T echnical News 0921213 ナノ~ミクロンオーダーの磁区構造がわかります 磁区構造を理解することは磁性材料や磁気デバイスを設計・開発するためには必要不可欠です。磁区構造を観察す る手法はさまざまですが、ここでは、走査型プローブ顕微鏡の1つである磁気力顕微鏡(MFM)を紹介します。MFMは分 解能が高く、サンプリングも容易です。さらに、加熱や真空など、環境を変化させた条件下での測定ができる特徴があり ます。 分析事例:ハードディスクのMFM観察 試料はパソコンから取り出したハードディスクで す。形状像〔図1〕からはテクスチャー構造と呼ば れるスジ状の凹凸構造が確認できました。MFM 像〔図2〕からは記録ビットが観察されました。 熱伝導性高 2μ m 0nm (高さ) 9nm 図1 ハードディスクの形状像 (6μ mスキャン) 2μ m -69° (位相) -71° 図2 ハードディスクのMFM像 (6μ mスキャン) 分析事例:市販ネオジム磁石のMFM観察 10μ m S極 (位相) N極 熱伝導性高 S極 (位相) 10μ m N極 図3 市販ネオジム磁石のMFM像 図4 市販ネオジム磁石のMFM像 磁化容易軸垂直(50μ mスキャン) 磁化容易軸平行(50μ mスキャン) 試料は市販のネオジム磁石(ホビー用)です。 事前に熱処理を施し、熱消磁状態にして観察 しました。磁化容易軸垂直面のMFM像〔図3〕か らは迷路模様の磁区構造が認められ、一部、 磁化容易軸方向からずれた結晶粒の存在が 確認できました(白矢印)。磁化容易軸平行面 のMFM像〔図4〕からはストライプ模様の磁区構 造が明瞭に観察できました。磁化容易軸平行 面のMFM像からは隣接結晶粒同士の磁気的 結合の様子がわかりました。 *磁化容易軸:結晶磁気異方性をもつ磁性 体において、磁化されやすい結晶方位のこと。 その他の応用 ・ネオジム磁石の熱消磁過程のその場観察(加熱状態での観察) ・磁気ヘッドなどの磁性材料 大阪府茨木市下穂積1-1-2 TEL 072-623-3381 東京営業所 名古屋営業所 大阪営業所 TEL 03-6631-1658 TEL 052-221-9198 TEL 072-623-3381 URL http://www.natc.co.jp E-mail [email protected]
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