国外転出時課税、未分割時の取扱いは?

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税務
国外転出時課税、未分割時の取扱いは ?
非居住者(相続人)の法定相続分に応じた準確定申告が必要に
相続人に非居住者がいるケースで、
国外転出(相続)時課税に係る準
確定申告の期限(4 月以内)まで
に有価証券等の取得者が決まって
この相続の場合の国外転出時課税制度の
適用関係に関し、実務家の間で疑問が生じ
ているのが、準確定申告の期限(相続開始
を知った日の翌日から 4 か月以内)まで
いない場合の取扱いに、実務家の
に、非居住者(相続人)が有価証券等を相
関心集まる。
続により取得するか否かが決まっていない
未分割である有価証券等は、非居
場合の取扱いだ。実際問題として、被相続
住者(相続人)の法定相続分に応
人が残した “ 多額な遺産 ” をめぐり、相続
じた部分が国外転出(相続)時課
人間における遺産分割協議が難航すること
税の適用対象に。
で、準確定申告の期限までにその有価証券
等を相続により取得する者が決まらない
今年 7 月 1 日から施行される国外転出時
(遺産分割協議が提出期限までに完了しな
課税制度は、1 億円以上の有価証券等を保
い)可能性が高いからだ。
有する一定の居住者が出国等する場合だけ
この点、本誌取材によると、準確定申告
でなく、1 億円以上の有価証券等を保有す
の期限までに有価証券等が未分割である場
る一定の居住者(被相続人)に相続(遺贈
合(非居住者が取得するか否かが決まって
も対象)が発生したことにより、その有価
いない場合)には、共有持分として、非居
証券等を非居住者が取得した場合にも適用
住者(相続人)の法定相続分で準確定申告
される(7 月 1 日以後の相続等から適用)。
を行うことが確認されている。たとえば、
このとき、被相続人が保有していた有価
国外転出時課税制度の適用対象となる被相
証券等に対し「みなし譲渡所得課税」(今
続人の相続人が「居住者」と「非居住者」
号 42 頁参照)が行われることになるが、
の 2 人のみのケースで、有価証券等が未分
所得税の確定申告手続きは相続人が行う。
割の場合には、非居住者の法定相続分が 2
具体的には、国外転出時課税制度の適用
分の 1 であるため、その未分割である有価
対象となる被相続人の相続人は、相続開始
証券等の 2 分の 1 に相当する部分が国外転
を知った日の翌日から 4 か月以内に、国外
出(相続)時課税の適用対象となる。
転出時課税の適用による所得を含めて被相
なお、このときの準確定申告は、非居住
続人の準確定申告を行う必要がある(所法
者だけでなく、居住者を含むすべての相続
60 の 3 ①~③、125 ①、129)。
人が共同で行うことになる。
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No.595 2015.5.25
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