反応熱とヘスの法則 分子をバラバラにするのは大変 中学校の理科第一分野で、水素はなぜH2で表すのか不思議に 思った人もいるだろう?なぜ2Hではないのだろう? H H H2 ? H H 2H 実は、水素は単独で存在するよりも、2個つながっていた方が 楽なのである。 (一人暮らしよりも、家族と暮らしていた方が楽でしょ?) どのぐらい楽なのかというと・・・ H H 2H 一人暮らしになると432円 余計にかかる。 1molにつき 水素1molが自立する のに432kJ必要! 432kJ H H 家族と一緒にいれば、生活費 0円 432円の節約! H2 式で表すと・・・ H H 2H 1molにつき H2+432kJ=2H 432kJ H2=2H-432kJ H H H2 どうして苦労してまで自立しなければいけないのか? 自立しなければ結婚(化合)できないからである! 例えば、水素が酸素と結合(結婚)するには、お互いが 結合を切る(自立する)必要があるのだ。 H H O H O H H H H H O O H H H H O O 反応熱 水素と塩素を反応させて塩化水素を作る場合を考えてみよう! H2 + Cl2 → 2HCl Cl H H Cl H Cl Cl H +185kJ 黒字決算 185kJ黒字! H H 432kJ 合計671kJ払ってバラバラに Cl Cl 239kJ Cl H 428kJ 合計856kJ節約して結合 H Cl 428kJ この反応をエネルギーの視点から見てみると・・・ H ギエ ーネ ル H Cl Cl 432kJ + 計671kJ 239kJ 428kJ×2 =856kJ H H Cl Cl 水素と塩素を反応させ たときの差額 =発熱 H Cl H Cl 化学反応でなぜ熱がでたり熱を吸収したりするかというと、 結合エネルギーの和が反応物と生成物とでは異なるからであ る! エネルギーの差は熱として出入りするわけである。 H2 + Cl2 = 2HCl +185kJ 水素1molと塩素1molが反応して塩化水素が2molできるとき、 185kJの熱が生じる!(水素1molと塩素1molの反応熱) また、塩化水素1molを作るために必要な熱は185÷2≒93kJな ので、この93kJを塩化水素の生成熱という! C + O2 = CO2 + 394kJ O O O C CO + 1 2 C O O2 = CO2 + 283kJ C +1 O2 = CO + 111kJ 2 C C O O O C O O O 化学反応において、出入りする熱は、最初の状態と最後の 状態で決まり、経路によらない! ヘスの法則という! これを 田端 上野 新宿 秋葉原 C ギエ ーネ ル O O 111kJ CO O 394kJ 283kJ OCO 問題 下の表は、結合エネルギーを示したものである。この 表を用いて、次の各問に答えよ。 (1)アンモニアの生成 熱は何kJ/molか。 結 合 H-H 結合エネルギー(kJ/mol) 432 O=O 498 O-H 463 N≡N 942 N-H 388 (2)水素と酸素を1molずつ完全に反応させると1molの過酸 化水素が発生する。この反応は発熱反応で生成熱は188 kJ/molである。過酸化水素のO-Oの結合エネルギーは 何kJ/molか? (1)アンモニアの生成熱は何kJ/molか。 水素と窒素をバラ バラにしたときの熱 化学方程式をか く! H H2 N≡N 942 H = 2H ー 432kJ N N2 結合エネルギー(kJ/mol) 432 H H N 結 合 H-H N N = 2N ー 942kJ アンモニアをバラバラにしたときの式も書いてみる。 結 合 N-H 結合エネルギー(kJ/mol) 388 H H N H N H H H NH3 = 3H+Nー388kJ×3 NH3 = 3H+Nー1164kJ H2 = 2H - 432kJ・・・① N2 = 2N - 942kJ・・・② NH3 = 3H+N-1164kJ・・・③ ①×3-③×2 3H2 = 6H - 1296kJ -) 2NH3 = 6H+2N-2328kJ 3H2-2NH3=-2N+1032kJ・・・④ ④+② 3H2-2NH3=-2N+1032kJ N2 = 2N -942kJ +) 3H2-2NH3+N2= 90kJ 3H2-2NH3+N2=90kJ 3H2+N2 = 2NH3 + 90kJ アンモニア2mol作るのに90kJなので、両辺を2で割り 3 1 H2+ N2 = NH3 + 45kJ 2 2 よってアンモニアの生成熱は 45kJ/mol
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