現代の金融入門 ~ミス・プライスの持続~ 2010/4/30 新井 廉 1 投資家とHFのファンドマネージャーの例 バブルはバブルと分かっていても止められない 委託者と受託者が別の主体である リスクテイク 運用に成功 運用に失敗 場合、必ずしも互いの利益が一致し が合理的にも ないという問題。 インセンティブの歪み 有限責任制 市場価格がファンダメンタルから乖離してると 利益に比例 損失の負担 損失のかなりの がファンダメンタルより 認識されているにもかかわらず、 した報酬 は限定的 部分を投資家に も割高の資産購入でも 乖離が是正されず一定期間持続し得る 転化できる 損失にならない 原因は? 2 裁定行動の限界 ミス・プライスが解消さ ファンドマネー 業績システムで処理が困難な 裁定行動によって、市場価格とファ ファンドマネー れるまで持ちこたえれ ジャーや投資銀行 テイル・リスクをとり、業績を装 の経営者は業績に ンダメンタルは一致するのでは? ジャーは単年度ごと ば利益があがるポジ い多くの報酬を得ようとした 応じて報酬が決まる このようなマーケットではエ に運用成果を報告 ションの獲得が困難に イジェンシー問題に根ざし それによりポジション たかたちでミス・プライスが テイル・リスクでの収入増加は、かなりの部分 運用マネージャーは空売り を解消されることも を将来のリスクに備えなければならない。しか 持続し得る。 を無制限にできない 群衆行動に し、一部のHFのファンドマネージャーはテイ ル・リスクをとることの収入の増加をすべて利 3 益であると装った。 非伝統的な金融政策 金融政策とは 非伝統的な金融政策 オペにより名目利子率を操作し、それにより リスク・プレミアムの縮小 日本では一部の論者に ゼロ金利の後に、ハイパ 実質利子率と自然利子率の間のギャップ ②リスク資産の買入れ ③極端なインフレ目標 ①量的緩和政策を目指し、民間の調達金 よって求められたが、 ワード・マネーのうち準備 利を下げるために資産の そもそも予想インフレ率は 預金の量的拡大を目指す 買入れを行う 中央銀行が操作できるも 日本・米のバブル崩壊による深刻な経済 のはなく、その方法もない 効果は不確かで 結果として、量的 の低迷で、利子率コントロールだけでは対 FRBは日本の経 緩和政策になっ 処しきれない・・・ 験から効果がない ているが、信用緩 と判断している 和政策とされる ②リスク資産の買入れ ③極端なインフレ目標 4 5
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