M-1224 CRC搭載ICP-MSによる塩酸・硫酸溶液中の微量金属元素分析

No. M-1224
CRC搭載ICP質量分析(ICP-MS)による
塩酸・硫酸溶液中の微量金属元素分析
1. 概 要
分析試料の分解・溶液化には各種酸 (硝酸、塩酸、硫酸、フッ化水素酸など) を用います。
ICP-MS分析において、塩酸や硫酸を用いた場合は Cl(塩素), S(硫黄)が干渉イオン種となり、微量分析が
困難になります。(表1、表2参照)
この度導入したCRC ※1搭載ICP-MS(Agilent7700x)では、H2ガスまたはHeガスを質量分離部の前段に設
けたセル内に充填することで、バックグランド上昇の要因である干渉イオン種 Cl(塩素), S(硫黄)等の制御
が可能となり、微量濃度まで定量が可能です。
※1 CRC : コリジョン・リアクションセル
表1. Cl(塩素)干渉代表例
2. 分析事例
5%塩酸溶液における検量線
51V
3. 応用事例
表2. S(硫黄)干渉代表例
52Cr
1%硫酸溶液における検量線
75As
48Ti
66Zn
定
量
不
可
定
量
可
能
試料の分解・溶液化に硫酸や塩酸を使用できる為、
以下の様な分析にも対応可能です。
試料の分解に硫酸を用いるケース
¾有機物サンプル(プラスチック類、油、ゴム等)に含まれるTi, Znの微量分析 定量下限目安:0.01 mg/kg ~
¾セラミックス(アルミナ, ジルコニア)に含まれるTi, Znの微量分析 定量下限目安:0.1 mg/kg ~
試料に硫化物イオン、硫酸イオンを含有しているケース
¾硫化物(鉱物系等)、硫酸塩(硫酸銅、硫酸コバルト等)に含まれるTi, Znの微量分析
定量下限目安:0.1 mg/kg ~
試料に塩素イオン、塩酸を含有しているケース
¾排水、海水中に含まれるV, Cr, As の微量分析 定量下限目安:0.01 μg/L ~
¾廃液、アルカリ系漂白剤中に含まれるV, Cr, Asの微量分析 定量下限目安:0.01 mg/L ~
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