遷移元素とその化合物

遷移元素とその化合物
1.
遷移元素 周期表の3~11族の元素
(1) 特徴および性質
① 最外殻電子数は( 1~2 )個
② すべて金属元素で、熱・電気の( 良導体 )
、密度が大きく( 重 )金属
③ 典型元素に比べて融点が(
④ 共通に酸化数(
(
高い )
)の化合物を形成するほか、いくつかの酸化数をとることができるので、
酸化 )剤・( 還元 )剤に用いられることが多い
⑤ 化合物やその溶液には( 有 )色のものが多い
⑥ 触媒として用いられる
⑦ 錯イオンを形成するものが多い
2.
鉄
Fe
性質:① ( 銀白 )色の金属で融点は( 高い
)
② 酸化数は、
( +2 )または( +3 )をとる
③ 酸と反応して ( 水素 )を発生する
Fe + H2SO4 → FeSO4 +
Fe + 2HCl
H2
→ FeCl2 + H2
④ 湿った空気中で( 酸化 )
赤さび( 赤鉄鉱 )
:Fe2O3(3価)・顔料(ベンガラ)になる。
黒さび( 磁鉄鉱 ):Fe3O4(2価、3価)
⑤
合金を作る。ステンレス(鉄にクロムとニッケルを混ぜて作る)
製法:① 赤鉄鉱(Fe2O3)
、磁鉄鉱(Fe3O4)
、褐鉄鉱(FeO(OH)・nH2O
として存在。
又はFe2O3・nH2O)
*褐鉄鉱(水酸化第二鉄を主成分とする不純な混合物の総称)*
② 鉄鉱石が一酸化炭素で還元されることによって製造(教科書 P181 図22)
鉄鉱石、石灰石、コークスの混合物を溶鉱炉に入れて下部より熱を送り燃焼させる。
(a)一酸化炭素の生成
石灰石の熱分解や、コークスの燃焼によって生じた二酸化炭素が高温のコークスにより
一酸化炭素に変化する。
(CaCO3→CaO+CO2) (C+O2→CO2) (C+CO2→2CO)
(b)一酸化炭素による鉄鉱石の還元
3Fe2O3+CO→2Fe3O4+CO2
①
Fe3O4+CO→3FeO+CO2
②
FeO+CO→Fe(銑鉄)+CO2
③
* ①+②×2+③×6より、 Fe2O3+3CO→2Fe(銑鉄)+3CO2
不純物SiO2などは( スラグ )と呼ばれるケイ酸カルシウムになって分離
④
*
こう
銑鉄は炭素を多量(3.5%)含むので、転炉に入れて酸素を吹き込み炭素含有量の低い( 鋼 )にする。
<その他の化合物>
(a)硫酸鉄(Ⅱ)
( FeSO4 )
(
淡緑色の結晶で水に( 可溶 )
風解 )性→表面が酸化されて褐色。還元剤として利用( Fe2+ →
Fe3+ )
[鉄(Ⅱ)(第一鉄)の硫酸塩で風解性があり、空気中で鉄(Ⅲ)に酸化されやすく、
表面が白っぽい黄色~褐色になる]*Fe(OH)3は、水に不溶
(b)硫化鉄(Ⅱ)( FeS )
:黒色、水に溶けない。
鉄イオンの反応のまとめ
Fe2+ (淡緑色)
OH-
Fe(OH)2 緑白色沈殿
[Fe(CN)6]4-
3-
[Fe(CN)6]
Fe3+ (黄褐色)
水酸化鉄(Ⅱ) Fe(OH)3 赤褐色沈殿
青白色沈殿
濃青色沈殿(紺青)
濃青色沈殿(ターンブルー青)
褐色溶液
SCN-
水酸化鉄(Ⅲ)
血赤色溶液
2-
S
FeS 黒色
* K4[Fe(CN)6]
:ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸カリウム
K3[Fe(CN)6]
:ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム
KSCN:チオシアン酸カリウム *
コバルト Co
性質:① 灰白色の金属
② 酸に溶けて( 赤色 )がかったコバルト(Ⅱ)イオンを生じる。
Co + 2HCl → CoCl2 +
H2
③ 塩化コバルト6水和物( CoCl2・6H2O )
:( 赤 )色の結晶
加熱すると水和水を失い( 青 )色になる。
乾燥剤の( 乾燥度の測定 )に利用
④ コバルトと鉄の合金:
( 強磁性体、高速度鋼や磁性合金 )
ニッケル Ni
性質:① 強い( 磁 )性をもつ金属
② 酸に溶けて( 緑 )色のニッケルイオンを生じる。
Ni + 2HCl → NiCl2 +
③
H2
いろいろな金属と合金を作る。 白銅(薬きょうの材料)、ステンレス、ニクロム
錯イオン
錯イオン:金属イオンがそれを中心としていくつかの分子やイオンと( 配位 )結合して形成されたイオン
を( 錯イオン )という。
( 錯イオン )を含む塩を( 錯塩 )という。
配位子 :中心の金属イオンと配位結合することができる(
非共有電子対 )を持つ分子、またはイオンを
( 配位子 )という。金属イオンと結合することができる(
配位子 )の数を( 配位数 )
という。
イオン
Ag
+
配位数
2
錯イオンの形
直線形
化学式
名称
色
[Ag(NH3)2]
ジアンミン銀(Ⅰ)イオン
無色
[Ag(S2O3)2]3-
ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオン
無色
+
Zn2+
4
正四面体形
[Zn(NH3)4]2+
テトラアンミン亜鉛(Ⅱ)イオン
無色
Cu2+
4
正方形
[Cu(NH3)4]2+
テトラアンミン銅(Ⅱ)イオン
深青色
Fe2+
6
正八面体形
[Fe(CN)6]4-
ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸イオン
淡黄色
正八面体形
3-
ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸イオン
黄色
Fe
3+
6
[Fe(CN)6]
*配位結合:結合する2原子の一方の原子のみから電子対を提供されることによって形成される化学結合
共有結合の一種である。アンモニアNH3の窒素原子Nが非共有電子対を水素イオンに供与し
アンモニウムイオンNH4+が生成するのがその例である。生成した窒素-水素間の配位結合を
H3N→Hのように矢印で表すが、アンモニア分子内のN-Hの共有結合とは区別できない。*