n d itio n o f so il stru c tu re in th e so il p ro file o f th e N a k a u m i a n d th e H a ch ir o g a ta re c la im e d la n d 下水 位 が ほ ぼ 同 一 と い う場 合 に ほ , 中 海 干 拓 地 土 の キ レ 狭 め られ て , 土 粒 子 間 の 水 平 方 向 の 距 離 , す なわ ち 土 ツ発 達 深 お よび土 壌 構 造 の生 成 深 は 八 郎 潟 干 拓 上の もの 粒 子 の端 部 と端 部 との 間 の 距 離 が 土 粒 子 間 の 垂 直 距 離 より も 明 ら か に 深 い 。 特 に , 地 下 水 位 が 深 さ 2 0 ∼ 4 0 c m の も の よ り も 相 当 に 大 き くな っ て い る こ と に 起 因 し て の時 に 見 られ る よ うに,中 海 干 拓 地 土 で は 塊 状 (角 塊状 , い る と推 察 さ れ た 。 亜角 塊 状 ) 構 造 の 生 成 が 速 い 。 こ れ ら の こ と は 上 述 し た 3 . こ の土 の配 向 構 造 は , この 土 の堆 横 面 に 垂 直 な方 向 両干拓 地土 の収 縮 挙 動 の差 異 に基 づ くもの で あ る とい え の 圧 縮 応 力 が 大 き く, そ れ に 水 平 な 方 向 の も の が 小 さ る。 い と い う一 軸 圧 縮 (セ ン 断 強 度 ) 試 験 の 結 果 に よ っ て も 明瞭 で あ った 。 Ⅴ. お わ り に 4 . こ の土 では , 土 の 収 縮 挙 動 に おけ る異 方 性 に起 因 し て , 膨 潤 性 の 極 め て 高 い 板 状 の モ ソ モ リ ロ ナ イ トを 主 本研 究 に お い て は ,土 性 が L iC な い し S iC で , 強 粘 質 に含 有す る八 郎 潟 干 拓 地 土 よ りも, 一 次 キ レ ツの 発生 の中海 干拓 土 の収 縮 挙 動 とそれ が 土 壌 構 造 の 生 成 に 果 す が 多 く,二 次 キ レツの 発 達 が 容 易で , そ の こ とに よ っ 役割 とに つ い て検 討 した 。 得 られ た 主 要 な結 論 は 次 の 通 て柱 状 構 造 お よび 角 塊 状 構 造 の生 成 が 円滑 で あ る と推 りで あ る 。 1 .中 海 干 拓 地 土 ,特 に そ の 下 層 土 で あ る ヘ ド ロ 土 層 ほ , 察 され た 。 最 後 に本 研 究 を 進 め るに 当た り, 中海 干拓 地 区 内 農地 乾 燥 の進 行 に伴 う収 縮 挙 動 に お いて , この 土 の 堆 横 面 整備 研 究 委 貞 会 (委 員長 に垂 直 な方 向 の収 縮 量 が 小 さ くて, そ れ に 水 平 な 方 向 授) の 各位 に は貴 重 な教 示 を賜 り, また , 中海 干拓 事 務 岡山 大学 農 学 部 長 堀金 道 教 の も の が 垂 直 な も の よ り も , か な り大 き く推 移 す る と 所の関 係各 位 には 現 地 調 査 に 多大 な ご援 助 と ご協 力 とを い う 異 方 性 を 示 した 。 戴いた 。 記 して深 謝 の意 を 表 します 。 2 . この 土 の収 縮 挙 動 に お け る異 方 性 は , 土 被 り圧 に よ る正 規圧 密 に よ って, 膨 潤 性 の低 い 板 状 の 土 粒 子 が 面 引 用 文 献 を 水 平 に 向 け て 配 向 さ せ ら れ , しか も 土 粒 子 間 の 垂 直 方 向 の 距 離 ,す なわ ち土 粒 子 の面 と面 との 問 の 距 離 が 1 )理 科年 表 :天文 台編 ,丸 善 (株 ),p p . 6 66 (1 99 0 ) 22 石川 ・ 河 野 ・ 足 立 :中海 干拓 地 土 の収 縮 挙 動 につ い て 2 )石 川 重雄 ・ 竹 中 肇 ・ 足 立 忠 司・ 江 崎 型 の変 遷 , 岡 山 県農 業 試験 場 臨 時 報告 ・ 5 9 ,p p .18 8 ∼ 要・堤 2 17 聴 ・ 河 野 英 一 :干 陸 後 の ヘ ドロ地 盤 の 乾 燥 過 程 に つ い て (1 9 6 1 ) 8 ) 佐 藤 晃 一 :重 粘 土 の 物 理 特 性 に 関 す る 研 究 一粘 土 の 収 一 中 海 干 拓 地 の 農 地 整 備 に 関 す る 研 究 ( Ⅰ) ≠ , 農 土 論 縮 挙 動 に つ い て( Ⅰ)− ,農 土 論 集 .24 ,p p . 3 1 ∼ 3 6(19 6 8 ) 集 ・ 1 10 ,p p .10 9 ∼ 12 3 (1 9 B4 ) 3 ) 高 田秀 夫 :中 海 底 土 お よび 干 拓 地 土 壌 の 理 化 学 的 性 質 9 )河 野英 一 水田 作 土 の 収 縮 挙 動 か らみ た 工 学 的 性 質 に 関 す る研 究 , 農土論 集 .8 1 ,p p .1 ∼ 8 (1 97 9 ) につ いて ,環境 科 学 研究 報告 B 16 − R 12 −1 4 ,p p .8 4 ∼ 1 0 )河 野英 一 締固 め 土 の 収 縮 挙 動 と そ れ に 伴 うキ 裂 の 発 1 0 3 (1 9 7 8 ) 連 に つ い て , 展土論 集 .9 2 , p p .8 ∼ 15 (19 8 1 ) 4 ) 金 子 淳 一 :八 郎 潟 干 拓 地 ヘ ドロ に お け る機 械 化 適 応 性 の 向 上 と耕 地 化 過 程 に 関 す る研 究 , 秋 田 県 農 業 試 験 場 報 1 1) R . N .ヤ ン グ ・ B . P .ワ ー ケ ン チ ン 著 ( 山 内 豊 聡 ・ 竹 中 輩・ 東 山 告 ,p p .70 ∼ 78 (19 7 7 ) 勇 ・前 田 隆) :新 編 土質 工学 の基 礎,鹿 島 出 版 会 ,p p . 4 0 ∼ 4 5 (1 97 8 ) 5 )米 田茂 男 * 本 邦 干拓 地土 額 の生 成 論的 な らびに 立地 学 的 研究 , 岡 山大 学 農学 部 土壌 肥料 学 教 室報 告 t 8 ,p p . 1 2 ) 土 質 工 学 会 :粘 土 の 不 思 議 , 入 門 シ リ ー ズ . 12 ,p p . 74 ∼ 76 (19 8 6 ) 3 6 ∼ 3 8 (1 9 64 ) 6 ) 長堀金 造・ 佐藤 晃一 ・萩 野芳 彦 :笠 岡湾干 拓予 定地 ヘ 1 3 )江 崎 要・ 竹中 聾・ 駒村 正 治 :乾 燥 お よび湿 潤過程 に おけ る ヒステ リシス現象 につ いて −八 郎潟 の ホ場乾燥 ドロ (海 底 粘 土 ) の 基 礎 的 な 性 質 に つ い て , 農 土 誌 . 42 に 関 す る研 究 (Ⅵ ) − ,農 土 論 集 .53 ,p p . 3 9 ∼ 4 7 ( 19 74 ) (1 1),p p .3 1 ∼ 3 6 (1 9 74 ) 1 4 )前 掲 3 ),p p .10 6 ∼ 10 8 7 ) 久 保 田 収 治 :干 拓 地 土 壌 の 特 性 と干 拓 後 に お け る 土 壌 S u m m a「y T h is s tu d y in v e stig a te d th e s h rin k a g e b e h a v io r o f str o n g ly c la y ey so il w ith a nd t h e T he p a r t i t r e s u l t s p l a y e d i n o b t a i n e d t h e f o r m a t i o n w e r e a s t b e a n i s o t r o p y so il ch a n g e d little ;th e th a t o f t h e 2 . It w a s p la te lik e t h a t c h a n g e i n t h e s u p p o s e d t h a t s o i l p a r t i c l e s t h e t h e w i t b ones 3 .T be n c a u s e d b y t h e b e t w e e n c o v e r l n g S O il t h e i r o r i e n t i n g p r e s s u r e o f t h e l o w o f t h e v e r t i c a l d t h e s h r i n k a g e h o r i z o n t a l d i r e c b e h a v i o r a n i s o t r o p y l n ; a n d c o n s e q u e n t h e s w e l l i n g t ly th e d g e s , b e c o m e s t r u c t u r e o f t m u d d y s e d i m e n t f o r m i n g t h e e h o r iz o n t a l b e i n g o n e s b e t w s o i l w a s s o i l d u e e n b e h a h o r i z o n t a l l y th r a t h e r l a r g e r t h i s o f s h r i n k a g e th e p la te lik e so il p a rtic le s ,i ・e・,th e d ist a n c e s b etw e en th e ir fla t fa c e s ,b e in g sh o rte n e d u n d e r th e n o m s o l id a t io o f L i s o i l s t m c t u r e i n s h r i n k a g e l e n g t h s h r i n k a g e l e n g t h v e r t i c a l o n e i n o f s o i l t e x t u r e f o l l o w s : 1 . T h e s tro n g ly clay e y s o il in th e N a k a u m i re c la m a tio n ,eS p e C ia lly th e sh o w e d t h e a l s o e m al c o n − , i ・e t b a n リ th e t h e v e r t c l a r i f i e d b y T h e c o m p r es sio n s tr e ss o f th e v er tic al d ir e ctio n to th e d e p o s itio n a l su rfa c e o f th is so il w a s la r g e a n d th at o f tb e l10 rizo n ta l o n e 4 ・ It w a s su p p o s e d t o i t w a s s m a l l . t h a t i n t h i s s o i l , b e c a u s e o f t h e a n i s o t r o p y i n i t s s prim ary cracks w as g re ater,th e dev elop m en t of secon dary crack s easier,and con seq u en tly th e form ation of th e p r is m a tic a n d a n g n lar b lo c k y s tm c tu re w a s s m o o th er th a n th at in th e so il c o n s is tin g m a in ly o f p la te lik e m o n tm o rillo n ite s w i t b a h i g h s w e 1 1 i n g (S o il P h y s . f r o m C o n d . P la n t t l l e H a c h i r o h g a t a G r o w t h , J p n リ 6 2 , 1 3 − 2 2 , 1 9 9 1 ) r e c l a
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