第2章 生前対策「養子縁組み」を検討する <養子縁組による相続税の軽減額> Q5. 養子縁組を行うことで、相続税がどのくらい軽減されることになりますか。 ポイント 第一次相続だけでなく、第二次相続まで含めて判定すると相当額相続税は軽減されます。 A5. 養子縁組を実行すると法定相続人一人当たり 1,000 万円の「遺産に係る基礎控除額」が増え ます。すなわち、相続税の非課税額が 1,000 万円拡大することになります。また、生命保険の非課 税枠も 500 万円増加することとなります。 さらに、相続税を計算する場合の各法定相続人の法定相続分が小さくなり、各人の取得金額が少な くなっていきます。相続税は累進税率になっていますので、その結果として適用される税率が下がっ ています。 たとえば、相続人が妻と子1人で遺産の総額が 10 億円の場合の相続税は 18,550 万円ですが、 養子縁組を行い子が 2 人となると、相続税は 16,650 万円になります。さらに、夫から 5 億円相続 した妻が続いて死亡したときの相続税は、妻固有の財産がないものと仮定すると、子 1 人の場合は 17,300 万円ですが、子 2 人のときは 13,800 万円となります。その結果、夫と妻の相続税の軽減 額合計は 5,400 万円となります。 養子縁組をすることにより、法定相続人が増えればいくら相続税が軽減されるかは以下の相続税早 見表」を参照して下さい。 【相続人が法定相続分により相続した場合の相続税額の早見表】 <妻と子で相続した場合の相続税額> 相続人 (単位:万円) 遺産の総額 3億円 4億円 5億円 7億円 10 億円 妻と子1人 2,900 4,900 6,900 11,050 18,550 妻と子2人 2,300 4,050 5,850 9,900 16,650 妻と子3人 1,999 3,524 5,274 8,824 15,574 <子のみで相続した場合の相続税額>(単位:万円) 相続人 遺産の総額 3億円 4億円 5億円 7億円 10 億円 子1人 7,900 12,300 17,300 27,300 42,300 子2人 5,800 9,800 13,800 22,100 37,100 子3人 4,499 7,699 11,700 19,699 31,899
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