ア リ セ プ ト 10 用 量 は 有 効 か

(3
9
2)
本
邦
で
施
行
さ
れ
た
ド
ネ
ペ
ジ
ル
高
用
量
投
与
の
治
低
下
が
顕
著
で
あ
り
、
ア
リ
セ
プ
ト
1
0
!
の
有
用
性
量
投
与
︶
が
認
可
さ
れ
た
。
こ
れ
は
、
軽
度
の
A
D
よ
に
対
し
て
も
ド
ネ
ペ
ジ
ル
1
0
!
の
投
与
︵
以
下
、
高
用
さ
れ
て
い
た
が
、
2
0
0
7
年
8
月
か
ら
高
度
の
A
D
て
ド
ネ
ペ
ジ
ル
︵
ア
リ
セ
プ
ト
︶
の
5
!
投
与
が
認
可
る 標 ル
。 に 高
ド 用
ネ 量
ペ 投
ジ 与
ル を
高 ど
用 の
量 段
投 階
与 で
を 行
行 う
う べ
べ き
き か
か 、
を 何
述 を
べ 指
病 度
︵ の 1
ア 9
ル 9
ツ 9
ハ 年
イ 11
マ 月
ー か
型 ら
認 、
、 知 本
以 症 邦
下 ・ で
、 ア も
A ル 軽
D ツ 度
︶ ハ か
に イ ら
限 マ 中
っ ー 等
Alzheimer’s disease
性 験
が で
認 は
め 、
ら 高
れ1)度
、 の
有 A
効 D
性 に
は 対
用 し
量 て
依 ド
存 ネ
性 ペ
で ジ
あ ル
る の
こ 有
と 効
の
低
下
を
改
善
す
る
に
は
よ
り
高
用
量
の
ド
ネ
ペ
り
高
度
の
A
D
に
お
い
て
Ach
ジ
ル
が
必
要
と
さ
れ
る
こ
と
か
ら
、
高
度
の
A
D
に
お
Ach
い
て
高
用
量
の
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
投
与
が
必
要
で
あ
る
と
ル
高
用
量
投
与
の
有
用
性
を
述
べ
た
後
に
、
ド
ネ
ペ
ジ
プ
ト
1
0
!
用
量
は
有
効
か
﹂
で
あ
る
た
め
、
ド
ネ
ペ
ジ
今
回
、
筆
者
ら
に
与
え
ら
れ
た
テ
ー
マ
は
﹁
ア
リ
セ
は
じ
め
に
判
断
さ
れ
て
い
る
か
ら
で
あ
る
。
ア
リ
セ
プ
ト
1
0
!
用
量
は
有
効
か
治
療
小堀
西
公宏
子治
*
CLINICIAN ’10 NO. 588
30
ら
ず
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
高
用
量
投
与
を
推
奨
し
て
い
る
。
と
と
合
わ
せ
て
、
本
邦
で
も
A
D
の
重
症
度
に
か
か
わ
で
は
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
1
0
!
投
与
が
認
め
ら
れ
て
い
る
こ
D
の
ど
の
段
階
で
も
効
果
が
あ
る
こ
と
を
示
し
、
欧
米
こ
の
結
果
、
彼
ら
は
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
高
用
量
投
与
は
A
の M
低 S
下 E
が ︶
認 に
め 変
ら 化
れ が
な 認
か め
っ ら
た れ
︶ な
こ か
と っ
を た
報 ︵
告 認
し3)知
た4)機
。 能
重
度
の
ど
の
段
階
に
お
い
て
も
認
知
機
能
の
得
点
︵
M
を
重
症
度
毎
に
分
類
し
解
析
す
る
と
、
軽
度
、
中
等
度
、
ジ
ル
の
高
用
量
投
与
が
よ
り
有
効
を
示
す
こ
と
が
報
告
D
で
は
な
く
、
む
し
ろ
軽
度
の
A
D
に
対
し
て
ド
ネ
ペ
い に
る5)限
よ っ
う て
に 許
、 可
介 さ
護 れ
度 て
、 い
認 る
知 が
機 、
能 野
か 澤
ら ら
み も
た 報
重 告
度 し
A て
致
す
る
。
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
高
用
量
投
与
は
高
度
の
A
D
こ
れ
は
認
知
機
能
の
観
点
か
ら
み
た
重
症
度
と
ほ
ぼ
一
要
な
軽
度
、
A
D
L
に
一
部
介
護
が
必
要
な
中
等
度
、
A
D
L
︶
の
介
護
度
か
ら
み
て
、
監
視
、
見
守
り
が
必
31
A
D
L
に
全
介
護
が
必
要
な
重
症
に
分
類
さ
れ
る
が
、
CLINICIAN ’10 NO. 588
し
た
と
こ
ろ
、
7
症
例
が
脱
落
し
た
。
残
り
の
5
0
症
例
半
年
後
の
M
M
S
E
に
よ
る
認
知
機
能
の
低
下
を
測
定
認
知
症
の
重
症
度
は
通
常
、
日
常
生
活
動
作
︵
以
下
、
ド
ネ
ペ
ジ
ル
高
用
量
投
与
ど を
の
段
階
で
行
う
べ
き
か
例
の
A
D
に
対
し
て
ド
ネ
ペ
ジ
ル
高
用
量
投
与
を
行
い
、
の
5
!
投
与
で
経
過
し
て
い
る
様
々
な
重
症
度
の
5
7
症
効 ペ
性 ジ
が ル
示 の
さ 高
れ 用
た2)量
。 の
早
期
投
与
お
よ
び
継
続
投
与
の
有
の
臨
床
研
究
を
精
力
的
に
行
い
、
彼
ら
は
ド
ネ
ペ
ジ
ル
野
澤
ら
が
A
D
に
対
す
る
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
高
用
量
投
与
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
高
用
量
投
与
が
認
可
さ
れ
た
以
降
、
す
る
答
え
は
有
効
で
あ
る
と
な
る
。
わ
ち
﹁
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
高
用
量
投
与
は
有
効
か
﹂
に
対
る5)果 し
以 。 は か
軽 も
上
度 、
の
の 彼
結
段 ら
果
階 は
か
で ド
ら
最 ネ
、
も ペ
本
よ ジ
演
く ル
題
現 の
に
れ 10
対
る !
す
と 投
る
記 与
回
述 に
答
し よ
、
て る
す
い 効
な
が
示
さ
れ
た
。
ま
た
、
そ
の
後
の
継
続
治
験
で
も
ド
ネ
(3
9
3)
状
の
障
害
が
!
重
度
"
で
あ
れ
ば
、
!
高
度
の
A
D
"
知
機
能
か
ら
み
る
と
軽
度
で
あ
っ
て
も
、
こ
う
し
た
症
応 考
拡 え
大 る
を べ
期 き
待 で
し あ
て ろ
い う
る6)。
が 福
、 井
A は
D 軽
L 度
の や
介 中
護 等
度 度
や の
認 適
(3
9
4)
低
下
し
て
い
る
症
例
︵
が
選
択
的
に
障
害
さ
段
階
で
、
よ
り
的
確
に
ア
セ
チ
ル
コ
リ
ン
が
限
定
的
に
え
て
よ
い
。
裏
か
ら
言
え
ば
、
A
D
が
比
較
的
軽
度
の
度
に
障
害
さ
れ
て
い
る
と
き
に
、
!
高
度
の
A
D
"
と
注
意
・
作
業
記
憶
・
実
行
機
能
の
領
域
が
特
異
的
に
高
改 性
善 ︶
が な
認 ど
め の
ら 注
れ 意
た ・
こ 作
と 業
を 記
報 憶
告 ・
し 実
て 行
い 機
る6)能
。 の
つ 領
ま 域
り に
、
さ
れ
て
い
る
と
き
に
最
大
限
の
効
果
を
発
揮
す
る
と
考
は
A
D
に
よ
る
神
経
細
胞
の
変
性
が
さ
れ
て
い
る
と
考
え
て
よ
い
。
つ
ま
り
、
ド
ネ
に ペ
限 ジ
定 ル
反
応
性
・
覚
醒
度
、
自
発
性
・
積
極
性
、
脈
絡
︵
連
続
に
増
量
す
る
こ
と
に
よ
り
、
周
囲
へ
の
注
意
・
関
心
、
胞 ル る
︵ コ こ
リ と
ン で
を あ
伝 る
達 。
物 し
資 た
と が
。 し っ
以 て て
下 使 、
、 用 そ
し の
て 作
い 用
︶ る は
に 神 ア
限 経 セ
局 細 チ
シ
ナ
プ
ス
内
の
有
効
ア
セ
チ
ル
コ
リ
ン
量
を
増
加
さ
せ
セ
チ
ル
コ
リ
ン
エ
ス
テ
ラ
ー
ゼ
を
選
択
的
に
阻
害
し
て
、
く
、
ア
セ
チ
ル
コ
リ
ン
の
代
謝
酵
素
の
一
つ
で
あ
る
ア
#
通
常
見
落
と
さ
れ
て
い
る
症
状
を
指
標
に
ド
ネ
ペ
ジ
正
常
と
の
境
界
段
階
で
︶
比
較
的
高
頻
度
に
出
現
し
、
し
て
い
る
症
状
で
、
"
A
D
の
初
期
か
ら
︵
な
い
し
は
選
択
す
る
た
め
に
、
!
こ
の
点
に
関
し
て
、
福
井
は
ド
ネ
ペ
ジ
ル
を
高
用
量
ル
の
高
用
量
投
与
を
行
う
べ
き
も
の
と
考
え
る
。
Ach
れ
て
い
る
症
例
︶
を
選
択
し
、
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
高
用
量
pre-SN
投
与
を
行
う
必
要
が
あ
る
と
考
え
た
。
こ
の
こ
と
か
ら
、
pre synaptic neuron
わ
れ
わ
れ
は
ア
セ
チ
ル
コ
リ
ン
の
低
下
が
選
択
的
に
pre-SN
と
判
断
す
べ
き
と
考
え
る
。
!
重
度
に
"
低
下
し
て
い
る
場
合
を
!
高
度
の
A
D
"
pre-SN
と
提
唱
し
た
い
。
の
低
下
と
特
異
的
に
関
係
ま
た
、
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
薬
理
作
用
は
言
う
ま
で
も
な
に
"
低
下
し
て
い
る
!
高
度
の
A
D
"
を
よ
り
的
確
に
CLINICIAN ’10 NO. 588
さ
れ
て
い
る6)
。
こ
の
ア
セ
チ
ル
コ
リ
ン
の
低
下
が
選
択
的
に
!
重
度
32
pre-SN
メ
ン
タ
ル
ケ
ア
セ
ン
タ
ー
薬
剤
部
︶
准
教
授
︶
Honma, A., et al. : Donepezil treatments with severe
Alzheimer’s disease in a Japanese populations : results
from a 24-week, double-blind, placebo-controlled,
randomized trial. Dement. Geriatr. Cog. Disord., 25, 399
407(2008)
Honma, A., et al. : Long-term safety and efficacy of
Donepezil in patients with severe Alzheimer’s disease :
results from a 52-week, opne-label, multicenter,
extension study in japan. Dement. Geriatr. Cog. Disord.,
27, 232 239(2009)
:
1)文
献
2)
∼
donepezil
Nozawa, M., et al. : Clinical effects of high dose of
donepezil for patients with Alzheimer’s disease in Japan.
Psychogeriatrics, 9, 50 55(2009)
:
donepezil
:
(3
9
5)
CLINICIAN ’10 NO. 588
33
に
限
局
し
て
い
る
場
合
、
す
な
わ
*
︵
東
京
都
立
東
部
療
育
セ
ン
タ
ー
3)
4)
野
8
0
澤
︵
宗
2
央 ∼
0 の ら
0 治
8 療 ア
︶
効 ル
果 ツ
、 ハ
精 イ
神 マ
医 ー
学 病
、 に
5
0お
、
9 け
7 る
5 高
∼ 用
9 量
6)
5)
0福 1
野
︵1
#
井 1
増
澤
刊 増 俊 4
宗
号 量 哉 7
央
∼ の ら
︶
、 に
1
1 て ド 1
年 ア
2 得 ネ 1
間 ル
3 ら ペ 5
の ツ
∼ れ ジ 4
治 ハ ∼
1 る ル ︵
2
増
も
療 イ
2
効
7 の 量 0
0
時
は
果 マ
︵
9
に
?
、 ー
2
期 ︶ 精 病
0
神 に
0 老 待
9 年 す
医 お
る
精
︶
学 け
神 治
、 る
医 療
5
1高
誌 効
︵ 用
、 果
1
2量
2
0、
︶
、
ド
ネ わ
ペ れ
ジ わ
ル れ
の も
高 自
用 発
量 性
投 低
与 下
を ︵
報 ア
告 パ
し シ
て ー
い ︶
る7)を
が 指
、 標
実 に
、
際
的
に
は
ド
ネ
ペ
ジ
ル
5
#
の
通
常
量
投
与
を
行
っ
て
も
、
こ
う
し
た
注
意
、
覚
醒
度
、
集
中
・
積
極
性
、
ア
パ
シ
ー
な
ど
の
症
状
が
残
存
し
て
い
る
と
き
に
、
!
高
度
の
A
D
"
と
し
て
ド
ネ
ペ
ジ
ル
の
高
用
量
投
与
を
行
う
べ
き
と
考
え
る
。
ド ま
ネ と
ペ め
ジ
ル
は
高
度
の
A
D
に
認
可
さ
れ
て
い
る
が
、
!
高
度
の
A
D
"
を
A
D
L
や
認
知
機
能
や
指
標
に
よ
っ
て
決
定
す
る
の
で
は
な
く
、
A
D
に
よ
る
神
経
細
胞
の
変
性
が
ち
ア
セ
チ
ル
コ
リ
ン
の
限
局
性
低
下
を
示
す
症
状
を
指
標
に
判
断
す
べ
き
も
の
と
考
え
る
。
︵
昭
和
大
学
横
浜
市
北
部
病
院
(3
9
6)
CLINICIAN ’10 NO. 588
7)
堀
宏
治
ら
:
治 の
療 高
学 用
、 量
2
5投
、 与
印 の
刷 適
中 応
︵ 、
2 ア
0 パ
1 シ
0 ー
︶ の
観
点
か
ら
、
精
神
科
ア
ル
ツ
ハ
イ
マ
ー
病
に
対
す
る
抗
認
知
症
薬
34