■ 盆踊り うた つ ぼん く ど ~ 謡い継がれる盆口説き ~ 野島のお盆はにぎやかです。久しぶりに家族や親せき、幼なじみにも会えます。いつもは百 五〇人の島の人口が何倍にもふくれあがります。漁港に面した広場は、草も刈られ、やぐらも “ 組まれ、盆踊りが始まるのを待っています。あたりが暗くなる頃には、盆踊りが始まります。 はやし声を頼まぁ “あ~あぁ音頭をちょいというてみましょ 音頭出したが 一年の間になくなられた方をしのんで、何重にもなる円をつくり、 “よ~いやさぁ~、よ~いやなぁ~” ぼん く ど しめ だ い こ と、合いの手を入れながら、延々と夜通し踊り続けます。 うた このとき、 謡われるのが、 盆口説きです。 締太鼓の音に合わせて、音頭を口説きます。 その口説きが野島に伝わったのは、安土桃山時代と言われ、今でも、お盆だけではなく、運動会や文化祭など、島の 人が多く集まるところで謡い踊られているのです。なぜ、盆口説きはこんなに長く謡い継がれているのでしょう。 (幼いものこそ、かわいがってやりなさい) ここで、いくつかある盆口説きの中のひとつ「いろは口説き」の始めの一部を見てみましょう。 「 い」 幼 ( い と け な ) き を ば 愛 ( あ い ) し て 通 ( と お ) れ 「ろ」 老(ろう)は敬(うやま)い無礼(ぶれい)をするな(お年寄りは敬い、失礼なことをしてはいけません) 「は」 腹(はら)がたつとも過言(かごん)は言(い)うな(たとえ、腹が立っても、言い過ぎてはいけません) (たとえ、ほめられたとしても、いばってはいけません ) 「に」 憎( に く )い 仇( か た き )は 生( い )か し て置( お )き ゃ れ( 憎 ら しい と 思っ て も 、い い と ころ を 認 め な さい ) 「ほ」 誉(ほ)められるとも高慢(こうまん)するな 野島小中学校の児童生徒も、毎年「野島盆踊り保存会」の方に盆踊りを教えていただき、 運 動 会 や 文 化 祭 で 地 域 の 方 と い っ し ょ に 楽 し く 踊 っ て い ま す 。い つ も 踊 り な が ら 聞 い て い る 「盆口説き」ですが、ことばの意味などあまり考えたことはありませんでした。 そこで、昔の言葉がつかわれていて、少しむずかしいのですが、歌詞の意味や昔の盆踊り の様子などを詳しく知りたくなり、みんなで調べてみることにしました。 昨 年 度 は 、「 野 島 盆 踊 り 保 存 会 」 の 方 に お 願 い し て 、 お 話 を 聞 か せ て い た だ き ま し た 。 昔 の 島の 暮 ら し の 様子 、子 ど も の 頃 の お盆 や 正月 の 時 の 楽 しか っ た 思 い 出 、盆 口説 き にか け る 島 の 方 々 の 気 持 ち 、「 い ろ は 口 説 き 」 の 歌 詞 の 意 味 な ど 、 た く さ ん の 事 を 聞 い た り 、 調 べ た りしました。今年度は、昨年度の映像を見ながら、盆口説きについての学習を進めました。 お話の中で、特に心に残ったのは、昔の人は、みんなでいっし ょに生活していくために、大切な心がまえやきまりを「盆口説 き」にして、大人から子どもや孫に伝えていたということでした。 調 べた こ と の 中 から「 い ろ は 口 説 き 」を 取 り上 げ 、カ ル タ に して ま と め ま した 。完 成し た カルタをお互いに見せ合い、わかったことや感想をみんなで発表しあいました。また、文化 祭や参観日に地域の方やお家の方にも見ていただきました。 野島に伝わる大切な文化である「盆口説き」がいつまでも残ってほしいと思いました。 ■問い1 みんなが気持ちよく、いっしょに生活するにはどんなことが大切でしょう。 「いろは口説き」の意味を読んで、どんなことを感じましたか。 資料提供「野島盆口説き保存会」 ■問い2
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