サンテクノ技術セミナー 高周波技術入門 講座テキスト その2 平成18年6月2日 2.高周波技術の基礎 周波数帯の区分 2.高周波技術の基礎 マイクロ波のバンド名 Pバンド 500MHz~1GHz Xバンド 8GHz~12.4GHz Lバンド 1GHz~2GHz Kuバンド 12.4GHz ~18GHz Sバンド 2GHz~4GHz Kバンド 18GHz~26.5GHz Cバンド 4GHz~8GHz 単位の倍数記号 大きさ 記号 名称 10-12 10-9 p n 10-6 10-3 103 106 109 1012 μ m k M G T ピコ ナノ マイクロ ミリ キロ メガ ギガ テラ 2.高周波技術の基礎 各周波数帯の用途 長波 ・航空機航行用 ・船舶 中波 ・ラジオ放送 ・交通情報 短波 ・標準電波 ・アマチュア無線 ・短波放送 ・国際通信 超短波 ・FM放送 ・アマチュア無線 ・テレビ ・タクシー無線 極超短波 ・携帯電話 ・テレビ マイクロ波 ・地上マイクロ通信 ・衛星通信 ・気象航空用 ミリ波 ・無線航行 赤外線 ・熱線診療 ・光通信 ・赤外線写真 可視光線 ・光学機器 紫外線 ・殺菌 ・医療 X線 ・X線写真 ・医療 γ線 ・材料検査 ・医療 2.高周波技術の基礎 周波数と周期の関係 周期T[s] = 1 / 周波数[Hz] 例)100MHzの周期は0.01μs 周波数と波長の関係 波長λ[m] = 光速/周波数 ≒ 3 × 10 8 / 周波数[Hz] 例)300MHzの1/2λは0.5m 2.高周波技術の基礎 デシベル[dB](デービーとも読まれる) dBは、信号の比を常用対数で示したもの 電力差[dB]=10log(P/P0) 電圧差[dB]=20log(E/E0) 電流差[dB]=20log(I/I0) 真数比 0.1 0.2 0.5 電力[dB] -10 1 2 4 5 8 10 20 100 -7 -3 0 3 6 7 9 10 13 20 電圧[dB] -20 -14 -6 0 6 12 14 18 20 26 40 2.高周波技術の基礎 絶対値dB 受信感度や送信電力の表現にはdBmやdBμV など絶対値dBの単位が使われる dBm:電力1mWを基準としたdB表現(0dBm=1mW) dBW:電力1Wを基準としたdB表現(0dBW=1W) dBμV:電圧1μVを基準としたdB表現(0dBμV=1μV) dBi:等方性アンテナの利得を基準としたdB表現 2.高周波技術の基礎 オームの法則 電流I[A] = V[V]/R[Ω]又はV = IR 例)50Ωの抵抗に100V印加時の電流は2A 電力 電力P[W] = V [V] ×I [A] = I2R= V2/R 例)100V、12Aの機器の消費電力は1200W 2.高周波技術の基礎 インピーダンスZ 交流における抵抗で実数部R(resistance)と虚数部X(reactance)か らなる Z[Ω] = R + jX なお、コイルのリアクタンスはjX=jωL、 コンデンサのリアクタンスはjX=1/jωC Z jX 位相角 R アドミタンスY アドミタンスはインピーダンスの逆数で実数部G(conductance)と虚 数部B(susceptance)からなる Y [S] = G + jB なお、抵抗のコンダクタンスはG=1/R、コイルのサセプタンスは jB=1/jωL、コンデンサのサセプタンスはjB=jωC 2.高周波技術の基礎 位相 x(t) = sin(ωt) を中心として、z(t) = sin(ωt+θ) は 時間的に先行し、y(t) = sin(ωt-θ) は遅れている。 互いの位相差はθ 2.高周波技術の基礎 特性インピーダンス(Z0) 伝送路の入口からみると、ある一定の入力インピーダ ンスを持っているように見えるが、これを特性インピー ダンスと言う。 同軸ケーブルは50Ω系と75Ω系が広く使われている。 2.高周波技術の基礎 反射 特性インピーダンスZ0と負荷インピーダンスRLが合って いないと反射が起こる |反射係数Γ| = 反射波振幅Vr/進行波振幅Vs = |( Z0 - RL )/( Z0 + RL )| 定在波 進行波と反射波の干渉により線路に発生するうねり 電圧定在波比VSWR = Vmax/Vmin = (1+ |Γ| )/(1- |Γ|) 2.高周波技術の基礎 反射の様子 Γ=1 Γ=0.5 Γ=0.1 (「Radio Frequency Technology 」のHPから引用) 進行波 反射波 2.高周波技術の基礎 スミスチャート スミスチャートは、インピーダンスと反射係数と の関係を図表化したものでインピーダンスマッ チングが簡単にできる スミスチャートの種類 インピーダンスチャート アドミタンスチャート イミッタンスチャート (上記2つのチャートが描かれたもの、次頁図) なお、次頁以降のスミスチャートは 「Radio Frequency Technology 」のHPから引用 2.高周波技術の基礎 2.高周波技術の基礎 インピーダンスチャートの目盛り 横軸目盛:正規化純抵抗 円周目盛:正規化リアクタンス 及び反射係数の位相 半径の長さ:反射係数の絶対値 プロット例(50Ωで正規化) A:50+j50Ω B:f=159MHzにおいてR=25Ω とL=25nHの直列回路 C:f=159MHzにおいてR=100Ω とC=10pFの直列回路 2.高周波技術の基礎 アドミタンスチャートの目盛り 横軸目盛:正規化コンダクタンス 円周目盛:正規化サセプタンス 及び反射係数の位相 半径の長さ:反射係数の絶対値 プロット例 (50Ω(即ちY=20mS)で正規化) A:10+j10mS B:f=159MHzにおいてR=50Ω とL=50nHの並列回路 2.高周波技術の基礎 イミッタンスチャートによる直列回路→並列回路 B:f=159MHzにおいてR=50Ω とC=4pFの直列回路 ⇒z=1-j5 ⇒(図を読む) ⇒y=0.04+j0.19 ⇒Rp=1250ΩとCp=3.8pFの並列回路 (参考) 式で変換すると以下の様になる Rp = Rs(1+Q2) Cp = CsQ2 /(1+Q2) Lp = Ls(1+Q2) / Q2 ここにQ = ωLs/Rs = ωCsRs 2.高周波技術の基礎 スミスチャートによる反射係数 位相角度目盛:反射係数の位相 半径の長さ:反射係数の絶対値 0は反射なし、1は全反射 プロット例(50Ωで正規化) 50+j50Ωでの 反射係数は0.45∠63° 2.高周波技術の基礎 L,C,Rによるインピーダンスの移動
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