S oil P h y s .C o n 血 P la m t G ro w th ,J p n . 土壌 の物 理 性 N o .7 3,p .3 1∼ 3 5 (199 6) 堆 肥 施 与 に よる水 稲 収 量 の増 加 要 因 の解 析 一 窒素 の吸 収 パ タ ー ン と土 壌 間 隙 率 の増 加 一 平野 繁・ 田辺 猛 A n aly sIS O f Y ield In crease in P ad d y R ice b y C o m p ost A p p lica tion − T h e N u trie n ト A b so rp tio n P a tte rn an d th e In cre as e in V o i d P e r c e n t o f S o i l − S hig eru H IR A NO an d T a ke shi T A N A I】 E F a c u lty o f A g r ic u ltu r e ,T o k y o U n iv e r sity o f A g ric u ltu re A b stra ct T h e re la tio n s h ip b e tw e e n c h a n g e in s o il s tru c tu re in d u c e d b y a p p lic a tio n o f c o w ’ s com p ost an d y ie Id o f p a d d y r ic e w a s in v e s tig a te d in l/20 0 0 a p o t tria ls . T h re e fe rtiliz a tio n tre a tm e n t w e re s e t u p b y co m p o s t a p p lic a tio n a t t h e r a te o f l O O % ,50 % o r O % ,a n d a d ju s te d to t h e to t a l c o n c e n tr a tio n O f t h re e m a jo r n u tr ie n ts (N P K )w ith a p p lic a tio n o f c h e m ic a l fe r tilize r ・ C o m p o s t a p p lic a tio n g a v e c o n sid er a b le in c r e a s e in r ic e y ie ld . T h e in c re a s e in r ic e y ie ld c a n b e e x p la in e d b y the followinge打ects.Onewasslowermineralizationofcompostthanchemical f e rtiliz e r,h e n c e ,th e n u t r i e n t − a b s o r p t i o n p a t t e r n o f r i c e i n t h i s s i t u a t i o th e r e ffe ct w a s th e d e c r e a s e in th e s o lid p h a s e o f th e s o il in d u ce d b y c o m p o s t a p p lic a tio n . T h is stu d y sh o w e d the d i侃 cu lty of div id in g the effects o f co m p ost a pp lic atio n in to ch em ical a n d p h y sic a l e ffe c ts . K ey w ords C om po st ap plica tio n ,C ha n g e in vo id p ercen t o f soil,Y ield o f p ad d y rice によ る土 壌 の 化 学 性 の 向 上 ,(診 有 機 物 施 与 に と も な う土 1. は じ め に 家 畜 糞 尿 の農 地 へ の 還 元 の 必 要 性 は, 昭和 30 年 代 中 壌の物 理 性 の 改善 ,③ 土壌 の 生 物 相 を 豊 富 にす る生 物 性 の改善 の 3 点 が 知 られ て い る。 作 物 生 産 と堆 肥 施 与 と の 頃に始 ま った農 業 の専 作 的 規 模 拡 大 , 特 に, 畜 産 部 門 の 関係 を 論 じ る と き, 化 学 性 と 物 理 性 は 相 関 達 して 変 化 す 規模 拡 大 に よ っ て 大 量 の 糞 尿 が 排 出 さ れ る よ う に な っ た る こ とか ら, 作 物生 産 の 向上 が , 化 学 性 の変 化 に起 因 す 時期 か ら注 目 さ れ て き た (松 崎 , 19 7 8 )。 ま た 今 日 で は , る もの か 物 理 性 の変 化 に起 因 す る もの か 分 離 して考 案 す 大量 の糞 尿 処 理 の 目的 だ けで は な く, 低 化 学 肥 料 ・ 低 農 る こ と は困 難 とな る。 家畜 糞 尿 の 有 効 利 用 を 積 極 的 に推 薬を 意 図 し た 持 続 型 農 業 を 目 途 と し, 土 壌 の 改 善 を 目 的 進す る際 ,施 与 す る堆 肥 を単 な る化 学 肥 料 の 代 替 と して とした 堆 肥 と して の 利 用 が 注 目 さ れ て い る 。 しか しな が と らえ るだ けで はな く,作 物 生 産 に対 す る様 々 な付 加 価 ら, 畜 産 農 家 に お け る 糞 尿 処 こ 哩 を 目 的 と した 大 量 か っ 局 値を 明 確 に す る 必 要 が あ る 。 所的 な 施 与 に よ る地 下 水 汚 染 等 の 環 境 問 題 を 考 え る と 特 に , 土 壌 中 の 窒 素 の 発 現 (無 機 化 ) 量 は, 微 生 物 の き, 水 田 を は じ め と す る 耕 種 部 門 で の 広 域 的 な 家 畜 糞 尿 酵素 反 応 と し て と ら え ら れ , 地 温 の 関 数 と して 推 定 さ れ の利 用 が 必 要 と な る 。 る (杉 原 ら, 19 8 6 ;上 野 ら, 19 9 0 b )。 し た が っ て , 気 温 堆 肥 の農 地 へ の施 与 の効 果 は,① 堆 肥 の持 つ 肥 料成 分 東京農 業 大 学 農 学 部 〒 15 6 世 田谷 区 桜 丘 1−1−1 キー ワ ー ド :堆肥 施 与, 土 壌 間 隙 率 の変 化 , 水 稲 の 収 量 の年 次 変 動 に よ って , 堆 肥 施 与 に よ る化 学 的 な効 果 が変 3 2 土 壌 の物 理 性 第 7 3 弓 ・(19 96 ) 化す る こ と か ら , 堆 肥 施 与 の 効 果 を 単 年 度 で 評 価 す る こ 光度 法 で 測定 した。 移 植 後 6 週 間 後 の 6 月 20 日 か ら 4 週 間 ご と に 出 穂 後 と ば難 し い。 本 実験 ほ,堆 肥 の 施 Ji が 水 稲 の 年 商 ・ 収 量 にお よ ぼす 期の 8 月 15 [ ]ま で の 3 回 ,分 げ つ 数 ・ 葉 色 ( ク ロ ロ フ ィ 影響 を検 討 す る うえ で , 化 学 肥 料 と三 要 素 量 が 同 等 に な ル含最 相 対 値 ) を 測定 した 。葉 色 は, 葉 緑 素 計 (S P A D − るよ う堆 肥 を 施 与 し , 肥 料 成 分 の 影 響 を 低 減 し,  ̄ 主と し 5 0 2 , ミ ノ ル タ 祉 ) を 用 い た 。 9 月 2 9 日 に 収 穫 乾 燥 後 ,個 て卜壌 の 物 理 件 の 変 化 が 反 映 さ れ る よ う 考 慮 し た 。 実 験 体あ た りの穂 垂 ・ 全 粒 数 ・ 全 粒 電 を 測 定 した 。 土 壌 の 三 年の気 候 は, 例 年 に な い 高 温 に 推 移 し,施 fi した 堆 肥 の 相分 布 は,収 穫 後 採 土 円筒 (1 0 0 m J)に よ り採集 し,土 壌 無機 化 が 促 進 さ れ た と 考 え ら れ た 。 した が っ て , 肥 料 成 三相 計 (D IK − m l l O O, 大 起 理 化 工業 社 ) を 用 い て 測 定 し 分の 差 に よ る影 響 が 小 さ く, 堆 肥 施 与 に よ る 土 壌 の 物 理 た。 _ 上壌 は , 各 区 5 ポ ッ トか ら 1 点 ず つ , 深 さ 5 ∼ 10 c m 性の変 化 , 特 に上 境 間 隙率 の増 加 と作 物生 産 との 関 係 を 間よ り 採 集 し た 。 検討 す る こ とが 可 能 で あ る と 考 え ら れ る(, 3. 結 2. 材 料 お よび 方 法 1 ) 堆 肥 施 与 と初 期 生 育 と の 関係 実 験 は 1994 年 に,東 京 農 業 大 学 農 学部 (東 京 都 世 田谷 区) で 行 っ た 。 水 稲 品 種 コ シ ヒ カ リ を 用 い , 4 月 2 7 口 に 帝蔚 箱 に 播 種 , 5 月 2 3 日 果 3. 5 葉 期 に 達 し た 椎 蔚 を, 図 −1 に,移 植 後 の 分 げつ 数 ・ 葉 色 (S P A D 値 ) の出 穂 期ま で の 推 移 を 示 し た 。 移 植 後 6 週 間 目 の 6 月 2 0 日 で は, 堆 肥 全 量 区 の分 げ つ数 ・ 葉 色 の S P A D 値 は小 さ く, 1 /2 0 0 0 a ワ グ ネ ル ポ ッ トに 移 植 し , ポ ッ トあ た り 1 株 1 化肥 堆 肥 混 合 区 は, 化 肥 全 量 区 と比 較 して 差 が み られ な 本2 株 立 て と し て 栽 培 し た 。 供 試 土 壌 は, 関 東 ロ ー ム 層 かっ た 。そ の 1 カ 月 後 の 7 月 18 日 で は , 分 げ つ 数 ・ 葉 色 心_ L を用 い た。 処 理 区 は, 化 学 肥 料 を全 量 施 与 す る化肥 のS P A D 値 と もに,化 肥 全 量 区 が最 も大 き く,化 肥 堆 肥 全量 区 , 化 学 肥 料 と窒 素 成 分 が 同等 の 堆肥 を 全量 加 え る 混合 区 ,堆 肥 全 量 区 の順 と な っ た。出穂 期 の 8 月 1 5 日で 堆肥 全 量 区 , お よ び, 堆 肥 全 量 区 の半 量 の堆 肥 を加 え , は, 葉 色 の S P A D 値 は 前 回 の 7 月 18 日 と 傾 向 を 同 じ く 成分 で 化 肥 全 景 区 と同 量 に な るよ う化 学 肥 料 を加 え た , した が , 分 げっ 数 は堆 肥 全 量 区 が最 も大 き く, 化 肥 堆 肥 化肥 堆 肥 混 合 区 の 3 区 を設 け た。 各 区 の施 肥 量 な ら びに 混合 区 は, 化 肥 全 量 区 と比 較 して差 が み られ な か った。 三要 素 の 成 分 量 は, 表−1 に 示 した 。 な お, 各 区 の供 試個 2) 土 壌 の 物 理 性 の 変 化 と水 稲 の収 l と の 関 係 土 壌 の 固 相 は, 堆 肥 全 量 区 , 化 肥 堆 肥 混 合 区 , 化 肥全 体数 は 1 0 個 体 と し た 。 本 実 験 で は, 東 京 農 業 大 学 富 士 畜 産 農 場 で 生産 され た 量区 の 順 に大 き くな っ た(表 −2 )。す な わ ち,土壌 間 隙 率 牛糞 堆 肥 を用 い, 施 肥 設 計 を す るに あ た り, 堆 肥 の 全 窒 は, 堆 肥 全 量 区 >化 肥 堆 肥 混 合 区 >化 肥 全 量 区 と な っ 素を ケ ル グ ー ル 法 で , リ ン酸 と カ リ ウ ム は 湿 式 灰 化 後 , た。 リ ン酸 は バ ナ ドモ リ ブ デ ン顧 法 で , カ リ ウ ム は原 子 吸 光 表 −1 T a b le l 図 −2 に,土壌 の固 相 率 と個 体 あ た りの穂 垂 ・ 全 粒 数 ・ 各 施 肥 区 分 の ポ ッ トあ た りの 化学 肥 料 お よ び牛 糞 堆 肥 の 施 与 量 と成 分 量 A m o u n t a n d c o n c e n t r a t i o n o f a p p l i e d c h e m i c a l f e r t i l l/2 0 0 0 a p o t. 施肥 区分 化肥 全 量 区 化肥 堆 肥 混 合 区 堆肥全量 区 化学 肥 料 硫安 (N ) 7 .O g ( 1 .4 7 g ) 3. 5 g (0 . 74 g ) 過 燐 酸 石 灰 (P ) 5. O g (0 . 85 g) 3. 4 g (0 . 57 g ) 熔燐 (P ) 5 .O g ( 1 .0 0 g ) 3. 4 g (0 . 68 g ) 塩 化 カ リ(K ) 3 .O g ( 1 .8 0 g ) 1 .O g (0 .5 7 g ) ( 1 .4 7 −1 .8 5【 1 .8 0 ) ( 0 .7 4 −1 .2 5 −0 .5 7 ) 成 分量合計 (N −P −K ) 牛糞 堆 肥 成 分量合計 (N −P −K ) 13 3 . 9 g 267 . 8 g ( 0 .7 4 −0 .6 0 −1 .2 3 ) ( 1 .4 7 −1 ,2 0−2 .4 6 ) 総成 分量 合 計 ( N J L K ) ( 1 . 47−1 8 5 −1 .8 0 ) ( 1. 4ト 1. 85−1. 80) ( 1 .4 1ト 1 .2 0 −2 .4 6 ) 担三 ) 牛 糞堆 肥 の施 与 愚 は生 窮で 表 芹 J した。 J戎分 量 は水 分 6 5 , 2 % , 乾 物 あ た り の成 分 , N = 1 .5 8 % ・ P = 1. 29% ・ K =2. 64% よ り算 出 した。 4 報文 :堆 肥 施 与 に よ る水 稲 収 量 の 増 加 要 因 の 解 析 5 3 6月 2 0 日 22 3 3 8月 15 日 7 月 1 8 日 26 分 4 げ 24 18 22 16 20 4 5 46 4 4 45 4 3 44 つ 数 5 20 4 4 3 4 葉 色 2 ︵ ︶ 値 D A P S 4 4 43 42 化肥 全 量区 化肥 全 量 区 化 肥 堆 肥 堆 肥 全 量 区 混合区 化 肥 堆肥 堆 肥全 量 区 混合 区 図 −1 F ig .1 化肥全量区 化 肥堆 肥 堆肥 全 量 区 混合区 一 株 分 げつ 数 と葉 色 の 推 移 (垂 直 線 は標 準 誤 差 を示 す ) C h a n g e o f tille r n u m b e r p e r p la n t a n d c h a n g e in le a f c o lo r ・ 表 −2 T a b le 2 堆 肥 施 与 量 の 相 違 と土 壌 の三 相 分 布 E ffe c t o f a p p lic a tio n o f c o m p o s t in th re e p h a s e s o f s o il 61 . 2% 14 . 9% (±0 . 02) 60 . 8% 堆肥 全 量 区 14 . 4% (±0 . 23) 66 . 4% 相 % % % 16 . 2% (±0 . 15) 化肥 堆 肥 混 合 区 7 5 ︵V U 化肥 全 量 区 気 29 43 1 3 ± 1 ± ± 20 相 632 22 41 9 2 液 190 2 ±0 ±1 ± 固相 注) ( ) 内 は標 準 誤 差 を示 す 。 付 6 5 5 全 粗 T −・1 ▲ l 一 株 6 0 T−⊥ ■l 却 ﹁■■■﹂■■■] 垂… い 悪 手 5 〇 「4 5 17 1 ■ 14 15 16 固 相 率 (% ) 園−2 土 壌 の 固 相 率 と水 稲 の 収 量 と の関 係 ● :化 肥 全 量 区 , ▲ :化 肥 堆 肥 混 合 区 , ■ :堆 肥 全 量 区 (垂 直線 は標 準 誤 差 を 示 す ) F ig .2 R e la tio n s h ip b e tw e e n s o lid ra tio o f s o il a n d y ie ld o f r ic e . 34 土壌 の物 理 性 第 73 号 (1996 ) 全粒 重 と の 関 係 を 示 し た 。 3 形 質 と も に , 固 相 が 小 さ く なる は ど増 加 す る 傾 向 が 認 め ら れ た 。 4. 考 察 本 実 験 で は, 堆 肥 施 与区 は 三要 素 量 を化 肥 全 量 区 と同 効果 を ,単 純 に 土 壌 の 物 理 性 改 善 に起 因 す る と は断 言 で きな か った。 この こ と に閲 し, 鹿 児 島 県 農 業 試 験 場 で 行 われ た, 稲 作 へ の 数 種 の 有 機 物 の 連 用 施 与 効 果 の 報 告 ( 上 村 ら, 19 8 6 )で は,土 壌 の 固 相 率 の 変 化 と玄 米 収 量 と の問 に は, 明確 な 関 係 が 得 られ て い な い。 本 実 験 同様 , 等に したが , 堆 肥 中 の有 機 態 の窒 素 ・ リ ン酸 は, 植 物 に 施与 有 機物 の土 壌 化 学 性 へ の 影 響 の 相 違 や , 実 験 年 の天 吸収 さ れ る 形 態 に な る た め に は , 微 生 物 の 酵 素 反 応 に よ 候な ど, 多様 な 要 因 が 相 乗 的 に加 わ り, 有 機 物 施 与 の作 る無 機 化 が 必 要 で あ る(杉 原 ら,1 9 8 6 ;上 野 ら,19 9 0 b ) 。 物生 産 へ の 効 果 の 要 因 を 明 確 に で き な か っ た も の と考 え その た め , 生 育 初 期 で は堆 肥 の無 機 化 が化 学 肥 料 に比 較 られ た 。 して 遅 か っ た こ と か ら, 分 げ つ 数 ・ 葉 色 が 低 く推 移 し, 本 実 験 は, 堆 肥 施 与 に よ る土 壌 の物 理 性 改 善 が, 水 稲 夏期 の 高 温 と と も に堆 肥 の無 機 化 が進 ん だ 出穂 期 に お い の生 育 収 量 に お よ ぼ す 効 果 を検 討 す る 目 的 で 遂 行 した て, 堆 肥 全 量 区 で 分 げ つ 数 の 増 加 が み ら れ た も の と 考 え が, 堆 肥 と化学 肥 料 との 肥 効 の 相 違 が 水 稲 の収 量 に お よ られ た (図 −1 )。 ぼす 影 響 を 分 離 す る こ と は で き な か っ た 。 作 物 生 産 に お 水 稲 の 収 量 ・ 品 質 が 良 好 とな る 窒 素 の 吸 収 パ タ ー ン ける, 堆肥 施 与 の 土 壌 物 理 的 改 善 効 果 を単 独 で分 離 して は, 前 期 吸 収 量 が や や少 な く, 穂 揃 期 以 降 吸 収 量 が 増加 検討 す る た め に は , 土 壌 に お い て 化 学 的 な 変 化 を で き る する 経 過 を と る こ と が 理 想 的 で あ る こ と が 報 告 さ れ て い 限り除 去 した 上 で , 物 理 性 の み を変 化 さ せ る実 験 系 が必 る (上 野 ら , 1 9 8 8 ;上 野 ら , 1 9 9 0 a )。 本 実 験 に お い て , 要と な る と 考 え られ た 。 ガ ラ ス球 を 用 い て 土 壌 間 隙 の モ 処理 区 の中 で堆 肥 全 量 区 で最 大 収 量 が 得 られ た の は , こ デル を 創 出 した 小 林 ・ 大 竹 (19 7 7 ) の実 験 を発 展 させ, の区 の 窒 素 吸 収 パ タ ー ン が 理 想 的 パ タ ー ン と 合 致 し て い 作物 の 生 育・ 生 理 に関 して の詳 細 な調 査 も, 一 つ の 方法 たた め と 考 え ら れ た 。 ま た , 堆 肥 施 与 に よ る 水 稲 の 増 収 であ ろ う 。 要因 は, 三 要 素 , 特 に窒 素 の 吸収 量 で はな く, 水 稲 の 吸 また , 本 実 験 で は, 多 くの水 田土 壌 と比 較 して 固 相率 収パ タ ー ン に 対 応 し た 土 壌 中 で の 堆 肥 分 解 速 度 に あ る こ の小 さ い 関 東 ロ ー ム 層 心 土 を 用 い た こ と か ら , 実 際 の 水 とが示 唆 さ れ た。 この結 果 は,前 述 の 試 験 年 の 気 象 要 因 稲栽 培 と 実 態 が 異 な る も の と 考 え ら れ る。 今 回 報 告 し た が大 き く影 響 し た も の と考 え ら れ た 。 堆肥 施 与 に よ る土 壌 の 固 相 率 の変 化 と作物 生 産 との 関係 ま た, 水 稲 の収 量 と土 壌 の 固 相 率 との 間 に は負 の 相 関 関係 が 認 め ら れ , 固 相 率 が 小 さ くな る , す な わ ち , 土 壌 につ いて 一 般 化 す る た め に は, 関東 ロ ーム以 外 の 水 田土 壌を 用 い た 更 な る 検 討 が 必 要 と 考 え ら れ た 。 間隙 率 が増 加 す る と, 水 稲 の 収 量 が 増 加 す る こ とが 認 め 5. 摘 られ た (図 −2 )。土 壌 間 隙 の増 加 に よ る,作 物 生 育 へ の影 響は , 直 径 の 異 な る ガ ラ ス 球 を 組 み 合 わ せ た 間 隙 の 異 な るモ デ ル を 用 い た 小 林 ・ 大 竹 (1 9 7 7 ) の実 験 の結 果 , 間 要 本 実 験 は, 堆 肥 施 与 に よ る土 壌 の 物 理 性 の 変 化 が , 水 稲の 生 育 ・ 収 量 にお よ ぼ す 影 響 を 検 討 す る 目 的 で 行 っ 隙が 大 き くな る ほ ど , 地 上 部 の 生 育 が 大 と な る こ と が 報 た。 堆 肥 全 量 区・ 化 肥 堆 肥混 合 区・ 化 肥 全 量 区 の 3 区 を 告さ れ て い る 。 設け, 合 計 の三 要 素 量 が 同等 に な る よ う化 学 肥 料 で調 整 さ らに, 天 野 ・ 森 脇 (1 9 8 4 ) は, 冷 害 を人 工 的 に生 じ させ ,稲葉 身 へ の 窒 素 吸 収 量 別 に収 量 ・ 根 の活 性 (α−ナ し, 水 稲 の生 育 ・ 収量 を 検討 し た。 堆 肥 施 与 に よ っ て水 稲の収 量 は増 加 し,そ の 要 因 と して ,① 化 学 肥 料 と比 較 フ チ ル ア ミ ン酸 化 力) 等 を比 較 した 結 果 ,堆 肥 施 与 に して堆 肥 の無 機 化 が遅 れ , 水 稲 の理 想 的 窒 素 吸 収 パ タ ー よ っ て 根 の 活 性 が 高 ま り, 冷 害 に よ る収 量 低 下 を 小 さ く ン の 肥 効 を 示 し た こ と 。② 堆 肥 施 与 に よ っ て 土 壌 の 固 相 した こと を報 告 して い る。 根 の活 性 の 向上 の要 因 に つ い 率が 減 少 し , 土 壌 間 隙 が 増 加 し た こ と 。 の 2 点 が 考 察 さ ては論 議 さ れて い な い が, 活 性 向上 が堆 肥 施 与 に よ る土 れ た。本実 験 か ら,堆 肥 施 与 に よ る作 物 生 産 へ の効 果 を, 壌の物 理 性 の改 善 に起 因 す る可 能 性 が高 い もの と推 察 さ 土壌 の 化学 性 の 変 化 と物 理 性 の変 化 に分 離 す る こ とば困 れ る。 難で あ っ た 。 以 上 の こ と か ら , 本 実 験 で み ら れ た 堆 肥 施 与 に よ る水 稲の増 収 効 果 は, これ ま で の研 究 の結 果 か ら, 土壌 間 隙 の 増 加 が 一 因 で あ る と 考 え る こ と が で き る 。 し か しな が ら, 前節 で 考察 した よ う に, 堆 肥 全 量 区 で み られ た 増 収 効果 は, 堆 肥 無 機 化 の パ タ ー ン も そ の 一 因 で あ る こ と が 示唆 さ れ て い る こ と か ら , 堆 肥 施 与 に よ る 作 物 生 産 へ の 謝 辞 本 実 験 の遂 行 に あ た り, 協 力 い た だ い た 作 物 学 研 究 室 , 笠 原 政 行 , 牧 三 津 雄 の両 氏 に謝 意 を 表 す る。 報文 :堆 肥 施 与 に よ る水 稲 収 量 の 増 加 要 因 の解 析 引 用 文 報 , 1 :127∼ 166. 献 上野 正 夫・ 安 藤 天野 高 久 ・ 森 脇 良 三 郎 (19 84):水 稲 の 冷 害 に 関 す る栽 培 学 的 研 究 , 第 3 報 穂 卒 期 不 稔 に対 す る堆 肥 施 用 豊 ・ 藤 井 弘 志・ 佐 藤 俊 夫 ( 198 8):水 稲 の 理 想 的 な 窒 素 吸 収 パ タ ー ンと土 壌 窒 素 無 機 化 量 の 関 係 . 土 肥 誌 , 59 :3 16∼ 3 19. 上野 正 夫・ 熊 谷 勝 巳・ 佐 藤 之 信 ・ 井 上 毎 子 ・ 田 中 伸 幸 の 効 果 . 日作紀 , 53 :7 ∼ 1 1. 上村 幸 廣・ 宇 田川 義 夫・ 吉 留 昭 夫・ 古 江 広 治 ( 1986): (1990 a):土 壌 窒 素 と緩 効 性 被 覆 肥 料 を 利 用 した 全 各 種 有 機 物 の施 用 が水 稲 の生 育 及 び土 壌 に お よ ぼす 量基肥施肥技孝 札 (そ の 1)水 稲 の理 想 的窒 素 吸 収 パ 影 響 . 鹿 児 島 県 農 業試 験 場 研 究 報告 , 14 :21∼ 28. タ ー ン と 緩 効 性 肥 料 の 溶 出 パ タ ー ン特 性 . 農 業 お よ 小林 裕 志 ・ 大 竹 良 明 (1977):イ ネ 科 牧 草 根 の 物 理 的 な 機 能 に関 す る研 究 . Ⅳ . 固 定 され た 間 隙 モ デ ル に お け る根 系 発 達 . 日華 誌 , 2 3 :2 4 1∼ 2 4 6 . 松崎敏 英 ( 1978 ):家 畜 ふ ん尿 の農 地 還 元 土 肥 誌 , 49 : 4 2 9 ∼4 4 0 . 杉原 35 進 ・ 金 野 隆 光 ・ 石 井 和 夫 (1986):土 壌 中 に お け る有 機態 窒素 無 機 化 の反 応 速 度 論 的 解 析 法 . 農 環 研 び 園芸 , 65 :828 ∼834. 上野 正 夫・ 佐 藤 之 信・ 熊 谷 勝 巳・ 大 竹俊 博 (1990b ):速 度 論 的解 析 法 に よ る土 壌 窒素 発 現 予 測 シ ス テ ム. 土 肥 誌 ,6 1 :27 3∼ 28 1. ( 芸 慧 芸 芸 呂 ;……≡芸 昆 芸 ? 喜) 〟柳 彪7切成働きを肋 つ貞場に局名 ( EN− GW − 5 0 1) 1 .構成 電三 原電 圧 デー タ ロガ ー 土壌 表 面 l h=l 地下 水 位 温度 セ ンサ(熱 電 対 ) ( オ プ シ ョン ) 圧力 セ ン サ 塩ビ外 管(外 径50mm) 塩ビ内 管(外 径 18 m m ) 1 00 2 . 圧 力 セ ン サ (拡散型半導体圧力変換器 ) 定格 圧 力 80 ∈ U 1) 仕様 0 ∼ 9 . 8 1 × 1 0  ̄2 M P a .. ⊂: ( 0 ∼ 1 0 0 0 c m H 20 ) 最大圧 力 0. 19 6M P a 動作精 度 ±0. 3% ヒ ス テ リ シ ス 定格 圧 力 の 1 % 以下 F S (0 ∼ 5 0 ℃ ) アナ ロ グ 出 力 母 40 0 水 位 下 降過 程 ●水位 上 昇 過 程 蔦 オ フ セ ッ ト電 圧 ±5 m V ( O M P a ) ス パ ン電圧 10 0 m V ± 5 0 m V 駆動 電 流 60 20 l. 5 [ m A ] 0 2) 特性 圧 力 セ ン サ の 出 力 電 圧 の 初 期 値 (水 位 O cm ) に よ −1 Z − 8 − 4 0 4 らず 水 位 と 出 力 電 圧 は 直 線 関 係 を 保 ち 、 ヒ ス テ リ シス は 非 常 に 小 さい (直 線性 / ヒス テ リシ ス= ± 出 力 電 圧 m V 0. 3% F S ) エ ン ドウ理化 3 .地下水 位メー タ仕様 1) 標準仕様 外管・内管 1 m 延長ケーブル 5 m 2 )オ プ シ ョ ン 外 管 ・ 内 管 1 m 以上 電源装置 埋 設 用 オ ー ガー 〒0 01 札 幌 市 北 区新 琴 似 10条 7丁 目3−16 ℡ (0 1 1 )7 6 3 − 1 0 8 8 m x(0 1 1) 7 6 3 −1 6 6 7
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