土 壌 の物 理 性 第6 5 号 p .3 ∼ 9 (19 9 2 ) 極二 二重 ] 大 気 境 界 層 に お け る炭 酸 ガ ス輸 送 の 測 定 大 滝 英 治 M easurem en ts of T u rbulemt T ran 叩Ort Of C arbo n D ioxide in th e A tm o sp h e ric B o u n d a ry L a y er E iji O H T A K I F a cu lty o f G e n e ra l E d u c a tio n ,O k a y a m a U n iv e r sit y S um m ary T h e fa st r esp o n se in s tru m e n t d e sig n ed to m e a su re s im u lta n eo u s flu c tu a tio n s o f c a rb o n d i o x i d e a n d w a t e V a p O r is d e sc r ib e d・T h e m e a su rin g fre q u e n c y w a s 3 0 H z .T h e se n s in g p a th le n g th o f th e in str u m e n t w a s 2 0 c m . T h is is c o m p a tib le w itb th e p a th len g th o f th e sta n d a r d t y p e o f a so n ic a n e m o m e te r .T h e n o is e le v el w a s a b o u t O・8 pp m for carbo n diox ide m ea surem en t and ab out O . 02 g /kg for w ater v ap or m easurem ent.T he cospectru m e st im a te o f ca rb o n d io x id e a n d v e rtica l w in d v e lo c ity sh o w e d th a t th e h ig h fre q u e n c y lo ss d u e to s m o o th in g e ffect of sensi咽 path length w as about2 %for諦 m easurem ent.T his denotes thatthe presentinstrum ent is p ro m isin g f o r f lu x m e a s u r em e n ts o f c a rb o n d io x id e b y th e e d d y c o rr e la tio n te c h n iq u e in c o n ju n c tio n w ith a S O n ic a n e m o m e t e r . T h e c a rb o n d io x id e f lu x m e a su re d b y th e e d d y c o r re la tio n te c h n iq u e s h o w e d a w e ll d e fin e d d iu rn a l v a ria tio n O V er a p a d d y f i e l d c h a r a c t e r i z e d b y t h e n e g a t i v e v a l u e s i n n ighttim e・ Exam ination of the stability dependency of eddy diffusivities for carbon dioxide(&) ,SenSible heat ( 凡) ,and m om entum(払 )show ed that the ratio 凡収=is unity,butthe ratio &凧 increases w ith increasing i n sta b ilit y o f th e a ir la y e r a s a fu n c tio n o f (1 −1 6 z 仏 ) 川. K e y w o「d s :C a rb o n d io x id e ,E d d y c o rre la t io n (S o il P h y s .C o n d .P la n t G ro w th ,J p n リ 65 ,3 − 9 ,1 9 9 2 ) 1 .は じ め に 散係 数 を エ ネ ル ギ ー 収 支 の 関 係 か ら求 め る 熟 収 支 法 も 開 発さ れ ,炭 酸 ガ ス 輸 送 量 の 測 定 に 使 用 さ れ て い る・7, 6 8) 。し 大 気境 界 層 での 炭 酸ガ スの 輸送 量 を気 象 学 的方 法 で最 かし, H u b e r も 指 摘 して い る よ う に , 運 動 量 輸 送 や 熱 輸 初に 測 定 し た の は H u b e r で あ る 。彼 は ,工 業 用 の 赤 外 線 送に 対 す る拡 散 係 数 が 炭 酸 ガ ス 輸 送 の 場 合 に 適 用 さ れ る ガス 分 析 計 (U R A S ) を 使 っ て 芝 生 上 5 cm と 5 m の 2 高 かど う か は 未 定 の 問 題 で あ っ た 。 そ こ で , In o u e は 炭 酸 度の炭 酸 ガ ス濃 度 を測 定 し,昼 間 は炭 酸 ガ ス 濃度 が植 被 ガス 輸 送 量 を , 渦 相 関 法 に よ っ て 直 接 測 定 す べ き で あ る 直上 で低 く, 夜 間 は逆 に 炭 酸 ガ ス漉 度が植 被 直上 で 高 く こと を 示 唆 し た 9) 。渦 相 関 法 に よ る炭 酸 ガ ス輸 送 量 の 測 定 なる こ と を示 し た 1) 。そ して,炭 酸 ガ ス輸送 量 が , 2 高度 には , 後 で 述 べ る よ うに , 炭 酸 ガ ス 濃 度 と風 の 鉛 直 成 分 間の炭 酸 ガ ス濃 度差 と風 速 の鉛 直分 布 か ら求 め た拡散 係 の5 H z程 度 ま で の 変 動 を 正 確 に 測 定 す る 必 要 が あ る。風 数との 積 と して 算 出 さ れ る, い わ ゆ る 空 気 力 学 的 傾 度 法 の鉛 直 成分 の 変 動量 の 測定 は, 超 音 波 風速 計 の実 用化 に によ っ て 推 定 で き る こ と を示 し た 。 そ の 後 , 空 気 力 学 的 よっ て 解 決 さ れ た 10) 。他 方 ,炭 酸 ガ ス 濃 度 の 変 動 測 定 は , 傾度 法 は井 上 等 の先 駆 的研 究 2) を経 て,作 物 群 落上 での炭 空気 をサ ンプ ル す る従 来 の赤 外 線 ガ ス分 析 計 で は不 可 能 酸ガ ス 輸 送 量 の 測 定 に 広 く適 用 さ れ て い る 3】 ・5) 4 。 ま た ,拡 であ り11) ,開 光 路 を持 つ 応 答 の 速 い 炭 酸 ガ ス 変 動 計 の 開 発 が必 要 で あ っ た 。 岡山 大 学 教 養部 〒7 00 岡 山 市 津 島 中 2−1−1 キー ワ ー ド :炭 酸 ガ ス , 渦 相 関 法 現 在 , 炭 酸 ガ ス 変 動 計 は 日 本 12) , カ ナ ダ 13) , 米 国 14) ,ソ 連15) で 開 発 さ れ て い るが ,い ず れ の 炭 酸 ガ ス 変 動 計 の 場 合 土壌 の物 理 性 第 6 5 号 (19 9 2 ) も測 定 原 理 は 同 じ で ,炭 酸 ガ ス 分 子 が 4 . 3 ミク ロ ンの赤 外 線を 吸 収 す る 性 質 を 利 用 し て い る 。 そ こ で , こ こ で は , 我々 が 開 発 して い る 炭 酸 ガ ス 変 動 計 の 概 要 を 紹 介 し, 続 ‘■1 いて , 炭 酸 ガ ス 変 動 計 を 使 っ て 測 定 した 大 気 中 で の 炭 酸 ガス濃 度 変 動 の特 性や 乱 流 輸送 の特 性 につ いて紹 介 す る。 D C m o lo r P r 0 8 m P. 2 .炭 酸 ガ ス変 動 計 と しての 必 要要 件 Pb S ● d ● †● C 開 発 当 初 , 渦 相 関 法 に 適 用 す る炭 酸 ガ ス 変 動 計 は , 次 †o r のよ う な 要 件 を満 た す 必 要 が あ る と考 え た 。 1 )大 気 中の 炭酸 ガ ス濃 度 は,作 物群 落 上 で は約 3 0 0p p m で あ り,そ の 変 動 成 分 は 数 p p m で あ る 18) 。こ の た め ,炭 酸 ガ ス変 動 計 の分 解 能 は 1 pp m よ りよ くなけ れ ば な ら F lll e r な い。 2 ) 渦相 関 法 で は炭 酸 ガス 輸送 量 げ ) は次 式 で与 え ら M e q 5urm e n l C 8ち P( ‖ h I れ る。 l● ∩ 与 2 0 cm F = ぴ′ c′ = 上 ご〝c ひC( 乃) d 乃 (1 ) こ こで , 紺 は風 速 の鉛 直 成 分, C は炭 酸 ガ ス濃 度 で あ る 。 ’は 平 均 値 か らの 変 動 量 を 意 味 し, − は 測定 時 間 に っ い て の 平 均 値 を 意 味 し て い る。 ま た , C ぴ( 。 乃) は と c の コ スペ ク トル 密 度 で あ り, 批 と 伽 紺 、\ C o rq m lc は炭 酸 ガ h ● q I 亡 r ス の乱 流 輸 送 に寄 与 して い る下 限 お よび 上 限 の周 波 数 で あ る。顕 熟 や 潜 熱 の 乱 流 輸 送 の 場 合 ,乃L = 0 . 001 H z, 乃〟=5 H z 程 度 な の で 17) ,炭 酸 ガ ス の 場 合 も 同 様 に考 え , 図一 1 F ig . 1 c a rb o n 0. 00 1 H z か ら 5 H z程 度 の 炭 酸 ガ ス の 濃 度 変 動 を 正 確 に 炭 酸 ガ ス変 動 計 の光 学 系 0 p t o・m e C h a n ic a l d e ta ils o f f a s t r e s p o n s d i o x i d e i n s t r u m e n t 測 定 す る必 要 が あ る。 3 ) 測 定 感 部 で の 空 間 平 均 の 影 響 を 少 な〈 す る た め に , C01 S 一勺叫 I 測 定 感 部 の 長 さ は 20 cm 程 度 が 望 ま しい 。 2 0 cm の 光 路 長 は標 準 型 の超 音 波 風 速計 の スパ ン長 と同 じで あ る。 H ▲ 0 軒 きIt n □ l 3 ,炭 酸 ガ ス 変動 計 の 概要 CロI H. q 図 1 は , 以 上 の よ うな 要 件 を 満 た す よ うに 設 計 し た , F ■r . CO. 1 ● 柑 叫O l ■r O 月H .t ■ r O 炭 酸 ガ ス変 動 計 の光 学 計 で あ る。 この炭 酸 ガ ス変動 計 で は, 炭 酸 ガ ス と水蒸 気 の 濃 度 変動 が 同時 に測 定 で きる。 約 1 ,0 0 0 K に 熟 し た セ ラ ミ ッ ク ヒー ター か ら放 射 され た 赤 外 線 は , フ ッ化 カ ル シ ウ ム レ ン ズ に よ っ て 平 行 光 線 に さ れ, 20。 m の 閃光 路 に 射 出 さ れて い る。 開 光路 内 に存 在 す 図− 2 F ig・ 2 炭 酸 ガ ス 変 動 計 の 電 気 系 ブ ロ ッ ク図 E le c tr o n ic b l o c k d i a g r a m c a rb o n d io x id e in stru m e n t る炭 酸 ガ ス 分 子 に よ っ て 吸 収 さ れ た 赤 外 線 は , 別 の フ ッ 化 カ ル シ ウ ム レ ン ズ で − 10 ℃ に 電 子 冷 却 さ れ て い る 赤 外 外線 を分 光 す る 干 渉 フ ィ ル ター が 固 定 さ れ て い る 。 そ れ 検 出 器 (P b S e ) 上 に 集 光 さ れ て い る。 P b S e 検 出 器 の 直 ぞれ の フ ィ ル タ ー を透 過 し た 信 号 は , 光 反 射 型 の ホ トセ 前 に は ,3 0 H z で 回 転 して い る チ ョ ッ パ ー デ ィ ス クが あ る 0 ンサ ー を 使 っ て サ ン プ ル ホ ー ル ドさ れ る 。 こ の チ ョ ッパ ー デ ィ ス ク に は , 炭 酸 ガ ス と水 蒸 気 の 固 有 吸 収 帯 の 赤 外 線 を分 光 す る 干 渉 フ ィル タ ー と参 照 用 の 赤 図 2 は , サ ン プ ル ホ ー ル ドさ れ た 炭 酸 ガ ス と水 蒸 気 浪 度の 信 号 が A /D 変 換 き れ, デ ジ タル演 算 さ れ て, 最 終 o f f a s t 報文 :大 気境 界層 に お け る炭酸 ガ ス輸 送 の測 定 段階 で 再 び D / A 変 換 さ れ て い る 電 気 系 ブ ロ ッ ク図 を示 変化 が 甘 や r の 変 化 と逆 位 相 に な っ て い る こ と も注 目 し て い る 。 こ こ で の 注 目 は 演 算 プ ロ セ ッ サ (A P U ) の 働 され る。 これ らの 変化 は, 水稲 群 落が 炭 酸 ガ ス の吸 収 源 き で あ る 。 炭 酸 ガ ス と水 蒸 気 濃 度 の 変 化 を線 形 の 信 号 に と し て 働 き, 顕 熱 や 潜 然 の 湧 源 と して 働 い て い る こ と を 変換 す る た め に , A P U で割 算 と対数 演 算 が実 行 されて い 示して い る。 更 に , C の 変 化 に は , 短 周 期 の 乱 流 変 動 に る。 こ の 演 算 プ ロ セ ッ サ ー の 採 用 に よ り, 炭 酸 ガ ス と水 加えて ,2 0 − 3 0秒 周期 の 鋸 歯状 型 の変 化 が重 ね 合 わ さっ 蒸気 濃 度 の 広 い 範 囲 に わ た る 変 化 に 対 し て , リニ ア な 出 てい る よ う に 見 え る 。 も ち ろ ん , 鋸 歯 状 型 の 変 化 は 甘や 力信 号 が 得 ら れ る よ う に な り, 雑 音 レ ベ ル を 著 し く低 下 r の 記 録 に も 認 め られ る 。 こ の よ う な 変 化 は , 水 稲 群 落 させ る こ とが で き た 。 変 動 計 の 雑 音 は , 炭 酸 ガ ス 変 動 計 上で ,対 流 性 の 7 0 リ ュ ー ム が 存 在 18)し て い る こ と を示 し て として は約 0 . 8 p p m ,水 蒸 気 変 動 計 と して は 約 0 .0 2 g k g −1 いる 。 であ る。 図 4 は , モ ニ タ ー 記 録 で 示 し た 8 月 17 日1 2 時 3 0 分 か ら 1 2 時 4 5 分 ま で の 15 分 間 の ひ と c の 変 動 値 を 使 用 し て 算 4 .炭酸 ガス輸 送 l の測 定 例 出し た コ ス ペ ク トル , 乃C ぴ。 ( 乃) , を周 波数 ( 乃)の 関 数 と して プ ロ ッ ト し て い る 。 乃C ぴ( 。 乃 )曲 線 は 測 定 さ れ た 全 周 図 3 は 1 9 8 9年 8 月 17 日, 岡 山 大 学 農 学 部 附 属 八 浜 農 場 波数 帯 で負 の成 分 を有 し, 炭 酸 ガ スが 大 気 か ら水稲 群 落 の水稲 群 落 上 で測 定 した風 の鉛 直 成分 (紺) , 気 温 (r ) , の方 に 鉛 直 下 向 き に 輸 送 さ れ て い る こ と を 示 し て い る 。 炭酸 ガ ス (c ), 水 蒸 気 (仔)乱 流 変 動 の 典 型 的 な モ ニ タ ー 炭酸 ガ ス の 輸 送 に 最 も大 き な 寄 与 を して い る 周 波 数 は 0 .1 記銀 を 示 し て い る 。 ひ が 上 向 きの 時 , C は 低 下 し , ひ が から0 . 2 H z の 領 域 で あ る 。炭 酸 ガ ス 輸 送 に 寄 与 し て い る 下 下向 き の 時 , C が 増 加 し て い る こ とが 分 か る 。 ま た ,C の 限の 周 波 数 乃エ は 解 析 時 間 の 長 さ に よ っ て 決 ま る が , 図 A u q , 17 . 1 9 8 9 ㌦ EN き ト U● U の M唱 ℡ と の の ■● ■ ∈ ⊂r P の 1 2 さO 12 5 5 12 4 0 1 2 ヰ5 t2 5 0 T lm e 図− 3 水稲 群 落 上 で の炭 酸 ガ ス (c ) , 風 速 の鉛 直 成 分 (抑), 気 温 (r ) , 水 蒸 気 (す) の モニ ター 記 銀 例 F ig・ 3 T y p ic a l r ec o rd s o f tu rb u le n t flu c tu a tio n s o f c a r b o n d io x id e (c ),V e rt ic a l w in d v e lo c ity (紗), te m p e r a tu r e (r ) ,a n d w a te r v a p o r(ヴ) ,m e a Su re d o v e r p a d d y 鮎 1d o n A u g u s t 1 7 ,19 8 9 ほ 5 5 土 壌 の物 理 性 第 65 号 (19 92) n z 0 0 .1 ■一 ︳ ● S ∈ ○∈ ﹂0 20 30 40 5 0 O. O 1 H ︵三 り事 U u 図− 4 1 9 8 9 年 8 月 1 7 日1 2 時 3 0 分 − 12 時 4 5 分 に 水 稲 群 落 上 で 測 定 さ れ た 炭 酸 ガ ス と風 速 の 鉛 直 成 分 と の コ ス ペ ク トル F ig . 4 C o sp e c tr a l e stim a te o f c a rb o n d io x id e a n d v e r t i c a l w i n d S p e c tra l c a lcu la tio n w a s m a d e u sin g d a ta o b ta in e d fr o m v e l o c i t y 1 2 :3 0 − 1 2 :45・ A u g u st 1 7・ 1 9 8 9 に示 し た 値 を 外 挿 す る と,0 .0 0 2 H z 程 度 で あ る 。ま た ,炭 =3 7 0 W m −2 と い う値 は ,約 0 .5 m m h  ̄1の 蒸 発 散 に 相 当 し て 酸ガ ス 輸 送 に 寄 与 し て い る上 限 の 周 波 数 伽 は 2 H z 程 度 いる 。ス且 が 終 日正 の 値 を 示 し て い る が , こ れ は ,圃 場 が であ る 。 こ れ ら の 上 濯漑 水 で 覆 わ れ て い る こ と に よ っ て い る 。 下 限周 波数 の 値 は ,炭 酸 ガス変 動 計の 必 要 要 件 の とこ ろ で 検 討 し て い た 周 波 数 の 範 囲 内 で 固 定 さ れ る炭 酸 ガ ス 量 は 水 稲 群 落 の 生 育 ス テ ー ジ に よ って 異 な る 。 図 6 は , 岡 山 大 学 農 学 部 附 属 八 浜 農 場 で 測 ある 。 今 回 使 用 し た 炭 酸 ガ ス 変 動 計 と超 音 波 風 速 計 は 2 0 cm の 定し た 水 稲 群 落 が 1 日に 固 定 し た 炭 酸 ガ ス の 季 節 変 化 を 測定 ス パ ン を 有 して い る の で , 高 周 波 数 の 炭 酸 ガ ス の 濃 示し て い る 。 固 定 さ れ る 炭 酸 ガ ス 量 は , 田 植 後 , 徐 々 に 度変 動 と風 速 の 変 動 成 分 は 平 滑 さ れ る。 こ の 平 滑 化 に よ 増加 し て , 出 穂 期 の 8 月 下 旬 に 最 大 と な る 。 そ の 値 は , る 影 響 は , 炭 酸 ガ ス の 場 合 は S ilv e rm a n 19) が 与 え た表 を 4 m g /cm 2 で あ る。 9 月 以 降 ,固 定 さ れ る 炭 酸 ガ ス 量 は 急 速 使っ て 算 出 で き , 風 速 の 場 合 は K a im a l 等 20) が 与 え た表 に低 下 し ,収 穫 直 前 の 1 0 月 下 旬 に は ほ と ん ど ゼ ロ とな る8 を 使 っ て 算 出 す る こ とが で き る。 図 4 の の コ 固定 さ れ る炭 酸 ガ ス 量 の 季 節 変 化 を考 慮 す れ ば , 田 植 え ス ペ ク トル で は , 高 周 波 領 域 で の 過 少 評 価 量 は 約 2 % で から収 穫 に 至 る ま で に , 水 稲 群 落 は 約 2 8 ト ン の 炭 酸 ガ ス あ っ た 。 こ の 測 定 誤 差 は 実 質 的 に は 無 視 で き る大 き さ で を 固 定 した こ とが わ か る。 抑 と C あ り, 炭 酸 ガ ス 変 動 計 と超 音 波 風 速 計 と を 組 み 合 わ せ て 使 用 す れ ば , 炭 酸 ガ ス 輸 送 量 が ほ ぼ 正 し く測 定 で き る と 渦相 関 法 で炭 酸 ガ スの輸 送 量 が 測 定 で きれ ば, 炭 酸 ガ ス に 対 す る 拡 散 係 数 , & =石 7才 / (△ C /△z ) , を計算 す る こ とが で き, 熱 や運 動 量 に 対 す る拡 散 係数 (品 , & )の 考 えて よい 。 図 5 は , 1 9 8 9 年 8 月 1 7 日 か ら1 8 日 に か け て , 渦 相 関 法 で測 定 され た炭 酸 ガ ス の乱 流 輸送 量(F )と純 放 射(肋 ), 顕 熱 (〟 ), 潜 熱 (八方)の 時 間 変 化 を 示 し て い る 。 夜 間 F 値と比 較 す る こ と が で き る 。 そ れ に は , デ ー タ が た く さ ん蓄 積 され て い る, 以下 に示 す無 次元 勾 配 と呼ば れ て い る パ ラ メ ー ター を 用 い る の が 好 都 合 で あ る 。 は 正 で , 炭 酸 ガ ス が 上 向 き に 輸 送 さ れ て し−る こ と を 示 し ¢。=( 由 / c *) ・(△ C /△ z ) て い る 。 観 測 時 に は , 水 田 圃 場 は 約 10 cm の 潅 漑 水 で 覆 わ ¢ん=(々z け *) ・ (△ 刀 △z ) ¢m =(鮎 /〟*) ・(△ 抑 △z ) れ て い たの で , こ の上 向 きの炭 酸 ガ ス輸 送 量 は水 稲 群 落 の 呼 吸 の 強 さ を示 し て い る 。 日 出 後 , ダ は 負 と な r), 炭 酸 ガ スが下 向 きに輸 送 され 水稲 群 落 に 固定 され て い る こ とを示 して い る。群 落 が 固 定す る炭 酸 ガ ス量 は ,正 午 頃 最 大 と な り, そ の 値 は 約 − 1 .3m g m ▼2s−1で あ る 。 こ の 値 ター と呼 ば れ , そ れ ぞ れ 次 の よ う に 定 義 さ れ て い る 0 “* =∨ 扇 は 尺乃 の 約 5 0 % で あ る 。 ま た , 正 午 頃 の ; c* = 一紺 ′ c ′/ 加 * ; T *= 一紺 ′T ′/㍑ * 苑 /K 力= ¢力 付。 ま ス且 と 比 べ る と 非 常 に 小 さ く,水 稲 群 落 上 & /K 椚= ¢椚佃 。 で は , 熱 が 主 と し て 潜 熱 の 形 で 輸 送 さ れ て い る こ とが 分 か る 。 スg は勾配を 拡散 係 数 と 無 次 元 勾 配 の 定 義 式 か ら 次 の 関 係 式 を 得 る 。 は 水 稲 群 落 の 生 育 ス テ ー ジ で 異 な る。 昼 間,別 こ こ で , 々 は カ ル マ ン 定 数 (0 .4 ), Z = ノ訂 云 表 す 高 度 で あ る 。 以*, C *, r * は ス ケ ー lトン グ パ ラ メー 八方 従っ て , 凡 と 凡 あ るい は 範 と g ∽の 関 係 を知 るに は o v e r p a 報文 :大気 境 界 層 にお け る炭 酸 ガ ス輸 送 の 測定 10 0 0 800 R n 600 ●l ■∈ 400 き 軸 200 ヤH 0 −20 0 A ug. け A u g .18 2 2 0 8 10 12 14 16 h 0. 5 ︻ ■ S 0 0 ∈ ︳ ■ −0 .5 ひ− ヒ 一l .5 −2 . 0 図− 5 水稲 群 落 上 で の炭 酸 ガ ス (F ) , 純 放射 (月乃), 顕 熱 (〟 ),潜 然 (月旦) 輸 送量 の 時 間変 化 F ig ・ 5 T i m e v a r ia t io n o f v e r t ic a l f l u x e s o f c a r b o n d i o x id e (F ),1a t e n t h e a t (月旦 ),S e n S ib le h e a t (〝 九 a n d n e t r a d i a t i o n (丘 乃) 0 V e r p a d d y f ie ld 00 0 旧 5 ∈。 エU ¢ご と ¢ん あ る い は ¢。 と ¢ m の 関 係 を 知 れ ば よ い 。 ¢力 と ¢m につ い て は,D y er and Hicksは,モニオン・オブ 5 0 0 00 0 コフの 大気 安 定度 のパ ラ メー ター を z仏 とす る と, ¢九=(1 − 16 z 仏 ) ̄1/ 2 .宅 ヰ ¢m =(1 − 16 z 仏 ) ̄1/ 4 P 5 2 で 表 わ せ る こ と を 示 し た 21) 。 ¢。 と z 仏 の関 係 を知 る た ﹂ − めに , 上 で 示 し た 式 か ら ¢。の 値 を 算 出 し, 之仏 に対 し て7 0ロ ッ ト し た( 図 7 )。 プ ロ ッ ト さ れ た 値 は , Z 仏 の 狭 い領 域 に 限 ら れ て い る が , 図 中 の 曲 線 , (ト 16 z 止 ) 」1′ 2に l 10 20 1 J un 図− 6 10 20 J 山 1 A 10 = 2 0 g 水稲 群 落 上 で測 定 した 1 量 と草 高 の季 節 変 化 ■■ 1 10 2 0 1 S ep† IO 2 0 さO よ く合 っ て い る。 こ の こ と は , 炭 酸 ガ ス の 無 次 元 勾 配 が O c† 温度 の 無 次 元 勾 配 と 同 じ関 数 形 で 表 さ れ , 風 の 無 次 元 勾 配と は 少 し 異 な っ た 関 数 関 係 に あ る こ とを 意 味 し て い る 。 日当 りの 炭 酸 ガ ス 固 定 拡散 係 数 の 関 係 に 直 す と次 の よ う に 書 け る 。 :1 98 9 年 の 渦相 関法 に よる測 定値 凡 =凡 ⊂ コ :空気 力 学 的傾 度 法 と熟収 支 法 に よ る測定 &= (1 −16z仏) 1/ 4・ 机 値7) F ig・ 6 つま り, 炭 酸 ガ ス の 拡 散 係 数 は ス カ ラ ー 量 で あ る 熟 輸 送 S e a s o n a l v a ria tio n o f d a y tim e flu x o f c a rb o n d io x id e o v e r p a d d y fie ld ,a n d p a d d y h e ig h t. S o lid b a r s i n d i c a t e d a t a e d d y c o rre la tio n te c h n iq u e in 1 98 9 ;O p e n b a rs in d ic a te d a t a m e a s u r e d h e a t b a la n ce te c h n iq u e s in 1 9 6 9 の拡 散 係 数 を 使 っ て 代 用 す る こ とが で き る が , ベ ク トル 量で m あ e る運 a s 動u 量rのe拡 d散 係 数 b で y 代用 t すh る e ときに は安 定度 に よる補 正 が 必 要 で あ る 。 実 際 の 野 外 観 測 で よ く経 験 す る a e 大気 r oの不 d y安 n定 度 a m之仏i =c − 1 aの場 n 合 d に は, & が 払 にも な り 得 る こ と を 示 し て い る 。 の2倍 土壌 の物 理 性 第 65 号 (1992) D tsc h .B o t.G es リ 63 ,5 2− 6 3 (19 50 ). l. 0 ● 2 ) 井上栄一, 谷 ● 信 輝 , 今 井 和 彦 , 磯 恥 舐 之 :麦 畑 にお ●○ 0. 8 ○ 0 .ヰ け る炭 素 同化 作 用 の 空 気 力 学 的 測 定 ,農 巣 気 象 ,1 3,12 1 ○ − 1 2 5 (1 9 5 8 ). 0. 6 も 「 U臥 3 ) ●○ L em o n , E . R ∴ P h o t o s y n th e s is u n d e r f i e l d c o n d ト ○ ● tio n s . Ⅰ Ⅰ.A n a er o d y n a m ic m eth o d fo r d e te rm in in g th e 0 . 2 t u r b u l e n t c a r b o n d i o x i d e e x c h a a tm o sp h e re a n d a c o r n fie ld .A g ro n・ J・,5 2 ,6 97 − 7 03 ( 1 9 6 0 ). 0 0 .O 1 0 . 0 01 4 ) M on te ith ,J. L .:M e as u rem en t a n d in terp r eta tio n o f 0 .1 c a r b o n d io x i d e f lu x e s in th e f ie ld .N e t h .J .A g r i c .S c i. , −Z /L 1 0 ,3 3 4 − 3 4 6 (1 9 6 2 ). 5 ) 図一 7 炭 酸 ガ スの 無 次 元勾 配 の安 定 依 存性 。 図 中の 曲 線 は 安 定 度 の 関 数 (1 − 1 6 之仏 )  ̄1′ 2 である ○ :19 8 2 年 8 月 13 日 の ソ ル ガ ム 群 落 上 で の 測 定 6 ) e n sio n a l g r a d ie n t ¢c for 7 ) stab ility pa ram eter z仏 .S olid lin e represents o v e r a f i e l d d i o x i d e o v e r o f p a d d y c a r ・ f i e l d s e s empiricalrelationship:¢。=(1 − 16 之仏 ) ̄1′ 2.s o lid c ir c le s in d ic a t e d a ta m e a − su r e d o v e r p a d d y fie ld o n A u g u st 3 1 to m e a su re d o v e r so rg h u m a p p r o a c h . B e r . O h a r a I n s t . 1 a n d O k a y a m a U n iv . ,t6 ,7 9− 9 2 ( 19 74 ). S e p − te m b e r l,1 98 2 ,a n d o p e n c irc le s in d ic a te d a ta 8) U c h ij im a , Z . a n d Udagawa,T∴Carbon dioxide e n v ir o n m en t f i e l d o f A u g u s t 1 3 , a n d C O 2 − t r a n S p O r t a b o v e crop canopies− M easurem entsandsimulation ̄ 1982 M o n si,M .a n d S a e k i,T . (e d . )E c坤 妙 s わJ卿 .お わ f i e l o f s u g a r b e e t . Q u a r t S eo ,T .a n d O h ta k i,E .:A tm os p h er ic flu x bon b a la n ce 4 r i c e Soc. ,8 6 ,2 0 5 − 2 1 4 (1 9 6 0 ). carbon d io x id e a s a fu n c tio n o f th e M o n in − O b uk hov th e o f M o n teith ,J. L .a n d S ze ic z,G .:T h e ca rb o n d io x id e flu x 値 o n −d im p h o t o s y n t h e s i s 如軌 U niv. T okyo Press,152−159(1978) の 測定 値 N t h e S a e k i,T . (e d . )E c坤 妙 5わ J喝 ツ 〆 ク加 わ 印 形≠ ゐgf才 c ♪和 血 c 一 ● :19 8 2 年 8 月 3 1 日− 9 月 1 日の 水 稲 群 落 上 で F ig . 7 Y ab u k i,K .a n d A o k i,M ∴ T h e effec t of w in d s p ee d on 〆 ♪ゐ∂わ一 町乃肋e如 ♪和 d ㍑C如 妙 ,U n iv .T o k y o Press,129−139 り に (1 9 7 8 ). 大 気 中 の 炭 酸 ガ ス の 収 支 を解 明 す る 直 接 的 な 方 法 は , 9 ) In o u e, E .:T u rb u le n t f l u c t u a t i o n s i n 炭酸 ガ スの大 気一 海洋 , 大 気一 植 物 間 の輸 送 量 を測定 C O 2 C On C en tr a tio n o v er th e v eg e ta te d field ・ s Y o sh id a ・ す る こ とで あ る。 この よ う な研究 目的 に 応 え るた め に炭 K . (e d . )5 f〟d 才 g 5 0 乃 O c βα乃曙 , 1 珍 妙 ,U n iv .T o k y o 酸 ガ ス 変 動 計 の 開 発 が 行 わ れ て い る 。 し か し, 現 在 の 炭 2 3 2 − 2 3 7 (1 9 6 4 ). 酸 ガ ス変動 計 は, 渦 相 関法 に適用 す るセ ンサー として の 必 要 要 件 を か ろ う じて 満 た し て い る に す ぎ か −。 ド リフ トの減 少 , 測 定感 度 の 増加 等炭 酸 ガ ス変 動 計 は改 良 す べ 1 0 ) M its uta , Y .:S on ic P r ess, a n e m o m e t e r ・ t h e r m o m e t e g e n e r a l u s e .J .M e t .S o c .J a p a n ,4 4 ,1 2 − 2 4 (1 9 6 6 )・ 1 1) D esja rd in s,R . L .a n d L e m o n ,E . R .:L im ita tio n s o f き 問 題 を 多 く残 し て い る 。 炭 酸 ガ ス の 乱 流 輸 送 量 を 正 確 a n ed d y − CO r re la tio n tech n iq u e for th e d e te rm in a tio n に測 るため に,上 の よ うな 基本 的 な 問題 の改 善 は も とよ of り, 大 気 の 流 れ 場 を乱 さ な い , 全 天 候 型 の 炭 酸 ガ ス 変 動 B o u n d ar y・L a y e r M et. ,5 ,4 75 叫 48 8 (19 74 )・ 12 ) 計 の 完 成 を め ぎ して努 力 して い きた い。 t h e c a r b o n d i o x i d e a n d w a ter m e a s u r e m e n t o f c a r b o n v a p o r ・ B o u n d a r y − L a y e r ( 1 9 8 2 ). 1 ) H u b er , B .:R e g istrieru n g B ere c h n u n g des CO2−Stromes uber d e s 1 3) B ra c h ,E . J リ D e sja r d in s,R . L .a n d S tA m o u r,G・T・ : C O 2 − G e f よ 1 1 e s u n d Pflanzengeselト s ch a ften m itte ls U ltra r o t−A b s o rp tio n ss ch re ib e ・ r B e r・ s e n s i b O h ta k i, E . a n d Matsui,T∴Infrared device for sim u lta n e ou s 参 考 文 献 a t m o s p O p en p a th C O 2 a n a ly ser .J.P h y s・ E・ S c ・ i In stru m ・,14, 1 4 1 5 − 1 4 1 9 (1 9 8 1 ). d i M e t り 報文 :大 気 境 界 層 にお け る炭 酸 ガ ス輸 送 の 測定 14 ) A n d e r s o n , D ・E り V e r E d d y co rre la tio n and m a , S . B .a n d R o s e n b e r g , N , J . : s e n s i b l e h e a t f l u x e s B ou n d a ry・L a y er M etリ2 9,2 63 − 2 72 (19 84 ). th e freq u en c y s p ec tr a o f tu rb u len t C O 2 flu ctu a tio n s in th e a tm os p h eric su rfa ce la y er .Iz v estiy a ,A tm os .a n d c e a n . P h y s リ 2 0 , 5 0 2 − 5 0 6 (1 9 8 paddy o f i t s a tro n − eddy On S ilv e rm a n , B・A ∴ T h e e ffec t o f sp a tia l a v e ra g in g S p e C t r u m e S t i m a t i o n . J . A p p l . M e ( 1 9 6 8 ). D e riv lng p O W e r S p e C t r a f i e l d ( 1 ) . B e r . O h a r a I n s t 2.1) 1 aD y n e dr, wA・ . J .aBn di Ho icl k s.,B A . J リH ic k s ,B 且 J. C .and Haugen,D.A∴ f r o m f l u x o v SO e nr ic an a em o m e ter .J .A p p l.M et. ,7 ,8 27 − 83 7 (1 968 ). O kayam a U niv. ,略 89−110(1972). 1 7) D y町 1 9) 2 0) K aim al,J. C. ,W ynga弛 4 ) . 1 6 ) O h ta k i,E・ a n d S e o ,T ∴ M ea su re m e n t of g ra d ie n t O f c a rb o n d iox id e a n d es tim a tio n o v e CrO n V eaCtiv ec prlu mo ep a n ds a u d ur s tf d ae v cil. eJ .A . p p l.M etり 9, 6 1 2 − 6 2 0 (1 9 7 0 ). 1 5 ) E lag in a ,L . G .an d L a za re v ,A . Ⅰ.:M ea s u re m en ts o f O M etリ 6 ,4 08 − 413 (19 67 ). m e a s u r e m e n t s o f C O 2 , 11 8a) t Ke a nim ta l, h J. e C a.an t d B u sin g e r,J . A ∴ C a se stu d ie s o f a 且 :F lu x 瑠ra d ie n t re la tio n ・ S h ip s in th e c o n sta n t flu x la y e r.Q u a rt,J .R o y .M et, a n d K in 乱 K . M ∴ T h e flu x . S o c リ 9 8 ,7 1 5 − 7 2 1 (1 9 7 0 ). A re v ise d a p p ro a ch to th e m e a su r em en t o f f l u x e s i n t h e l o w e r a t m o s p h e r e − . J . A p p l . (受 稿 年 月 日 19 91 年 1 2 月 2 日) a t h r
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