常滑市幼・保育園の再編等計画 ~子どもたちの健やかな成長を目指して

常滑市幼・保育園の再編等計画
~子どもたちの健やかな成長を目指して~
常滑市幼・保育園の再編等計画とは
行財政改革を機会として、時代の変化や実態に合った改革、改善を併せて行うこと
を目的とし、幼稚園と保育園についても、少子化が進み園児数の減少と、時代や環境
の変化に対応していく必要があるため「常滑市幼・保育園の再編等計画」をとりまと
めました。
幼・保育園の再編等計画(平成21年12月発表)
基本的な考え方
(1)適正規模
子どもが心身ともに豊かでたくましく成長するための集団での育ちが確保でき
る園児数「原則60人程度以上/1年齢20人程度以上」を1園の適正な規模と
考えます。
(2)適正配置
幼稚園については、北部及び中部に1園ずつ配置し、将来需要が高まれば、南
部に民間の幼稚園又は認定こども園を誘致します。
保育園については、小学校区に必ず1園以上を、地理的な条件や通園距離(お
おむね半径2キロメートル)に配慮して配置します。集約化によって園の位置に
地理的な偏りができた場合、中間点への設置を考えます。
(3)園の集約化
上記の適正規模、適正配置について考慮するとともに、園児1人当たりの経費
の平準化を図る意味からも、現在の状況を見直し、子どもたちのためのよりよい
環境づくりや幼・保育サービスの拡充を図るために、園を集約化(再編)します。
また、この集約化による待機児童は、出さないようにします。
(4)特別保育の拡充
多様化する保育ニーズに対応するため、特別保育(低年齢児保育、早延長保育、
一時保育等)の拡充を図ります。
(5)民間活力の導入
公設公営と同レベルを保つことを条件に民間活力の導入を図ります。特に、集
約化による中間点への民間施設の誘致は早期に取り組みます。また、今後のニュ
ータウン等の新たな需要や多様化するニーズに対しても、民間施設の誘致を図り
ます。その選定にあたっては、魅力ある教育方針やサービスに特色を持った民間
事業者を選定します。
(6)保育料
特別保育を充実させるため、近隣市町の水準を上回らない程度の見直しをしま
す。
また、私立幼稚園に就園する園児の保護者の経済的負担を軽減し、公立・私立
幼稚園間における保護者負担の格差の是正を図るため「私立幼稚園就園奨励費補
助制度」を早期に導入します。
(7)施設
老朽化した施設の改修、園舎の耐震化工事を早急に実施し、駐車場の確保に努
めます。
(8)進め方の視点
ア 地域や保護者へ積極的な情報提供に努め、地域の実情に配慮しながら進め
ます。
イ 認定こども園について調査研究を進めます。
ウ 幼保の一元化を円滑に推進し、組織の一元化を図ります。
エ 閉鎖後の施設の有効利用について、地域と協議します。
オ 児童育成クラブ(学童保育)など、子育て支援策のさらなる充実を図りま
す。
カ 国及び地域の動向を注視しながら、「整備計画案」の継続的な見直しをし
ます。
(9)実施時期
「(7)施設」については早急に実施し、その他の項目については、地域や保
護者との対話を進め、平成22年度から段階的に実施します。
常滑市幼・保育園の再編等計画(案)の意見募集結果
・ 常滑市幼・保育園再編等計画(案)について、意見募集の結果がまとまりました
ので公表します。
意見募集の結果の概要
1意見提出数:35 人
2意見件数:78 件
<意見の概要と市の考え方>
意
見
の
概
要
園児数の適正規模を1年齢 20 人程度以上
市
の
考
え
方
園児数の 1 年齢 20 人程度は、新規に保育
としているが、これ以下の場合に好ましくな 園を開設する場合の認可基準によったもの
い事象を具体的に列挙してください。
ですが、集団での育ちを確保でき、効果・効
率的な園運営ができる園児数としてとらえ
ています。
この計画案は、市の財政難、園舎の老朽化、
長期的ビジョンとして民間との協働を進
地域ごとの園児数の格差に基づいて再編計画 めるとともに、市の幼・保育園の歴史をつな
を立てた対処療法的なものに過ぎない。幼児 ぐものとして認定こども園を開設し、保育・
教育の魅力を生かし、各園の園児数をいかに 教育・子育て支援を一体とした将来のあり方
増やすか、地域の人口をいかに増やすか、い をこの計画(案)の中に描いています。魅力
かに市全体の魅力を高めるかなどについてし あるまちづくりや人口増加策などについて
っかりと議論し、長期的なビジョン・戦略を は、市総合計画などに基づき、市民の皆さん
構築した上で計画を検討していくことが必要 とともに考えていきます。
です。
この再編計画は、市の財政難を改善するた
この再編等計画(案)は、少子高齢化の流
め行政主導で推進しています。園児数 60 人以 れの中で、子どもたちの健やかな成長を目指
上の基準も、少人数のときにできていた保育 すことを主眼として、集団での育ちの確保、
士の気配り、目配りなどができるか疑問です。 特別保育の充実、築 30 年を超える園舎の老
本当に子どものことを第一に考えているの 朽化の対応および厳しい財政状況を踏まえ、
か。経費削減が先にあるように思えます。
策定しました。再編後についても、国の配置
基準にのっとり適正な保育士配置を行って
いきます。
この計画についての意見を聞くために、市
会議録などにはすべて目を通し、市民の意
長自ら保育園などへ出向き、保護者や地域の 見の把握に努めています。今後において、必
生の声を直接聞くべきだと思います。
要の都度機会を設け、説明会などに出向くこ
とにしています。
この計画は財政負担の軽減が目的となって
いるが、具体的に示してください。
再編による効果額の試算は、年間約 1 億
1,000 万円です。
市はこの再編等計画案を実行に移す前に、
職員の給料の削減も含め、すべての事業の
行政改革によりもっとほかに削るべき事項が 見直しを行っており、この再編等計画(案)
あると思います。それらを実施した後でなけ も重要な行政改革の一つとして位置づけて
れば、納得できません。
「子どもたちの健やかな成長を目指して」と
います。
大変厳しい財政状況の中、財政難を克服す
の大義名分の下に本計画案が進められていま ることは、市全体の行財政改革の中の最重要
す。市の財政難が理由としてあるならば、そ 課題であり、情報公開にも努めているところ
のことを前面に打ち出し、市民全体の問題と です。今後、このことも合わせ説明していき
してとらえるべきです。
計画の進め方の視点に「地域の実情に配慮
ます。
地元住民の意見を聞き、理解が得られるよ
しながら進めます」とあるが、住民の意見が う対話を重ねながら進めます。
聞き入れられない地区が多いようです。まず、
地元住民の意見を聞き、住民の納得が得られ
るよう対話を進めるべきだと思います。
認定こども園及び民間委託については各地
認定こども園については、保育士や職員が
で問題提起され、物議をかもしているにもか 視察などの研究を重ねています。また、国も
かわらず、その事例の検証と十分な検討のな 子育て支援策の目玉として、認定基準の緩和
いまま計画に盛り込むことは、将来の子育て や手続きの簡素化など課題解決に取り組み
環境にとって危険です。
始めています。民間活力の導入については、
公と民が役割分担を果たしながら、より良い
保育を目指すという相乗効果を期待して、今
後も十分な検討・検証を行い、進めていきま
す。
園舎の耐震工事の実施が平成 23~24 年度
耐震診断や工事設計などの準備期間が必
では遅すぎると思います。子どもたちの命に 要となりますので、最短でも工事の施工は平
かかわることですから、最優先で実施すべき 成 23 年度になります。
です。
いずれ閉鎖する三和南保育園で、特別保育
三和地区の中間点での民間の認定こども
や一時保育を実施することに疑問を持ちま 園の開設は、一定の園児数が見込めないと困
す。認定こども園を先に開園してから、三和 難です。今後、園児数の増加が見込めるまで
東幼稚園や三和南保育園を閉鎖することは不 の間は、三和南保育園での保育の充実を図っ
可能ですか。閉鎖ありきで計画を進めるので ていきます。
はなく、子育て支援活動などに利用できる施
設に転用する方策もあると思います。
北汐見坂地区は住民が急増しており、この
検討の結果、北汐見坂の学区は平成 18 年
計画案に伴い将来的には学校区の変更もあり 1 月の地元合意のとおり、小学校は鬼崎北小
うると聞きました。情報が不確定でとても不 学校、中学校は鬼崎中学校の方針とします。
安です。
保育園の適正配置の条件として「通園距離
坂井地区は小鈴谷北保育園の半径 2km 内
(おおむね半径2㎞)に配慮して」とあるが、 に納まりきらないため、今後協議していきた
小鈴谷南保育園が閉鎖された場合、坂井地区 いと考えています。
の通園距離は約4㎞となります。これは基準
を大幅に逸脱しており、対象外だと思います。