統計データの活用 第3回:平均値の見方~分析事例① “平均値”にだまされない 永井 恵子 総務省統計局統計情報企画室 1 “平均値”は最も代表的な数値? 世帯の年間収入の平均値は648万円、 この金額は多いか、少ないか 年間収入階級別世帯分布(二人以上の世帯 20000 18000 標 準 級 間 隔 に お け る 世 帯 割 合 ( 十 万 分 比 ) 平成21年) 最頻値 中央値556万円 16000 14000 平均値648万円 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0 (標準級間隔100万円) 資料:全国消費実態調査(総務省) 2 “平均値”の見方 “平均値”とは 平均値は最も良く知られている代表値、特に算術平均がよく利用され る。 算術平均はn個の観測値を足し上げて個数(n)で割ったもの 平均値は、データの値の場所に同じ重さのおもりを置いたときに、ちょ うどつりあう場所、データの重心 平均値 平均値は、データバランスよく釣り合う位置を示す 3 代表値の特徴 三つの代表値の特徴 データが単峰性で分布が完全に左右対称の場合には、この三つの代表値 は完全に一致 左右対称ではなく、分布が右に歪んだ分布(右に裾が長い分布)では、 一般的に平均、中央値、最頻値の順に大きくなる。 一般に外れ値がある場合や歪んだ分布の場合には、分布の端の方の極端 な値の影響を受けないため、中央値で判断するほうが適切 代表値については、第2週で詳しく説明する。 4 今回はここまで おつかれさまでした 次回 第4回:M字カーブの改善効果~分析事例② 5
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