演習問題解答

演習問題解答
第 8 章(その 2)
8.2
対象システム
G(s) =
5
5
= 2
(s + 5)(s2 + 3s + 1)
s + 8s2 + 16s + 5
に対して,ゲイン KP の比例フィードバックを行なうと,閉ループ系の伝達関数は以下のようになる.
G(s)
5
= 2
2
1 + KP G(s)
s + 8s + 16s + 5 + 5KP
まず,この閉ループ系が安定限界に達したときの KP の値 KC を求める.安定限界とは系の応答が減衰,
発散のいずれも起こらず持続的に振動する場合であり,系の極(特性多項式の根)が純虚数 s = jω とな
ることに対応する.したがって,安定限界時の周波数を ωC とし,s = jωC を閉ループ系の特性多項式に
代入して,KP = KC として実部と虚部に分けると
2
2
)=0
+ jωC (16 − ωC
s2 + 8s2 + 16s + 5 + 5KC = 5 + 5KC − 8ωC
となる.この式が恒等的に成り立つための条件
2
2
5 + 5KC − 8ωC
= 0, jωC (16 − ωC
)=0
より,
2π ∼
= 1.57, KC = 24.6
4
を得る.したがって,ジーグラ・ニコルスの限界感度法より,以下の P,PI,PID 制御に対する比例ゲイ
ン,積分時間,微分時間が求まる.
ωC = 4 ⇒ TC =
PI 制御 : KP = 0.5KC = 12.3
PI 制御 : KP = 0.45KC = 11.1, TI = 0.83TC = 1.30
PID 制御 : KP = 0.6KC = 14.8, TI = 0.5TC = 0.79, TD = 0.125TC = 0.20
なお,代表根については授業で触れていないため,省略する.
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